2011年8月28日日曜日

アジアの精神性とヨーガ2011(1)

MCB財団タイ・ヨーガ研究所(TYI)でインターンシップ
1ヶ月経過現地レポート

昨年カイヴァリヤダーマ研究所のヨーガ教育ディプロマ・コース(DYEd)を卒業し、
今年から関西大学の大学院でヨーガ研究を続けているC.A.さん(女性)が、夏期休暇中に、バンコクで2ヶ月間のインターンシップを過ごされています。

その1ヶ月経過・現地レポートです。

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次の項目でフィードバックをお願いしました。

【プロフィール】
①現在住んでいるところ
②現在されていること、今までにされて来たこと
③バンコクでのインターンシップの動機と目的
【フィードバック】
1)TYI(タイ・ヨーガ研究所)について
①場所と環境
②活動について
③スタッフについて
2)プラチンブリーのヴィパッサナー・センター
①場所と環境
②10日間コースについて
③ヨーガとヴィッパサナーについて
2)SWUコースについて
(国立シーナカリン・ヴィロード大学人文学部哲学宗教学科)
①場所と環境
②SWUコースの受講生
③SWUコースの実習・講義の内容
④学部生のヨーガ副専攻コース
3)PSUでのセミナーについて
(国立プリンス・ソンクラー大学看護学部)
①場所と環境
②看護学部の大学院生への講義
③看護学部主催のヨーガ講座のセミナー
④学部生への講義
4)1ヶ月間の総括
①1ヶ月間の成果
②バンコクでの生活(住居・食事etc.)
③タイランド全般・タイの文化と人々について


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バンコクのMCB財団タイ・ヨーガ研究所(TYI)でインターンシップ
1ヶ月経過現地レポート:
兵庫在住の大学院生・C.A.さん(女性)

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【プロフィール】

①現在住んでいるところ

日本(兵庫県)


②現在されていること、今までにされて来たこと

大学卒業(薬剤師免許取得) 後、製薬企業にて(MR)約4年間勤務。
→ マクロビオティック研究家主宰のコミュニティー(千葉)で約1年間生活。
→ 海外にて約半年生活(ヨーガに真剣に興味を持ち始める)。
→ 薬局(主に、漢方の調剤)にて、約1年間勤務しながら、 様々な伝統医学、民間療法等を学ぶ。
→ やはり、ヨーガを学びたいと思い、 カイヴァリヤダーマ・CCYコース(2009年5・6月)修了、穂高編2009に参加後、カイヴァリヤダーマDYEdコース(2009-2010)卒業。
→ 帰国後、現在、 関西大学大学院・文学部身体運動文化専修所属(M1



③バンコクでのインターンシップの動機と目的

動機
大学院の夏季休暇中に日本にいた場合、パートの仕事(薬剤関係)と、パソコン上でヨーガの事を考える(修士論文のため)ことで、ヨーガの楽しさを見失いそうな気がしたため。

目的
自分を整えるため
○ヨーガに対して主観的になりすぎているので、客観的視点を養うため
○日本でヨーガ研究をすることに、閉塞感を感じがちだったため
○環境が良いと思えるヨーガの現場に、身を置きたかったため

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【フィードバック】

1)MCB財団TYI(タイ・ヨーガ研究所)について

①場所と環境

ディレクター:
カヴィー・コンパックディーポン(Kawee kongpakdeepong)
Kawee_1
201 Ramkhamhaeng 36/1
Huamark, Bankapi, Bangkok 10240
http://www.thaiyogainstitute.com/
http://www.facebook.com/thaiyogainstitute

MCB(Mor-Chao-Baan)財団は、1973年にマヒドン大学医学部教授であったプラヴェート・ヴァシ博士(1931-、通称モー・プラヴェート)によって設立された保健医療系の財団で、自助努力を基本とした一般市民向けの教育活動や、
啓蒙・出版活動を行っています。
http://doctor.or.th/

タイ語でMCB(モー・チョー・バーン)は「市井の医家」という意味で、みんなに役立つ健康増進や病気改善の知識に精通しているひとのことです。

MCB財団の活動理念は「Building the Knowledge-based Society」で、
知識を中心にした健康社会の構築です。出版局からは保健医療に関する書籍・小冊子が多数出版されていて、健康をテーマにした月刊誌も出ています。

プラヴェート・ヴァシ博士は1986年度のラモン・マグサイサイ賞(アジアのノーベル平和賞と言われています)の受賞者で、
タイを代表する高潔な人格者としての人望が高く、多くの財団・大学・政府・国際機関の委員を勤めています。

医療関係者のみならず、一般国民からも、
たいへん尊敬されている方のようです。

そのプラヴェート博士が、
ヨーガをタイの保健医療の分野に統合する必要を認識されたので、2004年2月に第1回のヨーガ・コンフェレンスを開催(SSS, NHF, MCB協賛)、2004年9月にMCB財団の傘下でタイ・ヨーガ研究所(TYI)を立ち上げさせた、という経緯です。

その後、タイでは、着実に医療関係にもヨーガが浸透しているようです。

MCB財団のビルはバンコク都内の別な場所にありますが、
タイ・ヨーガ研究所のオフィスは新空港にも近い、ラームカンヘーン通りにあります。空港から、空港鉄道エアポートリンクで15分、Hua Mark 駅から、バスに乗り約10分です(207番)。

まわりは静かな住宅地です。 屋台やコンビ二が周りにあり、近くには大きなMall(ショッピング・センター)があります。

運河ボート乗り場が近くにあり、主な活動場所の国立シーナカリン・ウィロード大学(SWU)や、バンコクの中心部に向かうときは、運河ボートを使うことができます。

バンコクは渋滞時間になると、移動に時間がかかりますが、その点、運河は渋滞知らずで、便利です。

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②活動について

TYI(タイ・ヨーガ研究所)のディレクターのカヴィー氏を中心に、常勤・非常勤のチームにより、活動がなされています。

主な活動は、医療・教育分野へのヨーガの導入で、学校や大学・病院関係の仕事中心です。母体のMCB財団の活動理念に従った公的な社会活動で、
いわゆる日本でイメージされるような「ヨーガ団体」というものとは性格が違います。

その他、
一般の人向けのヨーガの啓蒙活動も行なわれています(会社・団体・教育機関・政府機関・お寺関係等)。


次が現在までに見学した研究所の活動です。

国立シーナカリン・ヴィロード大学(SWU)

○人文学部哲学宗教学科で学部生へのヨーガ選択科目(週2回)
担当:ヴィーラポン先生とジラワン先生、共に、カイヴァリヤダーマ研究所・CCYコース(2004)修了。

○SWUコース2011(一般公開のヨーガ講座)(週4回)
担当:相方ひろし・ひで子先生+カヴィー先生(TYIディレクター)+TYIの他のメンバー(5~6名)


