2009年6月26日金曜日

カイヴァリヤダーマ研究所:ディプロマ(D.Y.Ed.)コース2008-9

インド・ヨーガ留学の総括レポート
カイヴァリヤダーマ研究所付属カレッジ・ディプロマ・コース(D.Y.Ed.)
期間:2008年7月-2009年4月(1学年)



以下は、付属カレッジの2008-9年度のディプロマ・コース(D.Y.Ed.)にインド・ヨーガ留学されたK.M.さん・A.M.さんの総括レポートです。

maekawa


フィードバックの項目


K.M.さん・A.M.さんには、次の項目で『カイヴァリヤダーマ研究所』のディプロマ・コース(D.Y.Ed.)への留学経験をフィードバックして頂きました。

1)プロフィール
①ヨーガ歴、ヨーガとの関わり、ヨーガへの興味
②留学前にされていたこと(仕事etc.)、今までにされて来たこと
③特に関心の深いこと、特技、趣味やライフワーク

2)カイヴァリヤダーマ研究所について
①『カイヴァリヤダーマ』の環境と施設
②学生寮/ダイニング・ホール
③付属カレッジの講師陣について
④他の学生について(インド人・外国人)
⑤キャンパス・ライフ全般

3)修了試験・理論編
①パータンジャリ・ヨーガ・スートラ(P.Y.S.)の基礎
②ハタ・ヨーガの基礎
③ヨーガと文化の統合・価値教育
④人体の構造・機能とヨーガの実習の効果
⑤ヨーガとメンタル・ヘルス

4)修了試験・実技編
・実技試験の内容と手順

5)教育実習(ティーチング・レッスン)
・教育実習の内容と手順

6)総括編
①『カイヴァリヤダーマ』のD.Y.Ed.コースに留学する価値はあったか
②ロナウラの総合的な学習環境はどうであったか
③どういう人がロナウラでの勉強に適しているか
④今後の進路・展望

留学ブログとウエブ・アルバム

K.M.さんとA.M.さんのブログとウエブ・アルバムに、留学が進行中の現地レポートと大量の画像がありますので、そちらもご参照下さい。

『インドにヨーガ留学する夫婦のブログ』
http://ajayoga.seesaa.net/
アルバム:インド留学記
http://picasaweb.google.co.jp/kbkmichael/oQrVsC
アルバム:インド留学記2
http://picasaweb.google.co.jp/kbkmichael/2?feat=embedwebsite
アルバム:卒業旅行
http://picasaweb.google.co.jp/kbkmichael/KRFps?feat=embedwebsite



☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

『カイヴァリヤダーマ研究所・付属カレッジ』
ディプロマ・コース(D.Y.Ed.)
総括レポート:
K.M.さん・A.M.さん(東京在住)


■ K.M.

1)プロフィール


①ヨーガ歴、ヨーガとの関わり、ヨーガへの興味

ヨーガ歴・・・0年。まったくの素人。
ヨーガとの関わり・・・
妻がアーサナの先生をしており、2年前に新婚旅行を兼ねて相方先生の1週間ワークショップに参加したのがはじまり。
ヨーガへの興味・・・相方先生のワークショップに参加し、もっと深く知りたいと思った。


②留学前にされていたこと(仕事etc.)、今までにされて来たこと

大学卒業後、商社系の会社に7年間勤務。


③特に関心の深いこと、特技、趣味やライフワーク

<特技、趣味>
特技:サッカー・フットサル・デザイン
趣味:サイクリング・スケートボード

<ライフワーク>
フットサルFリーグのチーム「バルドラール浦安」のサポーター


■ A.M.

1)プロフィール

①ヨーガ歴、ヨーガとの関わり、ヨーガへの興味

ヨーガ歴・・・約5年
ヨーガとの関わり・・・1年前まで都内スタジオにてインストラクターとしてクラスを担当
ヨーガへの興味・・・
ヨーガ根本経典の生活への応用


②留学前にされていたこと(仕事etc.)、今までにされて来たこと

アーサナ・インストラクター、プロラボ営業、イベンター、アパレル事務等


③特に関心の深いこと、特技、趣味やライフワーク

<特技、趣味>
特技:バトントワリング
趣味:4輪レース観戦

<ライフワーク>
整理整頓



2)カイヴァリヤダーマ研究所について

①『カイヴァリヤダーマ』の環境と施設

基本的にコース中は日曜以外学校から出られません。ゲートで、守衛さんが学生の出入りを監視しています。学生は、外出するとき先生に許可をもらいます。

夜中は、構内をガードマンが巡回しています。構内にいる人間も犬も安心して生活しているようでした。構内には、教授やスタッフの家もあり、夕方になると、子供達の遊び声が聞こえて賑やかです。一緒にサッカーをすることもありました。

6年ほど前から敷地内を高速道路が横切っているので、車の音が聞こえます。部屋によっては、とてもうるさいようです。

昼間は、カイヴァリヤダーマが飼育している牛が放たれて、部屋の近くまで草を食べにきます。

Diplomaの学生が主に利用する施設は、図書館・教室・アーサナホール・食堂です。


図書館:
司書が男女一名ずついて、探している図書は司書に頼むとすぐに見つけてくれます。コピー機があって、1枚1ルピーです。図書館には、インターネットに接続されているパソコンが4台あります。


教室:
いつもうす暗く、蚊が多くいました。天井ファンを回すか回さないかで、よくインド人と外国人で言い合っていました。

机といすは一体型で、女子にはちょっと高いです。多くの女子学生は椅子の上で胡坐をかいて授業に参加していました。


アーサナ・ホール:
男女別々です。男子はサラスワティ・ホール、女子は何回か移動しましたが、最終的にアーサナ・ホールBに落ち着きました。

サラスワティ・ホールはイベント事にも使用される、図書館の上3階にある静かで広い場所です。女子学生は、全部で18人居ましたが、ジャスト・サイズのホールでした。


②学生寮
インド人学生寮:二人一部屋、バストイレ共同、男女にそれぞれ寮長がいます。
外国人学生寮 : 希望にあわせて二人一部屋 or 一人部屋、バストイレ付

私達は「Soham Kutir」に滞在。ベット、机、椅子、バケツ、物干し台、ロッカーが完備されています。スタッフが、1週間に1回シーツの交換に来ます。台所と洗面所、ベットと机がある部屋があって、充分な広さです。


③付属カレッジの講師陣について

全てインド人で、外国人講師は居ません。特別講義で、何人かの外国人講師の講義はありました。Anatomy(解剖学)の先生は、病院施設のドクター、その方以外は、大学に所属している研究職です。


④他の学生について(インド人・外国人)

集合写真がDiplomaコースのトップページにあります。
http://www.kdham.com/coll_dip.html

インド人35名
特徴
・アーユルヴェーダ・ドクター・・・1名
・ホメオパシー・ドクター・・・1名
・キリスト教の牧師さん・・・1名
・学生アーサナ・チャンピオン・・・1名
・元システム・エンジニア・・・3名(どの国もシステム・エンジニアは病んでいる模様)
・半数は北インド人。


外国人9名
・日本人2、韓国3、中国1、フランス1、オーストリア1、ブルガリア1
・ここに来る前は、皆職に就いていた人たち。
・前職: ヨーガの先生、農夫、語学教師、フライト・アテンダント、
・NGOスタッフ、システムエンジニア、小学校の先生

合計44名


⑤キャンパス・ライフ全般

インド人学生と外国人留学生は、学費が違います
(HP参照:
http://www.kdham.com/coll_dip_fees.html)。
食事場所と宿泊場所が違います。

<インド人>
学費:Rs.29,000(約58,000円)
宿泊場所:ボーイズ・ホステル、ガールズ・ホステル
食事:インド人食堂

<外国人>
学費・宿泊費込:
風呂トイレ共同$4,300(約41万円)
風呂トイレ付 $5,300(約50万円)
食事:ホスピタルの食堂

学生は色々な地域から来ているので、学生主催でそれぞれの故郷のお祭りを皆で祝いました。自分が誕生日の時は、食事の時間にみんなにお菓子を振る舞います。特に男子学生は、男子寮でそれぞれの誕生日を毎回ケーキで祝っていました。

今年から新しく音楽クラスがはじまって、週3回、夜のSatsangの時間に先生からレッスンを受けました。



3)修了試験・理論編

修了試験に出題された問題に対し、どういう答えを用意したかを一つずつ解説します。

(1)パータンジャリ・ヨーガ・スートラ(P.Y.S.)の基礎

・4つの質問全てに回答すること(2問のうち1問を選ぶ選択回答式)。
・全ての質問に関連するスートラを引用すること。

<準備>
「パタンジャリ・ヨーガ・スートラを読み込む」「講義をしっかり受ける」だけでは、答えられません。試験前に配付されたシラバスに沿って、隣の韓国人学生から過去問回答集のコピーをもらって準備しました。
まともにやっては、一番準備が大変な科目です。


Q1
① 「ヨーガは Sesvara サーンキヤである」このことを詳細に説明せよ or
② サーンキヤの二元論について説明せよ。

A1
サーンキヤ哲学の中に見出すヨーガの基本概念について記述。


Q2
① Cittavrttis を制限する手段について説明せよ or
② 心を邪魔する Antaraya について列挙し、その種類について説明せよ

A2
① 5つの Cittavrtti について説明し、それを制限する AstangaYoga について説明。
② 9つの Antaraya の名前と簡潔な例、その Antaraya に伴う心身機能の不調について記述。


Q3
① Klesa について、および Klesa の克服方法について説明せよ or
② Yama のコンセプトについて論ぜよ。Yama の実践がヨーガの実践者にとってどう手助けになるか

