-目次-
【はじめに】
【関連情報】
【ヨーガ・インスティテュート(The Yoga Institute)について】
【インド探訪・インド留学へのガイダンス】
1)The Yoga Instituteについて
2)7-Day's Campについて
3)The Yoga Instituteで特に印象に残ったこと、有益だったこと
4)今後 The Yoga Institute に訪問したい方へのアドバイス
5)プネーについて
6)『カイヴァリヤダーマ研究所』
7)『The Yoga Institute』と『カイヴァリヤダーマ研究所』
8)最後に
【はじめに】
10月10日(金)から19日(日)の10日間、休暇でインドを訪問され、ムンバイの『ヨーガ・インスティテュート(The Yoga Institute)』で1週間のヨーガ合宿に参加された「K.S.」さんのフィードバックです。
「K.S.」さんは日本の都市銀行の第一線で活躍されている金融マンです。ヨーガ歴5年、仕事を精力的にこなしながら「ヨーガ」への興味も深めて居られます。2006年8月と2007年8月の2回、夏休暇を兼ねてタイのわたしたちの合宿セミナーに参加されました。
みなさんもご存じの通り、世界の金融界は「100年に1度あるかないかの激動の年」で、わたしたちの日常生活にも世界的な「パラダイム・シフト」の影響が出始めているときです。分野によっては「1週間過ぎると世界は別な場所になっていた」という表現が大げさでないような展開です。
大局的に物事を見ることで、本当のところ何が進行中であり、それがこれから自分とどう関わって来るのかを見極めるには、「状況」から少し距離を取ることが有利です。
金融界の激動の最前線にあって、あえてこの時期にインドで1週間の「ヨーガ合宿」参加、時間を超越したインドの自己探求の方法論である「ヨーガ」に沈潜する、というのは、「K.S.」さんにとって象徴的であり、タイミングの良い選択だったのかも知れません。非常に賢明な「インド環境」と「ヨーガ」の活用法だった、と言えるでしょうか.....
【関連情報】
〈今回のプログラムの日程〉
今回の「K.S.」さんの「インド研修」の日程です。9泊10日間でしたが、 ポイントを絞り込んだ、充実した研修プログラムになったようです。
10月10日(金)
タイ航空利用、成田からバンコク経由でムンバイ着、ムンバイのホテル泊
10月11日(土)-17日(金)
ムンバイ・サンタクルズ地区の『ヨーガ・インスティテュート』で1週間の合宿参加
10月17日(金)
午後合宿終了、車でプネーへ、プネーのホテル泊
10月18日(土)
午前中プネー探訪、午後ロナウラの『カイヴァリヤダーマ研究所』訪問、夜便でバンコクへ
10月19日(日)
早朝バンコク着、成田便に乗り継ぎ午後成田着
〈今回のプログラムのインドでの関連施設〉
『ヨーガ・インスティテュート』
→ http://www.yogainstitute.org/
The Yoga Institute
Shri Yogendra Marg, Prabhat Colony, Santacruz (E)
Mumbai (Bombay) 400055
1918年に「シュリ・ヨーゲーンドラ(1897-1990)」によって設立されたインドで(世界で)初めての「ヨーガ・センター」。
『カイヴァリヤダーマ・ヨーガ研究所』
→ http://www.kdham.com.org/
Kaivalyadhama Yoga Institute
Swami Kuvalayananda Marg, Lonavla,
Dist.Pune 403401
1924年に「スワーミー・クヴァラヤーナンダ(1887-1966)」に よって設立されたインドで(世界で)初めての「ヨーガ」の 学術的研究所。
『アイアンガー・ヨーガ・インスティテュート』
→ http://www.bksiyengar.com/
Ramamani Iyengar Memorial Yoga Institute
