2010年6月9日水曜日

カイヴァリヤダーマ研究所・6週間コース(CCY)2010(3)

カイヴァリヤダーマ研究所・付属カレッジ
冬期6週間コース(CERTIFICATE COURSE IN YOGA:CCY)総括レポート
期間:2009年1月15日-2月25日

ロナウラの『カイヴァリヤダーマ研究所』の付属カレッジで1月・2月に開講された冬期6週間コース(CCY)を受講された、広島在住の「S.F.」さん(女性)の総括レポートです。 


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「S.F.」さんは約7年間、病院で医療ソーシャル・ワーカーとして勤務された後、見聞を広め人生経験を深めるべく、現在充電期間中、次のようなプログラムに参加されました。

・2009年 9月「パナ・ソム2009(5日間)」 ・2009年10月ウルリカンチャンの「自然療法アシュラム」とロナウラの「カイヴァリヤダーマ研究所」ビジター滞在

・2009年11月「ワンサニット2009(10日間)」 ・2010年 1月「カイヴァリヤダーマ研究所」で6週間コース(CCY)受講 ・2010年 3月イガットプリで「ヴィパッサナー(Vipassana)」の10日間コース

その後も「S.F.」さんは見聞・人生経験を広める世界旅行を続けられ、先ほど日本に帰国されました。

「S.F.」さんからの帰国後のお便りです。

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改めて、タイに始まりインドでは大変お世話になりました。
今思うと、自分の中でヨーガに対してはいつも焦りと迷いが
つきまとっていた気がしますが、このぎゅっと詰まった数ヶ月の
お陰で、気持ち的に一段落ついた気がします。

これからは日常生活の中でゆっくりと消化していく期間に
当てたいと思います。

今後はソーシャル・ワーカとしての仕事を続けながら、
今までよりも、もう少し忙しくない働き方をして、
その分自分の食料自給率をあげていこうと思っています。

相方先生のセミナーに参加してなかったら、軌道修正せぬまま、
まだまだ私、実りのないままインドに滞在していたかも
しれませんね・・・  

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今年1月2月の「カイヴァリヤダーマ研究所」の「CCY」は、3名の日本人女性が受講されましたが、みなさん、「ワンサニット2009」に参加されています。 

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付属カレッジのコース


「カイヴァリヤダーマ研究所」の付属カレッジでは、以下のようなコースが開講されています。

「6週間集中コース(CCY)」は、エントリー・レベルのプログラムとして、インドでも、最もスタンダードで信頼されている、アカデミックなコースです。

このプログラムは、もともと現役の学校教員が、夏期休暇中にロナウラで「ヨーガ教育」の6週間の集中講座を受講して、学校教育の現場にヨーガを導入することを目的に組み立てられたものです。

そのため、ヨーガを自分のライフ・スタイルに取り入れて行くための必要十分な基礎知識が提供されますし、伝統的ヨーガへの洞察や、効率的なヨーガ指導のための枠組みも紹介されます。

外国人にとっても、「カイヴァリヤダーマ」のCCY受講は、インドでのヨーガの学習を始めるための、最適なプログラムとなっています。

G.S.College of YOGA and Cultural Synthesis,
(Recognised by NCTE, Govt. of India)
Kaivalyadhama Yoga Institute, Lonavla - 410403
ウェブサイト: www.kdham.com

① 6週間集中コース(CCY)


期間:6週間(1月15日ー2月24日、5月2日ー6月11日)
受講資格:高卒以上
年齢制限:40歳まで(外国人には適用されず)
申込締切:12月15日(1月コース)、3月31日(5月コース)
受講料(宿泊・食事込):留学生1000ドル

② 4週間上級集中コース(ATTC)

期間:4週間(3月15日ー4月15日)
受講資格:ヨーガ教師歴2年以上
申込締切:3月5日
受講料(宿泊・食事込):留学生1500ドル

③ ディプロマ・コース(ヨーガ教育D.Y.Ed.専攻) 修業期間:1学年(7月16日開講、翌年4月20日まで)

入学資格:大卒(理系・文系学部を問わず、卒業成績45%以上)
年齢制限:35歳まで
申込締切:5月末
授業料(宿泊・食事込):留学生4300ドル(2人部屋共有)
(インド中央政府厚生省AYUSH局の奨学金給付対象)

④ ディプロマ・コース(ヨーガ・セラピーDYT専攻)

修業期間:1学年間講義+半年間インターンシップ(8月開講)
入学資格:大卒(理系学部卒業成績60%以上、又はヨーガ教育ディプロマ卒業成績55%以上)
年齢制限:45歳まで
申込締切:7月末
授業料(宿泊・食事込):留学生6000ドル(2人部屋共有)