国立ソンクラー大学(南タイ・ハジャイ)でのセミナー

タイ・ヨーガ研究所とのコラボで看護学部で開講されている
4ヶ月間のヨーガ講座コースの修了セミナーに、相方両先生とカヴィー先生に3日間同行しました(8月19日ー21日)。


今後の見学予定

○タイ政府厚生省(Ministry of Public Health)
毎週、主にディレクターのカヴィー先生がセミナーを担当。厚生省代替医療局のヨーガ部門と提携。

○スーアン・モッカ(Suan Mokkh) in バンコク(BIA)
現代タイを代表する仏教僧であるブッダダーサ・ビク(1906-1993)が南タイに設立した森林寺院のバンコク・センターで昨年9月に開設。
タイ・ヨーガ研究所(TYI)が無料のヨーガ・クラスを担当。

○一般人向けの各種ヨーガ・クラス
タイ・ヨーガ研究所のメンバーが担当

○タイ政府厚生省主催・第8回National Herb Expo 2011
タイ・ヨーガ研究所(TYI)の母体のMCB財団も協賛団体のひとつです。
タイ全土の伝統医学・民間療法・代替医療の関係者が
バンコクのコンベンション・センターに集結する5日間の大イベント。今年で8回目で、厚生省の大人気・当たりプログラムだそうです。 期間中、タイ・ヨーガ研究所もブースを出して、ヨーガ・クラスやセミナーの提供をスタッフ・メンバーで行います。


③スタッフについて

私が毎日通っているオフィスには、2人の常勤スタッフがいます。ジェープさん(Jeab)とクロイ(Kloy)さんです。
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2人は、タイ・ヨーガ研究所(TYI)の活動の事務的業務を担当していま
す。各種コースへの質問や予約への対応、ウエブサイトでの活動(ホームページ・フェイスブック)、ニューズレターの編集、物販の注文・発送等が日常の業務です。

また、バンコク都内やタイの地方部でのヨーガのプログラムやイベントのコーディネートも行っているようです。



2)プラチンブリーのヴィパッサナー・センター

バンコクに来たのは7月26日(火)です。

その翌日の7月27日(水)から8月7日(日)まで、バンコク郊外のプラチンブリーにあるヴィパッサナー・センターで10日間コースに参加しました。

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①場所と環境

バンコクから、バスで約2時間です。木々に囲まれた、気持ちの良い場所です。

②10日間コースについて
③ヨーガとヴィッパサナーについて

今回は、去年12月のピサヌロークのセンターに続き、
2回目の10日間コースでした。日々の瞑想で、瞑想を通して「私」に向き合っているはずが、次第に「瞑想をすること」自体に重点を置きつつある自分に気が付きました。

ヨーガやヴィパッサナーを通し、日々の自分のあり方を大切にしようと反省した10日間でした。



2)SWUコース2011について
(国立シーナカリン・ヴィロード大学人文学部哲学宗教学科)
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①場所と環境

オフィスから運河ボートを使って、約45分程の通勤時間です。


②SWUコース2011の受講生

SWUコース2011の受講生は、皆さん社会人のようです。年齢はばらばらで、男性1人を除いてあとは女性です。


③SWUコース2011の実習・講義の内容

期間:4カ月間
月・水・木 17:30ー20:00
土 8:00ー13:00(休憩1時間)
それと、3日間の合宿が2回+宿題等もあるようです。終了すれば、SWUから修了書が出ます。

相方両先生が実習・講義をされる日に同行しています。今まで見学した水・木は、17:30から実習が約1時間半で、残り45分ー60分が講義の形式です。

実習は、
4カ月間で段階的に伝統的ヨーガの技術が身につくように、構成されています。見学しているこの3週間だけでも、アーサナからプラーナーヤーマへの割合が、徐々に増えています。

各々の技法に対しても、アーサナでは保持する時間が長くなり、またプラーナーヤマでは、1:1 → 1:2 へと移行しています。

ムドラーやバンダを徹底的に練習する組み立ては、4カ月間で無理なくプラーナーヤーマを上達させる上で、たいへん有効であることを実感しています。

講義は、ヨーガ・スートラの理論とハタ・プラディーピカーの各技法について、古典テキストと現代的解釈(主に解剖生理学や現代人の抱える
問題解決への関連付け)の両方から、スライドを使って解説されます。

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④学部生のヨーガ副専攻コース

一度、火曜日10:30ー12:30の授業を見学しました。10:30ー12:00が実習で、残りが講義でした。

主に3回生が、24人参加しています。ウディーヤナ・バンダをチェックし合ったり、コツを教え合ったりと、微笑ましい光景が見られました。



3)PSUでのセミナーについて
(国立プリンス・ソンクラー大学看護学部)
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①場所と環境

国立ソンクラー大学は、南タイ、ハジャイにあります。大学病院もあるため、敷地はたいへん大きいです。キャンパス内に大きな湖もあり、朝には、大学スタッフや一般の人が大勢、散歩しています。


②看護学部の大学院生への講義

タイトル:
The Philosophical Foundations and Knowledge Development in Nursing for doctoral students: “Indian Philosophy” for Doctoral students

看護学部博士課程11人(インドネシア3人、中国2人、タイ6人)へのインド哲学の講義でした。

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ヒンドゥー教、ジャイナ教、仏教の話から入り、ヴェーダ文化、Astika/Nastika
の各哲学の解説と、怒涛の2時間でした。 すごいスピードと情報量にも関わらず、それぞれの視点からインド文化を捉え、講義後には質問で白熱しました。

インドネシア留学生はインドネシア語とサンスクリット語の類似性、中国人は中国医学とインド伝統医学のコンセプトの類似性、またタイ人は仏教観点から、
皆さん興味深く、講義を消化された様子です。


③看護学部主催のヨーガ講座のセミナー

朝は、看護学部主催のヨーガ講座受講者への実習(2時間)でした。その場で、メンバーの様子を見た上で、アーサナ抜きで、バンダ&プラーナーヤーマを徹底して実習するプログラムが相方両先生により組み立てられました。

皆さん必死に写真をとり、
メモをしながら、実習に励んでおられました。バンダ&プラーナーヤーマをしっかり学べた機会は、貴重だったのではないでしょうか。

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④学部生への講義

タイトル:
Yoga Update & Advanced Yoga Practice

ヨーガ講座受講者と看護学部学生に対しての、「ヨーガ・アップデート」の講義(1時間45分)でした。

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看護学部の学部生が受講するということで、ヨーガ技法の科学的な研究史から話が始まりました。

そして、インド政府厚生省(Ministry of Health and Family Welfare)での、今までの統合医療への取り組みの変遷、現在厚生省のAYUSH局が推進するインド医学&ホメオパティーの各々の概説の後、ヨーガ分野での学術的リソースの紹介がありました。

