2010年4月30日金曜日

カイヴァリヤダーマ研究所2010:ディプロマ(D.Y.Ed.)コース2009-10

インド・ヨーガ留学の総括レポート
カイヴァリヤダーマ研究所付属カレッジ・ディプロマ・コース(D.Y.Ed.)
期間:2009年7月-2010年4月(1学年)

このレポートはロナウラの『カイヴァリヤダーマ研究所2010』のシリーズです。

付属カレッジの2009-10年度のディプロマ・コース(D.Y.Ed.)にヨーガ留学されたC.A.さんの総括レポートです。

DSC_0127s


C.A.さんは、
2009年5・6月の「カイヴァリヤダーマ」の6週間コース(CCY)を受講され、一度日本に帰国、6月中旬に長野の「穂高養生園」での「穂高編2009」にご参加、7月中旬に再び渡印し、1学年間のディプロマ・コースに留学されました。

4月17日に修了試験が終了、ご無事に日本に帰国されました。


フィードバックの項目

今回のディプロマ・コースの総括は、次の項目でお願いしました。

1)プロフィール
①ヨーガ歴、ヨーガとの関わり、ヨーガへの興味
②留学前にされていたこと(仕事etc.)、今までにされて来たこと
③特に関心の深いこと、特技、趣味やライフワーク

2)カイヴァリヤダーマ研究所について

①『カイヴァリヤダーマ』の環境と施設
②学生寮/ダイニング・ホール
③付属カレッジの講師陣について
④他の学生について(インド人・外国人)
⑤キャンパス・ライフ全般

3)修了試験・理論編
①パータンジャラ・ヨーガ・スートラ(P.Y.S.)の基礎
②ハタ・ヨーガの基礎
③ヨーガと文化の統合・価値教育
④人体の構造・機能とヨーガの実習の効果
⑤ヨーガとメンタル・ヘルス

4)修了試験・実技編
・実技試験の内容と手順

5)教育実習(ティーチング・レッスン)
・教育実習の内容と手順

6)総括編
①『カイヴァリヤダーマ』のD.Y.Ed.コースに留学する価値はあったか
②ロナウラの総合的な学習環境はどうであったか
③どういう人がロナウラでの勉強に適しているか
④今後の進路・展望



カイヴァリヤダーマ研究所について
Kaivalyadhama Yoga Institute
http://www.kdham.com/
Lonavla-410403, Dist.Pune, Maharashtra, India

『カイヴァリヤダーマ研究所』は、ヨーガの近代的研究のパイオニアである「スワーミー・クヴァラヤーナンダ(1883-1966)によって、1924年にインド・マハーラーシュトラ州のロナウラに設立された、インドで(世界で)初めてのヨーガの学術的研究所です。

『カイヴァリヤダーマ』の研究室で、伝統的なハタ・ヨーガの技法の生理学的・心理学的な効果が科学的に研究されたことで、ヨーガが一般社会の教育・医療の分野で応用される方向性が確立されました。

現在、キャンパス内では、科学的研究ラボ、哲学・文献学研究室、付属カレッジ、ヘルス・ケア・センター(ヨーガと自然療法)、アーユルヴェーダ・センターなどが運営されています。


●付属カレッジ
(Gordhandas Seksaria Colledge of Yoga & Cultural Synthesis)

付属カレッジは、インドで初めてのヨーガを大学教育の枠組みで扱う専門カレッジとして1950年に開校、すでに60年の歴史があります。

現在までにインドの教育分野に多くの有意な人材を輩出しています。


●ヨーガ教育・ディプロマ・コース(D.Y.Ed.)

修業期間:1学年(7月16日開講、翌年4月20日まで)
入学資格:大卒(理系・文系学部を問わず、卒業成績45%以上)
年齢制限:35歳まで
申込締切:5月末
授業料(宿泊・食事込):留学生4300ドル(2人部屋共有:個室も可)
(インド中央政府厚生省AYUSH局の奨学金給付対象)

1学年間の「ディプロマ・コース(Diploma of Yoga Education)は、付属カレッジの中心プログラムです。

インド中央政府の人的資源開発省(Ministray of Human Resourse Development)の
「NCTE(教員教育全国審議会)」から認定を受けており、「ディプロマ(D.Y.Ed)」保持者は学校教育・大学レベルでの教職への就職が可能になります。

