タイの瞑想センターでヴィパッサナー修行③
2010年9月1日(水)ー12日(日)
こんにちは!!みなさん、お元気でお過ごしでしょうか。
これは「アジアの精神性とヨーガ」をテーマにしたシリーズです。タイでの瞑想コース参加体験のフィードバック・シリーズです。
今回は、9月1日(水)ー12日(日)にピサヌロークにある瞑想センターで10日間のヴィパッサナー・コースに参加された「N.N.」(広島在住)さんのフィードバックです。
「タイランド・ヴィパッサナー・センター : ダンマ・アバー」
Thailand Vipassana Centre - Dhamma Abha
138 Baan Huayplu,Tambon Kaengsopa, Amphur, Wangthong,
Phitsanulok 65220, Thailand
Website: http://www.abha.dhamma.org/
バンコクから車で5-6時間、中部タイのピサヌローク という町にあります。外国人受け入れ体制があり、日本語サポートもあります。
「N.N.」さんは、タイでの次のプログラムに参加されています。・2008年1月:「パナソム」での合宿セミナー(4泊5日)「N.N.」さんは海外旅行がご趣味で、世界各地を訪問されています。
今回は1か月の休暇中に、まず、タイで瞑想コースに参加、その後ネパールにご旅行に行かれました。
●ヨーガと瞑想
わたしたちが「ヨーガ」に期待しているものは、身体レベルでのフィットネス・ウエルネスだけでなく、精神的な面での向上と充足感です。人生の意味は、精神性の向上にあると、考えることは、アジアの仏教文化圏に属するわたしたち日本人にとっても、ふつうの感性です。
精神文化を否定し、物質の世界だけで人間社会を考える唯物論・共産主義が支配する隣国の台頭は、ある意味、わたしたちに日本人に「精神性」の価値についての再考を促しているように思えます。
より良く知り、より正しくあり、より良く生きることは、わたしたちみんなの、人類共通の願いです。そのためには、自分の内なる「精神性」を醸成して行くための、信頼できる方法が必要です。
インドの精神文化にルーツのある「伝統的ヨーガ」と「伝統的瞑想法(Vipassana)」は現代に生きるわたしたちにも、的確で現実的な方法を提供してくれています。
最近流行のエクササイズ中心の「新興ヨーガ」には方法論上の問題があり、精神面への効果を期待することは無理です。
身心の統合を無理なく促進して行く方法論は、「ハタ・ヨーガ」をベースにした「伝統的ヨーガ」にあります。また、「ヨーガ」は瞑想を前提としたホディ・ワークですので、本格的な瞑想修行の経験が「ヨーガ」のシステム全体への洞察を、無理なく深めてくれます。
そのためには、わたしたち日本人には、仏教の原点にある伝統的な瞑想法(Vipassana)について知ることが有効であり、最短コースのようです。
●タイで本格瞑想修行
「ヨーガ」の研修で海外まで出かけるならば、東南アジアの仏教国の瞑想環境や瞑想施設も、大いに活用させて貰うことにメリットがあります。
上座部仏教国であるタイは、瞑想の本場です。環境と設備が整った瞑想センターが無数にあり、外国人の受け入れ体制も十分です。
期間:日本との移動を含めて2週間以内
運賃:早めの予約で飛行機代5万円以内
費用:ドネーション・システムで常識的参加費
環境:自然充実のセンター、瞑想環境抜群
施設:全室個室、シンプルながら申し分なし
食事:タイ料理の完全菜食
言語:英語とタイ語のバイリンガル、日本語サポート有り
英語にやや不安のある方でも、日本にもある関連センターで一度予習をして来れば、ほぼ問題なくタイの瞑想センターでの本番に進めるでしょう。
タイでの本格的な瞑想修行に興味のある方は、どうぞ、お気軽にお問い合わせ下さい。
的確なガイダンスと必要なサポートを提供させて頂きます。
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タイの瞑想センターでヴィパッサナー修行③
2010年9月1日(水)ー12日(日)
「N.N.」さん(広島在住)
「タイランド・ヴィパッサナー・センター : ダンマ・アバー」
Thailand Vipassana Centre - Dhamma Abha
138 Baan Huayplu,Tambon Kaengsopa, Amphur, Wangthong,
Phitsanulok 65220, Thailand
Website: http://www.abha.dhamma.org/
相方ひろし先生相方ひでこ先生お世話になります。そろそろバンコクは雨季も明ける時期だと思いますが、いかがお過ごしでしょうか?
