2010年3月30日火曜日

カイヴァリヤダーマ研究所・6週間コース(CCY)2010(1)

カイヴァリヤダーマ研究所・付属カレッジ
6週間コース
(CERTIFICATE COURSE IN YOGA:CCY)中間レポート
期間:2009年1月15日-2月25日


ロナウラの『カイヴァリヤダーマ研究所』の付属カレッジでの、冬期6週間コース(CCY)の日本人受講生の方のレポートです。

今年の冬期6週間コースの受講生は合計27名、そのうち外国人9名、日本人の方は3名(全員女性)です。

以下は、
・広島在住の「S.F.」さん
・宮崎在住の「N.K.」さん
・茨城在住の「Y.E.」さん
のご3名の中間レポートです。
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ロナウラの伝統的ヨーガ
ロナウラの『カイヴァリヤダーマ研究所(1924年設立)』で研究・指導されている「ヨーガ」は、「ヨーガ」の理論的枠組みを決めている「パタンジャリ」の「ヨーガ・スートラ」と、中世の「ゴーラクシャナータ」系の「ナータ派」で発展した「ハタ・ヨーガ」の多種多様な技法に立脚した正統的でアカデミックな「ヨーガ」です。  
ロナウラでは、1920年代にインドで始まった近代的ヨーガ研究の発祥の地としての一貫性を保った合理的なヨーガ理論と、スタンダードな技法体系が構築されています。   
また、宗教色・ヒンドゥー教色のない、ニュートラルで学術的な「ヨーガ」として、インドの教育・医療分野や政策レベルでも、ロナウラで構築された理論と技法が、実質的な「ヨーガ」のスタンダードと見なされて来ました。  
ロナウラのメソッドは一見地味なのですが、一度身に付けておくと、だれでも、一生マイペースで続けて行ける、合理的なシステムです。  
実習を続けて行きますと、通常、わたしたちが「ヨーガ」に期待する健康の維持・増進効果や、心身の不調へ対処する治療的な効果に、必要十分な結果が現れて行きます。 
さらには、「プラーナーヤーマ(呼吸法)」から「瞑想法」へと進むための心身のインフラが整備され、更なる精神的な進歩へと向かう内面的な基盤が、自然に築かれて行きます。  
「ヨーガ」のルーツはインドにあります。ヨーガに興味のある方は、何らかの形で「インド」との接点を持って行くことが有利です。 
特に、ロナウラで「ヨーガ」を学ぶことは、インドの伝統的で正統的な「ヨーガ」を理解するための最短コースになるでしょう。  
インドでの研修プログラムや、短期・長期のヨーガ留学について関心ある方は、どうぞ、ご相談下さい。適切なガイダンスとサポートが可能です。  
『カイヴァリヤダーマ』のオフィスとの調整や、最寄りのムンバイ空港への送迎の手配、また、日本語ガイドの手配も可能です。 

中間フィードバックの項目

次の項目で、6週間コース(CCY)フィードバックをお願いしました。
1)場所と環境 ①ロナウラという環境 ②カイヴァリヤダーマ研究所の施設 ③ゲスト・ルーム ④ダイニング・ホールでの食事 ⑤キャンパス内の生活
2)付属カレッジの授業について ①実習クラス(プラクティス) ②講義の内容 ③講師陣の印象 ④他の受講生(インド人・外国人) ⑤授業時間以外の過し方
3)研究所のキャンパスの外にて ①ガロテ博士記念セミナー(1月17日) ②ロナウラ・ヨーガ研究所訪問(1月24日) ③プネー訪問(1月31日)
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『カイヴァリヤダーマ研究所・付属カレッジ』
冬期6週間(CCY)コース・中間レポート① (S.F.さん)

「S.F.」さんは約7年間、病院で医療ソーシャル・ワーカーとして勤務された後、見聞を広め人生経験を深めるべく、現在、充電期間中です。
昨年9月にバンコク郊外の『パナ・ソム』での合宿セミナーに参加、10月・11月にかけてインド訪問、ウルリカンチャンの『自然療法アシュラム』と、ロナウラの『カイヴァリヤダーマ研究所』にビジターとして滞在。
その後タイに戻られ、11月の「ワンサニット2009」に参加、一度日本に帰国。1月からインドに短期留学。ロナウラの『カイヴァリヤダーマ研究所』で1月・2月の6週間コース(CCY)を受講。
3月に同マハーラーシュトラ州のイガットプリで「ヴィパッサナー(Vipassana)」の10日間コースに参加され、帰国されるご予定です。


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1)場所と環境

①ロナウラという環境

現在、季節が冬ということもあり、朝晩は少し冷えますが、
2月になり次第に暖かさが増してきました。

日中は、少し動くと汗ばむくらいで、自然に囲まれ清々しい環境です。

ロナウラ駅の近くにはマーケットもあり、生活用品もそろえることが
できますし、リゾート地なので、ホテルのおいしいレストランもあり、日常生活に特に不便を感じません。

ただし、停電は日常茶飯事です。

②カイヴァリヤダーマ研究所の施設

研究所を中心に、付属カレッジ、ヨーガ&ナチュロパティーの病院、アーユルヴェーダの施設、図書館、スワーミージのアシュラムなど、コンパクトながら色々揃っています。


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③ゲスト・ルーム


エアコン・ファン・シャワー・トイレ付のダブル・ルームを日本人とシェアしています。

部屋には収納棚もあり、定期的に掃除やシーツ交換をしてもらう
ことができ、清潔です。
部屋の外に出ると無線LANも入るので、インターネットへの接続も可能です。(時と場所によるようですが・・)

④ダイニング・ホールでの食事
付属施設のナチュロパティー、アーユルヴェーダの患者さん、ディプロマ・コースの外国人と同じダイニング・ホールで食事をしています。

雰囲気が面白いので、時々インド人生徒用の食堂にも行っています。

内容は、サブジ数種、ダル、チャパティ、ライス、野菜スープ or バターミルクが定番です。

朝食はウプマ、イドリー(米粉から作った蒸しパンのようなもの)など1週間の日替わりで楽しめます。

レモン、塩、マサラ、ペッパーなど自分の好みで加えることができ、おいしいです。ハーバル・ティーも飲むことができます。
 
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2)付属カレッジの授業について


①実習クラス(プラクティス)

ヨーガ・セラピーに精通した女性の先生から、とても詳しく、分かりやすく教えてもらっています。

アーサナ、プラーナヤーマ、ムドラー、バンダ、
クリヤのコンセプトも、伝統文献から丁寧に引用されます。

この間はクリヤのプラクティスで、
ダンダ・ダウティ、ヴァストラ・ダウティを初めて体験しました。

②講義の内容

・Yoga & Mental Health(ヨーガと心の健康)
・Traditional Yoga(伝統的ヨーガ)
・Yoga & Physical Education(ヨーガと体育教育)
・Teaching Methods (Practice Teaching)(ヨーガの指導方法)
・Structure & Function of Human Body(人体の構造・機能とヨーガの効果)
・Value Education(価値教育)
・Yoga Practices(ヨーガ実習)

講義は以上の7科目です。

上記以外に、消化についてやヨーガ・セラピーについてのゲスト講義もありました。
個人的な感想として、思った以上に英語のハードルが高く、なかなか講義の理解が難しいのが正直なところですが、先生が何をテーマに話していたか、ということ位は理解できるので、相方先生のコースで使った資料をフル活用しています。

講義の中では、
バガヴァット・ギーターや、サンスクリット語、インドの思想に関わること諸々が頻繁に出てくるので、インドで生まれ育っていないと分らないこと、インドに住んでいないと分らないこと、外国人では追いつけない感覚が沢山あるのだろう、
ということを感じています。

③講師陣の印象

先生を観察していると個性がはっきりしていて面白いです。言葉の問題に関しては、こちらの理解度を常に気にかけていてくださっています。
④ほかの受講生(インド人・外国人)

生徒は現在27名でその内外国人は9名です。

例年の話を聞くと、今回参加のインド人は落ち着いた
雰囲気の人が多いようです。職業はアーユルヴェーダの医師、体育教師、ラジオのDJ、サルサ・ダンサー、Army、学生など様々です。