この講義も、すごい情報量でした。学部生なので、日本と同じく、講義中はざわざわしています。しかし、ハタ・プラディーピカーの内容説明で、「目の病気」の話(トラータカの箇所)になると静かになりました。やはり、看護学部生さんたちですね。



4)1ヶ月間の総括

①1ヶ月間の成果

ヨーガ・タイ文化にまつわる全てが面白すぎ、あっと言う間に過ぎ去っています。研究のために、皆さんの観察をしなければいけないところ、私自身がクラスを楽しんでいます。

論文関連はさっぱり進まず、大学関連や翻訳も、ほぼ進んでいません。ですが、それでも良いかと思えるような充実ぶりです。

ヨーガが教育として運営され、学生さんたちが学んでいる姿が、健全な光景として私の目には写っています。

現代では、然るべき内容を、教育機関で学ぶということは、自然な流れではないでしょうか。授業を見ていると、ヨーガを教育として捉えることと、自分でのヨーガ実践していくことの違いが、はっきりと浮かび上がります。

ヨーガの枠組みをしっかりと学び、体験することは、次のステップに大きな影響を与えます。だからこそ、ヨーガを学ぶ環境は重要だな、と感じています。


②バンコクでの生活(住居・食事etc.)

快適です。

研究所(事務所)近くの、サービス・アパートに滞在しています。様々なアパートがあるので、価格やサービスなどで、選択が可能です。

例えば、私のアパートは、冷蔵庫やテレビが付き、週に1度の掃除があります。1階にはコイン・ランドリーがあり、警備員も常時います。

食事は、朝は研究所のスタッフが屋台で買って来てくれる野菜スープやタイのスナックを共に食べ、昼は、相方先生やカヴー先生と共にいただいたり、スタッフと一緒に作って食べたりしています。

夜は、講義が遅いときは、部屋にストックしているもので済ませますが、屋台でテイク・アウトしたり、外で食べたりと、楽しんでいます。


③タイランド全般・タイの文化と人々について

良くわからない国です(笑)。

タイについてコメントするには、あまりにもタイのことについて知らなさ過ぎます。タイの国のもつ複雑さには、あまり触れることなく終わりそうですが、多くの人達の根底には、「ダンマ(仏教の生き方)」があり、それによって繋がろうとしているように感じます。

スタッフは、とても気持ちがよいです。真剣な顔をしていると、どこからともなく日本の曲をかけてくれ、「サヴァーイ、サヴァーイ(楽しく、楽しく)」と言って笑ってくれます。

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カイヴァリヤダーマ研究所2011:ディプロマ・コース1ヶ月経過レポート

期間:2011年7月-2012年4月(1学年) 
東京在住のA.K.さん(女性)のフィードバック


カイヴァリヤダーマ研究所付属カレッジの今年度(2011-12)のヨーガ教育・ディプロマ・コース(DYEd)に留学中のA.K.さん(女性)の 1ヶ月経過レポートです。

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今年度も、DYEdコースは7月16日にスタートしています。インドは6月から雨季入りしています。7月・8月のロナウラは激しい雨季の最中で、インド有数の雨量があり、雨地獄・水地獄の様相を呈します。

10月に雨季が終わり、乾季に入れば、来年5月までロナウラはインド有数の過ごしやすい、リゾートな町になります。

カイヴァリヤダーマ研究所の6週間コース(CCY)はベーシックで体系的なヨーガの理論と実習を紹介するコースですが、ディプロマ・コース(DYEd)は、将来ヨーガの専門家・研究者となるための基礎を提供するコースです。

ヨーガの古典文献の内容を丁寧に講義し、古典文献にもとづいた伝統的な技法を体系的に指導するのがディプロマ・コース(DYEd)の特徴です。


1ヶ月フィードバックの項目
【プロフィール】
①日本の住所
②インド留学までの学歴・経歴・資格
③特に関心の深いこと、特技・趣味やライフワーク
【ヨーガとの関わり】
①ヨーガを始めたきっかけ
②今までのヨーガ勉強歴
③インド留学の動機と目的
④今後の展望
【フィードバック】
1)場所と環境
①雨季のロナウラ環境
②学生の宿舎について
③キッチンの食事
④通信事情(電話・インターネット)
⑤スタッフの対応
⑥キャンパス・ライフ全般
⑦ロナウラの町について
2)カレッジについて
①今年度の授業料
②クラスの仲間(インド人・外国人)
・外国人留学生について
・インド人学生について
③講師陣
④実習クラスの進行状況
⑤講義の進行状況
3)ロナウラで1ヶ月経過した感想


カイヴァリヤダーマ研究所について
Kaivalyadhama Yoga Institute
http://www.kdham.com/
Lonavla-410403, Dist.Pune, Maharashtra, India.

「カイヴァリヤダーマ研究所」は、ヨーガの近代的研究のパイオニアである「スワーミー・クヴァラヤーナンダ(1883-1966)によって、1924年にインド・マハーラーシュトラ州のロナウラに設立された、インドで(世界で)初めてのヨーガの学術的研究所です。

「カイヴァリヤダーマ」の研究室で、伝統的なハタ・ヨーガの技法の生理学的・心理学的な効果が科学的に研究されたことで、ヨーガが一般社会の教育・医療の分野で応用される方向性が確立されました。

現在、キャンパス内では、科学的研究ラボ、哲学・文献学研究室、付属カレッジ、ヘルス・ケア・センター(ヨーガと自然療法)、アーユルヴェーダ・センターなどが運営されています。


○付属カレッジ
(Gordhandas Seksaria Colledge of Yoga & Cultural Synthesis)

付属カレッジは、インドで初めてのヨーガを大学教育の枠組みで扱う専門カレッジとして1950年に開校、すでに60年の歴史があります。現在までにインドの教育分野に多くの有意な人材を輩出しています。


○ヨーガ教育・ディプロマ・コース(DYEd)

修業期間:1学年(7月16日開講、翌年4月20日まで)
入学資格:大卒(理系・文系学部を問わず、卒業成績45%以上)
年齢制限:35歳まで
申込締切:5月末
授業料(宿泊・食事込):留学生4300ドル(2人部屋共有:個室も可)
(インド政府厚生省AYUSH局の奨学金給付対象/ICCRのAYUSH枠)

1学年間の「ディプロマ・コース(Diploma of Yoga Education)は、付属カレッジの中心プログラムです。 インド中央政府の人的資源開発省の「NCTE(教員教育全国審議会)」から認定を受けており、「ディプロマ(DYEd)」保持者は学校・大学レベルへ教職で就職が可能になります。

また、将来ヨーガの研究者・専門家となる道に進む場合にも、確実な基礎作りを提供するコースで、1950年の開校以来、教育・研究分野に多くの有意な人材を送り出して来ました。

実質的に、インドの良心的・常識的なヨーガを支えて来たのは、「カイヴァリヤダーマ」のディプロマ卒業生です。現在進行中の、インド政府厚生省AYUSH局によるヨーガのスタンダード化(標準化)でも、1年間の「ディプロマ」が職業としてのヨーガ教師の基準資格とされています。

