日程: 2011年11月27日(日)-12月7日(水) 10泊11日      
会場: ワンサニット・アシュラム(バンコク郊外オンカラック)       
→ www.sulak-sivaraksaorg/network24.php    
→ http://www.wongsanit-ashram.org/       
        
    
ワンサニット2011
→https://sites.google.com/site/hhyoga/wongsanit2011
Picasa上の合同アルバム
→https://picasaweb.google.com/103061544163066016927/2011SIAM_Wongsanit2011
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一時期停滞がありましたが、近年、日本でも、再びヨーガ・ブームと言える状況が戻って来ているようです。しかし、依然として、ヨーガを巡る知識や情報は、混沌としたままのようです。むしろ、ますます混迷の度を増している、ようにも見受けられます。
不思議なことですが、どこの国でも、ヨーガに興味を持ち、ヨーガがご自分にとって深い意味がある、と考える人たちが居ます。
12年前、わたしたちは東南アジアの仏教国のタイで、そのような人たちと出会い、段階的に、タイで継続したヨーガの活動が成立する環境が整って行きました。
タイの人たちは、自分たちの精神文化である上座部仏教と同じく、インドにルーツのあるヨーガとの関連について興味がありました。伝統的ヨーガを学ぶことは、タイの人たちにとっては、自分たちが空気のように浸っていながら、急速な近代化・都市化の余波で希薄に成りつつある仏教文化を再発見・再認識するツールにもなったようです。
では、現代の日本人にとって、ヨーガはどのような意味を持つのか、持ち得るのか。4年前から、ヨーガに深い関心を寄せる日本の人たちと直接接する機会が増えたわたしたちの、新しい研究課題でもあります。
毎回合宿セミナーに参加された方たちから頂くフィードバックによって、「伝統的ヨーガの理論と技術」の学習プログラムの構成と内容も、徐々に最適化されて来ています。
今後とも、よろしく、ご理解とご支援をお願いしたいと思います。
●専門コース
「ワンサニット2011」は「専門コース」という位置付けの、11日間100時間の集中学習コースです。ヨーガをヨーガとして根拠付けているインドの伝統的なリソースを直接扱い、ヨーガに関する知識の階層を深めることを目的としています。
ヨーガの有用性をご自分の経験で納得され、今後もヨーガへライフ・ワーク的な取組みを志向されている方には、ある段階で、伝統的ヨーガの理論と技術を、インドの原典から確認することが必要で有効でアプローチになります。
その目的のために、2009年からワンサニット・アシュラムで、「専門コース」が始まりました。「ワンサニット2011」では、次のようなトピックが取り上げられました。
・ヨーガのコンセプト
・アーサナの理論と技術
・プラーナーヤーマの理論と技術
・ムドラー
・クリヤー
・ヨーガ・スートラ1章2章
・ゴーラクシャシャタカ
・ハタ・プラディーピカー1章2章
・ヨーガの歴史的背景
・ヨーガとヴェーダ文化
・ヨーガとアジアの精神性(仏教文化)
今後もこの方向で、純正なヨーガへの自信を深めてくれる伝統的リソースの厚みを増やして行く予定です。
   
    
参加者の方のフィードバック・シリーズ
兵庫在住のM.T.さん(女性)
      
ワンサニットでは大変お世話になりました。 そして貴重な学びの時間をありがとうございます。 この新鮮な感動がほやほやのうちに、フィードバックを書かせていただきました。       
      
【プロフィール】        
     
①住んでいるところ       
      
兵庫県西宮市       
      
②現在の仕事        
      
ヨーガを地元の方にお伝えしています。       
      
③特技、趣味、ライフワーク       
      
ロッククライミングや山歩き、テレマークスキーなど、野山に入ること。       
      
④ヨーガを始めたきっかけ       
      
クライミングで故障した身体のセルフメンテナンスとして       
      
⑤ヨーガ歴と、プログラムへの参加歴       
      
ヨーガは15年くらいです。 相方先生のプログラムへは 2011年穂高編①と②、そして「2011ワンサニット」に参加させていただきました。       
2010年「カイヴァリヤダーマ・ヘルスケア・プログラム」に個人で参加しています。       
      