A3
① 5つの Klesa の種類と性質、それらの克服方法を5つ列挙。結論としてヨーガの目的達成には Klesa の克服が絶対条件であることを記述。

② 5つの Yama について説明。Yamaは、社会的価値を高め、実践者は、すべての状況下で実践可能。

Q4
① 以下の設問について簡潔に記述せよ
ⅰ) Bhavapratyaya yogi と Upapratyaya yogi
ⅱ) Sabija Samadhi と Nirbija Samadhi
ⅲ) Rtambhara prajna
ⅳ) Kriya ヨーガ
or

② 以下の設問について簡潔に回答せよ
ⅰ) heya, hetu, hana & hanopaya
ⅱ) Antaranga and Bahiranga ヨーガ
ⅲ) Cittabhumis
ⅳ) samapatti

A4

ⅰ)前世が Yogi とそうでない Yogi が居るが、同じ実践方法で Samadhi に到達できる。現世で Samadhi に到達できなかったら、来世に委ねる。

ⅱ) Sabija と Nirbija の Samadhi 2種類について違いと手順を説明。

ⅲ) Rtambhara prajna (識別知)に至る7段階を説明。

ⅳ) Kriya ヨーガ3種類(tapas、svadyaya、isvarapranidhana)について説明。


ⅰ)避けられる痛み、その原因、痛みの除去、除去方法

ⅱ)Astanga ヨーガにおいては、Yama、Niyama、Asana、Pranayama、Pratyahara が Bahiranga ヨーガと呼ばれ、Dharana、Dhyana、Samadhi が Antaranga ヨーガと呼ばれている。Bahiranga ヨーガは、振る舞いを制御するヨーガで、 Antaranga ヨーガは、内面のヨーガである。

ⅲ) 5つの cittabhumi (心の段階)とヨーガに適した段階について

ⅳ) samapatti の4つの段階と状態の説明



(2)ハタ・ヨーガの基礎

・4つの質問全てに回答すること。

<準備>
基本的には、Hathapradipika と Gheranda Samhita の教科書から出題されます。講義を元に、試験直前に配付されたシラバスに沿って、要点をまとめて試験に臨みました。二つの教科書以外から出題される内容は、事前に資料が配付されるので安心です。

Q1
① Hathapradipika の5章について説明せよ or
② Hatha ヨーガについての理解を、詳細に論ぜよ

A1
① Hathapradipika の5章は、ヨーガのセラピー的観点について書かれているのでそれを説明します。
② Hatha の言葉の意味、Prana samyama ヨーガについて、Hatha ヨーガの技法について等記述


Q2
① アーサナのコンセプトについておよび Hathapradipika に記述されている瞑想法に用いられるアーサナについてのエッセイを書け
or
② 洗浄プロセスについてエッセイを書け

A2
① 一般的なアーサナの理解、歴史的観点、定義、分類、Hathapradipika と Gheranda Samhita におけるアーサナについて

② 洗浄プロセスについての一般的定義と、Hathapradipika と Gheranda Samhita の違いを比較して記述する。Hathapradipika は7つのプロセスが記述され、体が浄化されれば練習する必要はなく、Gheranda Samhita は21のプロセスが記述され、Pranayama 前には必須と定義されている。


Q3
① Nadisuddhi について or
② 正しい Pranayama の方法について

A3
① Nadisuddhi とは、Ida と Pingala 左右の鼻腔を通して Nadi を浄化する方法。Hathapradipika と Gheranda Samhita それぞれの Nadisuddhi の種類と重要性を記述する。Nadisuddhi と Anuloma Viloma は、手法が似ているが概念が違う。Nadisuddhi は左右の概念、アヌローマ・ヴィローマは、吸気と呼気の概念である。

② Hathapradipika、Gheranda Samhita それぞれに記述されているPranayama 8種類の名称を記述し、その正しい手順と効果について記述する。


Q4
① Gheranda Samhita と Hathapradipika にはいくつの Mudra が記述されていているか。詳細に記述せよ
or
② Hathapradipika は何を Mudra として挙げられていますか? また、あなたは Mudra について何を知っていますか?記述せよ

A4
Mudra の一般的理解、Hathapradipika に記述されている Mudra10種の名称と目的、Gheranda Samhita における種類数と効果、Hatapradipika と Gheranda Samhita との共通点、Bandhaについて。



(3)ヨーガと文化の統合・価値教育

<準備>
基本的には、講義の時にテキストとして配付されたプリントから出題されます。講義を元に、試験直前に配付されたシラバスに沿って、要点をまとめて試験に臨みました。


Q1
① 文化を定義せよ。どのようにしてヨーガは文化の基盤になりえるか or
② インドの文化の特徴とは何か? どのようにしてヨーガは人道主義の基盤になるか?

A1
① 「文化」の要素は、①人の集合 ②継続的な存在 ③長年信じられてきた共通の価値の中で生活し働くことなどが挙げられる。特定の文化は、文化の①伝達 ②評価 ③変容 ④機能の4つの観点から知ることができる。ヨーガを上記の4つの観点から評価することで、ヨーガが文化の基盤になりえることを証明する。

② ヨーガが文化と人道主義の基盤になるためには、人道主義とは、人道主義3つのポイント、ガンディアン人道主義とは、人道主義とヨーガの共通点、文化とは、文化とヨーガの共通点について説明する。



Q2
① Shrimad Bhagavat Gita には Jnana ヨーガ と Karma ヨーガとBhakti ヨーガの統合がある。説明せよ。
or
② サーンキャ・ダルシャナの原則を説明せよ。サーンキャ・ダルシャナとヨーガ・ダルシャナの関係を列挙せよ。

A2
① Bhagavat Gita における人間・ヨーガ(行動&知識&献身の統合)について、Jnana ヨーガ・ Karma ヨーガ・ Bhakti ヨーガについて

② サーンキャとヨーガの共通点と相違点について説明する。Purusa と Prakrti の概念のサーンキャとヨーガでの相違点や、
サーンキャにはない新たな概念として、ヨーガには「 Isvara の原理」と「 citta の観念」がある、などを説明する。


Q3
① 簡潔に記述せよ。 a) ヨーガと仏教 b) ヨーガとキリスト教 or
② 「ヨーガとイスラム教」についてのエッセイを書け

A3
全ての宗教には、独自性があるが、必ずヨーガとの共通点がある。その共通点を通して、宗教の最も高い真実は一つであることを証明し、かつヨーガが理論的にも実践的にも全ての宗教の精神性の道に貢献することを説明する。


a) 仏教の教え(四諦・八正道・五薀)について、ヨーガとの共通点を説明する。
b) キリスト教(基本概念・説教・キリスト教ヨーガ)について、ヨーガとの相違点を説明する。

② 実践的な観点から、イスラム教の5つの柱と Kriya ヨーガとを比較する


Q4
① 価値の意味と分類を書け。価値のインド概念を説明せよ or
② 価値の発展の社会文化の基盤は何か?説明せよ

A4
① 価値には、知的、審美的、道徳的、精神的価値などがある。インドの価値の概念は、Purushartha、多様性の統一、真実の追求、寛容性の精神や非暴力の実践などに表れている。

② 価値とは、内面化とは、社会化とは、態度とは、価値の発展のための媒体について、ヨーガの価値教育への有用性等


Q5
① 価値教育は何を言おうとしているか?価値教育の狙いと目的について論ぜよ。
or
② 「ヨーガは価値教育の方法である」、これについて詳細に論ぜよ。

A5

価値教育とは、基本的な人間の生き方を学ぶ教育。価値の多様性を理解し、その価値を内面化し、社会性を持った振る舞いに活かすこと。ヨーガには、価値教育の方法として yama、niyama などの規律がある。



(4)人体の構造・機能とヨーガの実習の効果

<準備>
基本的には、講義に使われたパワーポイントから出題されます。講義を元に、試験直前に配付されたシラバスに沿って、要点をまとめて試験に臨みました。


Q1
① 消化器官の臓器の名称を記述せよ。消化器官の図を描け。食事に関して、「アーユルヴェーダ」と「ヨーガ」それぞれの概念を詳細に論ぜよ。
or
② 心臓の図を書け。心拍と血圧に影響する要因を述べよ。循環器におけるヨーガの練習の役割について述べよ。

A1

・アーユルヴェーダ・・・食べ物をVata、Pitta と Kapha という属性で捉える。
・ヨーガ・・・食べ物を Mitahara (質、量、心構え)という概念で捉える。

② 心臓の略図と名称、循環のメカニズム、心拍と血圧減少の9つの要因、心拍と血圧上昇の8つの要因、アーサナにおける循環器への影響等について述べる。



Q2
① 呼吸器の臓器の名称を記述せよ。肺の容量について述べよ。呼吸器における Kapalabhati と Pranayama の効果について論ぜよ。
or
② 脊椎の構造について述べよ。脊椎の重要性について記述せよ。脊椎における有益な効果をもたらすアーサナについて述べよ。

A2
① 呼吸器の略図と名称、呼吸筋、呼吸の段階、肺の容量について。Kapalabhati の効果は、痰等の動き、鼻粘膜からのゴミ除去、副鼻腔洞の清掃。Pranayama の効果は、Ujjay Pranayama を例に全ての胚葉の拡張、喉頭部の筋肉強化、甲状腺への循環向上等

② 脊椎の構造を説明し、アーサナで脊椎を前屈、後屈、側屈、伸展、回旋、バランスさせるアーサナを挙げる。脊椎をさまざまな方向に動かすアーサナによって、脊椎を健康に保つ。


Q3
① 1)Anuloma Viloma Pranayama と 2)アーサナの種類について簡単に説明せよ。
or
② Pranayama の種類について述べよ。Pranayama が体内のシステムに及ぼす影響について論ぜよ。