1950年の開校以来、日本人の修了生は18名です。また、ディプロマ・コースにヨーガ留学しない場合でも、ディプロマ・コースのカリキュラムの内容をよく理解しておくと、わたしたち日本人がヨーガにアプローチして行く場合の明確なガイドラインが得られます。

「カイヴァリヤダーマ研究所」では、年2回、1月2月と、5月6月に6週間のサティフィケート・コース(CCY)も開講されています。ディプロマ・コースに留学を計画する場合でも、まず6週間コースから始めるのが、リスクが少なくメリットの多い留学計画になります。

次のサイトもご参照下さい。

「伝統的ヨーガの理論とリソース」
> カイヴァリヤダーマ研究所 > 付属カレッジのコース
https://sites.google.com/site/hhaikata/kdhama/courses

> ヨーガ留学の傾向と対策
https://sites.google.com/site/hhaikata/guidance


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カイヴァリヤダーマ研究所・付属カレッジ
2011-12年度ディプロマ・コース(DYEd)1ヶ月経過レポート:
東京在住のA.K.さん(女性)


【プロフィール】

①日本の住所

東京都新宿区

②インド留学までの学歴・経歴・資格

大学卒業(国語学国文学専攻)
→ イギリスに大学院(修士)留学(演劇制作専攻)
→ 帰国後フリーの演劇制作スタッフ&バイトで生活
→ 英語の翻訳/通訳に従事(主に演劇、エンタメ業界に出没)
→ 現在に至る


③特に関心の深いこと、特技・趣味やライフワーク

日本の舞台芸術:現代物、伝統芸能に関わらず(仕事柄…)。
世界の舞台芸術:ジャンルを問わず(やはり仕事柄…)。

日本を軸にした歴史、宗教、民俗にずっと興味があるものの、あっちをかじり、こっちをかじりで頭の中がまったく整理されていません。

整理するほどのものもないかもしれません…。多趣味の無趣味で、何かひとつ「これ」というものもありません…。


【ヨーガとの関わり】

①ヨーガを始めたきっかけ

ありがちですが、30歳前後に心身の不調を感じて都内の一般的な(?)スタジオに通い始めたのがきっかけと言えばきっかけです。


②今までのヨーガ勉強歴

相方先生のセミナーは、
2009年穂高編一般セミナー 、
2010年ロナウラ編、
2010年ワンサニット編
に参加した他、東京での講義などにも出席しました。

上記以外のヨーガの勉強歴というのは特にありません。ぱらぱらと関連する本に目を通す程度で、独学と書ける程のこともしていません…。


③インド留学の動機と目的

好奇心の赴くまま、気づいたら留学することになっていた、というのが正直なところです。

強いて言えば…いわゆる「アシュラム」ではなく「カレッジ」という教育機関でヨーガがどんな風に教えられているのかを実際にこの目で見てみたいと思いました。

また、ディプロマ・コースはヨーガを教える人材を養成するコースでもあるので、世界中に様々なヨーガ講師、インストラクター、教師、etc.がいる中で、インドではどんなヨーガの教え手が理想とされているのかを知りたいという気持ちもありました。

あとは単純に、仕事や家事に追われることなく勉強をしたいという個人的な欲も。

もちろん、ヨーガそのものの知識をゆっくりと時間をかけて深めたいという思いもありますし、9ヶ月間(ほぼ)毎日実習を続けたら自分がどう変わるのか、という自分の身体を使って人体実験! 的な関心もあります。


④今後の展望

うーん、わかりません。私がまとまりのないまま興味を持っている様々な分野を一つにつなぐ糸にヨーガがなってくれたらいいなあ、という勝手な希望はありますが…。

今はコースが終わる頃までに何かが見えてくるといいなあ、などと呑気に思っています。

私の座右の銘は「人生行き当たりばったり」です。



【フィードバック】

1)場所と環境

①雨季のロナウラ環境

過酷ですが、どう過酷かを説明するのが難しいです。

渡印前からこれまでのディプロマ卒業生の皆さんにいろいろな情報と助言をいただいて心の準備(&持ち物の準備)をしていたのですが、やっぱり想像していたのとは違いました。

まず、太陽がまったく拝めない日が続くわけですが、実際、このひと月で、日にわずか5分でも陽が射したのはせいぜい3日か4日じゃないかと思います。

でも、似たような状況は曇天が売り(?)のイギリス滞在時にすでに経験済みだし、私自身はさほど苦じゃありません。

気温もあまり上がらず涼しいので、蒸し暑いということもなく、日本の夏のように湿気と暑さで息苦しくなるようなこともありません。そのせいで湿度を感じづらいのですが(肌は基本的にさらさらです)、実際はもの凄く湿度が高いのだと思います。

なぜなら…あらゆる布製品、紙製品があっという間にたっぷりの水気を含み、そのまま何も行動を起こさなければ(ドライヤーをあてる、アイロンをかけるなど)永遠に乾くことがありません。

また、その湿気と気温がある種のカビには大変好都合のようで、あらゆるもの(本当にすべての持ち物)にカビが生えます。油断をしていると思わぬ所に思わぬ(大)量のカビが繁殖していてぎょっとさせられます(笑)。

それでも。敷地の借景になっている背の低い山並みは緑に覆われ、その周囲に霧が立ちこめる様子はちょっと日本の里山の風景にも通じるものがあって、ふと気持ちが和んだりします。

いずれにせよ、財布は持たずとも傘は持つ日々が、まだ当分続きそうです。

一日の中で
小雨、本降り、こぬか雨、天気雨、土砂降り、霧雨、豪雨など、いろんな雨模様が体験できる日々です(苦笑)。


②学生の宿舎について

留学生専用(?)の宿舎の部屋を
同じ日本人のM.K.さんとシェアしています。部屋はインド人学生も留学生も基本的に相部屋です。(部屋の空きがあれば追加料金を払ってダブルの部屋をシングル利用できます)。

広さは… 10畳くらいでしょうか。その他3畳ほどのキッチン(シンクのみ)、2畳強のシャワー&トイレが付いています。

備品は最低限のものがそろってる感じです。(ベッド、敷き布団、リネン類、机、椅子、物干し、物入れ、バケツなど)日本のものさしではきれい、便利とは言い難いですが、インド基準からいえば比較的清潔で良好な条件ではないでしょうか。

以前は部屋の中もスタッフが掃除してくれていたようですが、現在は自分の部屋は自分で掃除、が基本になっています。

ただ、共用部はスタッフが掃除してくれますし、ゴミも廊下に出しておけば毎日処理してくれます。でも、部屋の床のモップがけができないのが不満です。そのうち希望を出してみようと思っています。


