2012年2月26日(日)ー3月11日(日)の15日間、インド・マハーラーシュトラ州ロナウラのカイヴァリヤダーマ研究所で実施された「ロナウラ編2012」のフィードバック・シリーズです。
「ロナウラ編2012」には15名の方が参加されました(男性3名・女性12名)。今回は、東京在住N.K.さん(男性)のフィードバックです。
N.K.さんはヨーガ・インストラクター業、北インドのリシケーシュに2年間滞在された経験があり、インドのアシュラム事情もよくご存じです。
近年は東南アジアの仏教のヴィパッサナーへの洞察も深められています。
【ロナウラ編2012】
日程:2012年2月26日(日)ー3月11日(日)
期間:15日間+追加プログラム
施設:カイヴァリヤダーマ研究所
参加:15名
内容:HCC(ヘルスケア・センター)+クティでのクリヤー・ヨーガ
講義:伝統的ヨーガと近代的研究(Asana, Pranayama, Meditation)
食事:菜食インド料理(自然療法の食事法に準拠)
費用:必要経費+ダーナ制
追加:自然療法/アーユルヴェーダ、ロナウラの石窟寺院探訪、
プネー散策、世界遺産エローラ探訪 etc.
「ロナウラ編2012」の共同アルバム
→ https://picasaweb.google.com/103061544163066016927/2012INDIALonavla?authkey=Gv1sRgCP-eybDGjtSACg
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日本でも、ヨーガの分野でのロナウラの重要性とメリットへの認識が広まるのは、望ましいことに思えます。
インドの伝統的ヨーガには、悠久の昔から、人間の身体と心と精神を探求して来た知識と技術の蓄積が伝承されています。
伝統的なヨーガのリソースは、1920年代以降ロナウラに蓄積され、ロナウラで研究されて来ました。
来年も、2013年2月24日(日)ー3月10日(日)の日程で日本人の方対象の「ロナウラ編2013」が実施される予定です。興味のある方は、どうぞ、お問い合せ下さい。
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●カイヴァリヤダーマ研究所
Kaivalyadhama Yoga Institute
Lonavla-410403, Dist.Pune, Maharashtra, India
→ http://www.kdham.com/
カイヴァリヤダーマ研究所は、近代的ヨーガ研究のパイオニアであるスワーミー・クヴァラヤーナンダ(1883-1966)によって、1924年にインド・マハーラーシュトラ州のロナウラに設立された、インドで(世界で)初めてのヨーガの学術的研究所です。
カイヴァリヤダーマ研究所で、伝統的なハタ・ヨーガの技法の生理学的・心理学的な効果が実証的に研究されたことで、ヨーガが一般社会の教育・医療分野で応用される方向性が確立されました。
現在、キャンパス内では
・サイエンス・ラボ(Scientific Research Department/SRD)
・哲学・文献学研究室(Philosophico-Literary Research Department/PLRD)
・付属カレッジ(G.S.Colledge of Yoga/GSC)
・ヘルスケア・センター(Health Care Center/HCC)
・付属小中学校(Kaivalya Vidya Niketan/KVN)
などが運営されています。
●ヘルスケア・センター
(S.A.D.T.Gupta Yogic Health Care Centre)
ヘルスケア・センターは、1961年に、インドで初めて、ヨーガを療法的に応用する専門施設「Yogic Hospital(ヨーガ病院)」として開設されました(Amolak Devi Tirathram Gupta Yogic Hospital)。
現在で、ヨーガと自然療法・アーユルヴェーダの組み合わせによる統合的な保養・療養センターとして運営されています。
専属の医師とインストラクターが常駐し、ヨーガや自然療法を体験する保養的な滞在から、アーユルヴェーダによる病気治療・症状改善に対応しています。
●ロナウラ学派の伝統的ヨーガの特性
ロナウラ学派の伝統的ヨーガは、ヨーガの理論的枠組みであるパタンジャリの「ヨーガ・スートラ」と、中世のナータ派の「ハタ・ヨーガ」の伝統に立脚しながら、近代的な研究成果に裏付けられた合理的な理論とスタンダードな技法体系を持ちます。
そのため、インドの教育・医療分野や政策レベルでのヨーガも、ロナウラ学派で構築された理論と技法が、実質的なスタンダードと見なされて来ました。
ロナウラに蓄積されているヨーガのリソースは膨大です。昨今の世界的な「ヨガ・ヨーガ」の表層的な流行とは無縁ですし過剰な宗教色のないニュートラルで学術的な内容です。
一度身に付けると、一生継続が可能な技法体系であり、ヨーガから期待される必要十分な効果を、誰でも享受出来るように構築されています。
ロナウラ学派の方法論で、身心の健康は十分に維持・促進されますし、無理なく、プラーナーヤーマから瞑想法へとステップ・アップして行く基礎が築かれます。
ロナウラ編2012・フィードバック・シリーズ④
東京在住のN.K.さん(男性)