バンコクでは本当にいろいろとありがとうございました。10月はじめにネパールから無事帰国しました....ネパールは仏教とヒンドゥー教が混在した国で、とても興味深くまわることができました。
また、「瞑想効果」なのでしょうか??何かちょっとしたトラブルがあっても、以前のようにイライラッとしてしまったり変にあせったりすることもなく、いつも穏やかでくつろいだ気持ちでいることができました。そして、たくさんのよき出会いにも恵まれ、とても楽しく旅することができました。
以下、タイでの瞑想コースのフィードバックです。遅くなってしまいまして、すみませんでした。
今回のタイでの瞑想コースは 私にとって本当に素晴らしい経験となりました。ヨーガも、瞑想も、毎日コンスタントに実践していこうと思います。
そして、ヴィパッサナーも先生のヨーガ講座も、興味のある方にはどんどんお薦めしたいと思います!!いつもながら、とても充実した学びを得ることができるのは、相方先生の適切なアドバイスと、きめ細やかなサポートのおかげです。
本当に本当にありがとうございます。また何かの折りにはどうかよろしくお願いいたします。
先生のますますのご活躍とご発展をお祈りいたします。
N.N.
【プロフィール】
①住んでいるところ
広島
②現在されていること(仕事etc.)、今までにされて来たこと
以前は大学にて総務課勤務、アロマセラピスト&インストラクター、 タイ式マッサージ、ヨーガインストラクター等をしていました。
現在は法律系の国家資格の筆記合格後、口述試験を終えて、 最終発表まで休養中です。
③特に関心の深いこと、特技・趣味やライフワーク
さまざまな自然療法、ヨーガ、哲学、旅、読書、映画鑑賞、美術館巡り、 スローライフなどです
④ヨーガ歴・ヨーガを始めたきっかけ
ヨーガ歴は6年になります。 元々自然療法等に興味があったこともあり、心と身体のバランスをとることを模索中に、ヨーガに興味を持ちました。
⑤今後のヨーガへの展望や希望
ヨーガを特別なものとして行うのではなく、日常の中で、こつこつと、 人生を豊かにしてゆくために行っていきたいです。
日本社会においては、ダイエット目的・スポーツ的な扱いや 資格取得目的などの一面的な扱い方ではなく、 もっと広く深い意味で、人間形成に役立つものとして広まっていくことを望みます・・・
【フィードバック】
1)瞑想センターの場所と環境
①ピサヌロークの環境
バンコクから車で5~6時間のスコータイの近くで、 緑が多く、のんびりしたところです。 私はインターネットで申し込んだ際に紹介された、 バンコクからのチャーターバス(往復900バーツ)に乗って センターまで行ったので楽でした。
外国人の方は、ほとんどがこのチャーターバスを利用されていたようでした。 ローカルバス等でアクセスすることもできるようですが、 英語が通じにくく、日本人のタイ語の発音では地名ですら 伝わらないことが多いので大変そうです。
②センターの施設
「瞑想センター」というよりも、 「保養施設」にやって来たような感じでした。 周りは緑一色で、ほぼ虫や蛙や鳥の鳴き声しか聴こえてきません。
コース途中で逃亡(笑)できないようにロープ等で仕切られていましたが、特に息苦しさは感じませんでした。休憩時間にぼーっと周りの景色を眺めているだけでとても癒される、そんな環境でした。
宿泊棟、瞑想ホール、個人用の瞑想部屋、ダイニングルーム、ビデオルーム等、建物もそれぞれ綺麗でしっかり調っていました。
③泊まる部屋と食事
女性は最近建てられた新しい棟でした。 各部屋トイレ・ホットシャワーつきの、 ホテルのシングル並みのきれいな個室にとまることができました 部屋の前には洗濯物を干すスペースがあり、 掃除道具や扇風機、ハンガー、洗濯バサミ、バケツ、 蚊帳も完備されていました。
食器類と布巾も各自に用意されます。 男性の場合は、トイレ・シャワー共同で、2畳程度のスペースの個室が与えられたようです。
食事は朝、昼はバイキング形式の菜食を出していただき、夕方は基本的に出ない・・・はずなのですが、軽食(ハーブティー、各種フルーツ、ビスケット、カップラーメン、 トースト、シリアル、コーヒー、紅茶、ココアなどなど)が用意されていました。