 
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総括フィードバックの項目
「S.F.」さんには、次の項目で、修了試験の内容をレポート中心に、総括フィードバックをお願いしました。 

I.修了試験・理論編
1)ヨーガと体育教育(Physical Education/Teaching Method)
2)人体の構造と機能(Anatomy & Physiology)
3)伝統的ヨーガ(Traditional Yoga)
4)ヨーガと価値教育(Value Education)
5)ヨーガと心の健康(Mental Health)
6)指導法(Teaching Methods for Yogic Practice)
7)口答試験(Viva-voce)

II.修了試験・実技編


III.教育実習(Teaching Lesson)
IV.総括編
①『カイヴァリヤダーマ』の6週間コースを受講する価値はあったか
②ロナウラの総合的な学習環境はどうであったか
③6週間コースで消化したことはどう役立つか
④今後のヨーガに対する展望


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インドでの研修プログラムや、短期・長期のヨーガ留学について関心ある方は、どうぞ、ご相談下さい。適切なガイダンスとサポートが可能です。

『カイヴァリヤダーマ』のオフィスとの調整や、最寄りのムンバイ空港への送迎の手配、また、日本語ガイドの手配も可能です。
 
お問い合わせは「コメント欄」をご利用下さい。

 
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『カイヴァリヤダーマ研究所・付属カレッジ』
冬期6週間(CCY)コース・総括レポート(S.F.さん)


1)修了試験 理論編

「修了試験・理論編」については、「N.K.」さんが書いてくれたので割愛させていただきます。

⑦の口答試験の部分のみ付け加えました。


⑦口答試験(Viva-Voce)

時間は5分~10分弱だったと思います。内容は各々で異なります。

私は、以下の内容について質問されました。

・「何故、カイバリヤダーマで勉強しようと思ったのか?」
・「Kriyaについて説明せよ(もしかしたらKriya Yogaだったかもしれません・・)」
・「Conflictの3つのタイプを答えよ」
・「何故Adjustmentが必要なのか?」
・「Ashtanga Yogaの前に必要な Samyamaについて説明せよ」
・「カイバリヤダーマで勉強してどうか?」
・「日本のヨーガとカイヴァリヤダーマのヨーガでは似ている点があるか?」
 

2)修了試験 実技編


①ヨーガと体育教育 (Yoga & Physical Education)

授業ではいつもパワーポイントを使って下さり、またコミカルな動きと共に授業は進んでいくので英語が苦手な自分でも分かりやすかったです。

毎回カメラでパワーポイントを撮影し、試験前にはそれを整理して過去問と照らし合わせながら勉強しました。暗記ができれば試験は大丈夫です。


②人体の構造と機能とヨーガの実習の効果

(Structure & Function of Human Body and Effect of Yoga Practices on it)

英語で生理学について理解するという、私にとってはとってもハードな授業でしたが、プラーナヤーマの生理学影響の話などはとても興味深かったです。

試験の前日に設けられた特別講義で、先生が試験内容に触れてくれたのでそれを中心に勉強しました。

西洋医学の医師であるクラスメートやディプロマの先輩方の力を一番借りたのもこの科目です。


③伝統的ヨーガ
(Traditional Yoga)

チャランダース著の「アシュターンガ・ヨーガ」のテキストを使います。テキストはやさしい英語で書いてあるので読みやすいですが、「ヨーガ・スートラ」と異なり、ヤマ、ニヤマが各10個づつあったり、ダーラナ、ディヤーナもかなり細かく分かれており、興味深いです。

試験は、過去問と照らし合わせながら先生から配布されたレジュメをひたすら暗記しました。暗記できればテストは十分にできると思います。


④ヨーガと価値教育 (Value Education)

先生の「価値教育」に対する熱意は十分感じられたのですが、残念ながら授業が全く分かりませんでした(笑)。

配布された価値教育の概念について書いてあるレジュメも難しい単語だらけでさっぱり理解できず、結局レジュメに全て目を通さず試験を受けました。

大枠は、価値のコンセプトと分類、インドでの価値のコンセプト、価値教育の意味、ヨーガと価値教育にしぼられるので、これを理解しておけばよいと思います。


⑤ヨーガと心の健康 (Yoga and Mental Health)

校長先生の担当です。
試験直前になってシラバスを終えていないと気付いた先生の追加授業が満載でした。

哲学的な授業の内容と先生の雰囲気が相俟って余韻が残る講義で、特にチッタに関する話は面白かったです。試験は難しいですが、テキストに沿って理解していれば大丈夫だと思います。


⑥指導法 (Teaching Methods)