1107 B/1 Hare Krishna Mandir Road, Model Colony,
Shivaji Nagar, Pune 411016
1975年に「B.K.S.アイアンガー(1918-)」氏によって設立。アイアンガー家の自宅兼道場。
『ホテル・シュレーヤス』
→ http://hotelshreyas.com/main.htm
Hotel Shreyas
1242 B, Apte Road, Deccan Gymkhana,
Pune 411004
プネーの中堅ホテル、1階にマハーラーシュトラ料理のレストランあり。わたしたち関係の日本からのゲストのプネーでの定番の宿。
『サンデーシュ日本語サービス』
代表:チャンドラシェカール・ラトール(Chandreshekar Rathod)
プネーの日本語エージェント。インド人対象の日本語教育の他にインドを訪れる日本人ビジネスマンや留学生、一般旅行者の通訳やインド滞在中の各種サポート業務担当(日本語・英語・ヒンディー語・マラーティ語可)。
『J.K.トラベル』
代表:S.P.S.アーナンダ(S.P.S.Ananda/Kuku)
J.K.Travel
ロナウラのトラベル・エージェント。 「カイヴァリヤダーマ」への留学生・外国人訪問者の空港出迎え、車の手配、国内旅行手配などの旅行関連業務を担当。
〈今回のプログラムの関連ブログ〉
「インドにヨーガ留学中の夫婦のブログ」
→ http://ajayoga.seesaa.net/
今年度(2008-9)ロナウラの『カイヴァリヤダーマ研究所』の付属カレッジの1年間の「ディプロマ・コース(D.Y.Ed.)」に留学中の日本人カップルM夫妻のブログ。ロナウラ留学現地レポート掲載中。M夫妻は昨年2007年8月、新婚旅行の一環としてお2人でわたしたちのタイの『ワンサニット・アシュラム』での合宿セミナーに参加されましたが、そのとき「K.S.」さんも同じ合宿セミナーに参加されていました。
【インド探訪・インド留学へのガイダンス】
「ヨーガ」をテーマとしたインド探訪やインドでの研修プログラム、 また、「ヨーガ」の勉強のためのインドへの短期・長期留学に興味のある方は、お気軽にお問い合わせ下さい。 インドでの可能な滞在期間や、興味と諸条件に応じた適切な ガイダンスを提供することが出来ると思います。
また、長期的な展望で、ライフワーク的に「ヨーガ」と付き合って行くことを志向される方は、一度、わたしたちのタイでの合宿セミナー に参加されることをお勧めしています。
今回のレポートの「K.S.」さん、またロナウラ留学中のM夫妻を始め、わたしたちの合宿セミナーに参加されたことで、その後の「ヨーガ」との取り組み方の方向性についての示唆を受けられた方は多いようです。
今年度のタイでの合宿セミナーの予定は終了しましたが、来年度の日程が決まりましたら、このメールグループでお知らせいたします。
【ヨーガ・インスティテュート(The Yoga Institute)について】
ムンバイ国際空港の近くのサンタクルズ地区にある『ヨーガ・インスティテュート(The Yoga Institute)』は、1918年に「シュリ・ヨーゲーンドラ(1897ー1990)」によって設立された世界で初めての「ヨーガ・センター」です。
「シュリ・ヨーゲーンドラ(Shri Yogendra)」はインドにおける「ヨーガ」の近代化の重要人物の1人です。ロナウラの『カイヴァリヤダーマ研究所』の設立者の「スワーミー・クヴァラヤーナンダ(1887-1966)と同じく、当時の著名なヨーギーであり123歳まで生きた「マドヴァダーサ・マハラジ(1798ー1921)」に20代の始めに出会い、入門を許されたことで「ヨーガ」の道に入りました。
そして、「クヴァラヤーナンダ」と同じく「ヨーゲーンドラ」も「ハタ・ヨーガ」の技法を科学的・合理的に解釈し、一般社会への普及を図る活動に生涯を捧げました。
