ロナウラ2010
カイヴァリヤダーマ研究所+ウルリカンチャンで自然療法
期間:2月20日(土)ー3月16日(火):25日間のプログラム
ロナウラの「カイヴァリヤダーマ研究所」で日本人の方を対象に企画された合宿セミナー「ロナウラ2010」の話題の続きです。
以下は、
「ロナウラ2010」+「自然療法アシュラム」 のプログラムに参加された、神奈川在住のY.A.さんのフィードバック です。
●趣味は手芸や工芸などの手仕事。 自分の手を動かすのが好きです。
●ヨーガを始めたのは7年ぐらい前です。そのころ更年期障害が気になりはじめたこと、また精神的情緒的安定を得たい、と呼吸法を学ぼうと思ったのが直接の動機でした。
ただ当時の私は、ヨーガ=インドの宗教系の修行、と思い込んでいたので、ひょんなことから相方先生ご夫妻に出会ってお話をうかがわなければ、ヨーガをやろうとは思わなかったでしょう。
●今回の旅行は、ナチュロパティーが目的でした。昨年、ナチュロパティー・センターに滞在した方から体験談をうかがい、一度行ってみたいという気持ちがふくらんでいたからです。
そこで、最初にヨーガでインドの空気に慣れようと「カイヴァリヤダーマ」で1週間すごしてから、ウルリカンチャンのナチュロパティー・センターに2週間滞在のスケジュールを組みました。
1)カイヴァリヤダーマの1週間コースについて
★カイヴァリヤダーマの環境と施設
1週間コースの予約を相方先生にお願いしたところ、混んでいる時期とのことでしたが、すべりこみセーフで1部屋確保。ヘルス・ケア・センターの2階、2人部屋を1人で使わせてもらいました。
ヘルスケアセンターの建物
トイレ、シャワーは共同で不便だったのですが、一日じゅうたっぷりとお湯が出ることはありがたかったし、他の宿泊客(患者さん?)もとても礼儀正しく、館内は静かで秩序があり、全体の居心地としては申し分なかったです。
掃除は毎日来てくれます。私の部屋には、にこやかで優しげなおじさんが来てくれて、毎朝、彼と挨拶をかわすのが心和むひとときでした。
★プログラムについて
日曜から日曜までの1週間コースはヘルスケアセンター主催のナチュロパティーとヨーガを中心とするプログラムで、毎週始まると聞きました。
撮影しようとしたら、サングラスをかけだしたナチュロパティー・ディレクター
同じコースの女医さんは不眠症を治すために2週間滞在。旅行記を2冊も上梓し、次はヒマラヤに挑戦するというスーパーレディでした。
カイヴァリヤダーマでもハイウェイの騒音がうるさくて眠れないけど、夫がハイウェイ工事の仕事を受けているので仕方がない、とこぼしていました。
★1日の日程は大体以下のとおりです。
夜明け前の薄暗い館内に流れ始めるシタール音楽で起床。なにやら崇高な気分で朝を迎えられました。
6:30- 7:00 クリヤー・ヨーガ
7:00- 8:15 ヨーガ
8:30- 9:30 朝食
9:00-12:00 この時間帯に45分前後のナチュロパティーの 施術を受ける
12:00-12:30 ランチ
15:00 ハーブ・ティーがでる
13:30-16:00 この時間帯に45分前後のナチュロパティーの施術を受ける
16:30-17:30 ヨーガ
18:00-19:00 セッション
19:00-19:40 ディナー
20:00-21:00 散歩もしくは講座
★クリアー・ヨーガ(浄化法)
クリヤー・ヨーガは、ジャラ・ネーティとスートラ・ネーティを練習します。スートラ・ネーティは、「私には到底できない」と思っていたのですが、先生のアドバイスが上手で3日目にして両鼻成功。
いつもは頭があがらないインテリジェンスなイケメン・インド人歯科医が手間取っているのをみて、このときとばかり「何も考えないでやるのよ~」などと、得意満面でおせっかいを焼いて大笑いされました。ある日はドイツ人、チベット人、インド人学生といっしょにクリヤー・ヨーガを練習。インターナショナルなところも大きな魅力。
クリヤーの直後にヨーガのクラスがあるのですが、クリヤーをやっておくと調子がいいことがわかりました。
また、帰国後も続け、鼻炎アレルギーがかなりよくなったので、スートラ・ネーティを習得して本当に助かっています。
★ヨーガ・クラス
ヨーガ・クラスはビギナーとアドバンスの二つがあり、回ごとにどちらでも自由に選べます。私はビギナー・コースのみ受講。若い女性2人が交代で講師を務めていましたが、彼女たちの独特のハイトーン・ボイスがよくとおり、気持ちよく導かれました。
プラーナーヤーマもアーサナも、ゆるすぎずきつすぎず、万年ビギナーの私にぴったりの内容でした。背骨を鍛える、というようなことをいっていて、背骨まわりのアーサナ(という言い方が正しいのかどうか?)をよくやったように感じます。
ビギナークラスの風景 ホール内に響きわたるハイトーンボイス
★自然療法(ナチュロパティー)
午前と午後に1種類ずつナチュロパティーのトリートメントを受けます(宿泊料込み)。オプションでアーユルベーダのトリートメントがあるのですが(別料金)、予約がいつもいっぱいで、結局1回しか受けることができませんでした。
トリートメントのスケジュールが手帳に書き込まれます。
ナチュロパティーには、・Mud Therapy(泥療法)・Water Therapy(温浴療法)・Massage Therapy(マッサージ療法)の3つの手法がある、と、説明書きが貼ってありました。
温浴には、腰浴、足浴、バブルバスなどがありましたが、私には物足りませんでした。温泉文化に慣れ親しんだ日本人は
同じように感じるのではないかと思います。そのうちインドでは水が貴重で、お湯が超贅沢品なのだとわかり、Water以外の泥やマッサージ、そしてヨーガを組み合わせながら、身体を調整していく方法の巧みさに納得しました。
マッサージルーム フェイススチーム用の器機。 ニルギルの葉がよく使われる.
