2012年7月24日火曜日

カイヴァリヤダーマ研究所の6週間コース2012

カイヴァリヤダーマ研究所・付属カレッジ
夏期6週間コース(CCY)総括レポート

期間:2012年5月2日-6月11日


ロナウラのカイヴァリヤダーマ研究所の付属カレッジで5月・6月に開講された夏期6週間コース(CCY)を受講された、大阪在住の「T.K.」さん(女性)のフィードバックです。

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【プロフィール】

1. 住んでいるところ
大阪府泉大津市



2. 現在されていること(仕事etc.)、今までにされて来たこと
 
電子部品業界の商社で事務職をしていましたが、1月末で退職。

ロナウラ2012
自然療法アシュラム・ウルリカンチャン(10日間滞在)
ムンバイ・サンタクルズの「ヨーガ・インスティチュート(YI)」(7日間滞在)
カイヴァリヤダーマCCYコース(5月~6週間)を修了し、帰国。



3. 関心の深いこと、特技・趣味やライフワーク
ヨーガ、旅行、山歩き



4. ヨーガ歴・プログラムへの参加歴
ヨーガ歴5年
穂高2011①



5. ヨーガがご自分に持つ意味
心身の健康維持の術であり、より掘り下げて理解を深めたい研究対象。


Lonava2012 (66)


【コース全般のフィードバック】
1.場所と環境 
1.1.ロナウラという環境


小さい町です。ロナウラ名物の「Chiki」屋さんがとにかく多いです。駅近辺に大きいモールはなく、小さい商店が立ち並んでます。


1.2.カイヴァリヤダーマ研究所の施設

大きく分けて、①リサーチ部門 ②カレッジ部門 ③ホスピタル部門の3部門があります。

施設内にはそれぞれの部門の建物がある他、図書館やブックストア、小さい売店やスワーミジがいらっしゃるクティ、アーユルベーダやナチュロパシーを行うエリア、学生や患者さん用の宿泊スペース、それから少し離れた所にスタッフの方々の居住スペースがあります。

とても手入れされたお庭もあってとても居心地が良いです。


1.3.ゲスト・ルーム

CCYコースに参加する外国人留学生は、2人で1室をシェアして利用することになります。机・椅子、ベット、クローゼットがそれぞれ1人ずつに用意されています。

小さいシンク、トイレ・シャワーが部屋にあります。私の場合、初日数日でルームメイトのポルトガル人の子がコース内容に満足できず辞めていったので、その後1人で使う事になりました。

1人で使う事は基本的に許されないので、ホスピタルに来る患者さんとシェアしてもらうと事務所のスタッフに言われましたが、結果的にはその後どなたも来ず1人で使えてラッキーでした。


1.4.ダイニング・ホールでの食事

私たち留学生はホスピタルのキッチンを利用します。利用時間内であれば、どのタイミングで行ってもよいスタイルです。

食事は、曜日により出されるメニューは決まっているので、1週間毎の同じローテーションでしたが、どれも美味しく頂きました。

毎日フルーツが食べれるのがとても嬉しかったです。週に1度朝食にパンが出るのも嬉しかったです。

夜は毎日トマトやカボチャ、ホウレンソウなどの野菜スープもありました。

必要以上の味付けがされてない素材の味そのものでした。

インド人のコース参加者は別のダイニング・ホールで食事をするので、時々一緒に同級生と食事をしに行きました。メニューや味付けも違うので、新鮮でした。


1.5.キャンパス内の生活

毎日同じスケジュールに従った規則正しい生活が送れるのが心地よかったです。休憩時間や食事前食後に所々にある庭でゆっくりしたり、学ぶ事は多かったですが、気持ちにゆとりをもって過ごす事ができました。



2.付属カレッジの授業について

2.1.実習クラス(プラクティス)

ひとつひとつのアーサナを詳しく説明を入れて進めるクラス構成でした。アーサナを組み合わせて進めるほぐされるクラスというより、ひとつひとつのアーサナを学んで実践で確認して理解していくというクラスに感じました。