「クヴァラヤーナンダ」は「ヨーガ」を学術的な研究対象とし、教育機関や政府の政策レベルでの「ヨーガ」の導入を図る方向性で活動を進めましたが、「ヨーゲーンドラ」は「市井の人々のためのヨーガ」「ふつうの社会人・家庭人のためのヨーガ」という、「草の根」的な「ヨーガ」の普及の方向性を進めることに徹しました。
「ヨーゲーンドラ」の業績を知ることは、インドで1920年代から展開した「ヨーガ」の近代化運動を把握するために欠かせないポイントでしょう。「ヨーゲーンドラ」の著作の日本語訳があります。
「ヨーガ健康法(単行本)」
単行本: 283ページ
出版社: 春秋社 (1991/04)
ISBN-10: 4393713141
ISBN-13: 978-4393713143
発売日: 1991/04
現在『ヨーガ・インスティテュート』は、「ヨーゲーンドラ」のご子息の「ジャヤデーヴァ・ヨーゲーンドラ」博士とその奥様の「ハンサーベン・ヨーゲーンドラ」女史によって運営されています。
『ヨーガ・インスティテュート』は、現在インド中央政府厚生省AYUSH局と国立ヨーガ研究所の主導で進んでいる「Indian Yoga Association(IYA)」(インドヨーガ協会)の設立でも主要な役割を果たしている「研究所」です。
わたしたちのバンコクの『MCB財団タイ・ヨーガ研究所』も『ヨーガ・インスティテュート』と親交があります。わたしたちのメンバーがインドに研修に行くときは、ロナウラの『カイヴァリヤダーマ』でコースに参加すると同時に、ムンバイの『ヨーガ・インスティチュート』でもコースに参加することが定番になっています。
また、今までに3回実施された『タイ・ヨーガ研究所』主催のタイ組対象の「インド研修ツアー」でも、必ず『ヨーガ・インスティチュート』を訪問しています。今年5月に実施された第3回目の「インド研修ツアー」では『ヨーガ・インスティチュート』での2泊3日の合宿セミナーも研修プログラムに組み込まれました。
日本の方がインドに「ヨーガ」の研修に行かれる場合も、日程が許す限り『ヨーガ・インスティチュート』への訪問や滞在を推奨します。インドの「ヨーガ」についての包括的な視点を養成し、「ヨーガ」とライフワーク的に付き合って行くための、非常に有効な体験となることでしょう。
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『ヨーガ・インスティテュート』でのヨーガ合宿(1週間)とプネー・ロナウラ訪問記
(K.S.さん、東京在住の金融マン)
みなさん、こんにちは。
私は本場のヨーガを経験するためインドに行き、サンタクルズ(ムンバイ郊外)、プネー、ロナウラを訪問してきました。
たった1週間ではありましたが、とても有意義な経験ができました。その報告をしたいと思います。
今回のメインはサンタクルズにある『The Yoga Institiute』の7-Day's Camp参加です。以前、相方先生がこの研究所をブログで紹介していたのが、興味をもったきっかけでした。
また、昨年のタイ・ワンサニットセミナーに参加した時の雑談で、「The Yoga Institiuteのディレクターであるハンサさんは円熟期に入っているので、ああいう人と一度会っておいた方が良い」ということを相方先生がおっしゃったので更に興味が湧きました。
調べてみると、ヨーガ理論・実践の導入コースとして7日間Campを毎月開催していることがわかりました。仕事柄、毎年長期休暇は1週間しかとれないのですが、これなら参加できます。相方先生に相談すると、インド異世界体験の導入としてぴったりだというアドバイスを受け、参加を決意しました。
1)The Yoga Instituteについて
ここはシュリ・ヨーゲンドラ氏が90年前に創設した歴史のあるヨーガ施設で過去にインドの首相も何度か訪問しているようです。現在はヨーゲンドラ氏のご子息夫妻が運営しています。
シュリ・ヨーゲンドラがどんな人かについては相方先生から解説があると思います。練習するホールがいくつもあり、レギュラークラス・多様なワークショップ・ティーチャートレーニングが随時行われています。