③キッチンの食事

留学生は敷地内に併設のヘルスケア・センターの食堂で3食(&朝のお茶&午後のお茶、フルーツ付)いただきます。

ヘルスケア・センターはある種「療養」目的の人たちが
滞在しているので、食事も(インド的)ヘルシー志向です。

油をあまり使わず、比較的薄味です。スパイスはきいていますが、私は美味しく食しています。さまざまな味覚のバリエーションを
食に求める人にはつらいと思いますが、私は日本での食事も割合に単調だったので(苦笑)、あまり苦になりません。

毎食味付け的にはほとんど変わらないインドのご飯ですが、食事を楽しみに日々過ごしています。

実は当初、
留学生もいわゆる学食で食事をすることになっていたのですが、留学生一同が嘆願した結果上記のような次第に。(学食はやや油がきつく、甘いものの甘さが半端ではない感じです。脳天突き抜ける白砂糖の味わいです)でも、学食を愛用している留学生もいます。


④通信事情(電話・インターネット)

私はこちらに来て早めの段階で携帯電話とインターネット用のUSBモデムを購入しました。

携帯電話は(こだわらなければ)電話機も通話料も安いです。NOKIAの電話機が3千円台、
通信料は日本との国際電話でも1分15円程度です。ありがたや~、です。まあ、国際電話だと若干タイムラグがあって話し方にコツがいりますが。 国内電話は1分2円とか、そんな感じだったと思います。

インターネットはもう少し高額になります。私が契約した会社の場合、
USBモデム自体は2500円~3000円程度、使用料は例えば月々15GBのデータ通信可能なプランで2500円程度(ひと月以内に再度チャージすれば残った分を繰り越し可)です。通信速度は下りで3MB/秒を謳ってますが、うーん、もう少し遅いかな、という感じです。

ネットに関しては日本と比べると割高感を感じます。ただ、わざわざ自分でモデムを購入しなくてもカレッジ周辺では無料の無線LANが使用可能です。自室で使うことにこだわらなければインターネットにお金をかける必要もありません。


⑤スタッフの対応

良くも悪くもインド的(?)です。

要望がある時ははっきりと伝え、1日に2回3回と確認をすると物事が少しずつ進展する感じです。時間も約束通りにいかないことが多々ありますが、だからといって、こちらもアバウトでいいや、などとなめてかかっていると、意外に相手が時間に正確だったりすることもあり、予測ができません(笑)。

でも、概ねスタッフはみんな親切です。そして、目があっても基本、表情を変えないインド人ですが、こちらが笑うとちゃんと笑ってくれます。


⑥キャンパス・ライフ全般

全体にゆったりとした時間が流れているのですが、それでいて何だかとても忙しいです。

0600 ~ 朝のお茶
0700 ~ 0830 ヨーガ実習
0830 ~ 朝食
1035 ~ 1135 講義
1200 ~ 昼食
1430 ~ 午後のお茶
1445 ~ 1545 講義
1615 ~ 1715 ヨーガ実習
1730 ~ 1830 カルマヨーガ(掃除)
1900 ~ 夕食

以上が基本的な時間割ですが、曜日によって講義の時間が多少変わります。休日は日曜のみ、土曜もフルタイムで授業が入っています。

上記以外の時間は洗濯や掃除、カビ退治(笑)に当てられます。合間をぬって、お湯が快適に出る時間にシャワーも浴びなければなりません。

というわけで、授業の予習復習を含めた勉強の時間はどうしても後回しになってしまい(これは私だけかもしれませんが)、ついつい手を抜きがちです。思う存分勉強をするというのも留学の目的の一つだったのに、何かがおかしいなあ… と最近になって思っています(苦笑)。

1日3コマ講義のある日があってもいいから週休2日にして欲しかった… と時々切実に思います。


⑦ロナウラの町について

小さな観光の町、という感じです。

この季節、こんな雨ばっかり降っているところに誰が来るんだ? と、ちょっと思っていましたが、週末になるとムンバイ、プネー方面から都会人がこぞって押しかけているようです。

日曜の町の中は車通りも人通りも比較的多く、排気ガスの匂いと多少の人いきれが雨の湿気とともに立ちこめ、週末くらいは学校を離れてみようと思って出かけると…疲れます。

でも、一応観光地のようなので、ホテルがたくさんあり、ちょっと洒落たレストランなんかもあるようです。基本的な日用品も一応そろいますが、私は個人的に電車で1時間以上かけてでもプネーまで出かけて都会の(?)スーパーで買い出ししたい派(笑)です。



2)カレッジについて
 
①今年度の授業料
 
留学生は4300USドルで、授業料だけでなく宿泊費(シャワー&トイレ付きの相部屋)、ヨーガマット(まだ支給されていません(涙))、クリヤー・セット、ジャージなどの費用も込みです。インド人学生は学生寮に滞在する形で、確か68,000インドルピーです。


②クラスの仲間(インド人・外国人)

・外国人留学生について

今年は以下の計10名です。
日本人 女性3名 男性1名
韓国人 女性1名
中国人 女性1名
イギリス人 女性1名
ロシア人 女性1名
チェコ人 男性1名
オランダ人 女性1名

年齢は20代半ばから50代半ばまで幅がありますが、 30歳前後の学生が多数派です。


・インド人学生について

人数を未だに把握していません(汗)。 大学を卒業したばかりの若い子が多いという印象ですが、 よくよく話を聞いて みると1/3くらいの学生は社会人経験があるようです。

日本人も海外では若く見られがちですが、 インド人も、特に女性は年齢よりも若く見える気がします。 (男性はそうでもないかも…) 年齢は20歳前後と30歳前後に固まっていると思います。 (確認していないので飽くまで印象です)

経歴はいろいろのようですが、ヨーガがまったく初めて、 という学生もめずらしくありません。


③講師陣

Sahay先生:
Patanjala Yoga Sutra と Yogic Texts を担当

2科目担当されているので、週に4日はSahay先生のお顔を拝めます。ヒンディー語の授業も持っているので、週8コマ講義されています!なるべく簡単でわかりやすい説明を目指す姿勢にとても共感。


Bodhe先生:
Yoga & Cultural Synthesis を担当

「熱血」な先生です(笑)。興味のある分野なのですが、ちょっと扱う内容が古いかな、と思うこともあります。それはちょっと単純化しすぎでは… と首をかしげることもあります。


Bhalekar 先生:
Anatomy & Phisiology of Yogic Practices を担当

淡々と着実にほぼ脱線することなく授業を進めていきます。西洋医学ベースの授業ですが、その中にヨーガ的な考え方が入るのでとても新鮮で面白いです。


Bhogal 先生:
Yoga & Mental Health を担当

いつも人を煙に巻くような(笑)不思議な雰囲気の校長先生です。話し上手で、授業中も笑いを誘う挿話が必ずあります。 ただ、なかなか授業内容を要約することができません(やっぱり不思議)。