A3

1)Anuloma Viloma の生理学的、心理学的および精神的効果について簡単に説明する
2)アーサナが体にもたらす効果(ストレッチ、圧力、バランス、休息、耐久力、運動能力の向上)について説明

② ウジャイ・バストリカ・ブラーマリーの生理学的ポイントと特徴。Pranayama が人間に及ぼす効果(脳波、内分泌やストレスへの効果)について述べる。


Q4
① 1)Cakra と 2)Neti Kriya について簡単に説明せよ。
or
② 1)Kapalabhati と体への効果と、2)Panca Prana について簡単に説明せよ。

A4
① 1)2)Neti の種類、いつ行うのが良いか、神経への効果、脳への効果、治療的観点での効果、禁忌について説明


1)Kapalabhati 実習の手順、体内システムへのそれぞれの効果、禁忌等、
2)Prana、Samana、Vyana、Apana、Udanaの体内の位置や機能等



(5)ヨーガとメンタル・ヘルス

<準備>
基本的には、教科書から出題されます。講義を元に、試験直前に配付されたシラバスに沿って、要点をまとめて試験に臨みました。

※どの設問にも序論・本論・結論と項目を設けて解答しました。


Q1
① ヨーガと心理学を定義せよ。ヨーガと現代心理学の統合を焦点に論ぜよ。
or
② メンタル・ヘルスについて定義せよ。ヨーガの観点からトータルヘルスについてWHOの健康の定義を
参照しながら論ぜよ。

A1
① ヨーガと心理学を比較すると、それぞれに優位性がある。ヨーガと心理学を統合するには、心理学の指標によってフィードバックを得ながらヨーガを実践するのが望ましい。

② WHOは、「健康とは、身体的・精神的・社会的・霊的に健全な状態」であると定義している。「健康法」とは、予防医学である。「メンタルヘルス」とは、問題解決能力・正しい代案を選択する能力である。このWHOの定義とヨーガの健康の定義とを比較する。

ヨーガの定義する Total Health は、Panca Kosa でいう
Anandamaya Kosa を超越することであり、その段階に到達する方法はVivekakhyati である。


Q2
① Normality の概念と、「ヨーガの言う Normality の理想モデル」とを論ぜよ。
or
② 人格(Vyaktitva)についてインド的なアプローチから論ぜよ。インド思想にある「人格」理論について説明せよ。

A2
① 人格の西洋的概念(特徴・分類等)、人格のインド的概念、人格のヨーガ的概念(パンチャコーシャ・チッタブーミを用いて)


・心理学では、たとえばフロイトが人間の発達段階(ID、EGOとSUPER EGO)において、自分は正常に育ってきたといえる状態が Normality である。

・統計学では、母数の中で多数居る存在が Normality である。だから、ある国では Normal なのに違う国に行くと Abnormal であるということが起こりうる。

・ヨーガでは、何にも縛られない状態(Jeevan Mukta)が Normality の状態であると言える。


Q3
① ヨーガの方法では、コンフリクト(衝突)とフラストレーション(欲求不満)をどう扱うか。詳細に説明せよ。
or
② 「態度」の概念を説明せよ。ヨーガと心理学の方法を通じて「態度」はどう変わるのか。

A3
① 心理学的コンフリクトとフラストレーションの解釈。コンフリクトの種類・一般的原因・それらに対するヨーガ的救済策。フラストレーションの原因・反応・それに対する心理学的とヨーガ的救済策等。

②「態度+感情=振る舞い」である。心理学では、態度には大きく分けて3つのタイプ(認識的、感情的と振る舞い的)があると考えられている。ヨーガの方法で態度の変容を試みるには、
・熟考型にはJnana ヨーガ
・感情型にはBhakti ヨーガ
・行動型にはKarma ヨーガ
がふさわしい。


Q4
① ヨーガは「ストレス」を減らすのにとても有効である。論ぜよ。or
② Prayer(祈り)の概念と心理学的な有効性を説明せよ。

A4
①②
・Prayerとは何か(内面的友愛精神等)
・Prayerの原理(懇願ではなく自分の本来備わっている潜在能力を発揮させるもの等)
・Prayerの種類(請願・懺悔・祈祷・賛美等)
・Prayerの心理学(死への恐怖や知的好奇心から祈る傾向がある等)
・Prayerの方法(個人・集団)
・Prayerの有効性(建設的方向に思考が向く、嫌な事を忘れ、新しい事を受け入れる準備ができる等)



4)修了試験・実技編


・実技試験の内容と手順

1日がかりで行われます。朝7時から<クリヤ・プラーナーヤーマ・瞑想>の試験、夕方4時半から<アーサナ>試験の順です。普段練習している内容で試験をしますので、普段の練習をしっかりやっていれば問題ありません。


午前

<クリヤ>
・ダウティ(ヴァストラ、ダンダ)
・カパーラバーティ
・ナウリ・チャーラン or アグニサーラ

<プラーナーヤーマ>
・ウジャイー
・バストリカー
・シートカリー
・ブラマリー

<瞑想>
30分瞑想

午後

<アーサナ>
・シルシ・アーサナ
・サルヴァーンガ・アーサナ
・マツヤ・アーサナ(パドマ)
・ハラ・アーサナ
・ダヌラ・アーサナ
・アルダ・マッチェーンドラ・アーサナ
・パスチモッターナ
・スプタ・ヴァジュラ・アーサナ
・マユル・アーサナ(ハンサ・アーサナ)
・トリコーナ・アーサナ

オプション(どちらかを選びます)
・ウグラ・アーサナ or カルナピータ・アーサナ
・ククッタ・アーサナ or パダングシュタ・アーサナ
・パドマ・バカ・アーサナ or ワタヤナ・アーサナ
・アーカルナ・ダヌラ・アーサナ or エーカパーダ・スカンダ・アーサナ


5)教育実習(ティーチング・レッスン)
・教育実習の内容と手順

前期は、教育理論に関する講義があり、中間試験で筆記試験があります。
後期は、前期習った教育理論に基づき一人一人が実際に学生の前に立って教えます(全5回)。

5回のうち3回が実習スタイルで、2回が講義スタイルです。1人1テーマなので、周りの学生が教える内容もしっかり聞いてはじめて、自分の中で一連の練習プログラムが組み立てられる仕組みになっています。


大枠のテーマ

[実習スタイル]

1st アーサナ
2nd バンダ・ムドラー・クリヤ
3rd プラーナーヤーマ

[講義スタイル]

4th ヨーガ全般の理論・原理
5th ヨーガ・セラピー

・公平テーマ
1st ジャヌシルシアーサナ
2nd ジャランダラバンダ
3rd アヌローマヴィローマ
4th Class Management
5th 糖尿病とヨーガ

・明穂テーマ
1st パドマーサナ
2nd カパラバーディ
3rd スーリャベーダナ
4th Stress Management
5th 関節炎

持ち時間・・・25分
対象・・・Diplomaの学生。3rdの実習のみロナウラ大学の学生が対象でした。

<手順>
・出席確認
・プレイヤー
・前回の実習内容の確認
・今回の実習内容理論の説明(デモ)、規則、利点・制約、研究成果の紹介
・個人練習
・グループ練習
・質問・回答
・締め


6)総括編

①『カイヴァリヤダーマ』のD.Y.Ed.コースに留学する価値はあったか


ありました。

理由:
1.費用対効果が高いこと。

個人的に:
人生ではじめて哲学を学ぶ機会であり、人生における精神的修養の基礎となりました。

「現代人として、学生という立場で社会とかかわりながらヨーガを学び、ヨーガを体験する」、このことに意味がありました。

現在、私たちが置かれている状況に応じたヨーガの生かし方とは何か? を学べました。特に、『カイヴァリヤダーマ』は“社会とのかかわり”を忘れずに、冷静にヨーガ研究に取り組んでいるように感じます。


②ロナウラの総合的な学習環境はどうであったか

全寮制であること:
「ヨーガをいかに生活に取り入れるか」を学ぶのに、最適な手段であると思います。

カリキュラム:
良く練られたボリュームです。また、講義科目間の連携が相当良くて、同じ時期に同じ内容を違った講義で説明されるので、より理解が深まった、という経験を何度もしました(相方先生は「たまたま」と言っておられましたが)。

瞑想はあまり深くやりません。瞑想をはじめるのに必要なインストラクションが少しあります。基本的に瞑想は自主性に任されていて、講義ではヴィパサナー瞑想が薦められました。

図書館:
自習時間は、インドの学生が図書館でディスカッションしながら勉強しているので、うるさいので、自習場所としてはあまり利用しませんでした。

ただ、ヨーガ関連の図書の充実ぶりは圧倒的です。また、司書員の方が優秀なので、希望の図書がすぐに見つかります。講義内容には、頻繁に『ヨーガ MIMANSA(Kaivalyadhamaが出版するヨーガ専門研究論文誌)』が出てきます。図書館にも置いてあり、図書館のPCにもインストールされています。

過去80年分のデータがCD化されており、500ルピーで買えるので、買った方が何かと便利です。

インターネット環境:
「TATA Indicom」のUSBモデムは郊外のせいか接続があまり早くありませんでした。結局図書館のインターネットを利用しました。図書館にある4台のネットワーク端末のうち一台が多言語環境なので、日本語入力も可能です。

私たちは、許可を得てノートPCを図書館に持ち込み、直接学校のネットワークに接続していました。


教授:

【通常講義】

①パタンジャリヨーガスートラの基礎 - Sharma先生
サンスクリット語の研究者。歌が上手で入学式・ティーチャーズデイ等で皆に促され披露していました。

②ハタヨーガの基礎 - Sahay先生
以前は③ヨーガと文化の統合・価値教育の講義も担当したことがあるインテリ派で、ヨーガに関する根拠のない情報、邪道なものはバッサバッサと斬る姿が印象的でした。

③ヨーガと文化の統合・価値教育 - Bhode先生
毎日学内のインド人学生食堂で昼食をとる庶民派。毎回、具体例を挙げ、言葉では表現し難いニュアンスを情熱的に
教えてくださいました。

④人体の構造・機能とヨーガの実習の効果 - Bhalekar先生
敷地内にある病院施設のアーユルヴェーダ・ドクターで、病気をしたときもお世話になりました。すべての講義にパワーポイントの資料を準備していたので私達にとってはノートがとりやすい講義でした。

⑤ヨーガとメンタル・ヘルス - Bhogal校長
講義中、必ず冗談を5つは言いますが、笑っていいものか戸惑うぐらい緊張感のある講義でした。

⑥教育理論 - Ganguly先生
現在は定年を過ぎ無給で講義を担当されています。海外での講義経験も豊富なので、英語がとても聞き取りやすかったです。



【特別講義】

<主旨>
心理学者、医者、科学者など研究の第一線で活躍されている方々を呼んで講義をします。それぞれの専門分野で、ヨーガを応用されている方もあれば、全くヨーガと接点がない方もいました。

基本的には、それぞれの専門分野とヨーガとを比較して、ヨーガの優位性や限界を把握することと、ヨーガを通じて社会にどう貢献するかのアイディアを与えてくれました。


<所感>心理学専門のBHOGAL校長が、特別講義のほとんどをコーディネートしていたので、生理学と心理学の専門の方ばかりで偏っていました。

出来れば、
・実際にヨーガセンターでヨーガを教えている先生
・ヨーガの古典文献の研究をされている教授
・ヨーガを社会に普及しようと取り組んでいる政府関係者
の話も聞いてみたかったです。

一度だけ、新しい「Surya ヨーガ」なるものを提案する団体が来て特別講義を行いましたが、ひどいものでした。ヨーガの新しい価値を創造するために、「新しいヨーガを提案する」のではなく、伝統に忠実にヨーガを追求し、その先に新しい価値を見出す事の方が、より社会に訴えるものがあると実感しました。


【サット・サンガ(Satsang)の時間】

アーサナ後、夕飯前の1時間に設定されている時間を「Satsang(講話)」の時間と呼んでいたのですが、曜日によって、多様なプログラムが用意されていました。テストには関係ないこともあって、自由なディスカッションが行われ、より本質的で貴重な学びの時間でした。

インドの考え方を大いに学ぶことができました。私は、音楽クラスに参加し、タブラを習いました。

・瞑想の基礎
・英語の補習(最初の2か月)
・音楽クラス(11月から週3回)
・サーンキャ哲学の講義
・Satsang(講話)・・・哲学者、経済学者、宗教者、スワミジ


③どういう人がロナウラでの勉強に適しているか

<適している人>

基本、ヨーガ経験者かヨーガ素人かは関係ありません。逆に、ヨーガ経験者が以前に得た知識に囚われて、Kaivalyadhamaが提唱する基本概念をなかなか理解できない、という場面を多く見ました。

まじめにコツコツと知識を積み上げられる・目的意識が強い人:
9ヶ月はけっこう長いです。9ヶ月あれば、語学も十分に上達します。

私達夫婦も、語学に大変不安がありましたが、3月もあればだいぶ慣れます。しっかり目的意識・課題意識を持てれば何とかカバーできます。

包括的視点が持てる人:
勉強する場は、国際社会です。嫌でも日本対インド、日本対世界の視点を持つようになります。

ストレス解消法を持っている人:
日々の生活でストレスが溜まります。私は、たまにスタッフの子供らとサッカーをしたり、タブラの練習でストレス解消していました。ただ、ストレス解消法が無くても、コースが進むにつれ、自然とヨーガがストレス解消法になります。

私たちのように結婚したカップルは有利です。インド人は結婚したカップルを無条件に受け入れてくれます。

インドが好きな人:
9ヶ月ずっとインド食を食べていると飽きます。インド食・スパイスが大丈夫な人が向いています。


<適していない人>

適していない人と言うより、こんな性格・態度の同期の学生達はコース中大変苦労しているように見受けられました。

自我が強い人:
全寮制の集団生活なので、対人関係があまりうまくないときついかもしれません。Diplomaコースに参加するインド人は、とても社交性が高いです。

神秘主義な人:
ヨーガの神秘的な部分ばかり求めようとする人は、Kaivalyadhamaがより科学的にヨーガを捉えるので違和感を覚えることが多いようです。

根性がない人:
都会生活に慣れきっていると、面食らうことが多いです。季節関係なく蚊にさされるし、停電はしょっちゅうです。私は、アウトドア好きなこともあって無理なく過ごせました。

資格だけほしい人:
資格だけほしい人は、インド人にもたくさん居ました。そういう人は英語の上達も遅く、英語のみで進行する講義ではたくさん衝突を生みました。

日本には、Diplomaの卒業生が、その経験と知識を十分に生かせる場がないと思います。日本に帰ってきて、周囲の態度からも「Diplomaコースが考えるヨーガの先生像」と、「日本のヨーガ・インストラクター像」に大きな隔たりを感じました。



~私個人を例にとって~

<ロナウラでの勉強で気をつけた点>

ユニフォームはきっちり身だしなみをきっちりする:
後期になると、周囲はだらけてアーサナ用のユニフォームを講義にも着て来るようになるが、自分は自分、他人は他人と分けて初志貫徹。

日々の生活をきっちり夜更かしをしない、全ての講義に出席する:
後期になると教授陣が出席を取らなくなりますが、そんな事は気にしない。不満を言わないし、考えないと心がけていましたが、これがとても難しい。

インド人とより深く付き合う:
このコースの本質は、圧倒的に留学生よりインド人の方が理解しているので、彼らから教えてもらうことはとても多かったです。


<身体的なこと>

体が硬い正座できないところからはじめても、ついていける。

食事:肉や魚を食べなくても、人間は生きていけることを実体験で学べたのが良かった。

タバコ1年くらい前に止めていたので、問題なし。

酒もともとたくさん飲む生活ではなかったので、こちらも問題なし。


<知識的なこと>

ヨーガ素人:
逆に、何も知らなかったので、「こんなはずではない」という気持ちや混乱は生じなかった。

英語のハンディキャップ:
前期に英語クラスも用意されるし、9ヶ月あればカバー出来ます。

英語の論文が読めない:
読めるようになります。


<内面的なこと>

怒りっぽい:
インド人の寛容さを見習うようにしたら、少しずつ改善されました。

ボランティア精神がある:
さらにブラッシュアップされました。インド人にとってKarmaヨーガは重要で、とても歓迎されます。インド人には日本の大学生のように、「積極的に参加するヤツはウザい」というひねくれた感情が無く、むしろ積極的に参加する学生を歓迎するので、とても清々しく思います。


④今後の進路・展望

<K.M.>

・卒業後は、企業で働きなおしたいです。

Diplomaコースの卒業資格は、企業で働きなおすには、直接的に仕事につながる・有利になる資格ではありませんが、「大学生の時に学んできた分野」や「会社で学んできた分野」とは違う分野の知識を体系的に理解出来たことが、「自分が新しい仕事に挑戦するのに、十分適応していける」という自信につながりました。

ヨーガを仕事にするには、日本にヨーガの大学、学科がない現状では資格に相応の仕事は日本では保障されないので、現時点では考えにくいです。


・これからもヨーガの実践者であり続けたい。
ヨーガを、理論的・実践的にも正確に理解することができました。

願わくば、日本のヨーガ実践者やアーサナの先生が、もっとKaivalyaに来て学んでほしいです。そうすれば、日本でも、卒業生たちとのディスカッションで、知識がより深まります。


・個人的興味から
「ヨーガとデザイン」を研究テーマに活動したいと思います。当面は、文献を読んでアイディアを練ります。NGO団体が主催する学びの場で、「ヨーガとデザイン」をテーマに講義をするのが目標です。


<A.M.>

また以前と同じスタジオでクラスを担当することは、考えていません。

今は、Kaivalyadhamaで学んだ知識を深め、ヨーガに関しての研究がしてみたいです。ただ現在は、日本にそのような場所は存在していません。まずこの現状を少しずつ変えていけるよう行動していきたいです。

以上です。

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2009年6月19日金曜日

カイヴァリヤダーマ研究所:夏期6週間コース2009

ロナウラの『カイヴァリヤダーマ研究所』のトピックが続きます。 今年5月・6月の付属カレッジの夏期6週間コース(CCY)を受講された方の総括レポートです。
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インド留学で「ヨーガ」のステップ・アップ

今年5月・6月の夏期6週間コース(CCY)を受講されたのは
兵庫在住の「C.A.」さん(女性)です。
「C.A.」さんは薬学部出身の薬剤師の方で、ヨーガやインドの伝統医学のアーユルヴェーダに深い関心をお持ちです。5・6月の6週間コースを修了後、引き続き7月からは付属カレッジの1年間のディプロマ・コース(D.Y.Ed)に進学されます。
インド中央政府厚生省のAYUSH局の奨学金にも応募されており、審査を通過されると、7月からインド中央政府厚生省の奨学生としての留学になります。
インドへの短期・長期留学で、「ヨーガ」の勉強を深めたい方はどうぞ、お気軽にお問い合わせ下さい。的確なガイダンスと必要なサポートを提供させて頂きます。
『カイヴァリヤダーマ』のオフィスや付属カレッジとの調整や、ムンバイ空港到着後の出迎、車の手配、また、日本語ガイドなどの手配も可能です。