また、将来ヨーガの研究者・専門家への道に進む場合にも、
確実な基礎作りになるコースで、1950年の開校以来、教育・研究分野に多くの有意な人材を送り出して来ました。

実質的に、インドの良心的・常識的なヨーガを支えて来たのは、
『カイヴァリヤダーマ』のディプロマ卒業生です。

現在進行中の、インド中央政府厚生省AYUSH局による
ヨーガのスタンダード化(標準化)でも、1年間の「ディプロマ」がヨーガ教師の基準資格とされています。

1950年の開校以来、現在までの日本人の卒業生は14名です。

『カイヴァリヤダーマ』の「ディプロマ(D.Y.Ed)・コース」の
カリキュラムを理解しておきますと、ヨーガにどのようにアプローチし、どのような方向に知識を深めて行けば良いかの、明確なガイドラインが得られます。



☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

『カイヴァリヤダーマ研究所・付属カレッジ』
ディプロマ・コース(D.Y.Ed.)の
総括レポート:
C.A.さん(兵庫在住)

DSCF1045 DSCN2805


1)プロフィール

①ヨーガ歴、ヨーガとの関わり、ヨーガへの興味

真剣にヨーガを学びたいと思ってからは3、4年になるでしょうか。ヨーガがアーサナだけではないと知った時から、興味を持ち始めました。


②留学前にされていたこと(仕事etc.)、今までにされて来たこと

大学卒業後、製薬企業にて(MR)約4年間勤務。
マクロビオティック研究家主宰のコミュニティーで約1年間生活。
海外にて約半年、生活。
薬局にて、約1年間勤務。
最後は留学費を稼ぐため、ドラック・ストアーで4カ月程働きました。


③特に関心の深いこと、特技、趣味やライフワーク

以前は自給自足的な生活を考えていたのですが、留学して少し方向が変わりつつあります。


☆☆☆☆☆

2)カイヴァリヤダーマ研究所について

①『カイヴァリヤダーマ』の環境と施設

周辺の掃除は毎日スタッフの皆さんがしてくれているので、だいたい綺麗です。
静かな日もあれば、騒がしい日もあります。


②学生寮/ダイニング・ホール

滞在していた「ソー・ハム・クティ」は、快適でした。


③付属カレッジの講師陣について

どう書いてよいかわかりません、、、、


④他の学生について(インド人・外国人)

留学1カ月後報告で述べた通りです。生徒42名中、外国人が6人でした。
年齢は40歳から19歳までいましたが、20代前半が多かったように思います。


⑤キャンパス・ライフ全般

学生に戻った気分になります。

DSCF0414 DSCF1497

☆☆☆☆☆

3)修了試験・理論編

●試験作成・採点、共に外部が行います(中間テストは、共に担当講師による)。
担当講師がシラバスを外部に渡し、それを基に問題が作成されます。

●3時間、80点です。

最終的な理論の点数は100点で、中間テストの20%が加算されます。


☆☆☆☆☆

①パータンジャラ・ヨーガ・スートラ(P.Y.S.)の基礎(授業回数:週2回)

担当講師は、「B.R.シャルマ」先生です。授業内容・試験範囲は3章8節までです。

「シャルマ先生によるヨーガ・スートラ」を学びます。サンスクリット博士なので、1つ1つのスートラについて御自身の意見を述べられます。

インド人特有の考え方も相まって大変興味深いのですが、理解が困難な時もありました。

おおよその試験問題は予想できるのですが、例年小問題(手短にいくつかの定義について答える形式)も出ていたので油断禁物です。

試験直前に配られたシラバス(講義実施要綱)の内容に沿って、一通り目を通しました。

勉強していると、だんだん全てのスートラが繋がってきてとても面白いです。が、時間がとられます。

試験当日は、Q1.で「citta vrittiniroda」を選択し、
その回答を書くのに1時間弱かかりました。なので、後の4問は猛スピードで回答を書き上げました。

試験が終わった後に皆で話すと、同じような事を言っていました。
テスト初日の科目だったのですが、全力を出し切った感があり、疲れました。


【修了試験問題】

①「パータンジャラ・ヨーガ・スートラ(P.Y.S.)」の基礎-計4問に答える

Q1.
サーンキャは、精神的多元論(spiritual pluralism), 無神論的実在論(atheistic realism)、そして絶対的二元論(uncompromising dualism)である。説明せよ。
OR
ヨーガの定義「チッタ・ヴリッティ・ニローダ(cittavrittinirodha)」
について述べよ。

Q2.
「パータンジャラ・ヨーガ・スートラ」における、「イーシュワラ」の概念について説明せよ。 「プラナヴァ・ジャパ」の効果は何であるか?
OR
「チッタ・プラサーダナ」をどう理解しているか? 「チッタ・プラサーダナ」をもたらすにはどのような方法があるか?