⑥ヨーガが自分にもつ意味       
      
身体や心を整える手段。 岩や山と向き合う集中力や健やかな身体を保つ。       
      
             
  
【フィードバック】         
        
1)ワンサニットアシュラムの場所と環境         
        
①環境       
      
バンコク近郊なのに、川をいかだで渡ったとたん空気や気配が変わりました。静かで森が生き生きとしています。 木や鳥や生き物がうれしそうです。 場所や空気の流れ、いい風が通るかどうかはとても大切だと思います。       
      
素晴らしい環境で過ごすことができました。 場所の力はとても大きいです。       
  
②ゲストハウス・ドミトリー       
      
わたしは5人の仲間とドミトリーで過ごしました。 蚊帳もあり清潔で、毎晩トッケーの鳴き声が楽しみでした。 ドミトリーではその日の復習をみんなでワイワイとしたり、 今の考えを討論したり、ずいぶん楽しい日々でした。       
      
③土ハウス       
      
落ち着きます。 いらない音が土の壁に吸い込まれるのでしょう。 机といすではなく、小さなちゃぶ台みたいな机で床に座って授業を受けられるのがよかったです。       
      
④池ハウス       
      
わたしの昼寝場所。 いい風がわたり、とても気持ちがいいです。       
      
⑤瞑想ホール       
      
仏さまのある静かなこの場所は心が落ち着きます。 たしかに瞑想にむいています。       
      
⑥キッチンと食事       
      
いつもいつも毎回違うすばらしいお食事でした。 菜食ですが、とても心や身体が満足しました。 いつも温かいお湯が用意されていて、お茶好きの私はとても幸せです。       
      
⑦ハーブサウナ       
      
毎日水シャワーなので、 いい香りのハーブサウナはとてもうれしい時間でした。 カラカラサウナは苦手ですが、 ハーブのスチームはとても喉にもよさそうです。       
      
         
       
2)講義について        
      
①ヨーガの歴史的背景       
      
漠然とインドで始まったもの、ということしか理解していなかった私にとって、歴史的な背景を学ぶことは非常に重要で、しかも、エッセンスをまとめて時系列的にわかりやすく教えていただき、やっとその意味や、今のヨーガのあり方などへのつながりが見えてきました。       
      
②ヨーガのコンセプト        
      
なんどもなんども繰り返し大事なところを教えてくださって、 いろいろなことがとてもクリアになりました。       
      
③アーサナ       
      
アーサナの種類や形ではなく、なぜアーサナをするのかを学び、 その実践方法も腑に落ちました。       
      
④プラーナーヤーマ       
      
実践とともに、 プラーナーヤーマこそが本丸だと大変よくわかりました。 毎日少しずつ実践して、 自分の身体の変化を観察していきたいと思っています。       
      
      
⑤⑥⑦ヨーガスートラ/ハタプラビティカー1章2章/ゴラクシャシャタカ        
      
名前しか知らなかったヨーガ古典テキストですが、 どれもよくできているなあーと感激しました。 でも、これも英語訳を読み進めただけでは、       
ここまで理解できませんでした。       
      
やはり、的確な相方先生の解説があったからこそです。 どんなすぐれた文献も手元にあるだけじゃよくわからないし、 真価が発揮されません。       
わかりやすく一文一文解釈を教えていただけることは、とても大きいです。       
      
日本語でわかりやすく、しかも日本語で質問できることは 大変ありがたかったです。 ゴラクシャシャタカはもうちょっとゆっくり復習します。       
             
  
3)仏教       
      
カヴィー先生の講義       
      
大変わかりやすかったです。 段階をふんだ説明で、仏教の教えや考え方がわたしたち一般の者にもずいぶんわかりやすく、そして、先生の英語もとても聞きやすかったです。仏教への漠然とした感覚が、はっきり理論だてて、とてもよくわかりました。       
      