先生が壇上でマイクを使って説明してくれますが、アーサナ・ホールが広いのでその場で質問したりする事が困難に思えました。

私たちの時はインターンの方2名がアジャストしに歩きまわってくれていたので、質問やアーサナの修正をしてくれて、とても助かりました。


2.2.講義の内容
ヨーガをいろいろな面から学べるカリキュラムで、とても勉強になりました。
科目は6科目ありました。

・TRADITIONAL YOGA
・YOGA & VALUE EDUCATION
・YOGA & PHYSICAL EDUCATION
・STRUCTURE & FUNCTION OF HUMAN BODY & EFFECTRS OF YOGA PRACTICES ON IT
・YOGA & MENTAL HEALTH
・PRACTICE TEACHING IN YOGA

6週間のコースは、最後の1週間が試験期間なので、実質5週間しか学ぶ期間がない中で、各授業ともとても興味深く内容が濃いので、毎日学ぶ楽しさを味わいました。


2.3.講師陣の印象

年配でベテランの先生方の講義がとても印象的でした。本や資料にはない説明や例を沢山用いて話してくれるので、授業に参加する事の意義そのものも教えて頂いたように思います。

また、その人間性も素晴らしい方々でした。


2.4.他の受講生(インド人・外国人)

コース参加者はトータル40名近くいました。男女比は、1:3で圧倒的に女子が多かったです。年齢は18歳~4・50歳までとかなり幅広く、職業やコース参加の動機も様々でした。

うち留学生は少なく、フランス人女性、イラン人女性、インドネシア人女性、私の4人のみでした。


2.5.授業時間以外の過し方

朝夕のアーサナ・クラスでは身体ほぐしには充分な内容に感じなかったので、ホスピタルの上のテラスで一人のびのびとアーサナ練習をしたりしました。

また、留学生クラスメートと部屋の前でお茶を飲んで話したり、インド人のクラスメートの部屋を訪ねたりしました。

日曜はクラスがないので、キャンパスの外に出たり、近くの丘に登って湖を眺めに行ったりしました。



3.研究所のキャンパスの外にて

3.1.プネー訪問

6週間のコース中にはプネーに行きませんでしたが、モールでショッピングをして気分転換をされたい方には良いと思います。


3.2.ロナウラ・ヨーガ研究所訪問

1年に1冊のペースで出版物を手掛ける活動をされています。古いサンスクリットで書かれた原本を見せて頂いたり、作業工程を聞かせて頂いて、本当に気の遠くなるような作業をされている事に感銘を受けました。

1冊1冊どういった本かの説明も聞かせて頂き、とても丁寧な対応をして頂きました。



【最終試験のフィードバック】

1.修了試験・理論編
1.1 ヨーガと体育教育(Physical Education/Teaching Method)

今回からこの科目を担当することになった新しい女性の先生でした。
パワーポイントに書かれている事は、ほぼ全部小冊子『Yoga Applied to Physical Education by Gharote,M.L.(2006)』に書かれている事で補足説明も少なく、ブックストアで販売されているその小冊子を読めば理解できる
科目でした。
 
修了試験は、7問の質問のうち、4問を選択し解答する形でした。

1) Write some of the misconceptions of yoga. What is the real meaning of Yoga according to you?
2) Discuss,"Contribution of Yoga to the field of Physical Education and Sports"
3) How Health and Fitness, as well as, Emotional Stability can be gained through Yoga?
4) Write short notes on any Three of the following:
- Principles of Asanas/
- Principles of Pranayama
- Concept of Physical Education
- Kapalabhati/
- Emotional Stability through Yoga
- Bandhas and Mudras

5) "Significance of Yoga in the field of Physical Education" :Discuss

6) Compare Yoga Practices with other exercises. In what way such a comparison may help us ?

7) Write down main factors of Physical Fitness. Write,"The role of yoga practices in a Physical Education Programme."


