2009年3月1日日曜日

カイヴァリヤダーマ研究所:D.Y.Ed.コース

ロナウラの『カイヴァリヤダーマ研究所』での2009年のコースのご案内の続きです。1年間のディプロマ・コースについてです。

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インドでのヨーガの研修・勉強計画について関心ある方は、どうぞ、
お気軽にご相談下さい。的確なガイダンスとサポートが可能と思います。

1・2週間のインド研修セミナーから、2・3ヶ月の短期留学、1年以上の長期留学まで、ご希望と興味のレベルによって対応できます。

『カイヴァリヤダーマ研究所』のオフィスや付属カレッジとの調整や、ムンバイ空港到着後の出迎、車の手配、また、日本語ガイドなどの手配も可能です。

ヨーガのルーツはインドにありますので、ヨーガに興味のある方、ヨーガに関わっている方は、適切な形で「インド」との接点を持つことが、やはり有利なことになるでしょう。

インドは遙かな古代から文化の一貫性が保たれ、お互いに相矛盾するものが共存する摩訶不思議な空間であり、強い磁場の場所です。

インド環境に晒されると、自然と、「人間」というもの、人間の営む「社会」について、そして、何よりも「自分」というものについて洞察が深まるようですね。

1)ヨーガ教育(D.Y.Ed.)ディプロマ・コース

修業期間:1学年(7月16日開講、翌年4月20日まで)
入学資格:大卒(理系・文系学部を問わず、卒業成績45%以上)
年齢制限:35歳まで(外国人は年齢制限なし)
申込締切:5月末
授業料(宿泊・食事込):留学生4250ドル

現在、『カイヴァリヤダーマ研究所』の付属カレッジでは「入門コース」として6週間コース(CCY)が年2回(1・2月と5・6月)に開講されていますが、中心となるプログラムは1年間のディプロマ・コース(Diploma of Yoga Education/D.Y.Ed.)です。

このコースは、インド中央政府の人的資源開発省の「NCTE(教員教育全国審議会)」から認定を受けており、「ディプロマ(D.Y.Ed)」保持者は学校教育・大学レベルでの教職への就職が可能になる職業資格です。

また、将来ヨーガの研究者・専門家への道に進む場合にも、 確実な基礎作りになるコースです。1950年の開校以来、教育・研究分野に多数の有意な人材を送り出して来ました。

現在進行中の、インド中央政府厚生省AYUSH局の国立ヨーガ研究所主導によるヨーガのスタンダード化(標準化)でも、1年間の「ディプロマ」が職業としての「ヨーガ教師」の基準資格とされています。

1950年の開校以来、現在までの日本人の卒業生は10名です。 今年度は2名の日本人留学生が在籍中です。


2)ディプロマ・コースのカリキュラム

『カイヴァリヤダーマ』の「ディプロマ(D.Y.Ed)・コース」のカリキュラムは職業としての「ヨーガ教師」の基礎教養を養成しようとするものです。

その枠組みと内容を理解すると、プロフェッショナルとしてのヨーガの知識を深めて行く方向性の、客観的なガイドラインが得られます。

また、ヨーガを個人的な興味の対象や、自己探求の手段として、ライフ・ワーク的に勉強や探究を深めて行く場合にも、この枠組みが自分の進むべき方向性を確認して行くガイドラインになります。

インドで現在進行中の、国立ヨーガ研究所主導によるヨーガの「スタンダード化」の方向性は、ただ単にあるスタイルのアーサナ体操を知っているだけでは「ヨーガ」を知っていることにはならないし、それを教えるだけでは「ヨーガ教師」とはならない、というものです。

仮にあるスタイルのアーサナ体操のエキスパートとしても、 職業としての「ヨーガ教師」には、今後、ヨーガ全般の基礎教養としてのディプロマ・レベルの知識が必要、という方針です。

これは、インド以外の国で進んだ極端なヨーガの商業化・ビジネス化に対処する政策ですし、一般社会における「ヨーガ」の健全な位置付けを明確にするものです。

また、ヨーガはしばしばインド系の宗教団体の布教手段にも利用されて来ましたが、このガイドラインでは、特定の「宗教」の教義とは関係のない、中立的で学術的な「ヨーガ」が強調されています。