外国人の内訳は、ドイツ人(医師)、イタリア人(理学療法士)、韓国人2名(共にヨーガ教師)、マレーシア人2名(主婦、会計士)と日本人3名です。

⑤授業時間以外の過ごし方

学生らしく図書館で勉強したり、インターネットをしたり、スワーミージのプージャに参加しています。

週末はマーケットに出かけたり、プネーに出かけたりと、
充実しています。


3)研究所のキャンパスの外にて

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①ガロテ博士記念セミナー(1月17日)
セミナーではヨーガとは何か?ということが切実に問われていました。

相方先生がおっしゃっていましたが、
インドでもやっと今ヨーガの定義が問われている状況なのに、日本をはじめ諸外国に広まっているヨーガと名のつくものは何だろうか、と考えずにはいられませんでした。

②ロナウラ・ヨーガ研究所訪問(1月24日) ロナウラ・ヨーガ研究所が行っている気の遠くなるような地道な作業に、「ヨーガ・スートラ」に出てくる「abhyasa-vairagya」という言葉を思い出さずにはいられませんでした。

個人の利益にとらわれず、ヨーガの智慧が正しく広まるために活動されていることに感銘を受けました。

③プネー訪問(1月31日)
相方ご夫婦にプネー観光に連れて行っていただきました。

プネー大学、博物館、石窟寺院、ガンディアンの精神性に満ちたシンプルライフ見学、南インド音楽のコンサート、ショッピングなど盛りだくさんでリフレッシュできました。

久々のショッピングに少々興奮して、ちょっとお金を使いすぎてしまった気もしますが、こういった欲に素直にしたがうことは、自分のバランスをとるのにまだまだ必要だなあ、と思った1日でした。
楽しかったです。 


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『カイヴァリヤダーマ研究所・付属カレッジ』
冬期6週間(CCY)コース・中間レポート② (N.K.さん)

「N.K.」さんは、ご出身地の広島でOL生活を送られてから、 ニュージーランドでワーキング・ホリデーを過ごされ、その後アメリカでヨーガのインストラクター・コースを修了、宮崎でヨーガ・スタジオを運営されています。
2008年11月の「ワンサニット2008(5日間)」に参加、その後、2009年6月の「穂高編2009」、10月の「沖縄編2009」、 11月の「ワンサニット2009(10日間)」に参加されました

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1)場所と環境

①ロナウラという環境

プネーから普通電車で1時間半、車 or 急行で1時間の場所に
あります。
かつてプネーやムンバイの人たちの避暑地だったらしく、リゾート・ホテル(と言っても、日本の様に豪華なホテルではないんですが・・・)が建ってますが、現在は、一時のブームも過ぎさり、ちょっと寂れたリゾート地という感じです。
しかし、リゾート地から一つの小さな街に発展してる感があり、学校の周りには新しい家が建設されてます。環境は、適度に田舎で緑が多く自然に囲まれています。

②カイヴァリヤダーマ研究所の施設
図書館、教科書を売っている本屋さん、オフィス、ナチュロパティー・コースの宿泊施設、アユールヴェーダ診療所、インド人のダイニング・ホール、講義の為の建物、売店、ガーデン、ハヌマーン寺院、スワーミージ・クティ(スワーミー=お坊さんが住んでおり、プージャー(祭事)を毎朝、夕行う場所)や牧場もあり、校内の敷地を牛が歩いてます。

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③ゲスト・ルーム
外国人とインド人は別れており、外国人は「ソー・ハム」という名前の施設に宿泊してます。

部屋はツインで、ベット、荷物入れ用の棚、机、トイレ、シャワー、 エアコンがあります。午後に掃除係の人が来てくれて、自分が部屋にいれば、掃除してくれます。

シーツは、こちらから申請すれば、週に1度交換してくれます。 ベットには、モスキート・ネットがついています。


④ダイニング・ホールでの食事 
 
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朝9時、昼12時、夜7時にご飯が出ます。 朝は、だいたいフルーツ、蒸して味付けした豆や、粟っぽい穀類のお粥が日替わりで出ます。

それプラス、ハーブ・ティーと言って、脂肪分を抜いたミルクのハーブティが飲めます。これは、脂肪分がないので、さっぱりしてて美味しいです。

お昼、夜は、だいたい、チャパティー、ダル(豆入りスープ)、 サブジ(野菜の煮物っぽいもの)、野菜のスープ、お昼は、それにサラダとラッシーが付きます。

味付けは、だいたい毎日同じマサラ味 (インドの香辛料を混ぜたもの)で、使っている野菜が違うだけという感じです。ブラック・ペッパー、塩、香辛料が置いてあり、自分で取って、好きに後から味付け出来ます。

毎日美味しく食事を頂いてますが、時々、シンプルで同じ味付けに飽きるので、ジャムを買ってチャパティに塗って食べたりしてます。

また、普段はインド人と外国人は、別々の場所で食事をしていますが、希望すれば、私達もインド人の生徒さん達が
食べてる場所でも食事が出来、そちらに行くと、普段食べてるものとちょっと違うものが食べれたり、床に座って手で食べる、というインド人の食事のスタイルを味わうことが出来て、とても楽しいです。
 
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そして、毎日ベジタリアンの食事を食べ、ヨーガを行い、規則正しい生活を送っているせいか、心が身体も落ち着いていて、軽く感じます。

また、普段は、毎朝、タング・クリーナーで舌を掃除しているのですが、学校に入ってからは、舌苔が殆ど付いてないので、タング・クリーナーの必要がなく、食べたものがきちんと消化されている感じがします。


⑤キャンパス内の生活

キャンパス内には、ディプロマの生徒さんや、ナチュロパティー、アユールベーダのパンチャ・マルマを受けてる人たちも
宿泊しており、食事の時や、移動中にすれ違ったりして、CCYコース以外の人たちとも知り合えて、楽しく過ごしてます。



2)付属カレッジの授業について
①実習クラス(プラクティス)
プラクティスは、男女別々に分かれており、週に2回、朝にクリアーのレッスンと、毎朝7時50分~9時15分までと、夕方5時~6時までの2回アーサナのクラスがあります。

アーサナは、今のところ、ブージャンガ・アーサナ、シャラバ・アーサナ、ヴィッパリータ・カラニー、ワックラ・アーサナといった、
相方先生が普段教えてくださる基本の流れのアーサナが多くあります。

だいたい、1レッスンで2個づつ位のペースでアーサナ、ムードラー、クリアー、呼吸法を消化しています。また、先生が一つ一つ、疑問が残らないようにしっかり教えてくださるので、しっかり身に付きやすいと思います。
 
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②講義の内容

内容は、多岐に渡っていて、解剖学、哲学、価値教育(日本の道徳に当たる様なサブジェクトだそうです)、ティーチング・メソッド、心理学、トラディショナル・YOGA
(アーシュターンガ・ヨーガについて)などがあります。

だいたいどの先生方も「Are you getting me ?」などと言って、
理解しているか確認してくれますが、自分の知識不足や、ヨーガの専門用語、サンスクリット語の単語、身体の臓器や筋肉の単語など、聞き慣れない単語が沢山あり、今の所、講義内容の20~30%位しか理解出来てない気がします。

③講師陣の印象

どの講師の方々も個性的で、それぞれ特徴があり面白いです。講義に熱が入ってくると、ヒンディー語になる先生もいたりして、その変わり具合が楽しいです。

また、殆どの講師の方々は、年配の方なので、豊かな経験とアカデミックな知識に基づいて教えて下さっている、という印象を受けます。


④他の受講生(インド人・外国人)

受講生は全員で27名おり、年齢層は18歳~50代までと幅広いです。インド人は、18名おり、男性、女性、半々の割合です。

外国人は、私達日本人3人の他に、医者のドイツ人の男性、フィジカル・セラピストのイタリア人の女性、ヨーガの先生をしている韓国人の女性と男性(各1名づつ)、アメリカ在住のインド人の主婦の女性、マレーシア出身で架橋の男性、女性(各1名)の計9名がいます。


⑤授業時間以外の過し方


普段は、ネットが繋がるので、ネットをしたり、キャンパス内にある売店でお菓子やお茶を売っているので、それを買って、住んでる場所が同じ外国人のクラスメート達とティータイムを楽しんだりしてます。