ティーチャートレーニングコースは、1ヶ月コース、7ヶ月コースがあります。1ヶ月コースは子供~若者向けの先生養成、7ヶ月コースは全ての方(病気の方を含む)を指導できる先生を養成するコースになっています。
場所はサンタクルズという国際空港・国内空港の近くにあり、下町の雑踏の中にあるという感じです。Institute内は自然にあふれ、散歩道もあり、外とは全く別世界の感があります。街中にありながら、ヨーガに専念できる環境を作っている工夫を感じます。浄化済飲料水が無料で自由に飲めるようになっています。
◎ゲストルーム
男性用・女性用の宿泊棟があり、希望者は宿泊できます。部屋にはベッドが4台ありました。通常は1部屋を2人~3人で使うようです。私はアメリカ人青年と同室でした(インテリかつナイスガイな奴でした)。
空気ファンが天井についており、ファンをまわしていると暑さも耐えれるレベルになります。共同のシャワー・トイレルームがあり、あまりきれいではありません。シャワーは温水とまではいいませんがぬるい水がでます。
キャンプの宿泊者は原則外出禁止です。外に出たいときは事務所に理由を言って許可をもらいますが、30~40分程度しか許可してくれません。
◎食事
練習棟に併設された食堂があります。食事はいわゆるSattvicな食事でベジタリアン料理です。
衛生学や食生活の指導をしているだけあって、栄養面・衛生面に気を配っており、一度もお腹を壊すことはありませんでした。
味付けはまあまあといったところでしょうか。特にスパイシーではありません。決してまずくはありませんし、うまいと思うことも何度かありました。
キャンプ参加者は朝、昼、晩の食事と4時頃のティータイムの4回食堂タイムがあります。ティータイムはハーブティとスナック(というかライス)を頂きます。
食堂内は会話禁止です。食事でフルーツは出ないので、ルームメイトはよくマーケットに買出しに出かけてました。
2)7-Day's Campについて
(スタート)
8時30分~9時15分が受付。事務所で申込み書記入・支払いをします。クラスが始まる前までに質問シート(このCampに参加した理由、現在の悩み、持病等)に記入します。
これは全てしっかりした答えを書かないと受け取ってくれません。英語で書かねばならないので苦労しましたが、ボランティアの方のHelpもあってなんとか書き上げました。
最初のクラスは9時45分頃にスタート、午前中はゲーム中心です。その間に一人ずつ呼ばれて、質問シートをもとにコンサルテーションがあります。クラスの最後にこのCampの目的、注意事項等の説明があります。午後から本格的なクラス開始となります。
(参加者)
男性5名、女性11名の計16名が参加。大学生~80歳のおばあちゃんまで年齢層幅広かったです。
ムンバイに住むインド人がほとんどで、外国人は私を含めて4人(インド在住1名、インド長期旅行者2名、東洋人は私のみ)。インドの方々に参加した理由を聞いてみました。
・日頃からここに通っているので、Campに関心があった
(20代半ばの社会人男性)。
・鼻炎なのでヨーガで直したい(20代前半の社会人男性)。
・ヨーガの先生になりたくて参加した(30代半ばの主婦)
(7ヶ月ティーチャーコースを受けたい人は最初にこのCampに参加する必要があります)。
・情緒不安定なのでヨーガで安定させたい(20代後半の社会人女性)
・親がしつこく勧めるから(女子大生)。
(スケジュール)
1日目 朝9:15(実際には9:45頃からでしたが・・・)~19:00
2日目~6日目 朝7:00~19:00まで
7日目 朝7:00~14:00終了
スケジュールは様々なクラスでびっしり埋まっていて休む時間はほとんどありません。参考に3日目のスケジュール表をご紹介します。
7:00~ 7:35 Thought for the day-Swadhyaya
(あるテーマを基に瞑想15分、呼吸に意識を集中させて瞑想20分)
7:25~ 7:35 Parisamvad