担当は、自分の年齢よりも若いのに10年のヨーガ指導歴のある先生です。自分の経験を交えての講義だったので分かりやすかったです。

テストに出る問題は先生が事前に教えてくれていたので、(といっても結局1冊の本をカバーする位の内容ですが)それに絞って勉強し、テストに備えたら全く違う問題がでました。先生の言うことをあまり信じすぎるのも良くないのかもしれません。


⑦口答試験 (Viva-Voce)

筆記試験への準備ができていれば大丈夫!と聞いていましたが、テストの初日にあったので全く準備していませんでした。

質問はテスト2・3日目の教科を踏まえたものでした。私が聞かれた内容も、
2日目の「Traditional Yoga」、
3日目の「Mental Health」
に関する内容でした。

外国人生徒には比較的易しい質問を投げかけてくれているように思います。


3)教育実習 (Teaching Lesson)

アーサナ・プラーナヤーマの中から1つ(文句なしのくじで決めました)、20分の時間内で生徒に教えるというものです。

私は、マッカラ・アーサナでした。流れとしては、座る位置のアレンジ、出席確認、マントラ、アーサナについての説明(アーサナの意味、アーサナのやり方、注意点、禁忌、効果など)、個別実習の指導、グループ実習の指導、Q&Aなどが一連の流れです。

ちょっと緊張しますが、英語ができなくても、カンペを使うことができますし、ちゃんと準備していれば問題なくできます。

毎回、生徒の「Teaching Lesson」が終わった後に、どこが良かったか、改善すべき点など出し合うのですが、回を追うごとにどんどん皆のレベルがあがっているのが分かりました。説明の補助に使うポスター作成にも皆の個性が出て面白いです。


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4)総括編


①カイヴァリヤダーマ6週間コースを受講する価値はあったか

もちろんありました。

インドではヒンドゥー教、ヴェーダーンタの思想、ヨーガが当たり前に絡み合っている部分を垣間見ることができました。

授業中、バガバット・ギーターやサンスクリット語、インドの思想に関わる内容が頻出するさまに、インドで生まれ育っていないと分らないこと、インドで住んでいないと分らないことが、想像以上にあるのだ、ということに気付かされた6Wでもありました。

そして、自分は日本人として、インドのこのままを日常生活に受け入れることは到底無理だ、と体感できたので、相方先生のよくおっしゃる「日本人としての正しい努力をしないと消化不良になる」という意味が切実に分かりました。

インドで外国人には追いつけない感覚というものを見せつけられてしまいましたが、それでもヨーガにもインドにも興味がある自分としては、感情的にならずに、ただ客観的にこれらに関わっていくことが上手な方法なのだと思います。

そう気づけたことで、改めて自分がヨーガを続けていくにあたって、必要なもの、あえて外国人の立場では関わる必要はなくスルーしても大丈夫なもののすみ分けが少しはできたと思います。

これはインドに来ていなければ肌で感じることのできなかった部分だと思います。


②ロナウラの総合的な学習環境はどうであったか

私は暫くインドを旅行した後にロナウラを訪れたのですが、ロナウラには他のインドの場所にはないもどかしさがあるように思いました。

それが何かはよく分からないのですが、そのもどかしさが、ここでの近代ヨーガの研究を後押ししたのかなあ、と思ってしまいます。

ロナウラでは、頻繁な停電や、急な講義の変更・休講、配布資料を自分達でコピーしなければならなかったり、など不都合な点はありますがインドということで慣れてしまえば、何てことはありません。

先生方やスタッフの方々は熱心に関わってくれましたし、図書館にはヨーガの文献も豊富にあります。

自然と、健康な食事と、同じ目的を持った人たちに囲まれたロナウラでの生活はヨーガを勉強する環境としてとても恵まれていると思います。

ロナウラ在住のククジー、プネー在住のラトールさん、そして相方先生たちにも常に気にかけて頂きサポートしてもらっていたので、特に心配事もなく過ごせました。


③6週間コースで消化したことはどう役立つか

まだ消化しきれていないので、何ともいえませんが・・・

ヨーガに対するぶれない方向性は見えてきたような気がします。

今まではヨーガを使って何かしよう、という風に考えていたのですが、ヨーガを自分の為にやっていこうという考えに変わりました。

ヨーガを続けていくよい動機と自信にも繋がったように思います。

ヨーガを自己練していく中で、自分の中でヨーガへの理解度が増してきた時、今回勉強したことが、ものすごく身にしみて分かる気がします。


④今度のヨーガに対する展望

こつこつ自己練に励みたいと思います。そしてヨーガの古典を自分のペースで読み進めていけたらと思います。

日本でもヨーガに対する誤解が少しでも減ることを願っています。


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