2010年7月20日火曜日

穂高編2010(3)

【参加者の方のフィードバック・シリーズ②】

日程:2010年6月4日(金)-16日(水)
会場:穂高養生園(長野県安曇野市穂高 → http://www.yojoen.com/
主題:伝統的ヨーガ・強化プロジェクト

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一昨年、昨年に続き、長野の『穂高養生園』で合宿セミナー・シリーズ「穂高編2010」が、次の4つのプログラムで実施されました。

①6月 4日(金)- 6日(日):養生園主催「一般向けプログラム」
②6月 7日(月)- 9日(水):森の家「プラーナーヤーマ専攻」
③6月11日(金)-13日(日):森の家「ヨーガ・スートラ特講」
④6月14日(月)-16日(水):森の家「ハタ・ヨーガ総論」


共通する主題は「伝統的ヨーガ・強化プロジェクト」でした。インドの伝統的なヨーガのリソースに基づいた「ヨーガ」の理論・方法論・技術論についての理解を深めて行くことが一貫したテーマでしょた。

今年は延べ68名の参加者がありました(複数参加された方も含めて)。
参加者の方からお寄せ頂いた「フィードバック」を、8回のシリーズで掲載させて頂いています。

参加者のみなさんには次の項目でフィードバックをお願いしました。

1)「穂高養生園」の環境と施設
①穂高の環境と養生園の施設
②宿泊室とホール(森の家・新森の家)
③ダイニングでの食事
④合宿セミナーの運営全般とスタッフの対応

2)講義と実習について
①講義の内容について
②実習について
③参加されて有益であった点
④やや物足りなく思われた点
⑤今後期待されるプログラム


今回は、
①6月4日(金)-6日(日):「一般向けプログラム」に参加された、沖縄在住の「W.H.」さん(女性)からのフィードバックです。


●「ホリスティック・リトリート:穂高養生園」について
http://www.yojoen.com/

〒399-8301 長野県安曇野市穂高有明7258-20

「穂高養生園」は1986年に設立された滞在型の療養施設です。常時「セルフ・ケア」による健康の回復・維持増進を志向するゲストを受け入れている他、健康に関連したテーマのワークショップが定期的に開催されています。

「里の家」と「森の家」の2つの宿泊施設があり、食事は1日2回、マクロバイオティックの原則に従った玄米菜食の自然食です。

「里の家」には天然温泉が引かれ、「森の家」にはサウナと露天風呂があります。

「森の家」は小グループによる「セミナー・ハウス」としての貸し切り 利用にも解放されています。また、昨年新しい「木と人カフェホール」が完成、1階はカフェ、2階は多目的スペースになています。
http://www.yojoen.com/institution/cafe_institution.html 

 

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穂高編2010・フィードバック・シリーズ②

「W.H.」さん(女性・沖縄在住)

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【プロフィール】

①住んでいるところ

沖縄県那覇市


②現在されていること(仕事etc.)、今までにされて来たこと

職業: 国の出先機関ではたらく公務労働者です。
やってきたこと: 競泳(小1~中3)、和太鼓+エイサー(大3~社会人にかけての約3年程度、アトピーがひどくなり辞めてしまった)、社会人になってからストレスが多くなってきたのか、アロマテラピーを少々齧り、バッチフラワーレメディも習いました。バッチは、一時は資格を取るため一所懸命勉強しましたが、 思うところがあり、今はほとんどやっていません。


③特に関心の深いこと、特技・趣味やライフワーク

関心の深いこと:歴史の勉強、メンタルヘルス、ダイエット 特技:なし、趣味:泳ぐこと。素潜りでウニなどを獲ること。

ライフワーク:模索中。

※子どものころから太っていて、父や競泳のコーチなどから 「やせろ」と言われ続けてきたので、強いて言えば 「やせること」ですかね~?


