『ロナウラ・ヨーガ研究所』の今年の出版物、『伝統文献におけるヨーガの治療的論及(Therapeutic References in Traditional Text)』の話題の続きです。
→ www.lonavalayoga.org
わたしたちが現実的に「ヨーガ」に期待していることは、健康と活力の維持・増進と、心身の不調に対処する治療的効果でしょう。
そして、その先にあるのは、醒めた意識と内面的な充足感に裏付けられた、自分らしい、マイペースで静かなライフ・スタイルの確立、であると思われます。
そのためにも、出来るだけ、「ヨーガ」の本質的なリソースに近づいて行くことが、大切になります。
本書は、ヨーガの具体的な技法面を提供する「ハタ・ヨーガ」の伝統文献に見られる、治療的な効果を収集・分類した研究書です。
「インド中央政府厚生省AYUSH局CCRYN (ヨーガと自然療法・中央研究審議会)」の助成プロジェクトとして進められたものです。
世界的に、ヨーガの技法を心身の病気へ治療的に応用する「ヨーガ・セラピー/ヨーガ療法」への関心は高まっていますが、まだまだ、全般的な知識と情報が不足しています。
本書は、世界で始めて、正統的な「ヨーガ・セラピー/ヨーガ療法」のリソースを包括的に提供したものです。この分野の今後の発展への、大きな寄与が期待されます。
特に、「ヨーガ・セラピー/ヨーガ療法」に興味のある方には、必携となる貴重な資料でしょう。本当の意味での「ヨーガ・セラピー/ヨーガ療法」は、本書をベースにして始まる、と言っても過言ではないと言えます。
書名:
『伝統文献におけるヨーガの治療的論及
(Therapeutic References in Traditional Text)』
ISBN:978-81-908203-1-8 B5版416ページ、
インド国内700ルピー、インド国外45ドル/35ユーロ
編者:
マンマット M. ガロテ、パリマール・デヴナート、ヴィジャヤカント・ジャー
目次:
次が、本書の目次です。
B5版ワイドで、416ページ+48ページ=464ページあります。
献辞.......................................................iii--v
謝辞.......................................................vii--viii
出版者のノート........................................ix
内容.......................................................xi
音訳略語................................................xi—xii
参考図書目録.........................................xiii--xix
序論.......................................................xxi—xlix
第1章 シャット・カルマ..............................1—70
第2章 アーサナ....................................71—172
第3章 プラーナーヤーマ.......................173—226
第4章 ムドラーとバンダ........................227—266
第5章 ダーラナー................................267—292
第6章 アーハーラ(食事)......................293—312
第7章 薬草.........................................313—350
用語集.................................................351—391
索引....................................................392—414
包括的な「序論」に続いて、技法のカテゴリー別に、7章で構成されています。
ハタ・ヨーガを構成する技法群が章別に、余すことなく網羅され、「シャット・カルマ」「アーサナ」「プラーナーヤマ」「ムドラーとバンダ」「メディテーション(ダーラナー)」の章に加えて、追加で「アーハーラ(食事)」の章と「薬草」の章が含まれています。
出版者のノート:
以下は、「出版者のノート」の日本語訳です。編纂チームを代表して、『ロナウラ・ヨーガ研究所』の現所長のマンマット M. ガロテ氏からのメッセージです。
現在のヨーガの世界的なブームは、「ヨーガの実用性」が追求される方向性にあるものです。
確かに、ヨーガの実用性が人々にプラスに貢献するのは有意なことではありますが、同時に、長期的な展望で、ヨーガがヨーガである「ヨーガの正統性」を追求する研究の重要性が訴えられています。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
われわれは、本書『伝統文献におけるヨーガの治療的論及』を、ヨーガの学者、研究者、教師と実習者に提供するこ とに、大いなる喜びを感じるものである。
この基礎的研究によって、ヨーガの治療的側面に興味のある人々が、ヨーガの適切な効果と実際的なガイドラインを導き出すことに大きく貢献することを願っている。
同時に、現代では治療法としての位置が与えられているヨーガの、より大局的な展望を持つことに貢献することも願われる。
ヨーガが、多くの人々の身体的・心理的な疾患の解消に役立っているのを見ることに安堵を覚える。これは、ヨーガの実用性を追求する方向である。
(ヨーガの治療的効果を納得することで、やがて、人々がヨーガのより高次の修練へと魅せられることが願われる)。
本書はヨーガの正統性を追求する方向にある。そのため、研究者が臨床的実験を計画する場合にも困ることがないだろう。
更なるヨーガ研究に利用出来るように、ヨーガの治療的側面に関する論及を1箇所に集積することが、このプロジェクトが企画された目的の1つである。
『ロナウラ・ヨーガ研究所(インド)』は全精力を傾け、主要な活動目的である伝統的ヨーガの復興という責務を果たすために、活動を続けている。しかし、それには、まだまだ長い道程がある。
偉大なる先達者である賢者、聖者、修行者の祝福が研究所にありますように!
伝統的ヨーガの英知が栄えますように!