また、クラスメートで誕生日の人がいれば、インド人のクラスメートもみんな集まって、一緒にケーキを食べたり歌を歌ったり、お休みの日に学校の裏手にある山の向こうの湖にハイキングに行ったりして過ごしてます。 

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3)研究所のキャンパスの外にて

①ガロテ博士記念セミナー(1月17日)


ガロテ博士の命日に合わせて行われたセミナーで、ガロテ博士を偲んで、国内外からいろいろな方々が来られてました。

そして、ロナウラ・ヨーガ研究所に貢献された方々の授賞式があり、相方先生もM.Mガロテ先生(ガロテ博士の息子さん)から、表彰を受けてらっしゃいました。

またこの日に合わせて、ロナウラ・ヨーガ研究所から、
3年掛りで作成された本が出版され、その出版の祝いも兼ねたパーティーとなってました。
相方先生のお誘いでセミナーに参加させて頂けて、ガロテ博士記念セミナーの雰囲気を味わう事が出来、貴重な1日となりました。

②ロナウラ・ヨーガ研究所訪問(1月24日) 
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相方先生がM.M.ガロテ先生(ガロテ博士の息子さん)にアポイントを取って下さり、先生方と私達(CCYの3人の日本人)、そしてCCYの外国人生徒3名、ディプロマの生徒さん達3名と一緒にみんなでロナウラ・ヨーガ研究所を訪ねました。

研究所では、ガロテ先生と研究所のスタッフの方が、私達を温かく迎えて下さり、サンスクリット語で書かれた昔の貴重なヨーガの文献の原本を見せて下さったり、ロナウラ・ヨーガ研究所で行われている研究内容を詳しく説明して下さいました。
ロナウラ・ヨーガ研究所が行っている研究内容の一つに、ヨーガに関する昔の資料を集め、サンスクリット語を訳し、ヨーガの研究に引用出来るように校訂版を作成するというプロジェクトがあるのですが、
校訂版を作成するには、1つの事柄に対して10個以上の文献からの情報が必要だそうで、実際にオフィスで作業してる姿を見せて頂くと、まず、文献を集めることから始まり、サンスクリット語を英語に訳し、
10個以上の情報を集め・・・・と、
とても気の遠くなるような作業をされてるのがよく分かりました。しかし、ロナウラ・ヨーガ研究所がこの作業を行うことは、ヨーガのスタンダード化を図るのに必ず必要な作業だと感じました。

そして、その使命を果たせるのもロウラ・ヨーガ研究所に他ならない様に
感じました。
また、帰り際に、ガロテ先生からスワーミー・クヴァラヤーナンダ・ジがガロテ博士に宛てた手紙の一つ一つを訳した本を頂き、とても嬉しかったです。

その本には、毎ページごとに
スワーミー・クヴァラヤーナンダ・ジとガロテ博士の顔写真があり、手紙の内容と共に、本のページを捲るだけでも、お二人の間にあった温かい信頼関係が伝わってきます。

③プネー訪問(1月31日) 

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相方先生が前もってプナー観光のプランを組んで下さり、朝は、プナー大学のイギリス時代に立てられた古い建物、丘の上にあるパルヴァーティ寺院、ハヌマーン寺院、岩を掘って作ったシヴァ寺院、シャーニワル・ワーダという古いお城の城壁(写真)を訪れ、ランチに先生オススメのピザとアイスクリームを頂きました。

そして、午後からは、
ガンディーが自分で糸を紡いで布を作ったように、その思想を引き継いで手作りで布を作っている「Kaddhi」というブランドのお店に行ったり、先生オススメの「Fabindia」というお手頃な値段のパンジャビ・ショップへ連れて行って頂き、ショッピングを満喫しました。

夕方は、先生のお知り合いでガンディアン(ガンディーの教えに従う人達)のゴレ先生宅にお邪魔させて頂き、奥さんが用意してくださったスナックとチャイを頂き、ガンディアンの生活を見させてもらいました。

ゴレ先生ご夫妻は、普通の住宅地に住んでいながら、ご自分で家を建てたり、庭にはアーモンド、ココナッツ、マンゴー、
パパイヤの木などがあり、ソラー・パワーでお湯を沸かし、庭の木の蜂の巣から蜂蜜を採りと、無理なく自給自足に近い生活をされてる姿が印象的でした。

更に夜は、南インドの音楽のコンサートを聞きに行くという流れで、本当に内容盛り沢山の一日でした。久しぶりにロナウラを離れ、ショッピングを楽しんだり、文化的な事に触れて、気分転換になりとても充実した一日になりました。

また、プナー在住20年の相方先生ならではのプナー&インド事情の話や、ヒンドゥー教の神々の話を聞くことが出来、
とても興味深かったです。


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『カイヴァリヤダーマ研究所・付属カレッジ』
冬期6週間(CCY)コース・中間レポート③(Y.E.さん)
「Y.E.」さんは、昨年2月に12年勤務された会社を退職され、現在充電期間中です。

2006年1月と2006年7月のタイの「ワンサニット(5日間)」にご参加、2006年12月のロナウラの「カイヴァリヤダーマ第5回国際会議」と、会議前のリシケーシュへのスタディ・ツアーと会議後2007年1月の1週間の「プラーナーヤーマ・コース」にご参加。

その後、
2008年6月「穂高編2008」
2009年6月「穂高編2009」
2009年10月「沖縄編2009」
2009年11月「ワンサニット2009(10日間)」に参加されています。

「Y.E.」さんのご主人もヨーガに興味をお持ちで、2006年12月の「カイヴァリヤダーマ第5回国際会議」、「穂高編2009」「沖縄編2009」にご一緒に参加されています。

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1)場所と環境
①ロナウラという環境

デカン高原にある避暑地で、ムンバイから車で移動する道中は、雄大な美しい山々を見ることができました。

周辺にはリゾート・ホテルがあり、週末は結婚式などで花火もあがってにぎやかです。

今回4年ぶりの訪問ですが、町にはカフェやちょっと高級なフード・コートができたり、また映画館もできたようです。

マーケットはコンパクトで、買い物がしやすく必要な日用品が揃います。チキというお菓子が名物で町にはチキ屋さんがたくさんあります。

朝晩少し冷えるときもありますが、毎日晴れて気持ちがいい天気が続いています。

②カイヴァリヤダーマ研究所の施設
大きな敷地にナチュロパシー(自然療法)やアユールヴェーダのクリニックも併設され、トリートメントを受けにいろんな国から多くの人たちが来ています。

私も休日にアユールヴェーダの全身のオイル・マッサージとハーバルサウナを受けました(1時間400ルピー、1000円弱)、気持ち良くほぐされました。

スワーミージのクティーもあり、朝と夕方に行われるPujaという儀式にも参加することができます。クティーの隣には牛舎があり、昼間は立派な牛たちが放され、草を食んでいたり、人懐っこい犬たちが寄ってきたり、時々ロバやヤギもいたりと、授業のあるSKYPという建物まではのどかな風景が広がっています。

敷地内に先生方やスタッフのご家族のお宅もあって、夕方には子供たちの声もにぎやかで、夕暮れに家族の風景を見るとホットします。

③ゲスト・ルーム

私達外国人はSohamという寮で2人づつ相部屋で滞在しています。私のルームメイトはイタリア人でカイロプラクティスの女性です。休み時間にはお隣さんたちとみんなでお菓子や果物の分けあったりしながらお茶を楽しんでいます。みんな親切です。

シャワーは熱いお湯が出ます。部屋の外のテラスではちょっと弱めですが無線LANがつながり、Skypeで家族たちとも話せるので助かっています。
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④ダイニング・ホールでの食事

インド人用と外国人のダイニングホールが別れています。朝食にはフルーツ、そしてウパマやイドリといった南インドの料理が出ているようです。

お昼と夜はチャパティーとご飯、サブジ(野菜のカレー炒め)とダル(豆のスープカレー)です。初めの頃は嬉しくて食べ過ぎたりしていたのですが、だんだんスパイスに疲れはじめたころから、クラスメート達から日本の「ゆかり」や韓国のコチュジャンや韓国海苔を分けてもらったりして楽しんでいます。
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⑤キャンパス内の生活