ここでの特筆すべきはマッサージ。インド人のマッサージに期待していなかったので、あまりの上手さに驚天動地。トリートメントの最中は至福の境地でした。
マッサージ担当、God Handのインデゥ
トリートメントルームの建物は歴史を感じさせる重厚な趣があり、館内はとても静か。 しかもひとりで施術を受けられるので、
十分リラックスできました。静かな館内でリラックスして泥パック
★その他のプログラム
講座、セッションはキャンセルが多く、その数少ない講座も、講師の英語(たまにヒンディー語がまじることも)がよくわからず、残念ながら、私の英語力では理論的な面での理解を深めることはできませんでした。
唯一、シタールのセッションだけは、(音楽ライブだから当然といえば当然ですが)夕暮れ時という演出効果もあって、心から陶酔できました。
★ゲスト講師
来賓として滞在されていたスワーミーのレクチャーを聞く機会もありました。これもほとんど英語がついていけず、唯一、理解できたのは、Don’t ask how and why No expectation でありなさい、ということ。
それにしても美しいサーモンピンクの法衣をまとい、豊かな白鬢を湛えたこのスワーミーは、独特の存在感をはなちながら、話ぶりも名調子で、英語がわからずともついつい引き込まれてしまいました。
2)ウルリカンチャン・ナチュロパティーセンター
到着早々にホーリーのお祭りが始まったウルリの町
★自然療法医の診断
センターに到着早々、血圧を測って ナチュロパティー医からインタビューを受け、 どんなトリートメントを受けるべきか、 どんな食事をとるべきか、などカルテを作ってもらいました。 ここでも相変わらず早口インド人英語で、四苦八苦しました。
事務所や診察室のある棟 園内は大きな木が残されていて自然が美しい
★プログラム
最初にいただいたプログラムは以下のとおり。
ここでのナチュロパティー(自然療法)の一般的な内容です。
5:15-6:00 ヨーガ
5:30頃ごろ 水
6:15-7:00 マッサージ
7:00 ハニー・レモン・ウォーター(自分で作る)、生のナッツ
8:00 キャロット、へちま、オレンジのどれかひとつのジュース
8:00-12:00頃まで ナチュロパティーのトリートメント
9:00 ジュース
10:30 朝食
12:30-14:30 昼休み
14:15-15:00 ヨーガ
15:00頃 ジュース
14:30-16:30 ナチュロパティーのトリートメント
17:30-18:30 ディナー
18:30以降 散歩など
20:00 ハニー・レモン・ウォーター(自分で作る)
21:00 就寝
食事は完全な自然食で塩気もほとんどありません。同宿の日本の友人は野菜がおいしいといって もりもり食べていましたが、 私の食欲はぐんぐんと減退。
人によって違うのですね。これだけでダイエット効果ばつぐんでした。 この食事は少なめ。もう2・3品おかずが選べます。 ここにはありませんが ここのフレッシュバターは世界一おいしいです。
★ダイエット
ナチュロパティーの療法にはいろいろな方法があって、 そのなかにジュース・ダイエットやフルーツ・ダイエットがあります(重篤な病で、水ダイエットをしている女性もいました)。
私は2日後にジュース・ダイエットに変更したいとお願いしたところ、血圧や体重などから判断され、フルーツ・ダイエットをすすめられました。朝食とディナーがすべてフルーツに変わるぐらいの変更です。
またその後、細かいやりとりがあり、時期的に葡萄を中心としたジュース・ダイエットに 切り替えてもらいました。 が、フルーツを持っていってキッチンで ジュースを作ってもらおうとすると、 「もう、終わった」と断られたり、あるいはものすごく待たされたりするので、
フルーツを食べてしまい、 結局、フルーツ&ジュース・ダイエットになっていました。
フルーツは新鮮で安い。種類も豊富。しかも、顔なじみになるとおまけしてくれる。
フルーツ・ダイエットの食事。これで2日分ぐらい。
★トリートメント
トリートメントの種類は、ここでも温浴、マッサージ、泥の3つのカテゴリと、そしてエネマ(浣腸)がプラスされます。
温浴には全身バス・タブやスチーム・バスがあり、泥は全身もふくめて好きな箇所を塗りたくれるし、マッサージは毎日受けられる、 等々、自分の体調や都合を考えて、 比較的好きなように組みあわせることができます。
ナチュロパティー・センターだけあって、トリートメントは カイヴァリヤダーマよりもパワーアップされています。
スチームバス 順番を待つ