Shinde 先生:
Teaching Methods for Yogic Practices を担当

今年から教鞭を執り始めたようです。しかも、カレッジの事務も担当しながら…。いつも3つくらいのことを同時進行で作業しています。


Jain 先生:
女子のヨーガ実習を担当。

2年前のディプロマ・コースの卒業生です(!)。それ以前は教師をしていたらしく、そのせいか安定した雰囲気があり、その緩やかなテンポが私は嫌いじゃないです。でも、英語はあんまり得意じゃないようです。


④実習クラスの進行状況

今は1日にベーシックなアーサナを1つ紹介していく、というような感じです。クリヤーはカパーラバーティだけ毎日練習しています。


⑤講義の進行状況

まだほとんどの講義が助走段階、という感じです。この講義ではこれからこんなことを扱っていきますよ、というような概要の説明が終わり、ぼちぼち各論に入ってきたところでしょうか。



3)ロナウラで1ヶ月経過した感想

どう書けばいいのかわかりませんが、とりあえずイントロ部分が終了、という気がしています。

コース開始以来留学生に限らず、インド人学生も体調を崩す人が多く、1ヶ月かけて体調をロナウラ・モードに切り替えた、という感じでしょうか。

留学生活、まだまだ序の口です。




☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

2011年8月7日日曜日

【お知らせ】パナソム/ワンサニット/アンコール

今年後半に向けてのタイでの合宿セミナーについてのお知らせです。

ご都合が付く方は、どうぞタイにヨーガ研修においで下さい。歓迎いたします。

ヨーガは、わたしたちの日常の生活習慣全般に関わって来るテーマですので、学ぶ環境を選んで、集中してヨーガ経験を深めることが、望ましい結果を出すようです。

南国の仏教国のタイでのヨーガ合宿には、いろいろなメリットがあります。日本と違う異国の環境に浸り、集中的にヨーガを学習することは、ご自分の内面の境地の深化を図ることに有効と思われます。

バンコクの大学での仕事が安定した2005年から日本の方を対象としたタイでのヨーガ合宿セミナーを定期的に実施しています。

今までに25回実施され、参加者の方は延べ250人余りです。少人数での集中プログラムです。


1)パナソム2011(定員10名前後/予約2名+問合せ2名)
 

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日程:2011年10月29日(土)-11月3日(木)
定員:10名前後(6名以上の参加者でコース成立)
対象:ヨーガの初心者からベテラン・指導層まで
内容:南国タイのリトリート・センターでの「スタディ・ホリデー・プログラム」
施設:比較的都会派のリトリート・センター(冷房・温水シャワー有)
費用:実費分担+ドネーション
参照:ブログに今までのフィードバックがまとめられています
[カイヴァリヤダーマDYEd]

会場はバンコク郊外の「パナソム(森のアシュラム)」というリトリート・ハウスです。

サイトの方もご参照下さい:伝統的ヨーガの理論と技術
「パナソム2011」
https://sites.google.com/site/hhyoga/panasom2011



2)ワンサニット2011(定員15名前後/予約10名+問合せ3名)
 
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日程:2011年11月27日(日)-12月7日(水)の10泊11日
定員:15名前後
内容:10日間100時間の「専門コース」
主題:伝統的ヨーガ・強化プロジェクト
目的:ヨーガをライフ・ワークとして続ける自信を提供
施設:アウトドアー派のエコロジー実験施設(冷房・温水シャワー無)
費用:実費分担+ドネーション
追加:12月7日よりピサヌロークの「ヴィパッサナー・コース」参加可
参照:ブログに今までのフィードバックがまとめられています
[カイヴァリヤダーマCCY+]

 

会場はバンコク郊外の「ワンサニット・アシュラム」です。10日間の専門コースは3回目になります。

サイトの方もご参照下さい:伝統的ヨーガの理論と技術
https://sites.google.com/site/hhyoga/wongsanit2011

また、「ワンサニット2011」はピサヌロークでのヴィパサナー・コースに
の連携しています。連続して参加が可能です。
ピサヌローク:12月7日(水)ー18日(日)
http://www.dhamma.org/en/schedules/schabha.shtml



3)アンコール2011(定員若干名/予約2名+問合せ1名)

12月後半にタイの隣国カンボジアの世界遺産アンコール・ワットを訪ねる
予定です。

アンコール・ワット探訪のプログラムは2008年10月に継いで2回目です。
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日程:2011年12月18日(日)-12月23日(木)
定員:少人数
内容:アジアに於けるヒンドゥー文化と仏教文化への洞察
主題:ヨーガとアジアの精神性の探求
費用:実費分担

特に定員はありません。日程も、柔軟に対応可能です。

ヨーガやインドに興味がある方と、中世クメール帝国のアンコール遺跡群を探訪しながら、東南アジアに於けるヒンドゥー・仏教文化への見聞を広めながら、アジアの精神性の伝統への洞察を深めることが目的です。


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2011年8月3日水曜日

バンコクの近況2011(1)

Sawasdee kha !
皆さん、こんにちは。

8月に入りましたが、いかがお過ごしでしょうか?

7月は、日本は台風の接近・上陸で、早い梅雨明けで始まった猛暑がひとまず治まったり、また猛暑が戻ったり、気温の上下がありましたね。

こちらバンコクも、7月第1週2週目は、雨も降らず暑かったのですが、3週目から雲もくもくと出て来て、時折激しいスコール雨も来るようになり、涼しい風が通るようになりました。

もちろん、日が差すと蒸し暑いのは南国です。こちらでは普通の状態でしょう!

7月1日から始まった、今年度のシーナカリンヴィロード大学(SWU)でのヨーガ講座も1ヶ月を経過。順調に進んでいます。

変動の現代社会にあって、健康と精神性の向上に、ますます真剣なタイの受講生のみなさんと、ヨーガでの楽しい日々が続いています。

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●「バンコクの近況2011」のウエブアルバム

ウエブアルバムのPicasa上に、バンコクの近況の写真を集めたアルバムが作成されています。どうぞ、ご覧下さい。
2011BKK

2011BKK_20110720_2


1)「SWUコース2011」進行中です

昨年は、かなり深刻化したタイの政治情勢の混乱から、SWUコースも影響を受け、変則的な運営となっていました。

夜間の外出がどうなるか、不確実だったので、平日の夜のクラスは設けずに、週末に集中するパターンでコースは運営されました。

しかし、今年は平年通り、週4回のクラスで、平日月・水・木の夕方午後5時半から8時までの2時間半と、土曜日が午前8時から午後1時までの5時間となっています。

タイでは7月3日(日)の総選挙が無事実施されたことで、政治情勢も安定期に入っています。悦ばしいことです。

今年度のタイ側の共同チームは3名、今年はうちのオフィス「タイ・ヨーガ研究所」のディレクターのカヴィー先生も通訳を兼ねた共同チームの講師陣に加わっています。

講義のトピックは、その日の担当者によって変わります。

一番経験の浅いラットさんとは、一般的なトピック、熟練のオッドさんとは、ヨーガ・スートラを仏教的視点から膨らませた講義。

ディレクターのカヴィー先生とは、ロナウラの特徴である伝統的なリソースに近代的解釈を融合させたヨーガ総論から始まり、後半に向けては、「ハタ・プラディーピカー」をベースに、からだに働きかける技法がこころに作用するメカニズムについて考察を深める、という方針です。