クラスは月曜日から土曜日までです。毎日の以下のような日程です。

7:50~ 9:15 プラクティス
9:30~ 朝食
10:00~11:00 講義
11:00~12:00 講義
12:00~ 昼食
13:30~14:30 講義 または図書館で自習
14:45~15:45 講義
17:00~18:00 プラクティス
19:00~ 夕食

ディプロマコース受講中の日本人2名の先輩がいらっしゃり、学校生活や授業、試験のことなどいろいろとアドバイスや
サポートしてもらいながら、また昨年末タイの相方先生のセミナーに一緒に参加した2名の仲間達も一緒なので心強く、毎日忙しいながらもキャンパス生活を楽しく過ごしています。


2)付属カレッジの授業について

①実習クラス(プラクティス) 男女に分かれて、女性のディクシット先生に教えていただいています。朝7:50~9:15と夕方17:00~18:00と2回あります。

ディプロマのクラスの後のため朝はすこしゆっくり始まります。ゲーランダ・サンヒターやハタプラディーピカーなどの古典文献に沿って、技法やアーサナの効果など分かりやすく細かい説明があります。

火曜日と金曜日の朝はクリヤ・デーで、ネーティ(ジャラ・スートラ)とダウティ(ボウマン、ダンダ:ゴムパイプでの胃の洗浄法、ヴァストラ:布での洗浄法)を実践しています。

昨年末の相方先生のタイでのセミナーでスートラ・ネーティやボウマン・ダウティを教えていただいていたので、新しい技法もあまり構えず挑戦できクリヤの爽快感を実感しています。

先生とアシスタントのミーナさんが1人1人丁寧に確認してポーズを直してくださったり、みんなの体調を確認しながら、授業の後で疲れ気味のときはシャバーサナを長めに取るなど調整してくださって、とても気持ちがいい時間です。
 
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②講義の内容
受講している授業は、
①ヨーガと体育教育(Physical Education/Teaching Method)
②人体の構造と機能(Anatomy & Physiology)
③伝統的ヨーガ(Traditional Yoga)
④ヨーガと価値教育(Value Education)
⑤ヨーガと心の健康(Mental Health)
⑥指導法(Teaching methods for Yogic practice)

プロジェクターなどで説明してくださり理解がしやすい授業と、口頭の説明だけでよく分からない授業と大きく分かれてしまっています。

相方先生のセミナーで、いかに日本人に消化しやすく、大切なポイントを絞り教えてくださっているかを改めて実感しています。

そして授業に集中できるかどうかは、心身の健康が一番大切なことを感じています。

指導法の授業では、1人20分で1つのアーサナを教えるデモ・レッスンのテストが始まりました。みんな個性豊かで特にインド人のクラスメート達は発表することに慣れていて、20分間を最大限に利用してすばらしいレクチャーを披露してくれています。生徒役のみんなも協力的で温かい空気が流れています。

③講師陣の印象

先生方もみなさんとても個性的で、熱く講義をしてくださります。目を閉じてマントラを唱え心を整えてから授業が始まります。

ノートに写すことに一生懸命になっていると、「頭で理解するのではなく、心で感じなさい。」とよく言われます。時々ゲスト・レクチャーもあり、糖尿病専門のコンサルタントの先生が来られて生活習慣病の話をされたり、外部から来られた
スワーミージの瞑想のレクチャーもありました。

クラス・メート達も熱心で、興味深い授業は休み時間を返上して追加のレクチャーをお願いして、先生もそれに応えてくださったりと、後半にはいってラストスパートがかかっています。


④他の受講生(インド人・外国人)
受講生は全部で26名(男性10名、女性16名)。 女性は自分も含め7名が既婚者で、お子さんがいるお母さん達もいて励まされています。

外国人は9名(男性3名、女性6名)、韓国人男女(ヨーガの教師)、マレーシア人男女(会計士・主婦)、ドイツ人男性(医師)、ドイツ語が母国語のイタリア人女性(カイロプラクティスト)、そして日本人女性です。

職業をもった人も多く、クラスの雰囲気は落ち着いています。 ヨーガを教えている人たちだけでなく、医師、アユールヴェーダのドクター、元ラジオのDJ、陸軍や海軍、体育の教師、会計士、ヴィパッサナー・センターのスタッフなどいろんな職業の人たちが集まっています。


⑤授業時間以外の過し方

授業は月曜日~土曜日までで、日曜日は外出できます。外国人のクラス・メート達とすぐ裏の山を越えて、そこに広がる静かな湖でピクニックをしたりなど楽しんでいます。

コースがスタートして間もなく、マレーシアとインド人女性の誕生日があり、夕飯の後にクラス・メートみんなで誕生会もありました。

元ラジオDJの男性がバジャンという賛歌をハウモニウムの演奏とともに歌ってくれ、私達日本人もリクエストに応え「上を向いて歩こう」を歌い、と交流が深まりました。

火曜日の夕方はシタールという楽器の演奏を聞きながらの瞑想会にも参加できます。いろんな神様のお祭りもあってプージャが開かれたりと、イベントが満載です。

3)研究所のキャンパスの外にて
①ガロテ博士記念セミナー(1月17日)
1月15日に学校が始まってすぐの日曜日、M.L.ガロテ先生の命日に毎年開かれる記念セミナーに参加させていただきました。 
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ロナウラにあるプールつきの豪華なホテルで開催され、タブラやシタール、フルートなどインドの古典楽器の演奏で会が始まりました。

南インドから来られたのスワーミージが2時間近く熱い講演をされ、インド人の聴衆のみなさんがスタンディングで拍手喝采という一幕もあり、とても熱気が溢れていました。

相方先生もロナウラ・ヨーガ研究所への長年のご貢献に対して表彰を受けられ、みんなで大きな拍手とカメラのシャッターをきりました。

ガーデンで豪華な昼食をいただいて、先生にここ2、3年のインドでのヨーガの動向などのお話を伺いながら、楽しい1日を過ごさせていただきました。


②ロナウラ・ヨーガ研究所訪問(1月24日)

記念セミナーが開かれた翌週に研究所に案内いただき、マンマット・ガロテ先生と、もう1人の研究員の方のお話を伺うことができました。

気が遠くなるような地道な研究の作業で、古来から継承されてきたヨーガの知恵が正しく広まるよう尽力されていました。その書籍をご紹介いただいているのは、本当にありがたいことと、改めて実感しました。


③プネー訪問(1月31日)
プネーは古い歴史が残り、文化水準も高い都市で、外国人にも住みやすそうで、日本の横浜のような雰囲気の街でした。相方先生ご夫婦が細かく予定を立ててくださり、ラトールさんが一緒に観光案内をしてくださいました。

まずプネー大学を見学、構内のカフェで先生のお話を伺いながらチャイと美味しいクッキーをいただいて、その後は小高い丘にあるパールヴァティのお寺と博物館、2000年程前に岩を彫って作られ今もなおプージャが行われているという洞窟のシヴァ神のお寺を参拝、城壁の残る公園、そしてショッピング、お昼にはピザ・ハットでピザ、その後はアイスまでいただきました。水牛の牛乳で作られているそうで、濃厚で美味しかったです。
 
夕方には相方先生ご友人のゴレ先生のお宅にお邪魔しました。ご夫婦で温かく迎えてくださり、夕暮れの中お茶をいただきながら、都会の住宅地の中でのガンディアン(カンディー主義者)の生活を垣間見せていただき、ほっとする時間を過ごしました。

最後は南インドの音楽を満喫しと、とても贅沢でご褒美のような1日でした。

相方先生ご夫婦に大きなサポートをいただきながら、おかげさまでカイヴァリヤダーマの短期留学を満喫させていただいています。ありがとうございます。

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2010年3月25日木曜日

プネーの近況2010年(2)

Namaste !
みなさんお元気ですか!