次が、ディプロマ・コースの理論科目です。5科目あります。

I.パータンジャリ・ヨーガ・スートラ(P.Y.S.)の基礎
II.ハタ・ヨーガの基礎
III.ヨーガと文化の統合・価値教育
IV.人体の構造・機能とヨーガの実習の効果
V.ヨーガとメンタル・ヘルス

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この枠組みが、ヨーガに関する教養を深めて行く方向性になります。まず、ヨーガ自体の理論的枠組みを決めているパータンジャリの『ヨーガ・スートラ』の理解。そして、その前提としてのインド哲学の全般的な教養。

「ヨーガ・スートラ」の前提になっているサーンキャ哲学、さらには、インドの思想全体の土台となっている「ウパニシャド」のコンセプト。

ヨーガはインド的思考法・インド的人生観の土台を成しているものですので、ヨーガと取り組むには、広い意味でのインド的な哲学的考え方の教養を深めることが要請されます(外国人には、この部分が最初のハードルになります)。

次に、インド的な心身統合の手法であるヨーガの、具体的な技法面を提供している「ハタ・ヨーガ」の伝統と、その文献群の内容の理解。

そして、その「ハタ・ヨーガ」の技法群を、身体面から合理的に解釈するのに必要な近代的解剖・生理学による人体の構造と機能の基礎知識。

さらに、インド的な心身統合のプロセスであるヨーガを、心理面から合理的に解釈するために有効な近代心理学の基礎知識。

以上
4分野が、ヨーガ教育のコアを形成しています。ニュートラルで伝達可能な知識体系としての「ヨーガ」の4本柱です。

そして、「ヨーガ」の場合、その先はあるものは「文化と価値」の領域になります。

ヨーガ教師・ヨーガの実践者は、ヨーガ理解を通じて、人類の多様な精神文化全般への理解と洞察を深め、自分の所属する文化伝統への理解と自信を深めると同時に、異文化への理解と寛容性を養成することが期待されています。

これは、『カイヴァリヤダーマ』の創立者の「クヴァラヤーナンダ」のビジョンでもあります(下の「カイヴァリヤダーマの伝統」を参照)。

次が、ディプロマ・コースの理論科目の詳細項目です。

I.パータンジャリ・ヨーガ・スートラ(P.Y.S.)の基礎

1.哲学的基礎

・インド哲学的思考の紹介とその特性
・サーンキャ哲学から見たP.Y.S.の基礎
・古代インド伝統におけるP.Y.S.位置付け:歴史的展望
・P.Y.S.と他のヨーガの伝統
・P.Y.S.の概観
・パータンジャリによるヨーガの起源と本質
・P.Y.S.とその伝統的・現代的注釈、P.Y.S.に関連した他の著作


2.サマーディ・パーダのコンセプト的理解

・アヌシャーサナ(Anusasana)
・ヨーガ的心理学
・チッタ(Citta)
・ヴルッティ(Cittavrttis)
・ニローダ(Nirodha)
・スワルーパ・プラティシュタとヴルッティサルーピャタ
(Svarupapratistha and vrttisarupyata)
・アヴィヤーサとヴァイラーギャ(Abhyasa and Vairagya)
・サンプラニャータとアニャ(Samprajnata and Anya)
・バーヴァプラティヤーヤ(Bhavapratyaya)
・ヨーガ・サーダナを促進させる要因
・イーシュワラのコンセプトとイーシュワラ・プラニダーナ、プラナヴァ・ジャパ
(Isvara, Isvarapranidhana, pranarajapa)
・チッタヴィクシェーパとアンタラーヤのコンセプト(citta viksepa/antaraya)
・エーカタットワ・アヴィヤーサ(Ekatattvabhyasa)
・チッタ・プラサーダナのコンセプトと方法論(Cittaprasadana)
・サマーパッティ、サビージャ・サマーディ、ニルビージャ・サマーディ
(Samapattis, Sabija Samadhi and nirbija samadhi)
・ルタンバラ・プラジュニャ(Rtambharaprajna)