②ヴィラーポン・ジラワン先生方の講義       
      
絵を使った実践の講義はとても面白かったです。 いろいろな方向から照らしていくと浮き上がってくるものがあるんだなあと、感動しました。       
      
③バンコクの仏教関連施設訪問       
      
こういう生きた宗教の場所に触れることができて、仏教への印象や学びも深まり、なぜタイでワンサニットが開催されるのか、よくわかりました。       
      
④ビデオシリーズ        
      
日本で放映されたこのテレビ番組はまったく見たことがなかったので、あらためて仏教についての講義を受けた上でこのビデオを見れたことは大きく、ドキュメントの意味もよくわかりました。       
      
             
       
4)実習について        
  
①アーサナ       
      
シャワ・アーサナの持つ意味がよくわかりました。 筋緊張の適正化を自分の身体で体験しました。 深層筋へのアプローチが体感できるようになってきました。       
      
②プラーナーヤーマ        
      
カパラバーティのあと、息がとまる時間が体感でき なぜそれが起こるのかも理解ができました。 アヌローマ・ヴィローマは常にそばにおきたい実践法です。 ウジャイ・バストリカ・クンバカは 少しずつ練習を深めていこうと思います。       
      
③クリヤー       
      
ジャラ・ネーティは日本でも日常的にやっておりましたが、 スートラ・ネティも呼吸器官の調整にいいなあと実感しました。 ボウマン・ダウティはとてもスムーズにできました。 嘔吐中枢への働きかけの意味もよくわかりました。       
      
④ムドラー       
      
バンダ・マスターのおかげで、ウッディヤーナ・バンダが(穂高の頃に比べると)とてもスムーズに 出来るようになってきました。       
      
ムーラ・バンダとジャーランダラ・バンダは意識を保っていないと、知らないうちに緩んでいることがあるので、 もうちょっと経験をつまなければなりません。 マハー・ムドラもまだまだ経験が必要だと感じました。       
      
             
  
5)ワンサニット2011の総括       
      
①②プログラム全体の総括的な感想       
      
あっという間の10日間でした。 いつも先生がおっしゃるように、ヨーガの実践も理論も、ある程度まとまった日にちで 密な時間を持たないと意味がないと、実際経験してみて思いました。 間があくと、毎回復習だけに時間がとられて積み上げが遅々としてすすまないからです。       
      
そして、環境もとても大事だと感じました。 五感を解放することが出来るあんな森のなかのいい環境だからこそ、素直に身体や心が解き放たれて、 自然と瞑想に向かう準備がなされると思います。       
      
瞑想のあと、満員電車にゆられて帰っているようでは ここまでの体感や理解は無理です。 そして、必要不可欠なエッセンスをわかりやすく       
ユーモアを交えながら、繰り返し繰り返し教えてくださる先生の講義は、非常に洗練されていて感動しました。       
      
どこにも偏らない学者としてのスタンスで インドや日本やタイを、 ヒンドゥや大乗仏教やテーラワーダを、 立体的な視点で見ていらっしゃるからこそ、中立的な意見をうしなわずに、こうして浮かび上がらせることが出来るんだなあと、 感じます。おおげさではなく、 今のわたしにとって「ワンサニット」は最高の機会でした。       
      
昨年個人で「カイヴァリヤダーマ」に行って、いろいろ講義も面白かったのですがインド英語も難解で、講師によって差もあるし、ついていくのに必死でした。       
      
どんどん日本語で質問できて、しかも的確に答えてくださる先生に出会えたことは 大変ありがたいことです。       
      
③今後のプログラムへの要望       
      
また学びを深めていくために、追加プログラムをぜひ組んでいただけると嬉しいです。 いつか、今先生がタイでなさっているような通年のプログラムが 日本で受けられる日をのぞんでいます。       
      
④タイについて        
      
島国の日本とは違って、いろいろな宗教の伝播や混在 生きた宗教の場、そのためなのか、おおらかな国民性が面白かったです。みんなにこにことしていて、インドよりはずいぶん親近感があります。 (外道の細道は検索してみていませんが)       
      
厳しいテーラワーダの戒律を守る人々あり、 享楽の世界もあり、興味深い国です。今の国境を目安にせずに、宗教文化の歴史と、その境目を自分でみてみたいと思いました。       
      
長文、おつきあいいただきましてありがとうございました。 どうかこれからも、行く道を照らしてください。 よろしくお願いいたします。       
      
M.T.拝
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