インド・ヨーガ留学の総括レポート
カイヴァリヤダーマ研究所付属カレッジ・ディプロマ・コース(DYEd)
期間:2010年7月-2011年4月(1学年)
カイヴァリヤダーマ研究所付属カレッジの2010-11年度のディプロマ・コース(DYEd.)にヨーガ留学されたA.S.さん(男性)の、コース修了後の総括レポートです。
A.S.さんの3ヶ月経過レポートが、 このブログの次のページにあります。
「カイヴァリヤダーマ研究所2010:ディプロマ・コース3ヶ月経過レポート」
→ http://hhyoga.blogspot.com/2010/10/blog-post_8831.html
総括編フィードバックの項目
【プロフィール】
①日本の住所
②留学までの学歴・経歴
③特に関心の深いこと、特技・趣味やライフワーク
【ヨーガとの関わり】
①ヨーガ歴
②インド留学の動機と目的
③今までのヨーガの学習歴
④今後の展望や希望
【総括レポート】
①ロナウラの生活環境のアセスメント
○ロナウラでインドの雨季・乾季を通しで過ごす経験
○インドの食生活への適応
○留学生活で不自由・不便だったこと
etc.
②カレッジの講義・実習クラス・試験を振り返って
-インドの教育制度でヨーガというインドの伝統文化をインド人の先生からインド人の学生と共に学ぶということ-
○有益だったこと
○無駄に思えたこと
○不思議・不可解だったこと
etc.
③今後のロナウラ留学志望者への先輩としてのアドバイス
○留学前に日本で準備するのが望ましいこと
○ロナウラに日本から持ち込むと便利なもの
○ロナウラでの日本人留学生としての過ごし方
etc.
④今回のインド留学経験がご自分の人生に持つ意味と影響について
○インドで整理できたもの
○インドで新たに生じたもの
○インドで悟ったこと
etc.
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カイヴァリヤダーマ研究所について
Kaivalyadhama Yoga Institute
→ http://www.kdham.com/
Lonavla-410403, Dist.Pune, Maharashtra, India
カイヴァリヤダーマ研究所は、ヨーガの近代的研究のパイオニアであるスワーミー・クヴァラヤーナンダ(1883-1966)によって、1924年にインド・マハーラーシュトラ州のロナウラに設立された、インドで(世界で)初めてのヨーガの学術的研究所です。
「カイヴァリヤダーマ」の研究室で、伝統的なハタ・ヨーガの技法の生理学的・心理学的な効果が科学的に研究されたことで、ヨーガが一般社会の教育・医療の分野で応用される方向性が確立されました。
現在、キャンパス内では、科学的研究ラボ、哲学・文献学研究室、付属カレッジ、ヘルス・ケア・センター(ヨーガと自然療法)、アーユルヴェーダ・センターなどが運営されています。
付属カレッジ
(Gordhandas Seksaria Colledge of Yoga & Cultural Synthesis)
付属カレッジは、インドで初めてのヨーガを大学教育の枠組みで扱う専門カレッジとして1950年に開校、すでに60年の歴史があります。現在までにインドの教育分野に多くの有意な人材を輩出しています。
ヨーガ教育・ディプロマ・コース(DYEd)
修業期間:1学年(7月16日開講、翌年4月20日まで)
入学資格:大卒(理系・文系学部を問わず、卒業成績45%以上)
年齢制限:35歳まで
申込締切:5月末
授業料(宿泊・食事込):留学生4300ドル(2人部屋共有:個室も可)
(インド政府厚生省AYUSH局の奨学金給付対象/ICCRのAYUSH枠)
1学年間の「ディプロマ・コース(Diploma of Yoga Education)は、付属カレッジの中心プログラムです。インド中央政府の人的資源開発省の「NCTE(教員教育全国審議会)」から認定を受けており、「ディプロマ(DYEd)」保持者は学校・大学レベルへ教職で就職が可能になります。
また、将来ヨーガの研究者・専門家となる道に進む場合にも、確実な基礎作りを提供するコースで、1950年の開校以来、教育・研究分野に多くの有意な人材を送り出して来ました。