④ヨーガ歴・ヨーガを始めたきっかけ

体力が落ち、体が硬くなってきたので、運動のために。


⑤今後のヨーガへの展望や希望

まずは自分の鍛錬として練習を継続することが目標。ヨーガを行っていることによって、自分と社会とがずれていっては困るので、そうならない社会になればと思います。

そのためには相方先生から教えて頂いているヨーガの内容と、社会が認識するヨーガの内容が一致する必要があると考えてい
ます。



【フィードバック】

1)「穂高養生園」の環境と施設


①穂高の環境と養生園の施設

南国育ちの私には、何もかもが珍しかったです。雪の残る山々、田んぼ、草花や樹木、空気、水、鳥や虫の声、 木造の家、山道に落ちているイガグリやサルのフン、温泉のお湯、すべてが非日常で、心地よかったです。


②宿泊室とホール(里の家・森の家・木と人カフェホール)

里の家に宿泊。8畳ほどの和室で相部屋、簡素だけど必要十分な設備。 寝具も清潔。部屋の電気がドアの外にあったのが今でも謎。基本的に里の家でのスケジュール(入浴、食事)だったので、森の家に宿泊された方は何かと不便だったのではないかと 思いました。

森の家は見学しただけですが、個性的な建物で、遊び心があると思いました。里も森も、それぞれのよさがあると思います。
次回行く機会があれば森の方にも泊まってみたいです。

また、ホールにお茶や水が常備されていることは知っていましたが、 ハーブ水が予想以上によかったです。家でも真似してみたいと 思いました。木と人ホールは温かみがある建物で、名前のとおり木の良さが 十分に伝わってきました。

床もしっかりしているし、カフェスペースも、カフェとして運営しているときにまたお邪魔したいなと思いました。外の植え込みがまだ小さくて発展途上を感じさせました。大きくなったら素晴らしいエントランスになることでしょう。


③食事について

あれだけの手間をかけ、心を込めて作って下さったお食事、 今回最も感動したことのひとつが、この食事でした。美味しいし量もたっぷり、1日2回の食事ですが心も体も 満たされました。

スタッフの方の献立の作り方の説明に 「こんなに手間がかかるの~?、家では真似できん」と 思いました。


④合宿セミナーの運営全般とスタッフの対応

満足です。みなさんとてもよくして下さいました。特に福田さんにはメールでの質問にも快く応じて頂き、タクシーの手配から電車のチケットの買い方まで、お世話になりました。この場をお借りしてお礼申し上げます。



2)講義と実習で理解と体験が深まったこと

①講義の内容について

基本的に沖縄1日セミナーの内容と同様でした。 しかし1日でやったことを2泊3日で復習するのですから、 当然その内容は深くなり、あの1日セミナーでわからなかった点が 理解できてよかったです。

沖縄ではキーワード的におっしゃっていた 「実は、何を食べるかではなく、食べたものをきちんと 消化できるかが重要」「動きに呼吸をつけてはいけない」等、 その意味が説明されたので、すっきりしました。

同時に、1日セミナーでは要点のみを簡潔かつ的確に伝えられて いたんだということが改めてわかり、3日間の講義と実習を たった1日で行ったこと自体がすごいことだと感じました。

推薦図書を読むことで、さらに理解が深まると実感したので、今、改めて読み始めています(実は予習では『インドの思想』 しか読めませんでした)。

また、新たに「ヤマ」「ニヤマ」の学習に入り、その過程で 「経験の4段階垂直モデル」についても説明がありました。 今後はそのあたりをきちんと理解したいです。

時間がなくて「ニヤマ」の解説までいけなかったのが残念でした。 ボーナス・セッションを受講された方は学習できたでしょうか?
インドの人の話も興味深かったです。


②実習について

基本的に沖縄1日セミナーで行ったアーサナが中心でした。しかし実習においては、初めて聞く説明がたくさんありました。おのおののアーサナについて、ハタヨーガの文献にもとづいて 解説して頂いたので、それを思い浮かべながら練習できました。

いつものクラスでは生理中はお休みしていましたが、やってもよいアーサナと避けたほうがよいアーサナがわかったので、今後はクラスを欠席しなくてもよいことがわかりました。

少しだけですがムドラーやバンダも行ったので、日々の練習に取り入れています。いつものクラスで行っていたことのなかで、アーサナと思っていたことがバンダだったりムドラーだったり、ということもわかりました。

ただ、ムドラーとは何ぞや?バンダとは何ぞや? ムドラーとバンダはどう違うのか?が、いまいちわかりませんでした。

プラーナーヤーマの時の回数の数え方にはいつも試行錯誤していたので、よい方法を教えて頂いたと思いました。プラーナーヤーマは慎重に進めなければ危険を伴うということがわかりました。1:1を徹底的に習得することを日々実践します。