毎日それぞれバラエティーに富んでいて、思った以上に種類も多く、ドリンクもびっくりするくらい色々と用意されていて美味しくいただくことができたので、大変満足でした。
(最後の日に他の人々と話したとき、「毎日同じような味付けで飽きた」と言っている人もわりといましたが・・・・私は大丈夫でした)
瞑想修行の施設でこんなにたっぷりお食事をいただけるなんて、 贅沢過ぎるくらいシアワセだ、と思いました。 しかも夕食は出ない、と思っていたのに、結構な種類の乾物やドリンクが用意されていたため、周りのタイの人々はみんなトーストやカップラーメンをいつもの夕食分くらいどっさり食べていたようでした(笑)。。。
④スタッフの対応
女性の中では外国人は私一人ということもあって、いつも何かと気にかけていただき、絶妙なタイミングでいろいろとお世話していただいたので、大変助かりました。
バンコクに着いた途端なぜか急に時計が壊れてしまい、携帯も預けなければならなかったので、時間がわかりずらくて困ってしまっていたのですが、スタッフの方がご自分の時計を貸してくださったりして、とても助かりました。
ちょうどよい距離感や、かゆいところまで手が届く細かい気配りなど、見習うことばかりでした。 皆が気持ちよく過ごせる環境をつくっていくことを ナチュラルにできる素晴らしさを学ばせていただきました。
2)10日間コースについて
①コース中の日課へのコメント
4:00 起床
4:30- 6:30 瞑想
6:30- 8:00 朝食・休憩
8:00- 9:00 グループ瞑想
9:00-11:00 瞑想
11:00-13:00 昼食・休憩
13:00-14:30 瞑想
14:30-15:30 グループ瞑想
15:30-17:00 瞑想
17:00-18:00 ティータイム
18:00-19:00 グループ瞑想
19:00-20:30 講話
20:30-21:00 瞑想
21:00 質問
21:30 消灯
朝は寝坊しないか心配でしたが、 大変大きな鐘で起こされるので、寝過ごすこともなく、起床後すぐ掃除してました。
瞑想コースがすすむにつれ、3時~3時半くらいに自然と目が覚めるようになりました。不思議。
毎食後は瞑想中に眠くならないよう、30分散歩コースでウォーキング&部屋の掃除をしてました。 シャワーは16時半以降に浴びるように、と言われたような気がするのですが(?)、みんな結構朝から晩まで、好きな時間に浴びていたようでした。
毎日3回の「グループ瞑想」以外の瞑想時間は、瞑想ホールから出て自分の部屋に帰ったり、途中で休憩してもいいようでした。 私は自分の部屋に帰ると寝てしまいそうだったので、ずっと瞑想ホールで瞑想していました。
インストラクションはインドなまり?のちょっと聞きづらい英語ですが、、、講話は日本語のデータを別室でひとりで聞くことができたので、よかったです。
②瞑想コース中に洞察が深まったこと
「身体に起こる感覚をただ観察する」ということは、ヨーガでも行っていたつもり、でしたが、じっと座ったままでも身体全体に起こっている感覚を感じ取る、ということがはじめてで、最初はとても戸惑いました。
そしてその中で、表面の感覚から、深部の感覚まで、あらゆるさまざまな感覚があることを、はじめてまざまざと感じることができ、自分は今まで純粋な「感覚」ではなく、感覚から生じる「反応」を観察していただけだったのか、ということにいまさらながら気づきました。
感覚と、感覚に対する反応を混同してしまっていた自分の過ちを体感できたのが、とても学びになりました。 「頭でわかっているだけじゃなく、体感しなければ意味がない」ということを、まさに体感することができました。
また、「グループ瞑想のときは、身体をできるだけ動かさないように」と先生から言われたので、腰や昔怪我した右ひざが激しく痛くても、意地でも動かすもんか!とがんばっていましたが、そうするとだんだんイライラ感が募ってきて、「なんでこんなこと一生懸命やってるんだろ?ばかみたい?」と、急に投げやりな気持ちになる自分も出てきたりしました。
それでも我慢して身体を動かさずにじっと観察していると、突然ふっと手品のようにあちこちの痛みが消えてふわっとすべてが流れてゆき、気持ちが無になる瞬間を感じたとき、「ああ、これか、、、」と、驚きながらも納得できました。