3.サーダナ・パーダのコンセプト的・実践的基礎

・クリヤ・ヨーガとは何か?何故クリヤ・ヨーガか?クリヤ・ヨーガの教育的価値
・クレーシャのコンセプト(Klesa)
・苦痛と苦悩へのヨーガ的な見解
・苦悩を克服する4段階の方策
・ドラシュタ・ドリシュヤの性質とその関連(drasta/drsya)
・P.Y.S.における知識(ヴィヴェーカ・キャーティ)のコンセプト
・アシュターンガ(8段階)・ヨーガのコンセプトと実践(Vivekakhyati)
・ヤマ・ニヤマのコンセプトと実践
・アーサナのコンセプトと実践
・プラーナーヤーマのコンセプト:その発展と実践、
ハタ・ヨーガとパータンジャリ・ヨーガの視点から
・プラティヤーヤのコンセプトとその実践、他の文献による


4.ヴィブーティ・パーダのコンセプト的・実践的基礎

・ヴィブーティのコンセプト(Vibhuti)
・ダーラナ・ディヤーナ・サマーディのコンセプト、それらの特性
・サンヤマのコンセプト(Samyama)
・ダルマ・メーガ・サマーディの性質(Dharmamegh Samadhi)
・サットカーリヤ・ヴァーダにコンセプト(Satkaryavada)
・P.Y.S.における解放の性質(Kaivalya)


II.ハタ・ヨーガの基礎

1.ヨーガの歴史とヨーガの学派

a) 5つのハタ・ヨーガ文献
b) 重要なヨーガ・ウパニシャド
c) ヴァシスタ・サンヒター

2.重要なヨーガ文献の紹介

3.ヨーガの成功のために配慮される重要な側面


a) 理想的な住居
b) 促進要因と阻害要因
c) ヨーガ的なダイエット(ミタハーラ)
d) 理想的な季節

4.ハタ・ヨーガ文献におけるヤマとニヤマ

5.アーサナのコンセプトと実習

a) 定義と定義の研究
b) アーサナの分類: i)古代 ii)現代
c) ハタ・ヨーガの重要文献におけるアーサナ

6.ヨーガ文献に見られるヨーガ的・秘教的な人体観

a) ナーディとカンダのコンセプト
b) チャクラのコンセプト
c) クンダリーニのコンセプト
d) ヴァーユのコンセプト
e) グランティのコンセプト
f) タットワのコンセプト
g) マルマスターナのコンセプト
h) 16のアダーラのコンセプト

8.クンバカ・プラーナーヤーマ

a) プラーナーヤーマの発展
b) 様々なヨーガ文献におけるビージャ・マントラやプラヴァナの適用
c) ビージャ・マントラやプラヴァナのないクンバカ
d) それぞれのハタ・ヨーガ文献に見られるクンバカの種類とその分類
e) ヨーガ文献に見られる種々のクンバカの技法
f) 正しいプラーナーヤーマの重要性
g) ナーディ・ショーダナとハタ・シッディの性質

9.ムドラー

a) ムドラーの概念とハタ・ヨーガにおける位置付け、ムドラーの目的
b) ムドラーのプラティヤーハラとダーラナ
c) 代表的なヨーガ文献における様々なムドラー

10.ハタ・ヨーガとヴァシスタ・サンヒターにおけるディヤーナ

11.サマーディ・ナダーヌサンダーナ

a) ゲーランダ・サンヒターにおけるサマーディの性質、それを達成する様々な方法
b) ラヤ、ナーダーヌサンダーナとは何か?ハタ・プラディーピカーにおけるその段階と技術

12.ハタ・ヨーガ文献に基づくヨーガ・セラピーの原則、特にハタ・プラディーピカー第5章を参照して


III.ヨーガと文化の統合・価値教育

1.ヨーガと文化の統合

a) 文化の定義:異なる文化の概観、宗教と文化、文化とヨーガの関係
b) インド文化:ウパニシャド的思考、ヨーガとウパニシャド
c) インド哲学の6学派とヨーガ
d) バガヴァット・ギーター、シヴァ派とヨーガ
e) ヨーガとジャイナ教・仏教
f) ヨーガとイスラム教、ヨーガとスーフィー派、ヨーガとキリスト教
g) 様々な形態の神秘主義とヨーガ
h) 文化と人道主義の基盤としてのヨーガ

2.ヨーガと価値教育

1)価値の意味

a) コンセプトの基本的な理解
b) 価値の分類
c) 人生における価値の意味

2)価値教育

a) 価値教育の意味
b) 価値教育の目的

3)価値教育の内容

a) 精神的価値
b) 個人的価値
c) 社会的価値
d) 国民的価値
e) ヨーガ的価値

4)価値教育の方法:特にヨーガ全般を参照しながら議論


IV.人体の構造・機能とヨーガの実習の効果

1.人体の構造と機能.