1.2 人体の構造と機能(Anatomy & Physiology)
バレーカール先生が毎回分かりやすく、そして楽しく授業を進めてくれました。神経系、呼吸器系、消化器系、循環器系、筋肉・骨についてひとつずつ数回の授業に分けて学びました。

修了試験は、Section Iから2問選択し、Section Ⅱから2問選択する形式でした。

Section I
1) Explain the process of Respiration and Describe the Yogic
Practices helpful for maintenance of Healthy Respiratory System.
2) Describe the structure and functions of Heart. Explain fully the circulation of Oxygen and absorption of nutrients.
3) Define and classify Asana. Describe the difference between
Asana and Physical Exercise.

Section II
1) Write short notes on any two of the following: a)Mudra
b)Bandhas c)Kapalabhati d)Pranayama for Stress Management
2) Describe Shuddhikriyas and Explain Neti and Dhauti in detail.
3) What is Pranayama? Enumerate its types. Explain fully the physiology of Puraka, Rechaka and Kumbhaka.


1.3 伝統的ヨーガ(Traditional Yoga)

これまで親しみのなかったCharanadasの『アシュターンガ・ヨーガ』学びました。

担当してくださるシャルマ先生は、とても重厚なお人柄が見た目からも分かります。とても熱心に授業をしてくださり、イメージしやすいように例を用いて説明してくれる点も好感がもてました。

授業中、『バガヴァッド・ギーター』のお話を引用しての説明になると、さっぱり分かりませんでした。

修了試験は、7問の質問のうち、4問を選択し解答する形でした。

1) What do you understand by Niyamas as explained by Charanadas? Write in detail.
2) What is the importance of Yamas in Yogic Sadhana ? Explain any five of yamas as given by Charanadas.
3) Name the Chakras and describe any four of them in detail as stated by Charanadas.
4) How does the Pranayama help us to achieve the state of Dharana?
5) What do you understand by the word Mudra? Name the five Mudras as described by Charanadas. Describe the technique of any two of Mudras and their benefits.
6) Name the Three Bandhas used while performing the Kumbhaka. Write,in short, the technique and use of each one of them.
7) Write short notes on any Three: a)Ashtanga Yoga b)Samyama
c)Three important Nadis d)Five important Pranas e)Pratyahara


1.4 ヨーガと価値教育(Value Education)

担当してくださったボデ先生は、とてもベテランの先生でした。科目内容もとても興味深い内容でした。

What is Value? What is Education?など根本的な定義を投げかける導入から始まり、「プルシャ・アルタ」や「パンチャ・コーシャ」について学び、価値教育に基づくヨーガの実践やヨーガが現代社会の問題にどう効果的かなどを学びました。

ひとつひとつのアーサナにも意味があり、その説明がとても印象的でした。

修了試験は、7問の質問のうち、4問を選択し解答する形でした。

1) Discuss the concept of "Values" in detail.
2) Explain the Classification of Values.
3) Discuss the theories of Purusharthas and Panchakoshas as Value theories.
4) Discuss the meaning, need and objectives of Value Education.
5) Discuss Value Education in the context of Kriya Yoga.
6) Discuss Value Education in the view of some Asanas and Shuddhi Kriyas.
7) Write Short Notes on Any Two:
a) Values in Patanjala Yoga
b) Socio-cultural basis of Value Development
c) Psychological basis of Value Development
d) Roe of a Teacher in Value Education
e) Yoga Education as Value Education


1.5 ヨーガと心の健康(Mental Health)

ボーガル校長先生が担当してくれます。この授業でも頻繁に『バガヴァッド・ギーター』の話がとりあげられて理解に苦しみました。そもそもそれ自体を分かっていない留学生と、まだ馴染みがあるインド人学生との理解の差が
大きかったです。

修了試験は、7問の質問のうち、4問を選択し解答する形でした。

1) Bring out the differences between Yoga and Modern Psychology. In what ways can Modern Psychology contribute to Yoga?
2) Discuss the Concept and Models of 'Normality' from the perspectives of Modern Psychology. Discuss fully the Normality in Yoga.
3) Discuss the genesis of Existential disorders aned their remedies as inferred from by Patanjala Yoga Sutras (PYS).
4) Discuss the concept of "Conflict" and Yogic remedies on various types of conflicts.
5) What is Frustration ? Discuss Yogic remedies towards Frustration.
6) Explain the different Methods of Prayers and the benefits derived from Prayer.
7) Write Short Notes on Any Three
a) Contribution of Yoga to MOdern Psychology.
b) Theories of Normality according to Modern Psychology.
c) Adjustment through Yoga.
d) Any three Defense Mechanisms.
e) Stress Management throhgh Yoga.