Q3.
「クレーシャ」の概念と、
「クレーシャ」を取り除くために処方される方法について説明せよ。
OR
「パータンジャラ・ヨーガ・スートラ」における「クリヤー・ヨーガ」とは何か? 「クリヤー・ヨーガ」を行う恩恵は何か?

Q4.
4つ選び、簡潔に説明せよ。
・「アーサナ」の定義と、その効果
・「プラーナーヤーマ」の定義と、その効果
・「サンヤマ」の概念
・「サマーディ」と「サマーパティ」の違い
・「ヘーヤ、ヘーヤ・ヘートゥ、ハーナ、及びハーノパーヤー」
・「サビージャ」&「ニルビージャ・サマーディ」について
・「プラティヤーハーラ」の概念


☆☆☆☆☆

②ハタ・ヨーガ(Yogic Texts)の基礎(授業回数:週2回)

担当講師は、「G.S.サハイ」先生です。専門がサンスクリットでらっしゃるので、先生自ら訳されます。

ものすごい早口で授業は展開していきます。が、考え方が理路整然としていて、英語は聞き取りやすかったです。

内容は主に、「ハタ・プラディーピカー」と「ゲーランダ・サンヒター」です。「短い一文からこんなことが考えられるんだぁ」と、とても面白く授業を聴きました。

試験に関しては、生徒一同(そして、きっと先生自身も)、予想外の問題ばかりでした。

先生が「ここを勉強するように~」と試験前に言った箇所がほとんど出ていない!!!答案をみた瞬間、「あれっ? う~ん、選べる問題がないなぁ」と思いました。

英語で回答を用意していない問題ばかりだったので、知っている事をとても簡単な英語で、感想文のような形で書き上げました。

試験後、皆同じような様子だったので、「何、あの問題?」とお互い励まし合い、苦笑し合いました。


【修了試験問題】
②ハタ・ヨーガの基礎(Yogic Texts)-計4問に答える

Q1.
「プラーナ・サンヤマ・ヨーガ」とは何か? 「マントラ・ヨーガ」について詳細を書きなさい。
OR
「ハタ・プラディーピカー」の4つの章について説明せよ。

Q2.
「シュッディ・クリヤー」をどのように理解しているか? 「ゲーランダ・サンヒター」において述べられている
「シュッディ・クリヤー」について簡潔に述べよ。
OR
「ハタ・プラディピカー」における「アーサナ」の章について
記述せよ。異なる瞑想の「アーサナ」について説明せよ。

Q3.
「ハタ・ヨーガ」における「プラーナーヤーマ」を行う上での「時間」「場所」、そして「食事」の重要性について述べよ。
OR
「ハタ・プラディピカー」による「プラーナーヤーマ」の概念と、その種類の名前について述べよ。

Q4.
「ハタ・ヨーガ」における「チャクラ」と「ナーディ」の概念、そしてそれらの重要性について述べよ。
OR
「ハタ・ヨーガ」における「クンダリーニ」と
「ナダーヌーサンダーナ」の概念を説明せよ。


☆☆☆☆☆

③ヨーガと文化の統合・価値教育(週2回)

担当講師は「R.K.ボーデ」先生です。授業はほぼ休講無く行われました。

前半は主に「文化、価値、教育とヨーガの関係」について
学びました。後半では他宗教やインド哲学等と、ヨーガの関係・比較についてです。

授業は、結構インド・バイアスがかかった内容で展開されます。

「価値」「宗教」については、インド人・外国人共に各々の考えを持っています。一旦質問が始まると、先生自身もどんどん熱くなり、授業があらぬ方向に進む事もしばしばです。