【プロフィール】
1. 住んでいるところ
東京都
2. 現在していること
ヨーガ、測量
3. 関心の深いこと、特技・趣味やライフワーク
アジアの歴史や文化
4. ヨーガ歴・プログラムへの参加歴
ヨーガ歴7年
2006、2009、2010
ワンサニット参加
5. ヨーガが自分に持つ意味
人や社会との基点や窓口となるもの
【フィードバック】
1. カイヴァリヤダーマ研究所(Kdham)について
1.1. ロナウラという環境
田舎町で、のんびりした環境でした。
1.2. 研究所の施設と全体の雰囲気
広大な敷地に、 研究所、学校、自然療法やアーユルヴェーダの施設、 さらに小学校まであり、今まで接した一般的なアシュラムでは 見られない様々なものが見れました。
高速道路が近くにあり、車がビュンビュン通っているのですが、 あまり気にならなかったです。
1.3. ゲスト・ルームと食事
ファミリー用の部屋2DKを3名で使用しました。
毎日掃除に来ますし、シーツも頻繁に取り替えてくれました。
食事は、元々アシュラム飯が好きなので、とても合いました。 金曜?の朝食のブラウンブレッドには、 皆テンションが上がってました。
ティータイム時のフルーツ(パパイヤやメロン)も よかったです。
タイのワンサニットは、バリエーションが豊富なので 食べ過ぎてしまいますが、インドは基本カレーなので、 抑制できました。
1.4. 講義室・実習室
講義室は普通でしたが、 実習室(アーサナ・ホール)が結構埃っぽかったです。 原因はマットだと思われます。 掃除をするか、新しくするとベターです。
1.5. スタッフの対応
良好です。 気持ち悪いくらい親切でした。 最終日にフィードバックを提出をしたことで謎が解けました。
2. ヘルスケア・センター(HCC)の1週間コース
2.1. 実習クラス
クリヤー:
専用の洗面台があり、 毎朝各自ジャラとスートラ・ネーティをしました。
アーサナ:
ベーシック、アドバイス、セラピーの3クラスが ありましたが、ほとんどベーシックに参加しました。 ゆったりとしたいいクラスでした。 キープ時間がやや短いです。
プラーナーヤーマ:
クラスの中ではほとんどなかったです。 別でバレーカール先生が指導くださいました。
トラータカ:
ジョーティ・トラータカでしたが、 シャバアサナ→プラーナーヤーマ→トラータカという 流れがとても集中でしました。 炎を見つめる時間も長かったです。
2.2. スタッフの講義
(バレーカール先生、ジャガディーシュ先生、ボーガル校長 etc.)
内容もさることながら、先生方の自信満々で、 一片の曇りもないような話し方や態度が印象的でした。
2.3. 自然療法/アーユルヴェーダ
今回は自然療法のヒップバスを体験しました。 朝晩がかなり冷え込んで風呂に入りたい気分だったので 気持ちよかったです。
2.4. さらに興味を持たれたこと
ヨーガ、自然療法を体験しつつ、 しばらく滞在できればよいなと思いました。 ディプロマ1年は長いですが、 6週間はやってみたいと思いました。
3. クティ(Kuti)での「クリヤー・ヨーガ」の1週間コース
3.1. クティ/アシュラムの雰囲気
神聖な感じより、ウェルカムな感じが強かったです。 スワミジが持つ雰囲気かもしれません。
3.2. スワーミージの印象
柔和な感じでした。
3.3. 「クリヤー・ヨーガ」のプログラム
一日3回、スワーミージのクティまで行き、 クティ内でヨーガ・スートラのチャンティング、 プラーナーヤーマ、オームカールなどを行いました。
連続カパーラバーティとオームカール、 効きました。
4. ロナウラ・ヨーガ研究所(LYI)について
4.1. ロナウラ・ヨーガ研究所のオフィスの雰囲気
特になし。
4.2. ディレクターのマンマット・ガロテ博士の印象
ジェントルマンでした。
4.3. ヨーガ文献の研究活動について
インドには、ヨーガに関して沢山の埋もれてしまった文献、 研究されていない資料があるのだとわかりました。
6. ロナウラでの研修の全般的な総括
6.1. 「ロナウラ編」に参加したメリットがあったかどうか
はい、ありました。
研究所自体での体験はもちろん、 サイババ・アシュラム、2000年前の仏教僧の洞窟、 バーラトセーヴァ・アシュラムなどへの外出があり、 一人ではなかなか行けない場所に行けました。
6.2. ロナウラに来て深まった体験や理解について
ヨーガ・スートラとサーンキャ・カーリカーを 平行して追っていくことで、自分と世界に対する考察が 深まった気がします。
6.3. ご自分の今後のヨーガの方向性について
日本(世界?)は、いろいろな意味でヨーガが どんどん拡張していますが、しっかりとしたヨーガを抑えつつ、 更に有効にヨーガを実践し、指導できればと思います。
6.4. 今後ロナウラでヨーガ研修を考えている方へのアドバイス
いいっすよ~、ぜひ~
6.5. インド全般のご感想
やはりインドは、他のアジアの国々とは全く違う国でした。 インド特有の緊張感がなんとも心地よいです。
帰国時、タイでトランジットしたのですが、 空港でタイ語を聞いた途端、身体中の骨が抜かれたように なりました。
インド文化もタイ文化も恐るべしです。
以上です。
(この項続く)
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