1)細胞 : a) 構造  b) 細胞小器官  c) 機能
2)組織のレベル
3)システム
a) 神経系
b) 心臓血管系
c) 排泄系
d) 循環器系
e) 呼吸器系
f) 消化器系
g) 内分泌系
h) 骨格系
i) 筋肉系
4)感覚器官、特に目と耳、構造と機能

2.伝統的な理解からのヨーガ・セラピー

a) セラピー的過程を強調した現代的・ウパニシャド的理解:パンチャ・プラーナ、パンチャ・コーシャ、パンチャ・マハブータ etc.
b) 平均的な健康人へのヨーガ指導との関連と、機能的な障害のある者、特に中年期の患者を扱う場合の特別な注意点との関連
c) 栄養とライフ・スタイルへのアーユルベーダ的な視点
d) アーサナ、定義、分類、様々なシステムへの効果、アーサナとエクササイズの違い
e) パータンジャリ・ヨーガ・スートラの5つのスートラで説明される
プラーナーヤーマの生理学
d) 様々プラーナーヤーマの種類
e) プーラカ・レーチャカ・クンバカの関係、バンダの効果、
関連した研究の参照

3.現代的理解によるヨーガ・セラピー

1)一般的な新陳代謝と栄養学
2)ホメオスタシス
3)方法論:患者の病気を理解すること
(a) 病歴 (b)検査
(a)と(b)に基づいた様々なヨーガ技法の選択


V.ヨーガとメンタル・ヘルス

a) ヨーガと現代心理学の理論的理解
b) メンタル・ヘルス:その意味、決定要因、および応用
c) ヨーガ的のコンセプトである「スヴァスタ(Swasthya)」
d) ヨーガと現代心理学における正常性のコンセプトとモデル
e) パータンジャリ・ヨーガ・スートラに指摘される心身症のコンセプト
f) 人格の現代理論
g) 人格と人格統合へのインド的アプローチ
h) ヨーガ的方法による個人的・対人関係的な調整
i) 全人格統合のための態度変化と態度形成におけるヤマ、ニヤマ、アーサナ、プラーナーヤーマ、及びディヤーナの役割
j) ストレス・マネージメント:現代的とヨーガ的視点
k) 欲求不満・不安・葛藤における病的効果への現代的・ヨーガ的方法での対処
l) パータンジャリのサマーパッティ・ダーラナ・ディヤーナ・サマーディ・サンヤマのコンセプト:心理学的な視点
m) 心理・精神的発展への比較文化的アプローチとしての祈り
n) 社会的に不適応な異常行動へ対処するためのカウンセリングや
心理療法とヨーガの役割


3) カイヴァリヤ-マ・ヨ-ガの伝統

Kaivalyadhama Yoga Institute
http://www.kdham.com/
Lonavla-410403, Dist.Pune, Maharashtra, India
Phone: (91)-2114-273001 / 276001 / 273039
FAX: (91)-2114-271983 / 277402

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『カイヴァリヤダ-マ・ヨ-ガ研究所(ロナウラ)』は、1924年に活動を開始して以来、ヨ-ガの科学的研究やヨ-ガ教育、ヨ-ガ・セラピ-の各分野で独自で先駆的な役割を果たして来た。

の研究所には、科学的研究や臨床経験の蓄積されたデ-タや、ヨ-ガに関するの古典テキストの批判的研究結果の論文や出版物、そして、完成度の高い良く構築されたヨ-ガ・トレ-ニングの体系が存在している。