単一民族感が強い中、のほほんと育ってきた私にとっては、新たな考えるチャンスを与えてくれた授業でした。

試験に関しては、これもまたサプライズでした。試験前にシラバスも配って下さいましたし、これまでの試験傾向も教えて下さいました。

ですが「テストは4問」だったはずが、5問回答しなければいけなかったのです。
先生自身もびっくりされたのでしょう、試験が始まって何度も「5問答えるように」とアナウンスされていました。

出た問題はほぼ予想通りでしたが、猛スピードで書いたため、きっとたくさんのミスをしただろうなぁ、と思います。


【修了試験問題】

③ヨーガと文化の統合・価値教育-計5問に答える

Q1
「文化と文明」をどう理解しているか? 「ヨーガ」と文化の関係を説明せよ。
OR
人道主義(ヒューマニズム)そして、インド文化の特性について述べなさい。

Q2.
1.「プルシャ」 2.「プラクリティ」について簡潔に述べよ。
OR
サーンキャ哲学における束縛と解放の概念、
そしてヨーガ哲学における「クリヤー・ヨーガ」の概念を説明せよ。

Q3.
ヨーガと仏教の関係を説明せよ。
OR
1.「ヨーガとキリスト教」 2.「ヨーガとジャイナ教」
について簡潔に書きなさい。

Q4
「価値」とは何を意味しているか? 私たちの人生における価値の概念を説明せよ。
OR
「教育」とは何を意味しているか?
私たちの人生における教育の概念を説明せよ。

Q5.
価値教育について述べよ。
OR
「シュリ・オーロビンド」による「ヨーガ」について述べよ。


☆☆☆☆☆


人体の構造・機能とヨーガの実習の効果(S.バレカール先生:週4回)
ヴェーダにおける生理学(D.R.ヴァゼ先生:週1回)


担当は両先生、西洋医学の医師です(インドでは医師といっても、アーユルベーダやナチュロパシーの 医師もいます)。


他授業はヒンディー語と英語、別々に授業が行なわれましたが(今回始めての試み)、この講義は両言語ミックスで、
全生徒が一緒に授業を受けました。

主はバレカール先生の授業ですが、始めはヴァゼ先生の授業も週3回ありました(Yogic Texts のサハイ先生が怪我で1カ月半お休みされた間、授業をして下さったため)。

この講義もほぼ休講無しです。バレカール先生はヘルス・ケア・センター部門の常駐医師であるため、ほぼいつでもいらっしゃいます。

両先生共に、ヨーガと真摯に向き合っておられます(と感じました)。授業で、「ヨーガ・スートラ」、「ハタ・プラディーピカー」、「ゲーランダ・サンヒター」等の一節がでてくることもしばしば。

「ヨーガ」を治療法の一つとして取り入れている医者はインドには多数いると思いますが、生活の一部、人生の一部として扱われている医師は少ないのではないでしょうか?

授業では、まずはもちろん体の構造を解剖生理学としてしっかり勉強します。

その後、「プラーナーヤーマ」や「クリヤー」を生理学的、そして心理学的にどう心身に影響するかを学びます。

そして各々の「アーサナ」の手順、維持時間、筋肉・骨・臓器などへの影響、病気に対する効果、制限について具体的に学んでいきます。

その後残った時間で、少しだけ「ヨーガ・セラピー」について勉強しました。

試験問題は、、、とても驚く内容でした。先生自身、「ひどい内容だ」とおっしゃっていました。

日頃、「急性症状に対して、ヨーガで治そうと考えてはだめだ」と口を酸っぱくおっしゃっていたのですが、問題に「心臓発作に対するヨーガ・セラピーの役目は?」等の質問がありました。

また試験前に、「ヨーガ・セラピーについては出さない、ヨーガセラピーを学んでいるのではない」とおっしゃっていたのに、ほぼ「ヨーガ・セラピー」に関する問題でした。

「ヨーガ・セラピー」については、日本同様生徒の関心が高く、授業中、質問も白熱します。

ですが、先生がおっしゃるのは、「慢性疾患の患者さんには、基本はシンプルなアーサナを。アドバンスのアーサナを処方するのは基本的にしてはいけない。」

そして、「病気の患者さんには、医師と連携して接しなさい。そして1人1人の状態や生活、それまでのヨーガへの取り組み、そして柔軟性を考慮にいれた上で、食事療法などトータルで取り組んでいきなさい」というお言葉でした。