(一般の参加者と一緒ににヨーゲンドラ夫妻のお話を聞く)
7:35~ 8:00 Brisk Walk(朝の散歩)
8:00~ 8:30 Breakfast(朝食)
8:30~ 9:00 Karma Yoga(それぞれ持ち場を与えられて掃除)
9:00~10:00 Vide
(クリヤ・ヨーガ、ヨーガ的衛生学、ヨーガ的食生活等)
10:00~11:00 Asana(アーサナ:昨日習ったことを実習)
11:00~11:25 Conceptual games
(ゲームでヤマ・ニヤマ等を考えさせる)
11:25~12:00 Parisamvad
(一般の参加者と一緒ににヨーゲンドラ夫妻のお話を聞く)
12:00~12:30 Lunch(昼食)
12:30~12:45 Stroll(食後の散歩)
12:45~13:30 Relaxation(ガイダンスを基にシャバアーサナ)
13:30~14:00 Jalaneti
(ジャラネーティ・カパラランドラドウティ・カルナランドラドウティ・カパラバティ)
14:00~14:30 Candle gazing/Trataka(キャンドル凝視・トラータカ)
14:30~15:00 Experimental Asanas
(ダルマ・ニャーナ・ヴァイラーギャ・アイシュワリヤについての話)
15:00~15:30 Reflections(心を観察する方法の説明と実践)
15:30~16:00 Pranayama(プラナヤマ)
16:00~16:30 Tea(ティータイム)
16:30~17:15 Bhajans(歌の時間:昔の映画ソング)
17:15~17:30 Break/Time off(休憩)
17:30~19:00 Asana(アーサナ:説明中心・軽く実習)
19:00~19:30 Dinner(夕食)
(アーサナ)
1日2回アーサナクラスがあります。夕方にアーサナの細かい説明と練習、翌日の午前中に習ったアーサナの実践という組み方でした。
呼吸と動きを同調させてポーズを取ります。例えば、このポーズは2秒吸いながら腕を上げて、伸ばしたまま4秒呼吸を止めて、2秒吐きながら腕を下ろす、というように厳密に決まっています。
全般的にやさしいポーズばかりでした。日本のヨガスタジオだと準備体操で片付けられそうな強度です。カルチャーセンターのヨガ教室でも最初からもっと難しいアーサナをやっていると思います。
例えば、パスチモッターナアーサナとかアルダマッツェンドラアーサナ等はこのCampでは教えません。こういうポーズをやるのはもっと経験を積んでからでないと無理だということでした。
(プラナヤマ)
1日1回プラナヤマのクラスがあります。プラナヤマの技法はヨーゲンドラ氏が考案した方法にそってやります。ヨーゲンドラ・プラナヤマⅠ・Ⅱといった名称がついています。これも今回のCampで練習するのは非常にやさしい技法ばかりで、しかも2秒吸って2秒吐くというように短いカウントで練習します。
努力して呼吸するのは良くない、自然に呼吸できる時間しかやるべきではないという考え方から来ており、2~3秒程度の時間が自然に呼吸できる限度だということでした。習熟していったら5秒程度まで延ばして良いという説明でした。
ジャラネーティは手の平に温かい塩水を注ぎ、片鼻を指で閉じてから吸い上げ、吐き出します。ポットは使いません。2セットやった後、カパラバティをやり、カパラランドラドウティ・カルナランドラドウティという顔・耳のマッサージをします。
(キャンドルゲイジング&トーラータカ)
キャンドルゲイジングでは、できるだけまばたきをしないようにして ローソクを3~5分程度凝視します。そのあとトラータカ、指の動きを目で追っていきます。
(その他)
ヨーガの考え方に関する講義ではゲームをするクラスが多々ありました。ゲームをしながら、集中力・協調性・ポジティブ思考等の重要性を理解させるよう工夫していました。
3)The Yoga Instituteで特に印象に残ったこと、有益だったこと