日本は冬から暖かい春に向かって、変りやすい気候になっていますね。

また、「さくら」や春の花の開花に心和んだり、年度の変わり目、と言うことで、気持ちを新たにされている方もいらっしゃるかと思います。

インドの気候の変化は、日本ほど激しくはありませんが、それでも気温の上昇とともに、一気に冬服を整理、真夏の服を取り出したりで、何かと洗濯物が多い時期です。

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(うちの近所で見かけたタタの低価格車ナノ)


1)カイヴァリヤダーマ研究所でホーリー祭
 
こちらプネーは、すでに真夏となっています。夏の訪れは、ホーリー祭とともにやって来ます。

今年のホーリー祭(満月)は、2月28日(日)と、
例年より早めの暦になっていました。そして、ホーリー祭の翌朝、インドの人たちは色の粉や、色水を掛け合って、派手にお祭りを祝います?

ですから、ホーリー祭の翌日は、インドのたいへんキケンな日なのです。プネーの自宅に居る場合ですと、絶対部屋の外へは出ないようにしています。午前中にご近所の人たちが集まって、お互いに粉や水を掛け合うのです。

一週間ほど前から、近所のお店で色水を発射する水鉄砲が売られ初めます。今年もキケンなおもちゃが売られる季節が来たな、という風物詩でもあります。

ムンバイの日本総領事館からも、ホーリー祭中は、「むやみに群集に近づかないよう注意して下さい」という「安全情報」のメールが配信されます。

 

今年のホーリー祭は、ちょうど「カイヴァリヤダーマ研究所」で、日本の人たちの1週間セミナーを実施している期間でしたので、ロナウラのキャンパスで迎えました。
 
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「キケンな日」はセミナーの2日目にあたり、日本からの参加者の人たちにも説明、十分に注意喚起!してもらいました。

その日は、スタッフとスタッフの家族や、現在進行中のディプロマ(D.Y.Ed.)・コースの学生さんたちがキャンパス内に集結し、外国人の宿舎の方にもやって来て、色粉・色水をつけ合っていました。

外界では無秩序で激しくやりあっていますが、キャンパス内は、まだ、良識が働きます。付けて欲しいくない人には少しだけ、と、ある種の節度があったように見えましたが、どうでしょうか。

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それにしても、なぜあんな色粉や、色水を顔に塗られたり、服にかけられたりして、インドの人は嬉しいのでしょうか??長年インドに暮らして来ましたが、どうも不可解な謎です。

まあ、子供の頃から習慣で、「遊び」としてやっているから、童心に返って楽しいんでしょうかね。さて、ホーリー祭が終わりますと、本格的に夏が始まります。日中の日差しは、かなり強くなりますが、まだまだ、朝晩は涼しい風が吹き、ほっとします。


2)「カイヴァリヤダーマ研究所」で日本組セミナー「ロナウラ2010」

今年は、2月28日(日)から3月6日(土)の1週間、「カイヴァリヤダーマ研究所」での日本人対象のセミナー「ロナウラ2010」を持ちました。昨年に続き、2回目になります。

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これから、ロナウラの「カイヴァリヤダーマ研究所」で行う日本組セミナーも増やして行きたいと考えています。

 

思えば、わたしたちが「カイヴァリヤダーマ研究所」に初めて来たのは1988年6月のことです。当時は、まだインド各地のヨーガ関連施設のリサーチ中でした。

その時は、ムンバイのサンタクルズにある『ヨーガ・インスティチュート(Yoga Institute)』での1週間コースに参加した後、雨季の始まったロナウラに列車で移動、始めて「カイヴァリヤダーマ」に2週間滞在したのです。

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(1988年当時のロナウラ駅・カイヴァリヤダーマ)

 
それから22年になります。当時から比べると、スタッフや先生方の顔ぶれも変りました。キャンパス内には新しい建物も増え、庭も整備されました。

それに、昔に比べると、とにかく沢山のインド人がヨーガをやりに来ている!と言うのが、すごい変貌振りです。インドもヨーガ・ブームです。ロナウラの町の様子も近年のインドの急速な発展と同調して、かなり、様変わりして来ました。

今までにも、「カイヴァリヤダーマ研究所」で日本人グループのセミナーを行ったことはありましたが、今年は本格的にHH主体のセミナーを実施した、ということで、感慨深いことに思います。

参加者は、旅行会社主催でインドに研修ツアーに来られた東京の「ヨーガ団体」の方々と、わたしたちがお呼びした人達との混成で、総勢20名でした。

また、こちらのセミナーの報告は、参加者の方のフィードバックを掲載して行きますので、しばらくお待ちください。


3)プネーの「国立自然療法研究所(NIN)」訪問

3月6日(土)に「カイヴァリヤダーマ研究所」でのセミナーは修了。

その日に、2名の方が次のプログラムであるウルリカンチャンの「ニサルゴプチャール(自然療法)・アシュラム」へ向かわれました。
http://www.nisargopcharashram.org/Default.aspx

ウルリへの移動の途中、ミニ・スタディ・ツアー、ということで、プネーにある「国立自然療法研究所(NIN)」を訪問しました。
http://punenin.org/index.htm

その2日前に「ロナウラ・ヨーガ研究所」を訪問した時に、ディレクターのマンマット・ガロテ先生から「NIN」の方に、わたしたちが訪問する旨の電話を入れて貰っていましたので、当日は、担当者の方が丁寧に施設内を案内して下さいました。

現在、国立研究所になっている施設は、かってインドで初めての
自然療法のクリニックだったところで、自然療法を推進された「マハートマ・ガンディー」が長く滞在された歴史的な場所です。

場所はプネー駅の裏手にあり、町のど真ん中ですが、キャンパス内は植民地時代を感じさせる雰囲気で、古風な建物と庭園の、ほっとする空間が広がっています。

ここには宿泊施設はありませんが、通いで来る人たちのための診療室、治療室、ヨーガ・ホールやショップ、自然食のレストラン、と、一通りそろっています。

また、キャンパス内にはマハートマ・ガンディーが滞在されていた部屋や、講義をされていた庭園のコーナーが残されていました。

わたしたちのグループは付属の自然食レストランでインド風自然食の「ターリー(定食)」と、「モーザンビー(オレンジの一種)・ジュース」や「スイカ・ジュース」を注文しました。

料金は普通のレストランの半分ですね。
自然食の「ターリー」は思ったより味があり、それがまたマイルドで、とても美味しく気に入りました。

ウルリカンチャンの自然療法アシュラムの食事は、ほとんど味がないので、薄味好みのわたしたち日本人でも少し物足りない味!と感じますし、インドの人にとっては、本当に「薬のような食事」だと思います。

こちらの自然食レストランは最近設立されたようです。正門から入ってすぐの左手にあり、誰でも自由に入れるので、こちら方面に出てきた時は、ぜひ利用したいと思います。


4)エローラ石窟寺院探訪

さて、「NIN」を訪問した翌日、本格スタディ・ツアーとして、3月7日(日)・8日(月)の2日間、世界遺産に指定されているオーランガバード郊外のエローラ石窟寺院へ出かけました。

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実は、わたしたちは、プネーに来て20年近くになりますが、今までエローラに行ったことがなかったのです。何度も計画はあったのですが、そのたびに諸々の事情で先送りになっていたのです。

今回は「ロナウラ2010」の付属スタディ・ツアーということで、ついに決行されることになりました。


「メヘール・ババ」のアシュラム訪問

お昼の12時頃プネーを車でスタート。 まず、プネーから2時間ほど、オーランガバードへ向う途中のアーメダナガールで、「メヘール・ババ(1894-1969)」のアシュラムを訪問しました。

「メヘール・ババ」はプネーのパルーシー(拝火教徒)出身の現代インドの聖者です。沈黙行をされていたことで有名です。

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1930年代から欧米にも広く知られ、1969年に亡くなるまで、欧米にも影響力の大きかった人物です。
http://www.ambppct.org/events/events.php
http://en.wikipedia.org/wiki/Meher_Baba

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特に、1988年に世界的にヒット、1989年の第31回のグラミー賞で4部門を受賞した「ボビー・マクファーリン」というシンガーの「ドント・ウォーリー・ビー・ハッピー(Don't Worry, Be Happy)」が、「メヘール・ババ」のメッセージから作曲された曲として有名です。

これは、当時、たいへんヒットした曲ですね。みなさん、聞き覚えがあると思います。サンプルが次のサイトで聞けます。聞くだけで、楽しく、気が楽になる曲ですね。
http://en.wikipedia.org/wiki/Don%27t_Worry,_Be_Happy