が、それで「やった!」とちょっといい気になりそうになると、また次の痛みやイライラや嫌悪感が襲ってきて、、、、ということの繰り返しで、ゆく川の流れのように、いろいろなものがとどまることなく流転していく様子を、最も身近な心身まるごとでしっかりと実感できたのがよかったです。
そして、その様子を本当にただ淡々と見つめることができれば、確かに、人生どんなことがあっても、楽ちん=楽しく過ごせるようになるのかも、と、頭ではなく、身体が感じ取ることができたのが大きかったです。
③瞑想コース中に直面したチャレンジ
最初の数日間は、ひたすら肩から腰が痛くて、心の中は煩悩だらけでした。
しかも、講話で言われていたような「心の奥底の深い闇が出てくる」という、いわば心の治療が進んだわけではなく、好きな音楽がひたすら流れたり、会ったこともない人とまだ行ったことのない場所を旅する妄想だったりと、楽しいことばかりで、軽々しい妄想に踊らされているだけで時間が過ぎていき、情けないですが、まったく瞑想どころではありませんでした。
4日目以降にヴィパッサナー瞑想をはじめてからは、少し体の痛みが落ち着いてきましたが、今度は講話で指摘される‘瞑想中の罠’・・・たとえば、「体全体が流れる感覚の気持ちよさに執着」してしまったりするなどの、いわゆる典型的な落とし穴に、おもしろいように引っ掛かりました。
また、4日目以降は毎晩、今までの自分の人生にかかわった人々が、リアルな映画のごとくオールスターキャストで数本立てで夢に出てくるようになり、それが驚くほどくっきり記憶に残っていて面白かったため、そのことを瞑想中に思い出してしまってしばしば気が散ることもありました。
常に「感覚をありのままに観察する」ということがいかに難しいか思い知らされました。
④タイで瞑想コースに参加した意義があったかどうか
仏教思想が当たり前のように生活に溶け込んでいるタイで受けることができて、大変よかったです。
タイの方々はまじめで穏やかで、きれい好きでしたから、一緒に瞑想修行している中で、会話をしなくても、なぜかとても居心地がよく、気持ちよく瞑想に集中することができました。
さらに、施設はきちんとととのっていますし、食事も美味しいですし、最高です。 そして沈黙が解かれた後は、周りの方々が、タイ語がわからない私にも大変フレンドリーに、英語やボディランゲージで一生懸命コミュニケーションをとろうとしてくださり、タイの方々のホスピタリティーを有り難く思いました。
最初から最後まで充実した瞑想修行をすることができました。
3)総括:ヨーガと瞑想(Vipassana)についての考察
プラーナヤーマで敢えて「呼吸をコントロールする」ということを行なっていたおかげで、瞑想での「コントロールしない自然な呼吸」との違いがわかりやすかったですし、また、瞑想の間、ずっと同じ姿勢を保つことも、ヨーガでアーサナを行っているのといないのとでは全然違ったようで、ヨーガを日々行っていると、自然と瞑想のやりやすい体になるのかな・・・と感じました。
瞑想において、感覚に意識を集中する、 という段階も、ヨーガを行っていると入りやすいですし、逆に、10日間の瞑想コースの後でヨーガを行うと、より微細で、深い部分まで広がっていくような、今までになかった感覚まで感じ取れるようになり、 心身のリラックス感やものの捉え方がずいぶん変わった気がします。
瞑想を行なうことによって、ヨーガを行っていくことの意義が、頭や理論だけでなく、体で「いま、この瞬間」にしっかりと体感できるのはとても大きいです。また、逆もしかり、です。
ヨーガと瞑想は、どちらも続けて行なっていくことによって、それぞれに理解が深まり、相乗効果があるものなのだ、と、今回、身に染みて思いました。
また、日本人にとっては特に、、、ヨーガだけを行なうのではなく、ヴィパッサナー瞑想を並行して行なうことにより、より現実的で実際的なヨーガへのアプローチができるようになるのではないか・・・と思います。
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