The Yoga Instituteでは、ヨーガはエクササイズではなく、ライフスタイルだということを繰り返し教えます。
Campのクラスでもヤマ・ニヤマの各項目や4 Bhavas(4つの考え方:ダルマ・ニャーナ・ヴァイラーギャ・アイシュワリヤ)、ポジティブ思考等についての話が非常に多く、mindとbodyの両面からヨーガを実践していくという方針が見て取れます。
The Yoga Instituteの総責任者であるジャヤデーヴァ・ヨーゲンドラ氏と奥様でThe Yoga Instituteのディレクターでもあるハンサさんはほぼ毎日3回程度、無料のTalk&Question Timeを設けています。
地元の方やクラス参加者が多数集まり、お話を聞いています。ディレクターのハンサさんには非常に感銘を受けました。気さくな人柄、優しい雰囲気、ヨーガに関する深い知識、分かり易く且つ深い内容の話等々、ヨーガを実践する女性の目指す完成した姿が目の前に存在していると実感しました。
相方先生がおっしゃる意味がよくわかりました。
朝の散歩中にハンサさんから話かけてくれたので、個人的にも話をすることが出来ました。
余談ですが、ジャヤデーヴァ・ヨーゲンドラ氏の話をする姿を見て私は度肝を抜かれました。なんと、ジャランダーラ・バンダをしながら話をするのです。何を言っているのか全く私には分かりませんでした(インドの方々は理解しているようでした)。
ひよっとして老衰で、頭があがらないのかとふと疑問を覚えましたが、時に顔を上げていたのでよくわかりません。とにかくインパクト大です。
・インドの方々とのふれあい
7日間ずっと一緒にいるので、インドの参加者の方々と仲良くなれます。親切な方々ばかりでインドに対する印象が変わりました。
男性陣は向こうから色々と話しかけてくれます。女性陣もこちらから積極的に話しかければ、相手も日本のことに興味をもっているようで色んな質問をしてきます。クラスではゲームが多く、英語がわからなくて困ることがよくあったのですが、みんなが助けてくれました。
・ボランティアの方々
ティチャートレーニングを受講中の方々(5名)がボランティアとしてCamp参加者のヘルパーについてくれます。特に私は英語の講義の理解に難ありだったため、休憩の合間や夕食後に再度説明してくれたり、クラス中に横についてゆっくり説明してくたりと相当助けてもらいました。ボランティアの助けがなかったら、理解の度合いは全く違っていたと思います。
Yoga Instituteでは、ヨーガは宗教ではないというスタンスのため、宗教的な儀式は一切ありません。マントラをチャンティングすることも皆無でした。
そのことを聞いてみると、マントラとヨーガは関係ないのでチャンティングする必要はないとのことでした。宗教色のなさは一般の日本人にとって非常になじみやすいと思います。 インドチックなものを求めるマニアな方には受けないかもしれませんね。
・多少は英会話ができる方が良いです。講義がわからないのは仕方がありませんが、サポートしてくれるボランティアの説明が分からないとかなり苦しいと思います。講義中の英語があまりにもわからないのに苦笑するしかありませんでした。
・7day's Campで習うアーサナ・プラナヤマは基本的な技法ばかりです。技法を学ぶつもりでくると失望するかもしれません。インドの良質なヨーガ研究所がヨーガをどのように教えようとしているか、インドの方がどのように受け入れているか、ということを経験できる場と捉えた方が良いでしょう。
・トイレットペーパー、バスタオル、洗面道具等は持参して下さい。
・ヨガマットは必要ありません。日本のござ(淡路島製らしい?)をひいてます。ただ小さい座布団があった方が良いかもしれません。ござがあるとはいえ硬い床にほぼ一日座りっぱなしなので、Camp後半はお尻が痛くなってしまいました。インドの方々のお尻は鉄板かと疑いましたが、みんな痛かったと後で分かりました。
・Campの申込みはメールでします。Camp中は宿泊棟に泊まるつもりの場合、その旨も記載しておいた方が良いでしょう。