ですから、試験用紙を見て皆笑いだしました。「なんだ この問題は?」といった感じです。そして、事前の「問題は4問」との通知に反し、「5問答えよ」との内容に皆唖然としました。

幸いバレカール先生が数問変更して下さったので(学校側は試験問題を変更したくないので、半ば無理やり変更して下さいました)、なんとか数問答えることが出来ました。

今のヨーガに対する現状を垣間見た試験問題でした。


【修了試験問題】
④人体の構造・機能とヨーガの実習の効果・ヴェーダにおける生理学

○部門Ⅰから3問、部門Ⅱから2問答える(ヴァゼ先生:ヴェーダにおける生理学の試験問題)

部門Ⅰ
Q1.
病気の急性・慢性状態について、各々3症例を説明せよ。 そして、それぞれに対するヨーガ・セラピーの役目を説明せよ。

Q2.
パンチャコーシャについて詳細を説明せよ(ヴァゼ先生)

Q3.
6つの「クリヤー」についての詳細・種類・手順・セラピーにおける重要性について説明せよ。

Q4.
いずれか2つを選び、簡潔に書きなさい。
・「マニプーラ・チャクラ」(ヴァゼ先生)
・「バジュラ・アーサナ」と「パドマ・アーサナ」
・「ブージャンガ・アーサナ」と「シャラバ・アーサナ」

Q5.
いずれか2つを選び、簡潔に書きなさい。
・「クンバカ」と「ムドラー」の名前
・WHOにおける健康の定義、そしてヨーガにおけるトータルな健康の定義(ヨーガとメンタルヘルス:ボガール校長の範囲)
・「ウパ・プラーナ」(ヴァゼ先生)

部門Ⅱ
Q1.
訂正前:心臓の図を描写せよ。心臓発作の原因を書きなさい。心臓発作と心臓弁膜症におけるヨーガセラピーの役目を説明せよ。
訂正後:呼吸器系のメカニズムを説明せよ。カパーラバーティ」は呼吸器系にどのように作用するか?

Q2.
訂正前:以下の病気に対するヨーガセラピーについて、いずれか2つ説明せよ。 a.癌 b.喘息 c.尿路結石
訂正後:「プラーナーヤーマ」の生理学、そして種類と効果について説明せよ。

Q3.
脊柱の構造、その重要性を図と共に説明せよ。背中の痛みについて、異なる原因を述べ、それらについてのヨーガ治療法について説明せよ。


☆☆☆☆☆

⑤ヨーガとメンタル・ヘルス (週2回)

担当講師はボガール校長です。

多々外部講師を呼んで来るので、校長自身から授業を受ける機会は少なかったです。ですから、中途半端で終わったテーマがたくさんあります。

「次回続きを、、、」と言って、次回に繋がったことはほぼありません。生徒から「この前の続きが残っています」との声があっても、だいだい違うトピックになります。

そして、校長はあまりシラバスを重要視しません!「シラバスとは関係ないが・・・」との一言から始まった授業もよくありました。

後半から先生の授業がどんどん面白くなってきたので、もっと話を聞きたかったです。心理学との比較においてヨーガの話がなされます。

全く興味の無かった分野で、その上話が専門的になると全くついていけませんでした。ですが、課題で心理学の本に触れる機会があり、それから先生の話も少しずつですが面白くなっていきました。

生徒の中に、心理療法士がいたのですが、校長が、「心理学には限度がある」や「心理学では根本的には人を変えることは出来ない」などと言うと、いつも反論していました。

全く未知の分野だったので、それらの終わりのない討論も興味深く聴いていました。

試験に関しては、事前にシラバスを口頭で教えて下さいます。そして問題もほぼ予想通りでした。

いつも試験に関しては(C.C.Y.の時から)、「4問中、3問完璧に答えれば良い点数になるから、3つ問題が予想出来れば十分」とおっしゃられます。

ですが、全く完璧に答えられる自身がなかったので、必死に4問回答しました。最終日のテストで、疲れと気が抜けていたせいもあり、4問回答するのは結構大変でした。


【修了試験問題】
⑤ヨーガとメンタル・ヘルス-計4問に答える

Q1.
「ヨーガ」と現代心理学はどのようにお互いを向上させていくか?
OR
健康(ヘルス)とメンタルヘルスを定義し、そしてホリスティック・ヘルスに対する「ヨーガ」のアプローチについて述べよ。