実質的に、インドの良心的・常識的なヨーガを支えて来たのは、「カイヴァリヤダーマ」のディプロマ卒業生です。現在進行中の、インド政府厚生省AYUSH局によるヨーガのスタンダード化(標準化)でも、1年間の「ディプロマ」が職業としてのヨーガ教師の基準資格とされています。
1950年の開校以来、日本人の修了生は17名です。また、ディプロマ・コースにヨーガ留学しない場合でも、ディプロマ・コースのカリキュラムの内容をよく理解しておくと、わたしたち日本人がヨーガにアプローチして行く場合の明確なガイドラインが得られます。
「カイヴァリヤダーマ研究所」では、年2回、1月2月と、5月6月に6週間のサティフィケート・コース(CCY)も開講されています。ディプロマ・コースに留学を計画する場合でも、まず6週間コースから始めるのが、リスクが少なくメリットの多い留学計画になります。
次のサイトもご参照下さい。
「伝統的ヨーガの理論とリソース」
> カイヴァリヤダーマ研究所 > 付属カレッジのコース
→ https://sites.google.com/site/hhaikata/kdhama/courses
> ヨーガ留学の傾向と対策
→ https://sites.google.com/site/hhaikata/guidance
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カイヴァリヤダーマ研究所・付属カレッジ
2010-11年度ディプロマ・コース(DYEd)留学の総括レポート:
愛知出身のA.S.さん(男性)
【プロフィール】
①日本の住所
愛知県
②留学までの学歴・経歴
帝京大学法学部卒
その後、整体その他の職歴
③特に関心の深いこと、特技・趣味やライフワーク
ボディワークと技術の会得
【ヨーガとの関わり】
①ヨーガ歴
無いです。0年(^^;
②インド留学の動機と目的
インド行きたいな。
最近ヨーガに目がいくんだよね。
今度はヨーガも勉強してみようか。
おっ、留学先があるぞ。
ここに行こう!
というのが動機です(笑
目的については
ヨーガを知る、体験する。というのが一番ですが
施術技法や、自分探しではありませんが、人生模索等もあります。
当初は、療養という目的もありました。
③今までのヨーガの学習歴
相方先生のセミナーに4日参加
④今後の展望や希望
日本に帰国して、五里霧中ですが、閉塞感をほぼ感じません。恐らくどの社会にも、閉塞感、焦燥感等を煽り、引っ張る文句が多いと思いますが。
そういう誘導に引っ掛からなくなったのでしょうか? 変に過剰なイメージに引っ張られる事が減少したようです。体調が思わしくない時は、そうでもなかったので、まだまだ、体調に依存するようですが。
これからは、働きながら、ボチボチと勉強していくつもりです。
【ロナウラ・ヨーガ留学の総括】
①ロナウラの生活環境のアセスメント
○ ロナウラでインドの雨季・乾季を通しで過ごす経験
これは、やはり相当にハードです。
コース終了後、同級生何人かと会ったのですが、皆体が大きくなっていました。
他地域とくらべても、ロナウラはかなり特殊な地域で、季節を問わない基礎的なハードさがあるようです。
○ インドの食生活への適応
自分の年度の食事は、基本、病院食でした。ベジです。
日によって味のばらつきがあります。少し栄養的に不安な所はありましたが、そういう所だと思えばあまり気にはならないと思います。
外食は様々な所があります。地元の人が、「最も新鮮」と太鼓判を押すところでもあたる事がありました。
総合として、卵を気安く買う事が出来なかったので、些か不満ではありました。
しかし、良い思い出です。
○ 留学生活で不自由・不便だったこと
不便だと思ったは、数限りないですが、基本的に生活できる環境は整っています。ヨーガやその関連で、勉強したいことがあり、それに専念するのであれば十分でしょう。
②カレッジの講義・実習クラス・試験を振り返って
-インドの教育制度で、ヨーガというインドの伝統文化を、インド人の先生から、インド人の学生と共に学ぶということ-
○ 有益だったこと
先生の言うことそのままでは、サッパリ???という事が多かったので、生徒に聞きに部屋に押しかけて、茶かコーヒーをのみながら、講義内容を聞いて、それについての意見の言い合いなんかして、
どんな前提でしゃべっているか?