・7Day's Campの料金は3500ルピーです(講義代・宿泊代・3食代込み)。日本円にして7500円ぐらいです。あまりの安さに1日分かと疑いましたが、7日分の料金です。大変お得だと思います。
・水は無料ですが、容器があった方が良いので、ペット1本ぐらいは現地で買っておいた方がよいでしょう。
・現地で何か足りない物があったときは、歩いて1~2分でマーケットにいけるのでそこで買うことができます。
・夜は蚊が結構いるので、その対策が必要です。虫さされの薬と虫除け対策が必要です。蚊取り線香は悪くないのですが、ルームメイトが独特のにおいを嫌がるかもしれません。
・参加する季節はとても大事です。ベストシーズンは11月~2月初旬までとのことです。10月はかなり暑かったです。6~9月は雨季のため、衛生状態が悪くなり、さすがにお腹を壊すこともあるようです。
・実はこの施設には最大の欠点があります。空港の近くだということです。夜中の2時頃や早朝4時頃に飛行機の爆音で確実に目が覚めます。結構疲れました。どう対策をとるべきか全く思い付きません。とにかくすごい爆音です。慣れるしかないと思います。
5)プネーについて
『The Yoga Institute』のCampを終えた後、プネーとロナウラに行ってきました。プネーでは、いくつかの寺院を見学、ロナウラはもちろん『カイヴァリヤダーマ研究所』の見学です。
相方先生の友人のラトールさんにガイドを頼み、案内してもらいました。『カイヴァリヤダーマ研究所』では、日本人のM夫妻がディプロマ・コースを受講中で、研究所内を案内してもらいました。
(ホテル&食事)
プネーでのホテルは相方先生に取ってもらいました。『Hotel Shreyas』というところで、空調あり、温シャワーあり、
部屋も2部屋ありと快適でした。
このクラスのホテルはプネーだと1泊6000円以上するところがほとんどのようですが、ここは1泊3000円程度と非常にお手頃です。
このホテルの1階のレストランではマハーラシュトラ州の名物料理を食べることができます。店は地元の方々で混んでおり、私は入るのに30分以上待ちました。カレー・ごはん・チャパティ等々食べ放題で、しかもむっちゃうまかったです。2人分で600円ぐらいでした。大変満足です。
(プネーの町について)
一言でいうと都会です。プネーはバイクが非常に多く、空気はあまり良くないようです。気管の弱い人には少々つらいかもしれません。
プネーではヒンドゥー寺院やジャイナ教寺院を見て回りました。ジャイナ教寺院の清浄さが印象的でした。シヴァ寺院は小高い山の上にあり、ここからはプネーの町が一望できます。
「スワミ・ラームデーブ」の看板がプネーのいたるところにありました。日本人がこの人を見ると、かつてのカルト教団を思い出してしまう風貌なのですが、インドの一般民衆にとってはヨーガの伝道師として強い影響力があるようです。
(アイアンガー・ヨーガ道場:Ramamani Iyengar Memorial Yoga Institute)
プネーの町に来た最大の目的は、『アイアンガー・ヨーガ道場』の見学です。私のヨーガのスタートは「アイアンガー・ヨーガ」でした。
相方先生のセミナーに参加してヨーガの全体像の話を聞いてからは、見方が変わり一旦足が遠のきましたが、最近は肉体鍛錬の一環と割り切って、「アイアンガー・ヨーガ」のクラスに参加してます。
ラトール氏に聞くと、『アイアンガー道場』は一日中見学できるということだったので、朝8:30に訪問しました。練習場でクラスをやっている声が聞こえます。しかし、受付には誰もいません。見学等の受付は9時以降ということがわかりました。
午後はロナウラに行くためあまり時間がないので、プネーの寺院見学をしてから再度来ることにしました。寺院見学を終え、昼の12時15分頃再び訪問しましたが、なんと道場は12時~16時まで閉まってました。
ということで、私の『アイアンガー道場』見学は不発に終わりました。
なにしに来とんねん!