③ヨーガについて認識が深まった点

ヨーガの練習は、誰のためでもなく自分自身のために、 日々黙々と淡々と行うものだ、ということを改めて認識しました。「人は、悪いと思っている行動もついやってしまうものだ」という ところは大いに共感、心に刻むべきことだと思いました。

ヨーガがいつごろ生まれ、どのように継承され、現在に至っているのか、その流れはだいたい理解できたと思います。

しかし、哲学に関係する点については、哲学そのものがまだ理解できていないために、いまいちわかっていない感じです。推薦図書を読み、講義を復習し、学習を深めたいと思います。


④やや物足りなく思われた点

ありません。
内容は物足りないどころか、盛りだくさんでした。

気になった点を記しておくと、「この言い回しは英語的だ」と感じる場面がありました。理解できる範疇ではありましたが、 少し気になったので伝えておきます。

この点は英語を話せる方には問題ないかも知れません。 宏先生は普段は英語で講義なさっていると思いますので、たぶん、英語的表現で日本語化されているもの(日本語として認識できる)と、そうでないものの区別を意識しておられないのかも知れないと 感じました。

また、(おそらく)漢字の読み間違いや発音間違いであろう言葉が ありました。市井(しせい)を“しい”というように。軽微な間違いなので意味は伝わるのですが、日本人は人の話を無意識に頭の中で漢字変換しながら聴いているそうで(確かに私自身もそうです)、うまく漢字変換できないことばに遭遇するとそこで「聴く」作業が止まってしまうことはあると思います。

素晴らしい内容だけに、細かいところが特に気になるのかも しれません。細かくてすみません。


⑤ご自分にとって、プログラムに参加したメリットがあったかどうか

大いにありました。
ヨーガに対する認識が深まったのはもちろんのことですが、最初は知らない人ばかりの中で、しかも一人で、私はうまくやって いけるのかと心配でした。

でも、いざ始まってみると、寂しいこともなく毎日が充実していました。皆さんによくして頂いて幸運でした。今回のセミナーに参加したことで、一人でも私は大丈夫、という自信になりました。

これは、単身飛行機に乗って沖縄から出たからこそ得られたものだと思います。
誰かお友達と一緒だったり、同じ講義でも沖縄で開催されたもので あったなら、このような気持ちにはならなかったでしょう。

…とは言え、電車に慣れていないため、帰りの道中ではハプニング続きでした(乗り遅れ、改札口でひっかかる、ホーム間違え等々)。この時ばかりは一人は不安でした。何とか沖縄に帰れてよかったです。

アシスタントの田中さんには、松本駅で特急に乗り遅れたときに親身になって頂いて、どれほど心強かったか知れません。感謝しています。

皆さんヨーガが大好きで、ヨーガの先生をしている方もたくさんいて、私のようにお勤めしている方が少ないという、日頃まず身を置くことのできない環境の中で、皆さんから興味深いお話を聞くことができたことも勉強になりました。

宏先生が思っていた以上にユニークな方(激B!初めて聞く表現!)であること、秀子先生との息の合った講義と実習、宏先生が詩を暗誦するときに一緒に歌う秀子先生、静かに食事を頂く様子等、強く印象に残りました。秀子先生のプロフィールにカッコ書きで「相方宏の妻」と 書かれてある意味が、何となくわかるような気がします。

山道を歩いて自分の体力が落ちている(というよりも体重が適正より かなり超過している)ことも実感しましたし、1日2食でもお菓子がなくても十分満足できることもわかりました。

今の自分には何が必要で、何が足りないのか、何がいらないものなのか、日々何を実践していけばよいのか、それがうっすらとですが見えてきました。

お菓子はすぐにはやめられないけれど、食生活を変えるのは難しい けれど、今のところ転職する予定もあてもないけれど、まして長期休暇などとんでもないけれど、「練習は、週に1回2時間やるよりも、10分でもいいから 毎日淡々と続けること」をまず実践したいと思います。あせらずじっくりと。


⑥今後期待されるプログラム

まだわかりません。以上で終わります。

かなり長くなってしまいました。すみません。宏先生、秀子先生、田中さん、一緒に勉強した皆さん、 養生園スタッフのみなさん、受講を勧めてくださった木下先生、本当にありがとうございました。皆さんとまたご縁がありますように。

(この項続く)




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