1.「カイヴァリヤダ-マ・ヨ-ガ」の伝統は、1924年にロナウラに『カイヴァリヤダ-マ・アシュラム』が設立された時に始まる。創立者の故スワーミー・クヴァラヤーナンダ(Swami Kuvalayananda)は、この研究所を、当時専門のヨ-ガ修行者のみに与えられる特権と見なされていた、純粋に主観的な神秘的・精神的体験の本質を、一般人にも役立てることが出来るように、現代科学の方法論で調査・研究し、その原理を解明しようという意図のもとで開始した。

「クヴァラヤーナンダ」はこの事業への動機付けを彼の精神的な師であった、グジャラ-ト州マルサ-ルの著名なヨーギ、「マドヴァダ-サ・マハラジ(H. H.Madhavadasaji Maharaj)」のもとで修行中であった1919年から1921年の間に受けた、という。


2.この伝統は、ヨ-ガを、それがラ-ジャ・ヨ-ガやハタ・ヨ-ガ、
カルマ・ヨ-ガといった様々な名称で呼ばれるにしても、世界のあらゆる人々の、身体的、心理的、情動的そして精神的な健康と幸福感を高めるための調和を促進する共通要素と見なしている。


3.また、この伝統はヨ-ガを基本的に精神的な修行体系であり体験であると 見なしている。ヨ-ガは、あらゆる神秘体験の本質的構成要素であり、同時に人々に惨めさと争いをもたらす葛藤と緊張を克服する助けになる力を持っていると理解されている。


4.この伝統は、もしヨ-ガの基本的な原理が現代の科学的調査法と、伝統的なヨ-ガ文献の批判的理解や、いくつかの選択されたヨ-ガ技法の効果的なトレ-ニング体系の規格化で説明されることが出来るならば、人々の積極的な健康や調和、人類の同志愛は現実のものとなるだろうと信じている。


5.つまり、ヨ-ガのメッセ-ジはすべての個人に身体的な健康、心の平安、そして精神的向上をもたらすべく、向けられているということである。


6.『カイヴァリヤダ-マ』で構築されたヨ-ガの身体トレ-ニングの体系は、最初は故スワーミー・クヴァラヤーナンダの臨床実験に基づいていた。1920年からのヨ-ガの研究結果の蓄積と、文献調査に基づく各種のヨ-ガ文献の批判的理解は、この伝統のヨ-ガにおけるヨ-ガ教育の方向性を固めていくのに大いに役立ってきた。


7.『カイヴァリヤダ-マ』の伝統によれば、どのようなヨ-ガの技法も人間の身体と心と精神へ効果を それぞれに及ぼす多元的な作用を内包している。ここではヨ-ガは本質的には人間を身体的、心理的そして精神的に向上させる精神的な修行体系として理解されている。


8.健康の増進と心の平安の達成が、世界中のどこにでもある直接で普遍的な要請であることから、ヨ-ガの身体トレ-ニングのメッセ-ジは、人々により受け入れられやすいことが明らかであり、おのずと『カイヴァリヤダ-マ』でもヨ-ガの身体トレ-ニングに関連した調査と教育活動が多く実行されてきた。

また同時に精神的目標を追求する修行者も『カイヴァリヤダ-マ』で教えられていることに多くの助けを得ている。


9.ヨ-ガの実証的理解に基づき、『カイヴァリヤダ-マ』は技法と教授法にいくつかの改良と革新をもたらしてきた。しかしこの伝統は、ヨ-ガの名のもとに単なる利益追求のために進行している不完全で無責任な流行やファッションにはまったく反対するものである。

そのため、導入されたあらゆる真に革新的手法はヨ-ガの分野の学者と研究者の実証的な検証に耐えねばならないし、またヨ-ギの実際の体験で確証されなければならない。


10.設立当所から、『カイヴァリヤダ-マ』はヨ-ガをインドの教育制度の一部として統合する努力を続けてきた。それゆえ、ヨ-ガが大学教育の一部として含まれることで、インドの教育制度全体の不可欠な部分として発展する機会を得ることはまさに望まれることであり、多くの実りをもたらすに違いない。


そうなれば日常生活と教育機関でのヨ-ガの応用は、ますますヨ-ガの研究と実践を促進する活動をもたらすだろう。そして、その結果すべての個人の身体と心の積極的な健康と精神的な向上、また社会全体の物質的な繁栄などが現実のものとなるであろう。

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