●ロナウラの伝統的ヨーガ
ロナウラの『カイヴァリヤダーマ研究所』で指導されている「ヨーガ」は、ヨーガの枠組みを決めている「パータンジャリ」の『ヨーガ・スートラ』と、中世の「ゴーラクシャナータ」系の「ナータ派」で発展した多種多様な「ハタ・ヨーガ」の技法の伝統に立脚しています。

そして、「ヨーガ」の伝統的なリソースに根拠を置きつつ、1920年代にインドで始まった近代的ヨーガ研究の発祥の地としての一貫性を保った合理的な理論とスタンダードな技法の体系が構築されています。

また、宗教色・ヒンドゥー教色のないニュートラルで学術的なヨーガとして、インドの教育・医療分野や政策レベルでも、ロナウラの理論と技法が、実質的なヨーガのスタンダードと見なされて来ました。

一見地味なメソッドですが、一度身に付けておくと、一生マイペースで続けて行けるシステムとして、心身の健康の維持・促進から、無理なく「プラーナーヤーマ(呼吸法)」から「瞑想法」へと進む基礎を築いてくれます。

「ヨーガ」のルーツはインドにあります。ヨーガに興味のある方は、何らかの形で「インド」との接点を持って行くことが有利になります。
その場合、ロナウラが最短コースとなると思われます。
日本でもロナウラでヨーガを勉強した人たちによる「ロナウラ・コミュニティー」が形成され、発展することが、日本のヨーガ全体のレベルと健康度のアップになると思います。

・6週間コース(CCY)


期間:6週間(年2回、冬期・夏期)
受講資格:高卒以上
定員:インド人65名+外国人
受講料(宿泊・食事込):外国人1000ドル

コースの目的:
ベーシックで体系的なヨーガの理論と実習を紹介

・上級4週間コース(ATTC)


期間:4週間(3月15日ー4月15日)
受講資格:ヨーガ教師歴2年以上
定員:20名(インド人+外国人)
申込締切:3月6日
受講料(宿泊・食事込):外国人1500ドル

コースの目的:
ある期間ヨーガの指導歴のある方が伝統的ヨーガの枠組みをより深く把握し、ヨーガの知識と自信を深めるためのコース。

・ディプロマ・コース(D.Y.Ed.)

修業期間:1学年(7月16日開講、翌年4月20日まで)
入学資格:大卒(理系・文系学部を問わず、卒業成績45%以上)
年齢制限:35歳まで(外国人は年齢制限なし)
申込締切:5月末
授業料(宿泊・食事込):留学生4250ドル

コースの目的:
将来ヨーガの専門家・研究者となるための基礎を提供するコース。


『カイヴァリヤダーマ研究所・付属カレッジ』総括レポート: 「C.A.」さん(兵庫在住)
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1)場所と環境
①ロナウラという環境
安全な町という印象です。インドのホリデー・シーズンだったので、人がたくさん居ました。


②カイヴァリヤダーマ研究所の場所と施設

始めは施設の全体像(研究機関、教育機関、治療機関)が把握出来なかったため、書類の手続きに手こずりました。

③ゲスト・ルーム
「SOHAM KUTIR(ダブルルーム・バス・トイレ付)で過ごしました。1500ドル払えば、1人で使えるそうです。

ルームメイトはインド人でした。正確に言うと、オーストラリアの住民権を持つ、インド生まれの女性です。彼女はインド人ホステルが嫌だったため、外国人料金を選択をしたようです。

彼女が英語・ヒンディー語共に堪能だったため、おかげで、情報量が倍になった気がします。いろいろな情報(良い情報も、必要でない情報も)が聞け、楽しかったです。

④ダイニング・ホールでの食事

毎週同じメニューです。 インド人生徒、外国人生徒共に、口に合ったり、
合わなかったりしたようです。私の場合は、口に合いました(ですが、飽きた期間もあります!)。


⑤キャンパス内の生活


今回は人が多かったので、(生徒も、患者も両方共に)ざわざわしていました。人が多い分、もちろん良し悪しがありました。静かさを好むのであれば、1ー2月コースが良いかもしれません。

2)付属カレッジの授業について
①実習クラス
1日に約1つずつ、新しいアサナを学びました。良いペースでした。
クリヤは3日間しました。

②講義の内容
充実していると思います。。。
(聞き取りが不十分だったので、なんとも言えませんが。。。)

今回は英語が理解できない生徒がちらほら居ました。初日の講義は英語でした。ですがインド人生徒が抗議したため、4科目は英語・ヒンディー語、1科目(メンタル・ヘルス)は英語、ヒンディー語別々で行われました。

2週目からは、ライブラリー時間にも講義が入り、1日に5講義でした。しかし、生徒が 「図書館でテスト勉強する時間がない」と
抗議したため、ライブラリー時間は復活しました。代わりに夜8時半から頻繁に講義がありました。


③講師陣の印象

個人的にあまりお話しなかったので、 お答えできる事がないのですが。。。。

当たり前ですが、ほとんどの講師陣が生徒の事を気遣って下さっています。外国人に対しては、「インド人の英語は違うけど、聞き取れるか?」英語のわからないインド人学生に対しては、「先に英語で話してから、ヒンディーでも説明するので安心しなさい。」といった具合に。

先生と話をするチャンスはたくさんあるので、どんどん質問すればよいと思います。


④他の受講生(インド人・外国人)


78名(男女 各39名)、そのうち、5名が外国人でした。全員、女性。タイ、アルジェンチン、カザフスキタン、NYと日本からで、20歳から41歳。

インド人は、
約40人がphysical education(体育教育科?)学生 20歳前後。
約5人がヨーガ・セラピー科の生徒(どこのInstituteか忘れました。。)。
約5人(シッキム)は、同じホテルのマッサージ師で、会社から派遣。
5人が医者(アーユルベーダ、ホメオパシー、ナチュロパシー)

他はいろいろですが、physical education(体育教育)を大学で教えている
先生や、physicalセラピストなど、physical関係の人が多かったです。


⑤授業時間以外の過し方について
平日は講義がぎっしりだったので、空いた時間はリラックスしたり、復習・予習していました。他は、芝生でお茶をしたり、プージャに参加しました。スポーツをしていた生徒もいます。
生徒・患者共にわんさか居たので、話相手には困りません!部屋から一歩外に出れば、すぐ誰かに出会います。。。。

休日は、市場に行ったり、山に登ったり、プネーに行ったり、
他の学生の家に遊びに行ったり。
インド人も各地から来ている学生が多いので、近くの「シルディ(holy place)」 や、ロナワラ周辺の観光地ツアー等を組んでいました。もちろん一緒に行くことも出来ます!

私は、相方先生に紹介していただいた、ラトゥールさんやククジィと話をする事で、リフレッシュしていました!

3)修了試験・理論編

授業は、シラバスに沿って進められます。試験では、各科目2時間、4問選んで回答します。少し質問を載せておきます。
(ライブラリー時間に、図書館で過去問題がチェックできます)

①ヨーガと体育教育(Physical Education/Teaching Method)

<Teaching Method(教授法)>
Q1.What are the scientific principles that a teacher must know while teaching Yoga?(必須選択)
(ヨーガを指導する場合に教師が知っておかなければならない
科学的な原則は何か?)

Q2.Define ' Method ' What are the differences between ancient and modern way of teaching ?
(「教授法」とは何か定義せよ。古典的な教育と現代的な教育の違いは何か?)

<Physical Ed(体育教育)>

Q1.How do you define 'Exercise'? How do Yogic practices differ from Non Yogic Practice?(必須選択)

(「エクササイズ」をどのように定義するか?ヨーガ的訓練と他の非ヨーガ的訓練とはどのように違うか?)

Q2.Misconceptions disort the image of Yoga.Explain the statement by giving the sources of such misconceptions.

(「誤った理解がヨーガのイメージを歪めている」。この文章を誤った理解の原因を提示しながら説明せよ)。


スライドを使って授業が進められます。エクササイズやスポーツと、ヨーガとの比較等、授業内容はわかりやすいです。


②人体の構造と機能(Anatomy & Physiology)


SectionA と SectionB から各2問ずつ選択します。

SectionA

Q1.Explain the process of digestion. Enunciate the concept of diet according to Yoga, Ayurveda and modern medicine.
 
(消化のプロセスを解説せよ。ダイエットの概念について、
ヨーガとアーユルヴェーダと現代医学に従って明確に説明せよ)


SectionB


Q4.Name Shuddi Kriyas? Explain fully the process, types and importance of Dhauti Kriyas.
(シュッディ・クリヤの名称を挙げよ。ダウティ・クリヤのプロセスと種類、その重要性を説明せよ)


最終補習日に、テスト内容を全て教えて下さいました。スライドを使って授業が進められます。ですが、肝心のヨーガ観点からの話になると、怒涛のスピードで、口頭説明されます。

全てにおいて、"Why” "How" と質問がなげかけられます。

例えば、まず呼吸器メカニズムをスライドで説明します。その後、ヨーガ観点からの説明になります。

「カパールバーティをしたら呼吸数はどうなるか?」
「呼吸数が上がれば、身体はどう反応するか?」
「メンタル面はどうか?」
「では一体、カパルーバーティの効果は何か?」

生徒が、四方八方から答えを叫びます。そして再び"How” "Why” と質問が続きます。

③伝統的ヨーガ(Traditional Yoga)
Q1.Highlight the significance of 'Samyama' as described by Swami Charandasaji in his Astanga Yoga.

(スワーミー・チャランダースが彼の『アシュターンガ・ヨーガ』に
記述している「サンヤマ」の意義を強調せよ)
Q2.Write an essay on Yama or Niyama as described by Swami Charandasaji.