今でも欧米人の信者さんが多い様です。実際、「メヘール・ババ」のサマーディをお参りした時、欧米人の信者さんが「サマーディー」を守っていらっしゃいました。

とにかく、「精神性」の分野に関しては、インドは底なしですね。いつもびっくりする発見や出会いがあり、自分たちの先入観が試され、崩され、新たに拡げられます。

そういう意味で、心をストレッチし、脳をトレーニングするには、インドは最高のところでしょう。


次はアーメダナガール砦

「メヘール・ババ」のアシュラムを訪ねた後、近くの「アーメダナガール・フォート(砦)」を訪ねました。この地区を長く支配したムスリムの都城跡ですが、たまごのような流線型に巡らされた城壁と、それを囲む堀で厳重に守られ、軍事力では攻落されたことのない難攻不落の要塞だったそうです。

ここは、イギリスの統治下の最後の時期に、「ジャワハルラール・ネルー」を初めとする反英独立運動の闘志たちが約2年間、最後の幽閉をされた場所でもあります。

現在はインド陸軍の施設になっています。それで、写真撮影は禁止になっていました。建物はシンプルですが、さすがしっかりとした造りで、周りの庭園もきれいに整備されています。

ネルー首相の部屋だけは仕切りが残されていましたが、他の人たちの部屋の仕切りは取り外されていました。ネルー首相の部屋は、ベッドルーム兼書斎の隣にガランと広いホールがあり、中央の机に独立運動の当初からの新聞の切り抜きのコピーが特大のサイズのファイルにスクラップされてありました。

担当の軍人さんがそのスクラップ・ブックの記事をめくりながら、ヒンディー語で丁寧に内容を説明をしてくれ、わたしたちは同行していた「JLS(Japan Language Service)」のラトールさんの日本語訳で聞きました。

幽閉中もネルー首相は毎日ヨーガのシルシ・アーサナで健康管理をしていたことで有名です。あのネルー首相が幽閉中に「毎朝30分シルシ・アーサナをしていた」部屋がここかと思うと、感慨深いものがありました。

また、ネルー首相の著書である「ディスカバリー・インディア(インド発見)」も、この部屋に幽閉中に4ヶ月間で書き上げられたそうです。


オーランガバード到着

さて、アーメダナガルを出て2時間あまり、宿泊先のオーランガバード市内のマハーラーシュトラ州政府観光局(MTDC)経営のホテルに到着しました。

途中「メヘール・ババ」のアシュラムや「アーメダナガール砦」でゆっくりしたこともあり、オーランガバードに着いたのは夜の8時過ぎでした。

チェック・イン後、近所のインド式ファミリー・レストランで夕食。日曜日の夜とあって、家族連れ(一族連れ?)ご一行様で、たいへんな混雑でした。


いよいよエローラへ

翌朝、宿舎を出てすぐ、日本語ガイドのマヤさん(女性)と合流し、エローラへ向かいました。

エローラには、ヒンドゥー教・仏教・ジャイナ教の遺跡が混在しています。それぞれの伝統の精神性の特性が1箇所で良く解る、実にお得なスポットです。

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流暢なマヤさんの日本語ガイドで、大乗仏教で仏像が作られたいわれや、仏教石窟がどのように作られたか、とてもよく説明して下さいました。 

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そして、ある石窟寺院の中の仏像の前にわたしたちを置いて、マヤさんは隅の柱に立ち、「ブッダン・シャラナン・ガッチャーミ・・・」と、きれいなパーリー語のチャンティングをしてくれました。それにしても、7~8世紀頃、どのように岩山を横に掘り進み巨大な僧院を作ったのでしょうか?

3階建てのようになっている僧院があるのですが、上の階と下の階の柱の位置の狂いのない正確さに、ただただ驚くばかりです。

それらの仏教石窟寺院もすごいのですが、さらに圧巻なのは、ヒンドゥー教のカイラーシャナータ寺院です。これは、岩山を上から掘り出した巨大な彫刻寺院で、完成に150年の年月が掛かった、と言われています。

150年ですか....ほんとうに、気の長い話です。


グリネーシュワール寺院

また、エローラのすぐ近くに「グリネーシュワール寺院」というシヴァ寺院があります。「ジョーティー・リンガ」という、インド全土で12箇所ある「シヴァ・リンガ」の1つで、インド人の参拝者のひとたちで賑わっていました。

「カイラーシャナータ寺院」はすでに遺跡ですが、こちら「グリネーシュワール寺院」は生きたヒンドゥー寺院で、昔は「カイラーシャナータ寺院」もこのように盛況だったのだろうか、と感じさせます。


ビビ・カ・マクバラ

そしてもう1箇所、オーランガバード市内に戻り、ミニ・タージ・マハールと言われている「ビビ・カ・マクバラ」を訪問しました。これは、ムガール帝国のオーラングゼーブの奥さんのは墓所で、息子さんが母のために作ったそうです。

しかし面白いのは、あまりお金をかけられなかったようで、一部は大理石も使われていますが、多くは普通の石と漆喰なので、アグラの「タージ・マハール」ほど綺麗ではありませんが、離れてみると本当に、「ミニ・タージ・マハール」です!

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エローラでも十分

通常、エローラはアジャンターと組で、「世界遺産のエローラ・アジャンター」として扱われますが、実は、2つのスポットは、かなり離れているのが問題です。

プネーから「エローラ・アジャンター」探訪は2泊3日の行程になりますが、アジャンターはオーランガバードから距離があるため、アジャンター往復だけに1日を費やすことになります。今まで行かれた方からも、往復のドライブが結構きつかった、と言う感想を頂いていました。

それで、わたしたちは、今回アジャンターを落とし、1泊2日でエローラ探訪だけに絞ることにしました。結果的に時間にも余裕があり、またいろいろな場所も見学することが出来たので、これも良いプランではないか、と思っています。

それにしても、プネー・オーランガバード間の道路があんなに良くなっているとは思いませんでした。これなら、暑い時期でもエアコンを使えば、かなり快適に往復のドライブも楽しむことが出来るのではないでしょうか!

デカン高原の絶景を高速で走り抜けるドライブは、なかなかなものです。途中で休憩の出来るモダンなドライブ・インも増えていました。



5)新しくわが家の台所に登場

さて、「ロナウラ2010」+スタディ・ツアーが終わってプネーに帰ってきてすぐに、わが家の台所に2つのアイテムが加わりました。


謎の逆蛇口

このところ、台所の水道の蛇口の締まりがわるくなり、ぽたぽたと水漏れがするようになっていました。1月に、オーナーのゴレさんに見に来てもらい、工務店に頼んで修理してもらうことになっていたのですが、結局、いつまでたっても修理人が来ず、そのままになっていました。

しかし、今月初めになって、蛇口の締まり具合がさらに悪くなり、くるくると、いつまでも回る状態になったので、これはキケン!と思い、再びオーナーのゴレさんに電話をしました。

翌日、ゴレさんが送った修理人が来て、蛇口を触って、「これは壊れている!取り替え時期」と言って、新しい蛇口を買いに行くから一緒に来るように、との様子なので(修理の人は地元のマラーティ語だけで英語は出来ません)、主人がついて行きました。

数分して、2人は近所のお店で新しい蛇口を買って戻って来ましたが、新品は結構ズッシリと重くて、高級品のようでした。 400ルピー(約800円)もしましたから。

さて、古い蛇口と取り替えです。

修理の人は「水道の元栓を閉めて欲しい」と言いましたが、このビルは、水道の元栓は下の方で一括管理しているので、警備員の人に聞かなければならないことを告げると、じゃあ、元栓を締めずにやる、ということになりました。

台所には、コンピューター机もあるので、PCにビニールをかけて、準備OK!一瞬、水道管から水が吹き出ましたが、それほど濡れませんでした。

無事、新しい蛇口も取り付けられ、これで安心、使いやすく快適になった、と思ったのもつかの間。ちょっと手の感じか違う?

これはもしかして、逆回転ではないかな?