そこまで踏み込むのは、わたしたちにも初めてのチャレンジです。

年々、受講生のレベルは上がって来ているのですが、今年は特にシリアスな方が多いです。

そういうクラスの雰囲気と期待の高さが、わたしたちにとっても、先へと進むモチベーションとなっています。

近年、バンコクでも街中では無責任な「商業ヨーガ」「フィットネス・ヨーガ」が蔓延っています。

そういったスタジオが、初めてヨーガに接する機会だった人たちも、しばらくすると、何かおかしい、と疑問を持って、シーナカリンヴィロード大学のヨーガ講座の受講を決める、という例が多くなりました。

特に、「ヨーガはスピリチュアル」というような思わせぶりな宣伝文句で生徒を勧誘しているのに、実際は無茶な体操ばかり強いられる、というスタジオのあり方に不信感を持つようです。

大学のヨーガ講座では実践面と理論面が一体化して進みますので、みなさんも納得のようです。



2)今年度の受講生の傾向

では、今年の受講生の簡単な紹介をしたいと思います。

当初27名の受講生でしたが、1名抜けて26名となりました。

うちのオフィスの短期コース(4泊5日+3泊4日の組み合わせ)に参加して満足したので、次は大学の長いコースで勉強したい!と、動機は高かったのですが、腎臓疾患をお持ちで、病状が悪化し、今月に入って入院されたのです。

アメリカにも留学されて、研究者として活躍されていた方と聞きましたが、すでに腎臓透析が必要な段階でした。

瞑想に興味が深く、ヨーガにも関心が高かったと聞いています。一日も早い回復をお祈りしています。

それで、受講生は26名。女性は25人、男性は1人。
平均年齢は、39.88歳。
既婚者8名、シングル18名です。

主力は、いわゆる、高学歴・キャリアー系のアラサー・アラフォーの女性、という、例年並みの傾向です。

女性優位は例年のことですが、例年男性も数名はいるところ、今年はSKさんという中年の方ひとりだけです。

しかし、このSKさんがとても熱心で、講義の時は一番前に出てきて、熱気を一人で盛り上げています。男性1人ながら、3名分くらいの存在感があります。


TFさん(女性:32歳)

貿易関係の家族経営の会社勤務。

ヨーガは母親の薦めで始めて10年。いろいろフィットネスのスタジオに行ったけど、ただのエクササイズに納得できずにいたところ、うちの「タイ・ヨーガ研究所」のウエブサイトを見て、今回の申し込みを決める。

母親は、7年前、彼女が25歳の時にガンで死亡。母方の祖母もガン。伯父もガン患者で、彼女もガン系の体質が疑われ、本人も不安に思っているので、病院からは定期検診を薦められています。

子供の頃からお寺に通い、今年初めに100歳近い高齢で亡くなられ、こちらの仏教の最高の境地であるアラハン(阿羅漢)に達していた、と考えられている高僧マハー・ブア僧正の信奉者でした。

彼女の自宅はうちのオフィスに近いので、月・水の夜の帰りは、彼女の車で送ってもらっています。

帰りの車の中で、トフィーさんから質問責めに合います。ヨーガについて、誰もが持つような素朴な疑問がどんどん出て来るので、わたしたちも微笑ましく思いながら、たいへん参考になっています。


BMさん(女性:42歳)

麻酔医。病院勤務。

例年、医療関係の受講生が数名います。医師・歯科医・看護師・薬剤師・タイ伝統医療の治療師の方などです。

ブームさんは麻酔医で病院勤務。ヨーガに興味があり、今回参加しました。膝に少し問題があるようですが、クッションを使って正座は出来る程度です。

麻酔医の方は、手術室で緊張感を維持して立ちっぱなしなのか、膝に負担があるのでしょうか。

時々来る質問が興味深いです。例えば、ムーラ・バンダの感覚がよくわからない、と。

どうも、ムーラ・バンダで、どこを収縮させるのか、いろいろ考えすぎるようです!

からだの構造に精通している医療関係者の方も、実際に、自分のからだの内面の感覚と知識を結びつけるには、ある程度のトレーニングが必要のようです。


SKさん(男性:48歳)

今回だだ1人の男性受講生です。25名の女性陣のクラスの中で、存在感を出しておられます。

家族経営の会社で、やはり貿易関係の仕事をされて来ましたが、最近は徐々に仕事から離れて、瞑想とダンマ(仏教)への傾倒を深めておられるそうです。

タイ・ヨーガ研究所の短期コース(4泊5日の合宿、そして1ヶ月後に3泊4日の合宿)を修了。そして、この大学の長期コースに進んで来られました。

タイでは、40歳を過ぎたら、だんだん瞑想とダンマ(仏教)に近づいて行く、という考え方があります。

人生の諸問題は、最終的に瞑想で解決される、というのがタイの人たちの考え方です。

サクさんも、40歳を過ぎてから、熱心に瞑想を学ぶようになり、その関連でヨーガにも興味を持たれたようです。

それで、ヨーガの背景となるインド思想や哲学に大変興味があって、サクさんからは、いろいろな質問がメールでも送られて来ます。

そして、今から来年1月にうちのオフィスで企画されている「インド・スタディー・ツアー」でインドに行く気満々です!


BBさん(女性:54歳)

だだ1人の男性のSKさんのお姉さんです。

弟のSKさんと家族経営の会社運営。こちらの中小企業は、たいてい家族経営で、一族でビジネスをやっています。

こちらには相続税がないので、一族の結束は強いですね。世代が変っても、一族の資産が税金で減らないから、資本を集中しやすい環境ですし、信じられるのは血の繋がりだけ、という風土もあります。

お姉さんのBBさんは弟のSKさんに薦められこのコースに参加。

どうやら、年齢相応のからだの不調があり、ヨーガに興味を持たれたようです。

弟さんと比べると、講義の方は今ひとつのようですが、毎回、熱心に出席されています。


KRさん(女性:51歳)

シヴァーナンダ系のヨーガ教師。

タイに初めてヨーガを紹介されたのは、1960年代にインド・リシケーシュの「シヴァーナンダ・アシュラム」に2・3年滞在してヨーガを習って来たタイ人のチョッド先生という方です。

わたしたちがタイに来た1998年当時は、タイでヨーガと言えば、そのチョッド先生の系列のものだけでした。アメリカから今風のフィットネス・ヨーガが来たのは、2003年頃からです。