(スワーミー・チャランダースによって記述されているヤマとニヤマに
ついて小論を書くこと)


「スワーミー・チャランダース(Swami Charahdasa)」
によって書かれた『アシュターンガ・ヨーガ(Astanga Yoga)』がテキストです。翌日の講義テーマを教えて下さったので、その部分を事前に読んで、講義を聞きました。

④ヨーガと価値教育(Value Education)
Q1.What do you understand by Value ?
(価値観というものについて何を理解しているか?)


Q2.Explain : Classification of Values and Yoga.
(価値観とヨーガの分類について説明せよ)


ほとんどんの生徒が、「?」な授業です。話の内容はわかるのですが、何を言いたいのかわからない。。。

全ては"Value(価値観)”で説明できるのですから、いつも同じ事を言っているように聞こえました。。。

最後には、出席生徒が20人にも満たなかったです(先生は、とても熱意あふれる、優しい先生です。)


⑤ヨーガと心の健康(Mental Health)

Q1.Define yoga in Psychological terms. Explain briefly the five main criteria of Sprituality, propounded by Shankaracharya of Govardhan Peetha.

(ヨーガを心理学的な用語で定義せよ。
ゴーヴァルダン・ピータのシャンカラーチャリアによって提唱された5つの精神性の規準について簡潔に解説せよ)


Q2.Evaluate fully the 'Yogic Normality' in the context of the main models of Normality.

(「ヨーガ的な正常性」について、通常の「正常性」の規範の文脈で
十分に評価せよ)


最後の方の補習で、試験の質問3つを公表して下さいました。話の内容が高度なのと、英語が聞き取りにくいため、きちんと理解できたのは、最終日の講義だけでした。熱心な生徒は、英語・ヒンディーの両授業に参加していました。


4)修了試験・実技編
・実技試験の内容と手順

実技はそれほど問題ないと思います。試験前になると、テストと同じ順序でアーサナをしてくれ、注意事項も繰り返してくれます。

アーサナ以外に、カパールバーティ、ウジャイー、ウディヤーナ・バンダと
15分間の瞑想ポーズを行いました。


5)教育実習(ティーチング・レッスン)
・教育実習の内容と手順

1人1つのポーズがあらかじめ与えられます。それを、20分間で教えます。事前にレッスン・プラン(Lesson Plan)の紙が渡されるので、記入して、試験直前に提出します。

ガングリー先生の授業で、ティーチング方法の講義があります。それに沿って、Plan内容を考えました。はじまり、説明、デモストレーション、個人・グループ練習、終わりの各内容を決め、時間配分します。

生徒が多かった分、個性豊かなティーチングが見れました!日本で見ていたヨーガ・レッスンとは違い、「講義」といった内容が多く、面白かったです。

6)総括編


①『カイヴァリヤダーマ』の6週間コースを受講する価値はあったか


英語の聞き取りが不十分なため、講義内容は消化不良でした。現段階でのヨーガに対する知識では、相方先生と出会っていなければ、カイヴァリヤダーマの魅力を感じることができなかったと思います。


②ロナウラの総合的な学習環境はどうであったか

今回は人が多かったので、とてもざわざわしていました。


③6週間コースで消化したことはどう役立つか


D.Y.Ed.コースで役立つと信じています (笑)


④今後のヨーガに対する展望


ヨーガの古典文献に触れる機会が増えればいいなと思います。



滞在中、相方先生に「どうですか?サバイブしてますか?」と尋ねられました。はじめは、{サバイブ???}と思っていましたが、途中からこの言葉が理解出来ました。

講義に疲れるというより、システムや、生徒の熱気に閉口する事がしばしば。。。健康を害することなく6週間終えられて、良かったです。

少し前まで、「ヨーガを大学で勉強するなんて・・・」と思っていました。しかし6週間を終え、「ヨーガを勉強する」重要性、楽しさを感じました。知識は経験をサポートするし、経験は知識をサポートすると思います。

今回のコースでは少し"試験”という言葉に振り回されてしまったので、次の10か月は、もうちょっとのんびりと構えられたらいいなと思います。

この6週間、出発前からたくさんの人に支えていただきました。本当にありがとうございます。

もしコースのことで質問したい人がいれば、気軽にメール下さいね。

       
     
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


2009年6月6日土曜日

カイヴァリヤダーマ研究:上級4週間コース

ロナウラの『カイヴァリヤダーマ研究所』の話題です。今年3月・4月に付属カレッジの上級4週間コース(ATTC)を受講された、長野・穂高在住の「T.K.」さんの総括レポートです。

「T.K.」さんは長野・穂高にある『穂高養生園』のスタッフの方です。2006年にインドでの研修の一環として『カイヴァリヤダーマ』を訪問され、2007年に5・6月の6週間コース(CCY)を受講されました。

『ホリスティック・リトリート・穂高養生園』
http://www.yojoen.com

今回、ロナウラでのヨーガの勉強を継続されるために、次のステップとなる上級4週間コース(ATTC)を受講されました。


6週間コース(CCY)→上級4週間コース(ATTC)

上級4週間コース(ATTC)の受講資格は「ヨーガ教師歴2年以上」で、近代ヨーガのスタンダードである『カイヴァリヤダーマ』の理論と実習を
深めて学習する内容です。

インドで伝統的ヨーガを勉強する意図があっても、1年間のディプロマ・コースに参加するのが難しい方に有益なコースです。

6週間コース(CCY)修了後、1年か2年後に上級4週間コース(ATTC)を受講されれば、ロナウラの理論と実習の全体像が良く把握できます。

期間は4週間ですが、講義はヨーガの背景にあるインド哲学に、さらに踏み込む内容になります。特に、ヨーガの理論的理解に必要な「サーンキャ・ヨーガ」の体系が強調されるのが特徴です。

実習面ではプラーナーヤーマと瞑想法がフォーカスされます。また、ハタ・ヨーガの「クリヤー(浄化法)」では、「ヴァストラ・ダウティ」や「シャンカ・プラクシャラーナ」までカバーします。

人体の自律的な生理的メカニズムに、直接・間接的に作用することで、心身の統合レベルの向上を図るハタ・ヨーガの技法の本質について、体験的に洞察を深めるプログラムになっています。

ヨーガ歴の長い方がステップ・アップを図るには、適切なプログラムです。ロナウラ系の伝統的ヨーガの枠組みを把握して、ヨーガへの自信を
深めることが出来ます。

上級4週間コース(ATTC)を受講する前に、6週間コース(CCY)を受講することは必修ではありませんが、そうすることがベストです。あらかじめ
6週間コースの経験があると、上級4週間コースの学習から十分な
結果を引き出すことが出来るでしょう。

インドでのヨーガの勉強計画について関心ある方は、どうぞ、ご相談下さい。的確なガイダンスとサポートが可能です。

『カイヴァリヤダーマ』のオフィスや付属カレッジとの調整や、ムンバイ空港到着後の出迎、車の手配、また、日本語ガイドなどの手配も可能です。


『カイヴァリヤダーマ研究所』のコース

6週間コース(CCY)

期間:6週間(年2回、冬期・夏期)
受講資格:高卒以上
定員:インド人65名+外国人
受講料(宿泊・食事込):外国人1000ドル

コースの目的:
ベーシックで体系的なヨーガの理論と実習を紹介


上級4週間コース(ATTC)

期間:4週間(3月15日ー4月15日)
受講資格:ヨーガ教師歴2年以上
定員:20名(インド人+外国人)
申込締切:3月6日
受講料(宿泊・食事込):外国人1500ドル

コースの目的:
ある期間ヨーガ歴のある方が伝統的ヨーガの枠組みをより深く把握し、ヨーガへの自信を深めるためのコース。

【理論】
(1)ヨーガの心理学的な基礎
(2)ヨーガの伝統文献的な基礎
(3)ヨーガの解剖・生理学

【実習】
(1)アーサナ:クヴァラヤーナンダのシステム
(2)8つの伝統的プラーナーヤーマ
(3)バンダとムドラー
(4)クリアー
(5)マントラ

【瞑想法】


ディプロマ・コース(D.Y.Ed.)

修業期間:1学年(7月16日開講、翌年4月20日まで)
入学資格:大卒(理系・文系学部を問わず、卒業成績45%以上)
年齢制限:35歳まで(外国人は年齢制限なし)
申込締切:5月末
授業料(宿泊・食事込):留学生4250ドル

コースの目的:
将来ヨーガの専門家・研究者となるための基礎を提供するコース。


ヨーガ・セラピー・ディプロマ・コース(D.Y.T)

修業期間:2学年(8月15日開講、翌々年7月31日まで)
定員:20名(インド人+外国人)
入学資格:医学部・生命科学系学部・心理学部卒に加えてヨーガ教育・サーティフィケート・コース。「カイヴァリヤダーマ」のディプロマ(D.Y.Ed.)修了。
年齢制限:45歳まで
授業料(宿泊・食事込):留学生8800ドル(2年間)

コースの目的:  
インド中央政府厚生省AYUSH局によるヨーガのスタンダード化に
準拠し、医療の現場でヨーガを医療として応用する専門家を養成するコース。


『カイヴァリヤダーマ研究所・付属カレッジ』
上級4週間コースの総括
レポート:「T.K.」さん(長野・穂高在住)

今回 3月15日~4月15日までの約ひと月の間、『カイヴァリヤダーマ』の「Advance Teacher Training Course(ATTC)」に参加してきましたT.K.と申します。