間違いなく、今までと逆の方向に回って開閉されるのです。そういうタイプの蛇口なのでしょうか?蛇口には、右回りと左回りがあるものなのでしょうか。

閉めようとすると水がじゃーと出て、開けようとすると蛇口がきゅっと閉まるのです。

そういえば、数年前に部屋中の電気の配線の入れ替え工事をした時、スイッチ・ボードのスイッチの位置と、その電気の場所が、ぜんぜん関係なく、たまたま偶然そうなった、という感じで取り付けられたことを思い出しました。

まあ、スイッチ・ボードの方は慣れてくれば、それほど不便は感じませんが、蛇口はどうなるでしょう。台所の1箇所だけ逆回りで、他の浴室・洗面所・トイレは正常・・・

これから脳はどう反応していくか、楽しみが一つ増えましたね!


タタの家庭用浄水器

同じ日に、もう一つ新製品がわが台所に登場!それは「スワッチ(SWATCH)」という家庭用浄水器です。
http://tataswach.com/technology.aspx

家庭用浄水器については、今までもずっと気になっていたのですが、インドでは安いモデルでも3000ルピー(6千円)から、という結構なお値段で、そこまで大金を出してまで浄水器を買う必要は感じていませんでした。

プネー自体が水質のよい土地柄ですし、わたしたちの住むアウンド地区は、この先に軍関係の施設や宿舎があるので、水道網が良く整備されているのです。

それで、プネーに来て以来、長年飲料水は、ふつうのインド式に、ゴミを取り除く簡易ろ過器に消毒用の塩素を1・2滴入れたレベルで使用していました。

普段も、生水は、まず、飲みません。日常の飲みものは、日本茶や中国茶、インド式のチャイやコーヒーです。それでも夏の暑い時期は、インド式に作った飲料水を一度煮沸して冷ました水を飲むか、ペット・ボトル入りの飲用水を買っていました。

しかし、今年になって、あの世界で一番安い車「ナノ(Nano)」を作った「タタ(TATA)」グループの会社が、わずか999ルピー(1998円)の家庭用浄水器「スワッチ(Swatch)」を開発、販売を始めたのです。

これは、タタ・グループのラタン・タタ会長の、「庶民の人たちに手が届く価格の家庭用浄水器を提供し、飲料水の安全問題を解決したい!」と言う理念で開発されたものです。

車に続く、家庭用浄水器での「価格破壊」です。このモデルは、一度に9リッターの水を浄化できます。最初の広報では、2モデルが販売されるとなっていたので、わが家で2人で使うには大きいと思い、小さいサイズが出ないのかと待機していました。

そうしているうちに、競合する他のメーカーも、タタの「スワッチ」と同じ価格帯の1000ルピーで小型浄水器を発売し始めたではありませんか!

しかし、それらの先行メーカーは今まで平気で3000ルピー以上の高価な家庭用浄水器を売っていたのです。ここに来て、タタが安いモデルを出したので、競合他社も急に3分の1の値下げモデルを出す、というのは、どうも、納得できません。

それに加えて、タタが新たに開発した水の浄化技術には欠陥がある、うちの方が良い、というネガティブ・キャンペーン。わたしたちは、やはり「タタ・グループ」のラタン会長さんの理念がすばらしい!と思うので、タタの「スワッチ」を買うことに決めていました。

タタの低価格車の「ナノ(Nano)」についても、競合する他の自動車メーカーから激しい妨害工作が表に裏に繰り広げられ、最初西ベンガル州に造られた生産工場は途中で頓挫、新たにグジャラート州に工場を建設することになったため、生産・販売計画が2年くらい遅れています。

このように、このところ、タタ・グループは、庶民向けの低価格車、低価格住宅、低価格浄水器等を立て続けに開発・提供しています。

タタ・グループの動向も、インドの今を感じさせるものですね。3月も半ば、プネーも暑くなってきたので、飲料水を使う量も増えて来ましたが、家で、簡単に安心してお水が手に入るようになったので、とてもうれしいです。

もちろん味の方もOK、消毒用塩素を使わなくなったので臭いもまったく消えて美味しいです。わたしたちは、毎朝、アーユルヴェーダ式に、一晩銅製のカップに入れた水を飲んでいますが、その銅水(心臓に良い)も一味変ったように感じます。


6)今年も北インドへ研究旅行

先週の3月12日(金)、午後遅く、季節外れの夕立が降りました。 結構激しく振り、夕方から夜は久しぶりに涼しい風に当たりました。しかし、この時期に雨が降ると、今シーズンの「ぶどう」や、これから始まる「マンゴー」に被害が出たり、他の農作物にも影響が出ないかと、気になります。

そうでなくとも、このところ物価超高騰で、野菜の値段がびっくりするくらい高くなっています.....

予報では、このような夕立がまだ2・3回来るかも知れない、と言っています。マハーラーシュトラ州の南のアンドラ・プラデーシュ州あたりの気圧の配置の関係のようです。

今週末から、わたしたちは勉強・研究旅行で、北インドのリシケーシュへ出かけ、プネーを1ヶ月程留守にします。北インドはマハーラーシュトラ州に比べて、1ヶ月くらい遅れて夏がやってきます。3月から4月にかけての北インドは、まだ過ごし易い気候です。

リシケーシュのアシュラムのすぐ側を流れるガンジス河も、まだ冷たいと思いますが、インドの巡礼者の人たちが元気に冷水で「沐浴」をされる光景が毎日目に入ることでしょう。

プネーの日常生活とは違なる聖地での生活は、わたしたちの活動の、さらなる原動力になると思います。

 


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2010年3月11日木曜日

本家インドのヨーガの動向2010(2)

NATIONAL YOGA WEEK – 2010
テーマ
:「YOGA for Lifestyle Related Disorders」
(ライフスタイルに関連する疾患へのヨーガ)
 
会場:「モラルジ・デサイ国立ヨーガ研究所(MDNIY)」(ニューデリー)
日時:2010年2月12日(金)ー14日(日)~18日(木) 


このシリーズは、現在進行中の「インド」の動向を理解するための基礎知識や社会背景を、客観的な事実に即してフォーカスするものです。

日本のみなさんが、「ヨーガ」についての背景知識の幅と厚みを広げることで、インドについての情報不足から生じる勘違いや間違った思い込みを避ける材料を提供しようとしています。

また、こういう時代だからこそ、直接、本場のインドにヨーガ留学することが、さらに、重要になって来ると思われます。

ご自分自身が、正しく正統的なヨーガ理解を身に付けるためにも、
また、日本での健全なヨーガの発展のためにも、1924年の設立から86年の歴史のあるロナウラの「カイヴァリヤダーマ研究所」の付属カレッジへヨーガ留学する方や、

ニューデリーの「モラルジ・デサイ国立ヨーガ研究所」でのイベントなどに参加して、インドの動向を正しくフォローアップする方が増えることが期待されます。


国立ヨーガ研究所のコンファランス

今回も、前回に続き、2月12日(金)ー14日(日)の3日間、インドの首都ニューデリーにあるインド政府厚生省AYUSH局の「モラルジ・デサイ国立ヨーガ研究所(MDNIY)」で開催されたコンファレンス(NATIONAL YOGA WEEK - 2010)の話題です。

以下は、「カイヴァリヤダーマ研究所」の付属カレッジに短期留学され、
1月・2月の冬期6週間コースを受講された、広島在住の「S.F.」さんの参加レポートです。

「S.F.」さんも日本で医療畑の仕事に携携わっておられた経歴があり、インドの「国立ヨーガ研究所」で現在進行中の出来事に、興味津々でした。

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2010年2月12日(金)ー18日(木)
テーマ:「YOGA for Lifestyle Related Disorders」
(ライフスタイルに関連する疾患へのヨーガ) 
http://www.yogamdniy.com/index.htm
http://www.yogamdniy.nic.in/


NATIONAL YOGA WEEK」

「モラルジ・デサイ国立ヨーガ研究所(MDNIY)」の定例イベントである「NATIONAL YOGA WEEK」は2007年にスタート、今年で4回目です。

毎年2月中・下旬の1週間で開催され、プログラムは、コンフェレンス(3日間)・セミナー(2日間)・ワークショップ(2日間)のパターンで行われます。

この国立ヨーガ研究所のイベントは、比較的規模は小さいのですが、現在インドで、ヨーガを巡って、ほんとうに進行していることを、公平に、中立に、バランス良く知ることが出来る貴重な機会です。