チョッド先生という方は、古風で人徳の高い方だったようで、個人指導だけをされ、謝礼もドネーション制だったようです。

チョッド先生の存在のおかげで、ヨーガは真面目なものだ、という認識が当時のタイ社会に出来たようです。

チョッド先生が亡くなられてからは、義理の娘さんが活動を継承されています。

2006年のうちのオフィス主催の「第2回インド・スタディー・ツアー」にはチョッド先生の義理の娘さんも参加されて、カイヴァリヤダーマ研究所の
カンフェレンスに参加されました。

KRさんも、そのチョッド先生系のヨーガ教師です。スクンヴィット通りでヨーガ・スタジオされています。以前も、別なチョッド先生系のヨーガの先生たちも、うちの講座に参加されたことがあります。

KRさんのアーサナは、さすがに、一番安定して、良く整っています。ただ、呼吸の扱い方が曖昧なようです。

また、まだ未知と思われるムドラー・バンダや、正式なプラーナーヤーマの技法などは、講義室にビデオ・カメラを持ち込まれて、熱心に撮影されています。

チョッド先生系のヨーガの先生たちは、1960年代にチョッド先生がリシケーシュで学んて来たことしか知らないので、アップデートの必要性を感じて
おられるようですね。


NYさん(女性:30歳)

NYさんは、3年前にこのSWUコースをお母さんと一緒に受講されました。今回2回目です。

軽い統合失調症があるようで、大学を出て、英語も話すインテリですが、時折幻聴があったり、気分が鬱に振れるようです。

本人が言うには、「前回は母親に連れてこられての参加で、興味は今ひとつでしたが、今回は自分の希望で参加しました!」。

3年前よりふつうに見えます。家の仕事の手伝いをされているようです。自分で車を運転して大学まで通って来ています。

NYさんからは、ふつうの人からは出ない質問も来ます。内面の感覚に敏感なようです。

あまり特定な感覚に囚われないように、リラックスして、心を落ち着けて、毎日少しずつ練習を続けるように、とアドバイスをしています。

ヨーガで、無理なく全体の統合レベルを上げる習慣を持続することは、彼女に役立つ立つことに思えます。

3年前のわたしたちの観察では、お母さんの方は、タイ人の中では、かなり神経質な方のように見受けられました。

毎回、クラスに来られると、ご自分のヨーガ・マットを敷く床の部分を、ティッシュペーパーで、ていねいに、ていねいに拭いておられました。

あまり、親子関係や環境に左右されず、大人になったら、自分で自分の解決を見つけて行くという心構えは大切と思います。

そのトレーニングとしても、ヨーガは大いに役に立つと考えます。


PLさん(女性:28歳)

スチュワーデスさん。

今まで、バンコクで看板を上げている「アブソリュート・ヨーガ」「アルティメイト・ヨーガ」などと称する商業ヨーガ・スタジオに通ったことがあるのですが、頭痛が出たりして、かえって体調が悪くなる始末。

スッチーさんとかの職種は、そういうスタジオ・ヨーガ商売さんのターゲット・グループのようですね。

やはり、うちのオフィスのウエブ・サイトを見て、まじめそうなコース、ということで、今回参加を決めました。


YYさん(女性:30歳)

製薬会社勤務の薬剤師。

今月一杯で会社を辞めて、マヒドン大学の大学院の精神文化系の専攻に進学されます。

YYさんは、昨年度の受講生のマヒドン大学の同専攻の大学院生の紹介でこのヨーガ講座に来ました。

7月中はまだ会社での引き継ぎがあって、遅れてクラスに飛び込んで来られてましたが、8月からはフリーのようです。

バンコクは成熟した大都会です。近年、有名国立大学の大学院で、社会人対象の多彩な修士課程が開講されています。

ちょっと立ち止まって、自分の人生を考え直すときに、ある期間、大学・大学院に籍を置く、というのは、現代的なアプローチですね。

バンコクも、それが可能な場所です。うちのヨーガ関係の周辺にも、そういうケースが多いです。
 
 

3)タイで成立する精神文化としてのヨーガ

ここで紹介した受講生のみなさんの他にも、例年と同じく、瞑想をやっている人が大半です。

今年は、瞑想の指導者になるコースを受講中の方もいます。

また、うちの講座修了後は、お寺でヨーガのクラスをすることが決まっている方もいます。

ただ健康に興味があるだけでは、哲学宗教学科のヨーガ講座には来ないですね。

このように、瞑想と仏教(ダンマ)に関心の強いタイ社会の環境は、ヨーガをやっていく上でも、とても有利な条件であることを、いつも感じています。

上座部仏教国のタイでは、仏教的な考え方や生き方が社会に深く根ざしているので、ヨーガの背景にあるインド思想に触れても、タイの人たちには、それが何を意味するのか、「判断する基準を持っている」「正しく考えることが出来る」ようです。

タイでは、精神文化としてのヨーガが成立する土壌がある、と言うことですね、、、、

タイの仏教文化でのヨーガの価値がよく分かる人が増えているので、今回も、自分のヨーガの先生(以前の講座の修了生)が受講料を払ってくれて、大学の講座に勉強に来ている方もいます。

さて、それに比べると、日本の現代社会にはタイのような仏教や精神性の核が薄いので、日本の人は、どうも、インドの宗教家を盲信したり、インドの精神文化を鵜呑みにする傾向があるように思われます。

日本側に適切な判断基準を持っていないと、自分が求めるものに向かうのに、相当な遠回りをしたり、また、思い込みだけで、どっぷりとインドに浸り込んでしまい、人生を棒に振ってしまう?!ということにもなりかねないですね!!

もちろん、わたしたち日本人にも良い面がたくさんあります。

今回の3月11日の大震災で、日本人の行動原理や社会慣習の良い面が、広く世界に報道されました。

確かに犠牲者の方は少なくありませんでしたが、起きたことは起きたことで、それ以上状況を悪化させないように、思慮深く自制する日本人の姿を、ある意味、今回ほど誇らしく思ったことはありません!

そのよい面を強化するためにも、ヨーガという習慣を身に付けて行く事は、大変有益なことと思います。

よく知らない・よくわからない、ということが、自分を不自由にしているルーツにあるならば、よく知って、よくわかることでしか、自由にはなれない、
ですね。

確実で、どこから見ても納得できる知識を積み上げて行くしか、先に進めないのは、どの分野でも同じでしょう。

ヨーガに関してもそうで、ヨーガは、ヨーガそのものの知識を地味に積み上げることでしか、ヨーガの問題は解決しないですね。

あいまいな資格や、直接ヨーガと関係ないものをいくら寄せ集めても、ヨーガへの疑問は解消しないです。

自分の回りに、信頼に足る、正しい情報がやって来る環境を作って行く心掛けが、大切と思います。

そのためには、ご都合が付く方は、タイに来られて、タイの仏教文化とヨーガについての見聞を広められることも、役立つことでしょう。


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