このコースはまだ始まって3年目の、『カイヴァリヤダーマ』では比較的新しいコースなので、まだ日本人で受けたことのある人は、僕を含め2人しかいません。

ですので、今回受けてみて、このコースの感想と内容を簡単に説明し、シェアさせてもらいたいと思います。内容については、相方先生のくださったガイドラインに従って進めたいと思います。


1) プロフィール

僕は今、長野県安曇野市にある穂高養生園という施設で働いていて、ここではヨーガ担当として5年前からスタッフをしています。

養生園は代表の福田が24年前に既存の西洋、東洋医学の在り方に
疑問を感じ、人はどうすれば本当に自分の健康を取り戻し、維持することができるか、ということをみすえて、主に、体によい食事、適度な運動、リラックス、という3つの基本概念を軸として建てられた施設です。

毎年、健康や自然食にまつわる様々なワークショップが行われていて、その一環としてヨーガにも力を入れて、いくつかのワークショップが開かれています。

昨年は初めて相方先生によるワークショップも開かれました。普段はタイなどでしか受けられない相方先生のワークを日本でも受けられるとあって、とても人気が高く、参加者多数で大変好評のうちに幕を閉じました。

今年もまた来月6月にあります。今年のワークはどういった形になるのか今から楽しみです。

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2)カイヴァリヤダーマの場所と環境


カイヴァリヤダーマはロナウラという、ムンバイから車で3時間ほど内陸に入ったところに建てられています。ここは避暑地として知られていて、とても気候がよく、緑も豊かで、学校自体もよく整備されていて、ヨーガを学ぶにはとても快適な空間です。

校内には季節の花があちらこちらに咲いていて、自然な色とりどりの鳥などもよく目にします。

夜は星や月もよく見えて、夏にはホタルなども飛んでいるのを見かけました。水と空気が新鮮さを保っている証拠ですね。

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僕が今回滞在した期間は初夏といったところだったと思うのですが、毎日ほぼ天気続きで、日中はそれなりに高い気温になるのですが、
それでも暑すぎず、夜も冷えすぎずといった とても快適な期間でした。

部屋はVIPゲストルームという、3室もある冷蔵庫つきのコテージになぜか一人、といった境遇で、何の不便も感じず、むしろ広さと静けさの
うちに、とても快適に過ごすことができました。

食事は普段からベジタリアンをしているので、インド食にはなんの
抵抗も感じず、おいしく頂いていたのですが、料理の塩分量が少し多すぎたのか、途中でちょっとお腹をこわす日々が続きました。

おかずを少なくして ご飯の量を増やせば元に戻りました。お腹をこわすとお茶が飲みたくなるので、何かお湯を沸かせる機器が
あるといいなと思いました。


3)上級コースの授業について

僕はカイヴァリヤダーマの「Certificate Course in Yoga(CCY)」というコースを2年前に受けていて、ここでアカデミックともいえるヨーガの基本的な概念を教わりました。

今回のコースはこのCCYをベースとしているようなところがあって、CCYで教えられている内容はおおよそ理解されているであろう、という前提で授業が進められていました。

ですが実際、今回の受講生でKdhamのCCYを過去に受けたことのある生徒は僕一人で、中には以前になんのコースも受講したことがなく、ヨーガ・スートラというものを聞くのも始めて、という生徒もいて、
教える側の認識と、教わる側の現状にギャップがあり、うまく授業のやり取りがなされていない、まったく授業内容が理解できない、といった風に感じた生徒もいたようでした。

今回の受講生は僕を含め8人だけというごく少人数構成で、男性3、女性5、うちインド人1人、アメリカ人1人、フランス人1人、マカオ人2人 シンガポール人2人、と僕でした。

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このコースはすでにヨーガを教えているヨーガ講師対象のコースで、
受講する前は英語力・理解力ともに、とても高い人たちが来ていて、ついていけないのではないか、という不安も実は少しあったのですが、

だいたい、ヨーガを教え始めて2・3年の、「かけだしの先生」という生徒が多く、英語もネイティブな生徒はアメリカ人の一人だけで、心配したような格差はそれほど感じず、なんとか授業にもついていくことができました。

講義の科目は9つで、内容はCCYとほぼ同じことを話しているような科目も2・3ありましたが、CCYではほとんど手をつけない「Patanjyali Yoga Sutra」や「Hathapradipiika」「Geranda Smhita」といった根本経典を学ぶ科もあり、今まで難解と思っていて、手をつけづらかった部分にも理解が進み、スートラを読むのが楽しくなりました。

また解剖、生理学なども、基本的な仕組みを習うにとどまらず、
もう一歩踏み込んで、その身体の仕組みがヨーガをすることによってどう変化するか、というところまで迫っていって、今自分たちのしているヨーガが肉体的、精神的な側面で心身に作用している背景も深く知ることができ、全体的にとても内容の充実したカリキュラムになっていたと思います。

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実習ではハタヨーガのクリヤ、アーサナ、呼吸法、瞑想法を習いました。どれも中級以上の内容だったので、初級好きな自分にとっては、実際
始めのうちはこなしていくのが結構きついと思える部分もありましたが、日を追うごとに それらを受け止める自分に変化が起こって、最終的には今まで超えられなかった壁がひとつのり越えられたような、大きな変化がみられました。

ハタ・ヨーガの本質的な部分に一歩、押し近づけられた思いです。
もちろんそれは今でも維持されていて、日々のヨーガの実践に役立っていて、改めて今回のこのコースを思い切って受けてみて、本当に良かったなと思います。

ひと月という期間とても忙しくて、あっという間に過ぎ去ってしまいましたが、内容の深い集中されたヨーガ三昧の日々は、私にとってこれからも重要な日々として記憶されていくと思います。

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もし今までにCCYもしくは何かしらのヨーガのコースを受けていて、それをさらに深めたい、と考えている方は、このコースの受講を検討されてみてはいかがでしょうか。

期間、内容、集中度、色々な意味で、とても充実した内容になっていると思います。ヨーガを学ぶ上でCCYとATTCを受けていれば、正しいと言えるヨーガの道を大きく外れることなく学んでいけると思います。

あとはそれをゆっくりと時間をかけて、自分自身で深めていくのがいいかと思います。

インドという国にはヨーガに限らず、膨大な数の「教え」があります。またその教えの一つ一つがどれもとても広く、深く、一歩道を踏み誤ってしまうと、大変な遠回りをしてしまう可能性があります。

もちろん見方によっては遠回りも意味あるものだとは思うのですが、できれば迷わず快適に目的地へ向かえれば、より有効に限られた
時間を使えますよね。

カイヴァリヤダーマは、脚色や宗教感を極力おさえ、できるだけ
根源に基づいたヨーガを学ぶことができる、という意味において、価値ある「教え」を「遠回り」せず学べる、環境の整った数少ない貴重な場だと思います。

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最後になりましたが、今回 このコースを受けるにあたって、なんどもお力添えをいただきました相方先生、ほんとうにありがとうございました。深く感謝します。また日本でお会いできるのを楽しみにしています。

長くなってしまって恐縮ですが、以上で今回のレポートを終わります。少しでも どなたかの参考になればと思います。

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T.K.

 


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2009年6月3日水曜日

タイ・ヨーガ研究所2009(1)

6月に入りましたが、みなさん、お元気でお過ごしでしょうか。日本も次は「梅雨入り」でしょうが、こちらは、みなさんより一足早く雨季入りしています。

1)バンコクに移動しました

先週5月29日(金)に、バンコクに移動して来ました。12月まで、今年のバンコクでの「仕事期間」が始まりました。

バンコクに来てみると、今年はこちらは雨が始まるのが早かったようで、もう、すっかり雨季です。雲が低いです。バンコクの街は水の中です。

乾燥したプネーから湿度の高いバンコクへ来ると、からだが水分を吸うようで、どうしても、からだが重く感じます。順応するのにしばらく時間がかかります。

皮膚の状態が変わり、鼻の状態が変わります。環境が大きく変わると、適応に2・3日は必要ですね。適応期間中は食事に注意し、休息も十分に取るように心がけています。

オフィスの新メンバー

『タイ・ヨーガ研究所(TYI)』の新オフィスはバンコク新空港に比較的近いラームカンヘン通りにあります。渋滞がなければ空港から車で20分の距離です。

2004年に設立された『タイ・ヨーガ研究所』は、昨年6月に今の場所に移転して来ました。新オフィス体制も1年になり、新しいメンバーが加わっていました。

クレ君です。昨年から勤務しているスタッフのマチマーの相棒です。生後3ヶ月のイングリッシュ・コッカー君です。顔が長く、耳も長く垂れ、尻尾がおまけのように短いですね。おとなしく、落ち着いた気性のようです。

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『タイ・ヨーガ研究所』は、ディレクターのカヴィー氏を入れて、

現在常勤スタッフが5名+1匹の体制です。クレ君も毎日出勤しています。それに、メイドさんがひとり。オフィスの5軒隣にあるカヴィー家付きのメイドさんですが、わたしたちが滞在期間中はわたしたちの食事や身の回りの世話も担当します。

あと、非常勤・ボランティアー・スタッフが30-40名くらいでしょうか。母体のMCB財団は中堅どころの財団ですが、そのヨーガ部門であるうちの『タイ・ヨーガ研究所』は、タイのNGOオフィスとしてよくあるような、一般的な規模です。

バンコクに来られる方は、どうぞ新オフィスの方にもお立ち寄り下さい。歓迎いたします。クレ君もみなさんを歓迎します。

「インスティチュート」

英語の「インスティチュート(Institute)」という言葉は、辞書的には
「【名】研究所、研究を目的とした協会、機関、学会」
という意味ですが、日本語で「研究所」と直訳すると、やや固い意味に
聞えますね。