今後、「モラルジ・デサイ国立ヨーガ研究所(MDNIY)」でのイベントに参加経験のある日本人が増えることは、日本のヨーガ全体の利益と思われます。 

日本で流通している目先の「ヨーガ情報」だけでヨーガについて判断するのは、まったく不十分ですし、たいへんキケンなことです。

インド政府の政策レベルで「ヨーガ」を統括しているのは、厚生省AYUSH局(
http://indianmedicine.nic.in/ )の次の2つの組織です。

・Morarji Desai National Institute of YOGA (MDNIY)
「モラルジ・デサイ・国立ヨーガ研究所」
http://www.yogamdniy.com/index.htm
・Central Council for Reserch in Yoga & Naturopaty (CCRYN)
「ヨーガ&自然療法・研究中央審議会」
http://www.ccryn.org/


インド中央政府厚生省のAYUSH局

インド中央政府で日本の厚生労働省に相当するのは「Ministry of Health & Family Welfare」です。
http://mohfw.nic.in/

厚生省の中に、1995年に設立、2003年に名称変更になったAYUSH局(Department of AYUSH)があります。
http://indianmedicine.nic.in/

「AYUSH」と言うのは、

A
yurveda(アーユルヴェーダ)
Y oga & Naturopathy(ヨーガ&自然療法)
U nani(ユーナニー)
S iddha(シッダ)
H omeopathy(ホメオパティー)

の頭文字から取られたもので、西洋近代医学以外の医療体系の普及による国民の社会福祉・公衆衛生の向上です。

そのための研究・教育の推進、教育課程のスタンダート化、
医薬品の承認審査と品質管理、国民の意識向上への活動などを管轄しています。

これら医療体系は、通常他の国では「代替療法・補完療法」と呼ばれるものですが、インドでは国家が認知した正式な「医学」としての位置付け(National Systems of Medicine in India)が与えられています。

これらの「医学」を実践する基礎資格は、5年半の医学教育修了です。卒業生は「医師」として臨床をする資格があります。

このうち、「アーユルヴェーダ(Ayurveda)」「ユーナニー(Unani)」「シッダ(Siddha)」の3種はインドの伝統医学・伝承医学で、インドにリソースがあります。

「自然療法(Naturopathy)」は自然界との調和とバランスの回復を図ることで病気を治療する医療体系で、近代インド建国の父である「マハートマ・ガンジー(1869-1948)」が推進したので、インド独立時から政府から特別な地位が与えられています。

「ヨーガ」は本来医療の体系ではありませんが、医療への応用も期待される分野なので、インドでは「自然療法」との組み合わせで推進されています。

「ホメオパティー(Homeopathy)」は約200年前にドイツで成立した医療体系で、インドにはイギリスからの独立前から紹介され、現在は世界で最も「ホメオパティー」が普及している国になっています。


リサーチ・カウンシルと国立研究所

AYUSH局の中には、現在4つのリサーチ・カウンシル(Central Council for Research)があります(日本語に訳すと「研究中央審議会」「研究中央委員会」になるでしょうか)。

・Central Council for Research in Ayurveda & Siddha (CCRAS)
www.ccras.nic.in
・Central Council for Research in Unani Medicine (CCRUM)
www.ccrum.nic.in
・Central Council for Research in Homoeopathy (CCRH)
www.ccrhindia.org
・Central Council for Research in Yoga & Naturopathy (CCRYN)
www.ccryn.org

また、AYUSH局の中には、
6つの国立研究所(National Institute)があります。

・国立アーユルヴェーダ研究所(ラジャスターン州ジャイプール)
National Institute of Ayurveda (NIA), Jaipur
www.nia.nic.in
・国立シッダ研究所(タミールナードゥー州チェンナイ)
NATIONAL INSTITUTE OF SIDDHA (NIS), CHENNAI
www.nischennai.org
・国立ユーナニー医学研究所(カルナータカ州バンガロール)
National Institute Of Unani Medicine  (NIUM)
www.nium.in
・国立ホメオパティー研究所(西ベンガル州コルカタ)
National Institute of Homoeopathy (NIH)
www.nih.nic.in
・国立自然療法研究所(マハーラーシュトラ州プネー)
National Institute of Naturopathy (NIN)
www.punenin.org
・モラルジ・デサイ・国立ヨーガ研究所(ニューデリー)
Morajee Deseai National Institute of Yoga (MDNIY)
www.yogamdniy.com


フィードバックの項目

カイヴァリヤダーマ短期留学中の「S.F.」さんには、次の項目で、「NATIONAL YOGA WEEK - 2010」のフィードバックをお願いしました。

①MDNIYの立地環境と施設
②3日間のカンファレンスの雰囲気
③発表者の傾向 
④特に興味深かった発表
⑤参加者の印象
⑥朝の実習クラス
⑦「YOGA WEEK 2010」に参加した意義はあったか
⑧ニューデリーの印象




☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

『モラルジ・デサイ国立ヨーガ研究所(MDNIY)』
「NATIONAL YOGA WEEK - 2010」参加レポート②
(カイヴァリヤダーマ・CCYコースのS.F.さん)
 

グラフィックス1s
 

①MDNIYの立地環境と施設

デリーの官庁街の中にあります。
MINDYの施設は都会の大学のキャンパスのようで立派でした。


②3日間のカンファレンスの雰囲気

なんだかとても健全な雰囲気でした。とにかく若い学生が多かったのが印象的です。

人数もそれほど多くなく、カンファレンスは和やかな雰囲気で進んでいたと思います。

政府側が所々、若者を鼓舞する発言をよくしていたのが印象的でした。


③発表者の傾向

ドクター(主に西洋医学)
科学者
ヨーガ研究者

個人的には、西洋医学のドクター(Dr.)が多かったのには驚きました。相方先生から西洋医学で医療が頭打ちになっている象徴である、と聞き納得しました。


④特に興味深かった発表

カイヴァリヤダーマの先生方(現役、退職された方と2名)の発表が一番興味深かったです。

今回のテーマは、「生活習慣に関わる疾患へのヨーガ」でした。

主に、疾患への対処のためにライフ・スタイルの変革、という意味で
ヤマ、ニヤマやダイエットなどの話に関連付けている発表が多かったように思いますが、カイヴァリヤダーマの先生陣は、疾患の原因を根本的な心の在り方として「ヨーガ・スートラ」を関連付けて理論展開されていました。

「ヨーガ・スートラ」に書かれていることを
追体験している人ならではの体験が、にじみ出ているような発表だった気がします。
 

グラフィックス3s
 

⑤参加者の印象
 
とにかく若い学生が多かったです。


⑥朝の実習クラス

普段自分が「カイヴァリヤダーマ」で行っているものとは違い、ちょっとハードな体操、という感じでした。インドで「スークシマ・ヴィヤヤーマ」という準備体操だそうです。

こういった体操も、インドの国立のヨーガ・カンファレンスでヨーガとして扱われているのだな、ということが分かりました。


⑦「YOGA WEEK 2010」に参加した意義はあったか

ヨーガを扱う健全な雰囲気を感じることができただけでも良かったです。

政府がしっかりとこのカンファレンスに絡んでいることが感じられましたし、未来を担う若者が、このカンファレンスでうまく鼓舞されていることが伝わってきました。

国立という筋が一本通っていて、そこにそれぞれの研究機関が集まるというシステムがちゃんとあり、安心してヨーガを取り扱える場所であると思いました。

一方、インドでもヨーガと名のつくものが沢山あって、少し混乱した面もあります。

インドでもまだ「ヨーガとは何か?」という共通認識はできておらず、ヨーガの取り扱いについて模索中なのだなと感じました。

インドでこの状態であるのなら、日本で色々なヨーガがあふれかえっているのも、しょうがないことかな・・・とも思ってしまいました。

だからこそ、ヨーガで迷わないために、ヨーガを客観的に取り扱うという意味が身にしみて分かりました。


⑧ニューデリーの印象

以前デリーは訪れたことがありましたが、安宿街周辺にしかいませんでしたので、今回官庁街やコンノートプレイス周辺に滞在して、同じデリーでも別の場所に来ているようでした。

改めてインドは大きな国で、人口も多く、その分若者も多いのだなと印象づけられました。

    
  

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