マンマット M. ガロテ
2010年1月
参考図書目録
インドにおけるヨーガの近代的・学術的な研究は、1920年代にロナウラで始まりました。本書は、現在までロナウラに蓄積されて来たヨーガ資料に基づいた研究です。
次は、本書の元資料となった伝統文献のリストです。65の伝統文献が参照されています。
今後も、このような形でヨーガの伝統文献の研究が進むことで、わたしたちのヨーガへの理解と自信も、ますます進展して行くことが期待されますね。
・Amrtanadopanisad (アムルタナーダ・ウパニシャド)
・Bhagavata-purana (バーガヴァッタ・プラーナ)
・Bhakti-sagaradi (astangayoga)(バクティ・サーガーラティ(アシュターンガ・ヨーガ)
・Brhannaraditya-purana (purva-khanda) (ブラハンナーラディーティヤ・プラーナ)(プールヴァ・カンダ)
・Caraka Samhita (チャラカ・サンヒター)
・Darsanopanisad (ダルシャナ・ウパニシャド)
・Dharma-putrika(ms.) ダルマ・プトリカー(写本)
・Dhyanabindupanisad (ディヤーナ・ビンドゥー・ウパニシャド)
・Garuda-purana (ガルダ・プラーナ)
・Gheranda-samhita (ゲーランダ・サンヒター)
・Goraksa-paddhati (ゴーラクシャ・パダッティ)
・Goraksa-satakam (ゴーラクシャ・シャタカ)
・Hema-candra yoga-sastra of Hema-candracarya(へーマチャンドラ・ヨーガ・シャストラ)
・Hathapradipika (ハタ・プラディーピカー)
・Hathapradlpike(X chapters)(ハタ・プラディーピカー10章版)
・Hathapradipika (VI chapters) or Siddhanta-muktavali(ハタ・プラディーピカー6章版、別名シッダーンタ・ムクターヴァリー)
・Jyotsna-tika (ジョーツナ・ティカ;ハタ・プラディーピカーの註釈)
・Hatharatnavali (ハタ・ラトナーヴァリー)
・Hatha-sanketa-candrika (ハタ・サンケタ・チャンドリカー)
・Hatha-tattva-kaumudi (ハタ・タットヴァ・カウムディー)
・Jnanesvari (ジュニャーネーシュワリー)
・Joga-manjari (ジョーガ・マンジャリー)
・Joga-pradipika (ジョーガ・プラディーピカー)
・Kalikapuranam (Part II)(カーリカー・プラーナ)
・Kapala-kurailaka-hathabhyasa-paddhati(カパーラ・クランタカ・ハタービャーサ・パダッティ)
・Ksurikopanisad (クシュリカ・ウパニシャド)
・Manasollasa (マーナソーラーサ)
・Mandala-brahmanopanipad (マンダラ・ブラーフマナ・ウパニシャド)
・Matsyendra-samhita (Part I)(マッチェーンドラ・サンヒター)
・Nadabindupanisad (ナーダ・ビンドゥー・ウパニシャド)
・Patanjala-yoga-pradipa (パータンジャラ・ヨーガ・プラディーパ)
・Patanjala-yoga-sutrani (パータンジャラ・ヨーガ・スートラーニ)
・Pavanavijaya-svarodaya (パヴァナヴィジャヤ・スヴァローダヤ)
・Rudrayamalam (uttara-tantram)(ルドラヤーマラ)(ウッタラ・タントラ)
・Sandilyopanigad (シャーンディリヤ・ウパニシャド)
・Sarada-tilaka (シャーラダー・ティラカ)
・Satkarma-samgrahah (シャット・カルマ・サングラハ)
・Siddhdnta-sekhara (kamya-kanda)(シッダーンタ・シェーカラ)
・Siddha-siddhanta-paddhati (シッダ・シッダーンタ・パダティ)
・Siva-samhita (シヴァ・サンヒター)
・Siva-yoga-dipika (シヴァ・ヨーガ・ディーピカー)
・Susruta Samhita (スシュルタ・サンヒター)
・Trisikhi-brihmanopanisad (トリシキ・ブラーフマナ・ウパニシャド)
・Vasistha-samhita (yoga-kanda)(ヴァシスタ・サンヒター)
・Vayu-purana (ヴァーユ・プラーナ)
・Vyasa-bhasya (ヴィヤーサ・バーシャ)
・Yoga-asanamala sacitra (ヨーガ・アーサナマーラー・サチットラ)
・Yoga-bija (ヨーガ・ビージャ)
・Yoga-cintamani (Godavara Misra)(ヨーガ・チンターマニー)(ゴーダヴァラ・ミシュラ)
・Yoga-cintamani(Sivananda Sarasvati)(ヨーガ・チンターマニー)(シヴァーナンダ・サラスヴァティ)
・Yoga-cundamanyupanigad (ヨーガ・チューダーマニー・ウパニシャッド)
・Yoga-kundalyupanipad (ヨーガ・クンダリー・ウパニシャド)
・Yogananda-rasayanam (ヨーガーナンダ・ラサーヤナ)
・Yoga-pradipah (ヨーガ・プラディーパ)
・Yoga-rahasya (ヨーガ・ラハスィヤ)
・Yoga-rasayana (ヨーガ・ラサヤナ)
・Yogarnava (ヨーガールナヴァ)
・Yogasanam (sacitra)(ヨーガーサナ)
・Yoga-sara-sangraha (ヨーガ・サーラ・サングラハ)
・Yoga-siddhanta-candrika (ヨーガ・シッダーンタ・チャンドリカー)
・Yoga-sastra of Dattatreya (ヨーガ・シャーストラ)(ダッタートレーヤ)
・Yoga-Sikhopanisad (ヨーガ・シカ・ウパニシャド)
・Yoga-tatvopanisad (ヨーガ・タットヴァ・ウパニシャド)
・Yoga-yajnavalkya (ヨーガ・ヤージュニャヴァルキャ)
・Yuktabhavadeva (ユクタ・バヴァデーヴァ)
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初版は500部しか印刷されていませんので、興味のある方は、どうぞ、お早めにお問い合わせ下さい。
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「ロナウラ・ヨーガ研究所(インド)」
THE LONAVLA YOGA INSTITUTE, (INDIA)
(For Reseorch, Educution & Therapy)
(Recognized by the University of Pune as an Institute for Research & Development in Yoga.)
Bhangarwadi, Lonavla-4l0 407, Pune (India)
Website: www.lonavalayoga.org
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