1.6 指導法(Teaching methods for Yogic practice)
レッスンの組み立て方、授業中の注意点などを学びました。

修了試験は、6問の質問のうち、Q4は必須、それ以外の3問の計4問を選択し解答する形でした。

1) What are the principles, a theacher must know while teaching Asana, Pranayama and Shuddhi Kriyas ?
2) Illustrate class management with its meaning and need. Explain different types of formation of class during practical session in Yoga.
3) What are those
(i) salient points to be remembered, as well as,
(ii) advantages,pertaining to following yogic practices?
_1.Uddiyana_2.Ujjayi _3.Shuddhi Kriyas
Q4) <全員必須> Why lesson plan is essential for a Yoga Teacher ?
Prepare a model lesson plan of 20 minutes duration on Sarvangasana.
(Attempt objectives, Introduction of topic, salient points, advantages, limitations, end of the lesson and next day practice.)
5) Wrhite short notes on any five of the following:
Bhujangasana/Jalaneti/Pranayama/Individual & group practice
/Asana/Qualities of the Teacher/Qualities of the Student
6)Define Pranayama ? What are the basic principles of Pranamaya.


1.7.口答試験(Viva-voce)

出身国、コース参加の動機、このコース参加が将来の自身にどう役立つと思うか


2.修了試験・実技編

みっちり朝からお昼前までありました。外部からの試験官が来て、チェックします。

ジャラ・ネーティ、スートラ・ネーティも一人一人チェックされました。

アーサナはクラスを列単位に4つに分けて誘導指示が出され、試験官が見て周りチェックします。

アヌローマ・ヴィローマとウジャーイーのプーラーナヤーマに加え、瞑想の時間も組み込まれていて、座る姿勢もチェックされました。

最後は一人一人試験官の前に行き、ウディヤーナ・バンダのチェックもありました。


3.教育実習(Teaching Lesson)

先生になりきって他生徒の前で1コマの授業を担当します。どのアーサナをするかは先生に振り当てられ、出席番号順に日にちも決められています。

私はハラー・アサナを担当しました。チャートを自分で準備して、説明の際に用いました。大きめの白い紙がカレンダーの裏面くらいしかないので、画用紙や模造紙などキャンパス内では入手できないので、持ってくと便利と思いました。チャートを描くのに太い黒ペンも役立ちました。


4.総括編

4.1.「カイヴァリヤダーマ」の6週間コースを受講した価値はあったか

はい。とてもありました。

座学でその分野に精通している先生からヨーガを学べた事がとても有益でした。

日常を切り離して学ぶ環境を体験できた事も良かったです。


4.2.ロナウラの総合的な学習環境はどうであったか

とても居心地が良かったです。

層の厚い教授陣と学習に集中できる環境としてはベストに思えます。


4.3.6週間コースで消化したことはどう役立つか

まだ消化する段階とまではいかず、復習が欠かせませんが、科目毎にいろいろな方向からヨーガにアプローチし学習する事が体験できたので、今後もこうした意識と視野をもって、包括的にヨーガの学びを深め実践していくことに役立てたいと思っています。


4.4.今後のヨーガに対する展望

特にないですが、生活の中でヨーガを実践し、心身ともに健康で穏やかに日々を暮らし、人格の統合に努めたいと思うようになりました。


追加で持っていくと便利なものとして、授業を録音するICレコーダー、またそのレコーダーを再生する際部屋のルーム・メイトに気を遣うならヘッドホン、
授業中のパワーポイントのデータをもらう為のUSBなどあると便利かと思います。



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