Q2.
「正常」の概念、そして「ヨーガ」における「正常」の理想的モデルとして強調される、様々な「正常」モデルについて説明せよ。
OR
「シグムンド・フロイト」、そして「パータンジャラ・ヨーガ・スートラ」による心身症の原因について述べよ。

Q3.
「葛藤」とは何であるか? ヨーガの方法を通して、どのように「葛藤」を扱うか?
OR
「態度」とは何であるか? ヨーガと心理学の手段をもちいて、どのように「態度」に変化をもたらすか?

Q4.
ストレスは「ヨーガ」の方法により、最も良く管理される。このことについて、意見を述べよ。
OR
祈りとは何であるか? 「ヨーガ・サーダカ」に対する、祈りの心理学的効果について説明せよ。


☆☆☆☆☆

4)修了試験・実技編

○実技試験の内容と手順

女性生徒担当は「サンディア・ディクシット」先生です。先生は、20年以上「カイヴァリヤダーマ」の病院部門で、患者さんに対してヨーガを教えてらっしゃいました。

古典に基ずく知識と、経験からの指導は、本当に勉強になります。「実習でここまで伝えられるんだ」と感じました。

あまり「アーサナ」に興味が無かった私にとっては、目からうろこです。

彼女自身も「D.Y.Ed.」を経験しているので、いろいろと相談にものってくれます。そして、いつも女性生徒に問題がないか気を配って下さっていました。

ですが、他のコースが始まるとマダムが教えに行かなければいけないので、いつも問題が起こりました。ティワリ理事長に抗議に行った生徒もいました。

毎回そのようだったので、最後は皆諦め、各々で淡々と練習していましたが。

試験は、外部の試験官が来て、行われます。内容は以下の通りです。

【朝の部】

・「クリヤー」
ダンダダウティ、ボーマンダウティ、カパーラバーティ

・「プラーナーヤーマ」
自分で1つ選択(私は、アヌローマ・ビローマをしました)
先生が1つ選択(先生は、シートカリを選びました)

そして、
・「ウディヤーナ・バンダ」
・「アグニ・サーラ」
・「ナウリ・チャーラン」
です。

その後 瞑想30分なのですが、試験官が15分たったところで「もう十分です」とおっしゃられたので、15分で終わりました。

【夕方の部】

・「アーサナ」

(必須アーサナ)
シルシ・アーサナ、サルヴァーンガ・アーサナ、マツヤ・アーサナ、ハラ・アーサナ、ダヌーラ・アーサナ、アルダ・マッチェーンドラ・アーサナ、パスチモッターナ・アーサナ、スプタ・ヴァジュラ・アーサナ、ハンサ・アーサナ(男性はマユーラ・アーサナ)、チャクラ・アーサナ(サイド・ベンディング)、ガルーダ・アーサナ

(以下から各自アドバンスド・アーサナを5つ選択)
パダングシュタ・アーサナ、ククッタ・アーサナ、バカ・アーサナ、チャックラ・アーサナ、エーカ・パダングシュタ・アーサナ、カポータ・アーサナ、カーナピーラ・アーサナ、アカルナ・ダヌーラ・アーサナ、シルシ・パダングシュタ・アーサナ、ナタラージャ・アーサナ、ヴァータヤナ・アーサナ、ウグラ・アーサナ、プールナ・マッチェンドーラ・アーサナ、トラングーラ・アーサナ

☆☆☆☆☆

5)教育実習(ティーチング・レッスン)

○教育実習の内容と手順

計5回行います。持ち時間は25分間です。各々テーマが決められます。

[実習スタイル:3回]
いつも実習と同じ形で行われます。生徒役は同級生達です。
1回目:「アルダ・マッチェンドーラ・アーサナ」
2回目:「バストリカー」
3回目:「ブルーマッディヤ・ドリシュティ」

[講義スタイル:2回]
先生が授業をするように、講義室で与えられたテーマについて講義します。
4回目:「パータンジャラ・ヨーガ・スートラ」における「ヨーガ」
5回目:back ache(背中の痛み、腰痛)