日本に帰国後、10月にここで練習して来た方に聞いたのですが、アイアンガー氏は9時頃から道場に来て、自己練習をしているそうです。もうすぐ90歳になるにもかかわらず、ありえねーアーサナを連発していたとのことでした。
うーん、見てみたかったなあ・・・。
6)『カイヴァリヤダーマ研究所』
(場所・環境)
『カイヴァリアダーマ研究所』にはプネーから車で2時間弱で着きました。
一言でいうと田舎です。空気も良くて気持ちよかったです。研究所の敷地内を高速道路がぶち抜いていることもインドらしく違和感がありません。
サンタクルズの『The Yoga Institute』は町の雑踏の中にありましたが、ここは自然に囲まれ、静かです。高速道路の車の音もほとんど気になりませんでした。ヨーガに専念できる環境だと思いました。
(見学した場所)
『カイヴァリヤダーマ』に着いてすぐ、スワミジにご挨拶に行きました。とても穏やかな方でした。日本に何度か行ったことがあるそうです。スワミジのいらっしゃる部屋のすぐそばにクヴァラヤナンダのお墓があり、お参りしてきました。
研究所のお医者さんの診療室にお邪魔して、少しお話を聞きました。数年前ここのディプロマ・コースを卒業し、そのままここに残ったとのことです。日本人のI君と同期生だそうです。
「ナチュロパシー(自然療法)」の施設があり、内部を見学(スチームサウナやフットバス、ヒップバス、スパインバス、シロダーラ等)。一度に全部を受けるのではなく、午前・午後で一つずつといった受け方をするようです。
「アーユルベーダ・センター」は生徒がカウンセリングを受けていたため、入り口のみ見学。パンチャカルマ7日間、14日間、21日間コースをやっているそうです。
「ヨーガ・セラピー」を受けている方々(ご年配の方ばかりでした)のアーサナ・クラスを見学。『The Yoga Institue』と雰囲気がそっくりでした。
図書館。ヨーガ・インド哲学の本が満載です。本は全て本棚ケースの中にあり、係員に言わないと本は見れません。本について何でも知っている係員がいて、こういう本が見たいというとすぐ持ってくるそうです。
本、DVD等の売店を訪問。英語での講義に慣れる必要性を感じていたためVCD・DVDを買いまくりました。値段もお手ごろでした。
普段、生徒がアーサナをしている部屋を見学。かなり広い部屋でした。男性と女性は別々の場所でアーサナ・プラナヤマをしているとのことです。
食堂でハーブティーを頂きました。なかなか美味でした。
7)『The Yoga Institute』と『カイヴァリヤダーマ研究所』
『The Yoga Institute』のCampに参加し、あるいは一般のクラスを見学していて感じていたことは、ヨーゲンドラとクヴァラヤーナンダはマトヴァダーサという同じ師匠から習っているにもかかわらず、なぜこんなに技法が違ってくるのだろうということでした。
技法が同根であることは十分感じることができるのですが、実践の仕方が全く違うのです。
これは、カイヴァリヤダーマ研究所を見学することにより、自分なりに理解するものがありました。どこに視線を置くかの違いではなかろうかということです。
『The Yoga Institute』はサンタクルズの街中にあり、参加者も地元の方々ばかりです。そういう方々の健康のために、また病気の方々の療養のために組み立て直した技法だと思います。
アーサナは呼吸と同調した動きであり、難しいポーズはあまりありません。プラナヤマも短い呼吸しかさせません(もちろん熟練者は少しだけ呼吸は長くなります)。
インドの一般的な方々の健康や病気のためという視点にたつと、それで十分だということであり、ライフスタイルとしてのヨーガを教えるのもうなずけます。
一方、カイヴァリヤダーマは街とは隔絶した環境にあり、研究機関として存在してます。もちろん、ヨーガ・セラピーの施設があり、療養のために来る方々もいらっしゃいますが、専門的にヨーガを研究する場・ヨーガの教師を育てる場、という視点の方が強いと思います。当然、技法の難易度も高まりますし、教える内容も専門的かつ深いものになることでしょう。
日本人にとってどちらが良いかは各人の好みによるのでなんともいえませんが、ヨーガを深めることを求めるなら『カイヴァリヤダーマ』、インドの方々とのふれあいを求めるなら『The Yoga Institute』といったところでしょうか。
8)最後に
相方先生には準備段階から様々なケアをして頂き本当にありがとうございました。おかげで貴重な体験をすることが出来ました。
もし、『The Yoga Institute』に行きたい方がいらっしゃったらお知らせ下さい。私もできるだけケアをしたいと思います。