2008年1月29日火曜日

お正月合宿セミナー2008(6)

『タイでの合宿セミナー2008年1月』のフィード・バックシリーズの続きです。お正月の『パナ・ソム(森のアシュラム)』での合宿セミナーには11名の方が参加(男性4名、女性7名)されました。
     
今回のフィードバックは、タイランドの隣国カンボジアのシェムリアップ(世界遺産の「アンコール・ワット」の町です)に在住の「A.K.」さんのものです。

   
「A.K.」さんは広島出身、広島で小学校教諭をされていましたが、昨年4月から『青年海外協力隊』の隊員としてカンボジアのシェムリアップに2年の任期で派遣され、現地の小学校教員養成校で情操教育を担当されています。
  
「A.K.」さんからは、次のようなご質問も頂いています。
    
>お正月セミナー以来、教えていただいたヨーガや鼻洗浄など
>毎日できるものを選んで続けています。先生から教えていただいた
>ヨーガは、「シティラ スッカ アーサナ」なので、とにかくカラダの
>心地よい状態を保つということを毎日楽しみながら、しかし真剣に
>探求しつつ続けています。
   
>それで、ちょっと質問です。時間がない場合、アーサナの前後で
>クイックリラクゼーション?をまずはやってから好きなポーズを
>選んでやって、さらに最後もまたリラックスで終わるというのが
>よいのでしょうか?「からだが軽くなっていく」という実感は、
>とてもうれしいもので、その分気持ちも軽くいろいろなことに
>フレキシブルに対応できるような気がします。
    
「ヨーガ」の成功の「鍵」は、ともかく、今、自分が置かれている生活環境で続られることを、少しづつ、気長に続けて行くことです。
  
そして、自分の内面の感覚のレベルでのフィードバックを、日々、深めて行くことが成功の「秘密」です。
       
「ヨーガ」の技法が作用する説明モデルに、中枢神経系から全身に行き渡っている末梢神経系の2つのチャンネルである体制神経系(感覚神経と運動神経)と自律神経系の連携が、直接・間接的に促進される、というものがあります。 

つまり、運動神経が直接支配している随意筋での動きが、自律神経が支配している不随意筋を間接的に運動させることで、間接的に自律神経系の支配している領域全体に影響を及ぼす、というモデルです。
   
自律神経が支配している領域は、通常は「意識」には上りませんが膨大です。わたしたちの生命を維持している活動は、殆どが自律神経が運営している「無意識」の領域です。
  
しかし、「ヨーガ」の技法の練習を継続していくと、生命維持に関係する活動のレベルへの「意識」が拡大して行きます。

そして、その効果は主観的な「感覚」として経験されて行きます。
 
そのような何十世代に渡る「ヨーギー」の経験の積み重ねが「ヨーガ」の伝統の中核を成しています。
        
「ヨーガ」の根本テキストである『ヨーガ・スートラ』に出て来る「アーサナ」のコンセプトは、「安定して、心地よい(sthira sukham asanam)」(P.Y.S II-46)というものです。

この2つのコンセプトが示す体験を探求して行くことが、毎日の「アーサナ」の練習の指針になります。
  
「アーサナ」は、無理して、頑張ってヤルものではない、ということですね。
 
また、「ハタ・ヨーガ」の主要テキストである『ハタ・プラディーピカー』には、「アーサナ」を練習することで、からだが「安定し、病気がなくなり、かるくなる(sthairyam arogyam laghavam)」(H.P.I-17)と述べられています。

「からだが軽くなって行く」という実感は、正しく「アーサナ」が練習されている結果です。

「アーサナ」をハードなフィトネッス体操的にやるのは勘違いですし、間違いですし、何より時間のムダです。昨今の表面的な「流行」に惑わされるのは無意味です。
    
正しく「アーサナ」を練習し、「アーサナ」から正しい効果を得て行くには、伝統テキストのコンセプトをよく知り、よく理解することが大切です。
       
南国タイの豊かな自然環境での「ヨーガ」の合宿セミナーに興味のある方は、どうぞご相談下さい。少人数(10人未満)・同グループでの合宿セミナーを優先的にお受けしています。

     
合宿セミナー参加者の方のフィードバック(A.Kさん、シェムリアップ在住)
     
1)「パナ・ソム」の場所と環境

水の上というのが、よかったです(その分、蚊が多いのにはだいぶ苦労しましたが)。

日がたつと、流れている水の上での生活は、なにか心が静かになっていくように感じられました。蚊対策は、ちょっと気を抜きすぎていたので、かなりさされてしまいました。
     
2)部屋と食事etc.
     
部屋は、きれいでした。お風呂のお湯があまり熱くなかったので、この時期に夜シャワーを浴びるのはかなり根性がいりました。

また、長期滞在だったので、洗面所の栓ができたらもう少し洗濯がしやすかったと思います。

ごはんは、種類が豊富でとにかくもりもり食べてしまいました。おいしかったです。夜が軽めというのは、これからも続けたい食習慣だなと思いました。

スタッフの方たちは、親切に接してくださり、気持ちよく過ごせました。  
  
3)合宿セミナーの講義と実習について
  
講義

先生は大学で教えておられることもあってか、とても客観的にヨーガの歴史や哲学を教えてくださり、自分の中で納得がいくことが多かったです。

以前勉強していたヨーガは、なにかひとつの価値観を押し付けられているようなところがあったから少し窮屈に感じられたのかな、先生の講義と比較して思いました。 

タイでやるという土地柄、インドのことだけでなく私たちにとってもう少し身近な仏教のことも、教えてくださり、興味深かったです(今更ながら、ブッタは実在の人間だったということを知って、とても親しみがわきました!) 
  
実習
 
一日2回、シンプルなことの繰り返しがよかったです。なにも難しいポーズをたくさんとらなくても、簡単なポーズで、もっと自分の体の反応を注意深く感じ取っていくことで、ヨーガが上達していくのだなと思いました。

これまでと同じポーズでも、先生のインストラクションが適切で、それに合わせてやることと、クッションをいろいろ工夫してつかうことで、自分の体の気持ちよい状態を作ることができるのだと思いました。

また、カラダのバランスを整える体操もよかったです。 
    
4)タイランドの印象、今回の合宿セミナーの全般的なご感想 etc.など

5年前までタイ好きで5回ほど来ていましたが、久しぶりに行ったタイの急速な発展振りに驚いてしまいました。そして、隣の国カンボジアがこんなふうになるのは、いつかなーと考えてしまいました。

追加プログラムで行ったお寺や街角で祈る人たちを見て、タイは近代的な普通の人たちの生活と仏教とがうまく共存している国だなと思いました。

そういう社会的な心の支えみたいなものが、今の日本にはなくなっているから、みんな自分たちで探しているのかなと思いました。

なにはともあれ、いっしょに参加したみなさんにもよい刺激をいただき、楽しいセミナーになりました。

いつか、カンボジアでセミナーが開催されたらうれしいです。先生が気になってらっしゃるセミナーの場所、今度チェックしに行ってみますね。それでは、お体に気をつけてお仕事がんばってくださいませ。     

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