しかし、実際には、「インスティチュート」にはかなり広い意味があり、 様々な規模の施設や団体に広範囲に使われています。

例えば、インドでは、ヨーガの分野でも、大まかに言って、
・宗教施設は「アシュラム」
・そうでない施設は「インスティチュート」
という使い分けがあります。

使い分けの傾向としては、
「アシュラム」は、特定の宗教的信条や主義を実践する、やや閉じた場、
「インスティチュート」は、客観性のある知識を扱う、社会に開かれた場、
という違いでしょうか。

また、
「アシュラム」は伝統色が強く、非公式的な知識の伝達が重要視され、
「インスティチュート」は近代色が強く、一定のカリキュラムに従った
公式的な知識の伝達に比重が置かれる、という性格があります。

ロナウラの『カイヴァリヤダーマ研究所』や『ロナウラ・ヨーガ研究所』は英語ではそれぞれ、「Kaivalyadhama Yoga Institute」「Lonavla Yoga Institute」です。

また、プネーにあるB.K.S.アイアンガー氏の自宅兼道場は、通称『アイアンガー・インスティチュート(Iyengar Institute)』です(正式名称はやや長いのですが)。

あと、「アカデミー(Academy)」という用語も、インドでも良く用いられます(例:Vipassana International Academy)。

これも、「インスティチュート(Institute)」と同様な使われ方をしています。仮に扱う主題は伝統的なものとしても、取り扱い方は近代的、というアプローチが「アカデミー」と称する施設の傾向です。

ヨーガのように、本来、個人の主観的体験に基づいた伝承的・伝統的な知識も、現代社会ではスタンダード化され、インスティチュート化して行くのが大局的な方向性です。

インドでは、形態は伝統的な「アシュラム」でも、教授面や運営は近代的な「インスティチュート」という組織が、総合的に良い結果を出しているように見えます。そのような施設では、伝統的で非公式的な教育と、近代的で公式的な教育の両方が、バランス良く行われるからでしょう(例えば、ロナウラの『カイヴァリヤダーマ』はそういう場所でしょうか)。

タイのお家騒動も一段落

ここ3年余り続いているタイの「お家騒動」も一段落しています。タイの国内政治も新しい方向に動いていて、興味深い展開ですね。先行不透明感はありますが、当面は「非常事態宣言」とか「クーデター」とかの強引な方向には、もう行かない模様です。

29日の朝バンコク空港に降り立ったときに、もとの「タイ」らしい雰囲気に戻っているように感じました。

昨年12月にインドに帰るときには、市民運動のクライマックスとなった空港占拠・閉鎖から日が浅かったので、かなりの緊張感が残っていました。

(また、わたしたちはインド滞在中でしたが、4月始めにも、もうひとつの市民運動のクライマックスがあり、「非常事態宣言」が出ましたが)。

タイの人たちは、日常の気質的には穏やかなのですか、政治的には過去激しい政治闘争を繰り返して来ている歴史があります。

1970年以降、日本では政治闘争としての「激しい市民運動」という社会現象が消滅しているので、そのあたりの感覚が分り難くなっていると思います(政治に「温度」があるのは、ある意味羨ましいことにも思えますが)。

インドも先月、5年に1回の総選挙が終わりました。日本にも報道されていると思いますが、選挙の結果は、またまた事前の予想を覆すもので、インドの「摩訶不思議」性が思う存分発揮された展開でした(この件も、別の機会にコメントしたいと思います)。

タイやインドのような、まだまだ途上国の民主主義には、実際に国家を動かしている中間層・知識層の意向が現実政治に十分反映されない、という構造的な問題があります。国民の大半が中間層である日本のような先進国では近代的民主主義は円滑に機能しても、中間層が人口の10-20%である途上国では、どうもむつかしいようです。

民主主義では、政府の仕組みを良く理解し、政治意識の高い都市の中間層も選挙で行使できる投票権は1人1票。特に政治意識が高くなく、お金で票を買い集める金権政治家に依存されている地方の農民層も、選挙では同じく1人1票。

ここ数年のタイの国内政治問題には、この近代民主主義の矛盾が根底にあります。お金のある陣営が地方の貧困層の票を直接・間接に取り込むことで、「合法的」に権力の独占を謀った、という展開です。

(もちろん、かんたんには図式化できない複雑な背景と、それぞれの陣営の思惑の交錯がありますが)。

そして、その流れに抵抗して形成されたのは、現在の政治のあり方をより中間層・知識層の意向が反映される形態に変革するべきである、と主張する勢力で、そのグループが、ここ3年余り街頭での激しいデモ活動や、政府庁舎や空港の占拠といった政治活動を主導して来ました。

(具体的には国会議員の一部を指名制にして、私欲のない有識者が選挙で選ばれなくても政策運営に参加出来る制度にする etc.)。

この勢力が、この度「新政党」を結成することを決定、次の総選挙に出る、という展開です。街頭のデモ活動から、国会での政治闘争に移ろうという局面です。これはバンコクの中間層に歓迎されています。始めて自分たち意向を代弁する政治勢力を国会に持つ、ということで。

この政党は、党員のメンバーシップによる「会費制」で運営される方針です。タイにも「インターネット」を通じた「政治変革」の動きが出て来たという現象でしょう。もちろん、現実的には、成功するかどうかの先行きは不透明なのですが、そこには「変革」への意志と希望があります。

都会の中間層・サラリーマン層は、グローバル化でますます激化する競争の中で、日々のストレスで青息吐息で経済社会を維持しているわけですから、田舎の貧困層の票をカネで買い占めて権力を独占し、私利私欲に走る政治家には、ほんとうに頭にきています。

良く言われることですが、タイの人々には独特の政治感覚・バランス感覚があるようです。全体の利益を考える、というセンスがあります。これは日本人に近い感覚と思われます(全体の利益を考える、というセンスは、インドにはないようですね....)。

バンコクの日本化

さて、今回バンコクに着いて驚いたことは、「日本化が進んでいる」ことです。うちの使っている携帯電話(DTACという会社)のサービスも、タイ語・英語に加えて日本語サービスが加わりました。驚きです。

町を歩いても、目に入る日本語が増えている気がします。消費文化やポップ・カルチャーのモデルは「日本」です。

中国の台頭により、タイ社会にも「中国化」の波が押し寄せて来ていますが、ビジネス的には中国の影響力が強まって行くのは必然としても、今の「共産中国」には文化的な影響力はないですね。むしろ、文化的には嫌われている....

だから、「中国化」よりも、意外に「日本化」なのかもしれない。これも、大局的な、タイ的バランス感覚、かも知れないですね。さらに、決して「コーリア」ではないようです。タイの人々は韓国のことを何とも思っていませんね。韓国は日本のような羨望の対象にはならない。

大局的な動向、というは、どうも、そのあたりではないでしょうか。やはり、タイと日本の交流・相互理解は、長期的で総合的なリターンが大きいでしょう。タイと日本は抵抗少なく混ざり合うと思います。わたしたち日本人が、タイの文化や社会に触れたり、タイの友人を持つことは、自分の人生に大いにプラスに作用することに思えます。


2)来週から日本

来週から日本への「出張」があります。6月15日(月)から25日(木)の期間に、長野の穂高にある『穂高養生園』というリトリート施設で、合宿セミナーを3つ実施します。

昨年は延べ40名余りの方の参加がありましたが、今年は延べ60名近い方が参加される予定です。 

また、今年の日本での合宿セミナーの結果を見て、今後、日本で1ヶ月間程度の学習コースの実施が可能かどうか、考察してみるつもりです。

韓国組の台頭

ときどき話題として取り上げていますが、ヨーガに関しては、韓国はますます成長していますね。これは、ロナウラの『カイヴァリヤダーマ』で勉強した韓国組の人数のボリュームが支えている現象です。

付属カレッジの1年間のディプロマ・コース(D.Y.Ed.)の卒業生は過去12年間で30名を超える勢いです。6週間コース(CCY)の修了生は、その倍以上でしょう。

また、今年から『カイヴァリヤダーマ』では、韓国人対象の4週間コースが別枠で運営されています。2月に第1回目のコースが実施され、6月にも第2回目のコースが実施されます。

タイ人には伝統的ヨーガへの強い親和性があるのですが、別な意味で、韓国人にも伝統的ヨーガへの志向性があるようです。ヨーガで接する韓国の友人からは、「自分の人生に向き合う」というストレートな真剣さを感じます。そういった真摯な志向性が韓国組を伝統的ヨーガに駆り立てるようです。

もちろん、日本人には日本人としての「伝統的ヨーガ」に対する
親和性があるように思えます。ただ、それがより具体的な形を取って行くには、ロナウラで勉強する日本組が増え、ロナウラに蓄積されている伝統的ヨーガのリソースが日本にも紹介され、消化されて行くことが必要であり、最短コースになると思われます。

少なくとも、日本組も韓国組と同じように、『カイヴァリヤダーマ』で別枠で日本人向け4週間コースを組める体制くらいは必要と思います。


3)8月・9月のタイでの合宿セミナー

これもお知らせしていますが、8月と9月に次の日程で日本の方を対象とした、恒例のバンコク郊外のリトリート・センターでの『タイ・ヨーガ研究所』企画のヨーガ合宿セミナーが予定されています。

○8月15日(土)・19日(水)_4泊5日:『ワンサニット・アシュラム』
○9月19日(土)・23日(水)_4泊5日:『パナ・ソム』

興味のある方は、どうぞお問い合わせ下さい。
南国のタイ環境での、有益で、有意義なヨーガの学習体験となると思います。

また、11月に『ワンサニット・アシュラム』で予定されている10日間の専門コースの方は、すでに定員に達しています(「空席待」の予約はお受けします)。



(この項続く)

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