西洋スタイルのバスタブ。入浴時間は10分の時間限定
エネマはお医者さんからも2日に1度でいい、と言われていましたが、 実際やってみると、たしかにすっきりはしますが、 身体から力が抜けるようで、 結局1週間に2度ぐらいしか受けませんでした。
あたりはずれのあるマッサージ師。
ここでも私のマッサージ師は大当たりでした。全身はゴマオイル、頭はココナッツオイルを使用。泥パックは熱を取る作用があると聞いていました。
実は初日にまぶたが腫れてしまい、お医者さんから熱のせいだからまぶたに泥パックをするよう言われて、 そのとおりにしたところ、半日で治ってしまいました。
その後、腫物など身体の熱をもっていそうなところに 泥を塗るようにしていましたが、たしかにヒートダウン効果が感じられました。
★ヨーガ・クラス
ここで行われているヨーガクラスは、ナチュロパシー医や事務方が指導するらしく、インド人からも「あれはエクササイズ」 と言われるような内容でしたが、 ものすごく肥満の人にはちょうどいいかもしれません。
★キャンパス内での生活
ダイエット中の空腹感はたしかにきついのですが、3日ぐらいで少しは慣れてきます。 するとジュースとフルーツだけの食事で胃が軽くなり、トリートメントを受けて血行がよくなり、徐々に身体全体が軽くなっていくことがわかってきました。
途中で体調が悪化するというヒーリング・クライシスがある と聞いていましたが、 私にはそういう症状はなく、朝などは絶好調。 身体が軽いので、散歩の時間に思わずジョギングを 始めたこともありました。
お気に入りの散歩コース!
朝日を浴びながらの散歩がとにかく最高!ただ、真夏のような昼間をやりすごした夕方から夜にかけては、さすがにぐったりしました。
日曜日は午前のトリートメントのみ。午後は 園のすぐそばに市場がたつので、あれこれ、ひやかしに行く。
また、普段日本でいかに食べ過ぎているかわかり、私に必要なのは、一時的なデトックスではなく、 食欲をコントロールできるようになることだと 痛感しました。
ナチュロパティーとそのダイエットには、アルコール依存症の治療効果もあるなどと ブックレットで読みましたが、 身体ばかりではなく、ストレスからの過食や欲望のコントロールなど精神的な問題解決にも大変効果的かと感じられました。
毎朝、瞑想をしていたおじさん。見習うべし。
●感想と反省
ウルリでは英語のおぼつかない外国人が、時間通り、指示通りにきちんとプログラムをこなしていくことは 医療なので、本来はそうしないといけないのですが、なかなか困難だと思います。
さまざまな面でサポートしてくれた通訳のラトールさんと 院長のニサール先生 けれども親切なインド人がひんぱんに声をかけてくれたし、周りの状況をみながら、ときには言われるがままに、ときには自分の要求を通していくうちに、次第に、インド人の人間関係に慣れ、システムの流れに乗れるようになりました。
インド人のタフさ、社会というか世間の厳しさを垣間見ることができたように思います。
また、カイヴァリヤダーマでの秩序正しさやスワーミーのお話、 そして院長先生の人柄などにも触れ、 インドの精神的な強靭さとその厚みを 表面をなぞっただけにすぎませんが、 触れることができ、インドへの興味が深まりました。
ヨーガやナチュロパティーの体験とともに、 さまざまな状況に直面し、日本や自分の位置など、 いろいろと考えさせられました。
そして私自身が、相変わらず精神が脆弱で、 すぐ感情的になり、よく不安にかられること、 その解決を、内面をきたえることではなく
自分の外側に求めようとしていること、にあらためて思い至りました。 何より、内面の火を鎮めるために ヨーガを始めたのではなかったのか と反省することしきりです。
カイヴァリヤダーマにあったNo Yoga、no peace Know Yoga、know peace の言葉が心に残っています。
とはいえ、3週間とっても楽しく、かつ エキサイティングでしたので、またインドに行きたいな、と懲りずに思っています。
最後になりましたが、インド旅行にありがちな常識では計れないトラブルや 不快な思いに見舞われることがありませんでした。 いろいろな人に話しても「それは本当にラッキー」といわれます。
これも相方先生の的確なコーディネート、 そしてJKトラベルさんや通訳のラトールさんの 温かいサポートのおかげだと思います。
皆様に心からお礼を申し上げます。
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