彼等のもっている知識はどんなものか?
楽しく、質問したり、意見したりして、
明らかにしていくのがどうも楽しくて。
そうすると我々、ヨーガを学んでいるはずが、クレーシャに囚われている事が分かる。
特に、必要以上に囚われている。そんな時、誰かが指さして、指摘する。
世間の人ならば、腹をたてるところだがヨーガを勉強している手前、「ムム。そうか・・・確かにそうだ。」と頷き、話題を変えたり、そのまま考えなおして続けたりする。
そう続けるとすると、余分なものが減って、なんだか分かった様な気になる(笑
そんなやりとりが、楽しく、多分今後有益なことになるのじゃないかと思います。
言っている事が分らなくて、悩んだ時もありました。苦しかったことも、結局考えて自分なりの結論を出すと、意外と強いクレーシャによって必要以上に苦しんでいた事が多かったです。
3)今後のロナウラ留学志望者への先輩としてのアドバイス
○ 留学前に日本で準備するのが望ましいこと
英語の勉強は、復習を勧めます。
相方先輩のレクチャー等でPYS(パタンジャリ・ヨーガ・スートラ)の理解を勧めます。
体調は調えて行きましょう。
○ ロナウラに日本から持ち込むと便利なもの
これは、自分は持ち込まなかったものですが、きっちり、医学関係も調べられる、そこそこ高性能な電子辞書です。自分は品の選択を間違えました(^^;
英和と和英の辞書。
味噌とか良いんじゃないでしょうか。何も食べられない時も味噌汁とか味噌とき汁は飲めました。
○ ロナウラでの日本人留学生としての過ごし方
これは、留学生の人やその年の生徒次第なので、なんとも言えません。
補足をすると、インド人生徒の中に入っていくのは、先ず風習や常識が異なりますので、これが非常な障害になります。
自分一人が我慢すれば良いというものではなく、相互理解が必要になります。そして、そういう考え方をすることが不可能な人は少なくないです。楽しい異文化交流と思っていると、手ひどいしっぺ返しを食らうこともあるでしょう。
また、試験のためにも、図や、表を頭に入れた勉強を勧めます。
4)今回のインド留学経験がご自分の人生に持つ意味と影響について
○ インドで整理できたもの
○ インドで新たに生じたもの
○ インドで悟ったこと
etc.
とりあえず、行き詰まりのブレイクスルーという点では出来たみたいです。限界感は消えた様です。
また、日本に帰ってきて気づいたのですが、自分や他人の作ったイメージに過剰に振り回される事が少なくなったように思います。
色々と感じる事も考える事はあります。これから何をするにつけても何かにつけて、影響は出そうな予感がします。
ヨーガの勉強やらなにやらで、また進行形の理解が得られそうです。ヨーガ文献を読んでも、大きく間違った道をいかないだろう基礎が、なによりも嬉しい贈り物ではないかと。
また、DYEdを共に過ごした同級生の中にも、インド的な哲学を他人を巻き込んで、自己の権威の誇示や、よろしく無いことの正当化に使うようになった生徒も幾らかいました。ここら辺は、個人の性格、資質に依る所が大きいと思います。
その点、日本人は日本でのオウム事件を経験しています。根本的に間違わない指針があります。
更に、DYEdで学ぶ事によって、PYS(パタンジャリ・ヨーガ・スートラ)の理解で、余程曲解しない限り、ヨーガの枝葉の事と太い幹や根の違いが分るはずです。
これによって、「ヨーガ教」から解放されると思います。これは、地味ながら強いアドバンテージでしょう。下手するとインド人より強い。
また、ナショナリストのつもりは無いですけど、「インド人の真似しても、あんまり意味無い」と思いはじめました。
これは、相方先輩が前々から言っていることですが、自分はどうも上記の様な事がありましたから。
全くの私見ですが、「インド人だからこそのヨーガを学ぶ上での足枷があるのではないか?」と考える事があるのです。
そして「インド・ヨーガである必要性は、必ずしも無い。またヨーガを強い権威として神聖視することも、必要では無い」 と思うのです。
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