○課題

課題提出が2回あります。テーマと期日が校長から言い渡されます。10~15ページ分という規定がありました。何をかけば良いのか分からなかったので、相方先生、そして先輩のM夫妻からアドバイスをいただきました。

そして、直接ボガール校長にも質問に行きました。親切に相談にのって下さいます。
1回目:死の恐怖
2回目:専門職に対する「ヨーガ」(医者、看護師、社会福祉士等)


☆☆☆☆☆

6)総括編

①『カイヴァリヤダーマ』のD.Y.Ed.コースに留学した価値はあったか

行ってよかったです。

日本ではどうやって勉強していこうか道が見えなかったので、「カイヴァリヤダーマ」のディプロマに参加して、少しすっきりしました。


②ロナウラの総合的な学習環境はどうであったか

「全てに満足」とは正直言えません。

きっと、日本で受けてきた教育と比べてしまうのと、「ヨーガ」に対する自分の中でのイメージがそうさせたのだと思います。

一番弱ったのは、休講が多すぎる事です。待っても先生が来ず、「先生今日居ないらしい」との生徒情報で、みんな部屋に戻るケースは多々です。

始めは、「あっ、時間が出来たから、出来ていない事をしよう!」と半ば嬉しかったのですが、1日ほぼ授業が無い日が毎日のように続くと、「ここに来た意味は。。。」と少し疑問にも。

そんな時、相方先生ご夫妻は本当に精神的支えでした。そして、Mご夫妻のアドバイス、日本人留学生の田中智さんの存在は大きかったです。

ですが、目的は何であれ「9カ月一緒に生活しながら、ヨーガを学ぶ」と決断した仲間が42人います。

そして、いつでもサポートして下さる教授陣がいます。

いつも食事を作って下さり、周りを掃除をして下さるスタッフ達がいます。

いつでも「ヨーガ」の事を考え、「ヨーガ」の事を真剣に語り合える場所であったことは、確かです。

様々な疑問はありましたが、ヨーガに関する事を、知識面だけではなく、肌を通して多面的に学べる貴重な場所の1つだと思います。


③どういう人がロナウラでの勉強に適しているか

わかりません!(笑)

皆、なんやかんや文句を言い、時に体調を崩し、時にハメを外しながらも、乗り越えていきます。

今年末・来年に退官になられる先生が3人います。そして、プラクティスを担当して下さった2人は政府から選ばれ、海外で数年ヨーガを教えに行かれます。

ですので、これからの学校の授業内容については分かりません。きっとなるようになると思いますが、雰囲気なども変わるかもしれませんね。

なので、やはりロナワラでの勉強に適している人は「わかりません」。

ですが、10カ月という限られた期間なので、ヨーガに関する知識を得たいのであれば、少しの英語力は必要だと思います。


④今後の進路・展望

「ヨーガ」の勉強を日本でも続けたいのですが、どういう風に続けれるか。。。探してみます。


☆☆☆☆☆

「CCY」から約1年間お世話になりました相方宏先生・秀子先生、本当にありがとうございます。お二人の力添えのおかげで、貴重な留学経験となりました。

そして、「Kdham」を通して出会えた両先生は、これからヨーガを勉強していく日本人である私にとって、とても心強い存在です。これからもよろしくお願い致します。

K.M.さん・A.M.さん、お二人の前年度留学ブログは、留学前の心の準備として強い味方でした。そして、メールすればいつでも力になって下さりありがとうございました。

一緒に留学を経験したS.T.さん、楽しい日々をありがとうございました。本当に珍事件がたくさんありましたね!

そして、相方先生を通して留学中に「Kdham」に来られた方々、とても励みになりました。長年日本で「ヨーガ」に取り組まれている大先輩方の姿は、とてもかっこよかったです。

現在「ヨーガ」は一大ビジネスになっています。本国であるインドにおいても、同じ現象が起こっています。ですが、その中でも、「ヨーガ」の本質に近つ゛きたいと思う人はたくさんいるはずです。

私の場合、その場所として巡り合えたのが「Kdham」でした。インドにおいても、古典を教える事ができる施設・講師陣は大変貴重だと感じます。

これからもそのような施設・講師陣が守られ、そして新しい世代が育ち、多くの人が「ヨーガ」に触れられたらいいなぁと思います。



☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

0 件のコメント: