カイヴァリヤダーマ研究所・付属カレッジ
夏期6週間コース総括レポート
(CERTIFICATE COURSE IN YOGA:CCY)
期間:2010年5月2日-6月11日
ロナウラの「カイヴァリヤダーマ研究所」の付属カレッジで5月・6月に開講された夏期6週間コース(CCY)を受講された、沖縄在住の「K.K.」さん(男性)の総括レポートです。
「K.K.」さんは次のようなHHプログラムに参加されています。
・2008年 6月「穂高編2008」
・2009年 6月「穂高編2009」
・2009年10月「沖縄編2009」(コーディネーター)
・2009年11月「ワンサニット2009」
・2009年12月南タイの瞑想寺「スーワン・モッカ」で10日間の瞑想コース
・2010年 5月「カイヴァリヤダーマ研究所」で6週間コース(CCY)受講
今までのロナウラ・フィードバック集
今までの日本組受講生による「カイヴァリヤダーマ」のコースのフィードバック集は、この「ブログ」でまとめて閲覧できるようになっています。
「カテゴリ」欄の
→〔カイヴァリヤダーマCCY+〕
→〔カイヴァリヤダーマDYEd〕
→〔カイヴァリヤダーマ研究所〕
のところです。
「カイヴァリヤダーマ研究所」 → www.kdham.com
Kaivalyadhama Yoga Institute
Swami Kuvalyadhama Marg, Lonavla-410 403,
Maharashtra, India
「カイヴァリヤダーマ研究所」は1924年に「スワーミー・クヴァラヤーナンダ(1883-1966)」によって設立された、世界で初めての「ヨーガ」の学術的研究所です。
インド中央政府の人的資源開発省(Ministry of Human Resource Development、日本の文部科学省に相当)から「An All India Institute of Higher Learning(全インド・レベルの高等教育機関)」として認可を受けています。
また、マハーラーシュトラ州立のプネー大学から研究センターとして認定されています(体育学専攻の博士課程があります)。
付属カレッジ(正式名称はGordhandas Seksaria Colledge of Yoga & Cultural Synthesisと長い)は1950年に開校、すでに60年の歴史があり、「ヨーガ」の分野に有意な人材を輩出して来ました。
付属カレッジのディプロマ・コース(1学年間)は、インド中央政府の人的資源開発省の教員教育全国審議会「National Council for Teacher Education (NCTE)」の認定を受けています。
また、付属カレッジは、人的資源開発省の「National Institute of Open Schooling (NIOS)」から「ヨーガ」の「サティフィケート・コース」を運営するスタディ・センターとして認定されています。
そのため、6週間コース(サティフィケート・コース)を受講するためにも、外国人は学生ビザの取得が義務付けられています。
1950年の付属カレッジの開校以来、現在までの日本人の修了生は
・「ディプロマ・コース」が14名
・「サティフィケート・コース」が約30名
・「4週間上級コース」が2名
です。
6週間コース(CCY)について
6週間コース(CCY)のページ
→ http://www.kdham.com/coll_ccyhtml
Certificate Courses in Yoga (CCY)
Six weeks : Twice a year, January-February & May-June
コースの目的:
ベーシックで体系的な「ヨーガ」の理論と実習を紹介すること。
コースの期間:
6週間で年2回開講
・1月15日ー2月25日(12月31日願書締切)
・5月 2日ー6月11日( 3月31日 〃 )
コースの性格:
合宿制の集中コース。コース中はキャンパス外の外泊不可。健康上の問題がある者は受講不可。コース中でも医学的診断により継続が不適切と判断された場合中断。
コースの受講資格:
高卒以上で英語での授業を受けれる英語力必要。外国人は学生ビザを取得。
コース受講の優先権:.
体育教育の教員免許保持者。州政府の公務員、及び中央・州政府認定の教育機関に勤務する者。
コース受講の年齢制限と健康状態:
年齢制限45歳まで(外国人は年齢制限免除)、35歳以上の志望者は審査後受講許可を考慮。受講願書と共に医師からの健康診断書提出。
コースの受講料:
・インド国籍 9000ルピー
・外国国籍 1000ドル
(コース途中で中断した場合も、受講料の返還なし)。
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インドでの研修プログラムや、短期・長期のヨーガ留学について関心ある方は、どうぞ、ご相談下さい。適切なガイダンスとサポートが可能です。
「カイヴァリヤダーマ」のオフィスとの調整や、最寄りのムンバイ空港への送迎の手配、また、日本語ガイドの手配も可能です。
お問い合わせは「コメント欄」をご利用下さい。
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総括フィードバックの項目
「K.K.」さんには、次の項目で、修了試験の内容をレポート中心に、総括フィードバックをお願いしました。
I.修了試験・理論編
1)ヨーガと体育教育(Physical Education/Teaching Method)
2)人体の構造と機能(Anatomy & Physiology)
3)伝統的ヨーガ(Traditional Yoga)
4)ヨーガと価値教育(Value Education)
5)ヨーガと心の健康(Mental Health)
6)指導法(Teaching Methods for Yogic Practice)
7)口答試験(Viva-voce)
II.修了試験・実技編
III.教育実習(Teaching Lesson)
IV.総括編
①『カイヴァリヤダーマ』の6週間コースを受講する価値はあったか
②ロナウラの総合的な学習環境はどうであったか
③6週間コースで消化したことはどう役立つか
④今後のヨーガに対する展望
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
『カイヴァリヤダーマ研究所・付属カレッジ』
夏期6週間(CCY)コース2010・総括レポート③ (K.K.さん)
相方 宏、秀子先生 このたびは、大変お世話になりました。ありがとうございます。
帰国して一ヶ月が経過しました。
帰国後、周りから、「お疲れさま」「ご苦労様」と声をかけてもらうと、その言葉の重さに少し、ジーンと目頭があつくなります。大変な留学でしたが、反面すばらしい学びを得ることが出来ました。
皆さんのレポートや先生のメールを読んでいて、6週間集中コース(CCY) は1月15日ー2月24日の日程が、生徒の人数も少なく、インドの環境も過ごしやすいのかと読んでいましたが、今回、あえて、5月2日ー6月11日の日程を選んだのは、結果として私が求めていたものをインドは与えてくれたように、今回の旅を終えて感じます。
4月後半から始まった今回の旅の前半は、40度近い気温、なれない水や食事にやられて、熱中症、下痢にという「身体に苦しみ」。
中間は、CCYコースの日程がきつく、また、英語の聞き取りの問題もあり、うまく、理解できない、そして最後の試験に対する不安という「心の苦しみ」 。
後半は、カルマの法則「魂」で苦しみました。
二ヶ月という日程で、胎内くぐりというか、足の先から頭のてっぺんまで、リセット、クリヤーをした気分です。
インドの4月末の暑さと下痢で体重が最終的には10キロ落ちました。58キロ。高校一年生の時の体重です。
帰国後は、身体も軽くなり、原点にもどり、実践していく毎日です。
相方先生、日本語通訳のラトールさん、J.K.トラベルのククジさん、カイヴァリヤダーマのスタッフの方々、皆様のお力をかりて、無事に日本に戻る事ができました。ありがとうございます。
後半、私の身に起こったカルマの法則にて私が動揺しているときに、J.K.トラベルのククジが「ここにはヒロシがいるからNO PROBLEMだ」と言われたときには、「ヒロシさんは、タイ、バンコクに行っちゃったけど、ヒロシさんの魂はロナウラにいるということだな。」と思いながらも感動、安心しました。
相方先生ご夫妻のインドでの活動に本当に驚くとともに、感謝申し上げます。
1)場所と環境
①ロナウラという環境と研究所の施設
喧騒な外の世界から、ゲートをくぐると静寂な環境に、呼吸も深く、安心する自分がいました。学ぶということにおいては理想的な施設だと感じました。
②ゲスト・ルーム
もう一人の男性日本人とのシェアーでした。水、お湯もしっかりと出て、停電になっても、すぐに復旧し、問題ありません。ドアの下に隙間があり、蚊はいつも入ってきます。
③ダイニング・ホールでの食事
時折、辛いスープなどが出ましたが、全般的に味はマイルドで食べやすい内容でした。滞在中はあまり、他の食べ物を食べなかったのですが、オナラがまったくでない十分に消化できた状態でした。
④スタッフの対応
穏やかな、清潔感のある対応をしていただきました。
⑤キャンパス内の生活
ヨーガを学んでいく環境をつくりだしている印象です。
2)付属カレッジの授業について
①実習クラス(プラクティス)
毎日、朝、夕と決まった時間に、同じプラクティスを継続して行う大切さを学びました。自分のリズムで一生行っていく大切さを発見しました。 男性、女性、それぞれ分かれてのクラスでした。
②講義の内容
各教科のシラバスにおいてのヨーガの解釈、意味、方法、実践など、インド的な思考、方法を少し理解できたように思います。
日本人として、外国のモノを扱うときには、その文化の思考、方法を学んで、それを理解した上で、どのように理解を深め、実践していくのかを十分に熟考する必要があると感じました。
③講師陣の印象
ヨーガに取り組む姿勢、ヨーガに対する愛、クヴァラヤナンダに対する尊敬を感じさせてくれる講師陣でした。
④他の受講生(インド人・外国人)
約80名のクラスメイトで8割がインド人。外国人は合計9名。ヨーロッパ人女性3名、男性2名、オーストラリア人女性1名、台湾人女性1名、日本人男性2名でした。年齢は幅広く17歳から50、60代のオーストラリア人 でした。
⑤授業時間以外の過し方
日曜日は、マーケットに行き、買い物をしたり、ネットcafeにいったりしていました。 気分転換に近くのホテルで外国人グループで昼食にいったりもしました。
3)修了試験について
【理論編】
1)ヨーガと体育教育(Physical Education/Teaching Method)
【概要】
①ヨーガと体育教育のコンセプト
(Concepts of Yoga and Physical Education.)
②ヨーガと体育教育の目的と目標
(Aims and Objectives of Yoga and Physical Education.)
③ヨーガと体育教育の共通基盤としての教育
(Education as a common ground of Yoga and Physical Educatin.)
④ヨーガと体育教育の意味
(Means of Yoga and Physical Education.)
⑤体育教育における運動のコンセプトとヨーガの実習の比較(Concept of Exercise in Physical Education and its comparison with Yogic Practices.)
⑥ヨーガで取り組まれている人格の統合問題
(Problem of Integration of personarity tackled in Yoga.)
⑦体育教育におけるヨーガの応用
(Application of Yoga in Physical Education.)
⑧体育教育におけるヨーガの技法の有用性
(Utility of Yoga Techniques in Physical Education.)
⑨最大効果を得るためのヨーガと体育教育の連携
(Co-ordination of Yoga and Physical Education for maximum benefit.)
【試験問題】
回答方法は、Q1を含む計4問に答える形式でした。
Q1.ヨーガはどのように誤解されているか?あなたにとってヨーガの本当の意味とは何か?
(How is Yoga misconceived ? What is the real meaning of Yoga according to you ?)
Q2.WHO世界保険機関による健康の定義をかけ。健康な人の重要な特徴とは何か?
(Define Health as given by W.H.O. What are the salient characteristics of a healthy person?)
Q3.チッタ・ヴィックシェーパとは何か?詳しく説明せよ。
(What are the Chitta Vikshepas ? Explain them in detail.)
Q4.ヨーガの練習とそれ以外の練習と比較せよ。
(Compare the Yogic Practices with Non Yogic Exercise.)
Q5.体育教育とスポーツへのヨーガの貢献について小論を書け。
(Write a short essay on Contribution of Yoga to Physical Education and Sports.)
Q6.一般の人々にとってのYogabhyasaの有効性を議論せよ。
(Utility of Yogabhyasa for common people. Discuss it.)
Q7.次のどれか3つについて完結に説明せよ
(Write a short notes on ANY THREE of the following:)
A)アーサナ(Asana)
B)プラーナヤーマ(Pranayama)
C)サマーディ(Samadhi)
D)体育教育の定義(Definition of Physical Education)
【感想】
独特のテンションで生徒に興味を持たせながら授業を行う先生でした。インド人の生徒はミスタービーンとあだ名を付けていました。
体育教育とヨーガが教科ですが、『ヨーガス・スートラ』における「人間の心身的構造疲労」など、古典的な内容が時折、出てきました。
また、パワーポイントを写すプロジェクターがうまく動かず、黒板のみでの授業もありました。その際、黒板に書く、先生の英語が読めず、苦労しました。
体育教育とヨーガという近いようで遠いようなお互いの位置をつかむのに苦労しました。
3週間ほどが過ぎることころから、それぞれの教科も大切なのですが、その教師がヨーガについてどのような理解をしているのかを理解するのが、授業を理解する上で必要だと感じました。
2)人体の構造と機能(Anatomy & Physiology)
【概要】
①人体と組織について、特に呼吸器系、消化器系、筋肉系、神経系を参照しての概論
(Introduction to Human Body and Systems in brief with special reference to Respiratory, Digestive, Muscular and Nervous Systems.)
②アーサナ:定義と分類、アーサナと運動(エクササイズ)の類似点と相違点
(Asana - Definition and Classification, Similarities and dissimilarities between Asana and Exercise.)
③ アーサナにおける姿勢の生理学
(Postural Physiology with reference to Asana.)
④プラーナーヤーマ:定義と分類、プラーナーヤーマと深呼吸の違い。レーチャカ、クンバカ、プーラカの重要性
(Pranayama - Definition and Classification. Difference between Pranayama and Deep Breathing. Importance of Rechaka, Kumbhaka, Puraka.)
⑤クリヤ、ムドラー、バンダの概論
(Introduction to Kriyas, Mudras and Bandhas in brief.)
⑥ ③-⑤の項目は、解剖・生理学との関連で、適切な研究例を引用して説明される(Points 3,4 and 5 above are to be explained in relation to Anatomy and Physiology with some suitable examples of researches on these Practices 3,4,5)
【試験問題】
Q1.呼吸器系の構造と機能を説明せよ。カパーラバティのメカニズムを説明せよ。
(Name the main parts of respiratory system with the help of a diagram and explain the process of ventilation in details.Describe the mechanism of Kapalabhati.)
Q2.消化器系の構造を説明せよ。アーユルヴェーダ、現代科学からみたダイエットの概念を説明せよ。消化器系に影響を与えるアーサナを三つ説明せよ。 (Describe the process of digestion. Explain the concept of diet in view of Yoga,Ayurveda and Modern Science.Explain any three asanas which work on digestive system.)
Q3.伝統的、科学的視点よりアーサナの概念を説明せよ。異なったアーサナの種類を説明せよ。
(Explain the concept of asana through traditional & scientific views.Describe different types of asanas with examples.)
Q4.シュッディクリヤーを定義、メカニズム説明せよ。ネーティクリヤーの種類、重要性、制限を説明せよ。
(Define Shuddhikriya.Explain the mechanism,types importance and limitations of Neti Kriya in detail.)
Q5.生理学的、心理的なレベルでのプラーナヤーマの効果を説明せよ。種類を説明せよ。
(Explain the effect of Pranayama on Physiological & psychological levels. Describe its various types.)
Q6.次のどれか5つについて意味を書け(Write notes on any five of the following.)
a.パーワナムクタアーサナ(Pawana muktasana)
b.パンチャコーシャ(Pancha kosher)
c.ナーディの定義(Concept of Nadi)
d.ウディヤナバンダ(Uddiyana Bandha )
e.プラーナのコンセプト(Concept of Prana)
【感想】
身体の組織、器官の構造や機能についての英単語が授業のはじめから、終わりまで、流れていきます。いったん乗り遅れると、何を言っているのか。どこにいるのか。現在位置がつかめなくなります。
ただし、冷静になって、一つ単語をつかみ、地に足をつけると、何となく、何を言っているのか理解が可能でした。
アーサナ、プラーナヤーマ、シュッディクリヤーが身体に与える目的、影響を理解することは、日頃の実践での確実な知識、目的を明確に持てます。また、効果を確認できることで自信なりました。
3)伝統的ヨーガ(Traditional Yoga)
【概要】
主な書籍は、チャランダーサ著の「アシュターンガ・ヨーガ」。 「ヨーガ・スートラ」、「ギーター」、「ハタ・プラディーピカー」、「ゲーランダ・サンヒター」、「ヨーガ・ウパニシャッド」、「シヴァ・スヴァロダーヤ」、ヴァシスタ・サンヒータ etc.を参照。
(The main book is Astangayoga of Charandas, with reference to Yoga Sutra, Gita, Hathapradipika, Gheranda Samhita, Yogopanishad, Shiva Swarodaya, Vasistha Samhita etc. )
ヨーガの紹介と定義:パタンジャリ、ギーター、スヴァートーマラーマ、ゲーランダ、チャランダーサ etc
(Introduction, Definition of Yoga according to Patanjali, Gita, Swatmarama, Gheranda, Charandas etc.)
ヴァシスタ・サンヒターよる身体の活性化ポイント
(Vital points of the body according to Vasistha Samhita. )
シヴァ・スヴァロダーヤによるパンチーカラナ・プラクリア
(Panchikarana prakriya (mixing technique) according to Shiva Swarodaya.)
サンヤマ、ヤマ(Samyama, Yama.)
ニヤマ、アーサナ(Niyama, Asana.)
ヴァーユ、ナーディ、プラーナーヤーマ(Vayu, Nadi, Pranayama.)
8種類のクンバカ(Eight types of Kumbhakas.)
クンダリーニの覚醒(Awakening of the Kundalini.)
ナーダ、ムードラ、バンダ、チャクラ(Nada, Mudra, Bandha, Chakra.)
プラーティヤハーラ、ダーラナ(Pratyahara, Dharana.)
ディヤーナ、サマーディ(Dhyana, Samadhi.)
シャット・カルマ(Satkarma.)
マハー・バンダ(Mahabandha.)
ムドラーとバンダの効果(Effects of Mudra and Bandha.)
シッディ(Siddhis)
【試験問題】
Q1.スワーミー・チャランダースによって論じられた「サンヤマ」についてあなたが理解したことを書け
(What do you understand by Samyama described in Ashtangayoga of Swam Charandasji?Write in detail.)
Q2.ヤマとニヤマの定義を書け。スワーミー・チャランダースによるヤマについて述べよ。
(What is the concept of Yama and Niyama? Write Yamas as described by Swami Charandasji.)
Q3.アーサナの定義を議論せよ。スワーミー・チャランダースによるシッダアーサナのテクニックと利益を述べよ。
(Discuss the definitions of Asana and write the Technique and Benefit of Siddhasana according to Swami Charandasji.)
Q4.プラーナヤーマによって何を理解したか?スワーミー・チャランダースによる3つのクンバカのテクニックを書け。
(What do you understand by Pranayama? Write techniques of any three Kumbhakas according to Swami Charandasji.)
Q5.スワーミー・チャランダースによるダーラナかミタハラについて議論せよ。
(Discuss Dharana or Mitahara according to Swami Charandasji.)
Q6.スワーミー・チャランダースによるディヤーナのテクニックを述べよ。
(Describe the techniques of Dhyana according to Swami Charandasji.)
Q7.次のどれか2つの意味を完結に説明せよ
(Write short notes on any two)
a)チャクラ(Chakras)
b)ナーディ(Nadi)
c)ヴァーユ(Vayu)
d)サマーティ(Samadhi)
【感想】
「スワーミー・チャランダース」が書いた「アシュターンガ・ヨーガ」というテキストを学びます。
ヤマ•ニヤマがそれぞれ10項目づつあり、覚えるのが大変でしたが、内容はとても分かりやすく、日々の実践において、念頭におきやすい言葉です。
また、プラーナ、ナーディ、チャクラ、バンダ、などのが順をおって説明されているので、ヨーガにおける基礎的な常識の理解が深まりました。
特にディヤーナの章(ASTANGA YOGA,p39)、Padastha Dhyanaはクンバカもしくは、オームカールで瞑想する、とあり、次は、Pindastha Dhyana、Your body is a replica of the Almighty Brahma(おまえの身体は全能の神ブラフマンのレプリカだ!)という文章にぶつかったとき、なるほど!ここからは仏教のヴィパッサナー瞑想か、と方向性の確認ができました。
初心者でも理解の出来る、読めば読むほど、味がでてくる文献です。
4)ヨーガと価値教育(Value Education)
【概要】
①価値の意味Meaning of Value ):
a.コンセプトの基礎理解(The basic understanding of the concept.)
b.価値の分類(Classifiation of Values.)
c.人生における価値の重大性(Significanece of Values in Life.)
②価値教育(Value Education):
a.価値教育の意味(Meaning of Value Education)
b.価値教育の目的(Objectives of Value Education)
③価値教育の内容(Content of Value Education) a.精神的な価値(Spiritual Values)
b.個人的な価値(Personal Values)
c.社会的な価値(Social Values)
d.ヨーガ的な価値(Yogic Values)
【試験問題】
Q1.価値とは何か?もしくは価値の分類について説明せよ。
(What do you understand by Value? or explain classification of values)
Q2.「プルシャ・アルタ」と「パンチャ・コーシャ」を手引きにして、古典的インド思想で理解されている価値の性質と重要性について説明せよ。 もしくは、現代における価値教育の必要性を書け。
(Purushartha and Panchakosha concepts throw light on the nature and status of Values as understood by ancient Indian Philosophers. Discuss.or Write an essay on Need of Value Education in Modern Times.)
Q3.価値教育の目的を論ぜよ。
(Discuss the nature and aim of Value Education.)
Q4.以下より二つ書け(Write short notes on any two)
a)人生においての価値の重要性(Significance of Value in man's life).
b)価値教育としてのヨーガ(Yoga itself is a form of Value education).
c)価値教育での先生の役割(Role of Teacher in Value Education).
【感想】
配布された資料を元に授業が進みましたが、英文の内容が難しく、また、講師の授業の展開も予想が出来ず、進行、内容を理解するのが難しい授業でした。現
代において価値を考察することは、とても重要なことだと感じました。
5)ヨーガと心の健康(Mental Health)
【概要】
①健康、心の健康、衛生、精神衛生:ヨーガと医学上の視点 (Health, Mental Health, Hygiene, Mental Hygiene : Yogic and Medical perspectives.)
②ヨーガと現代心理学:実存的問題への統合的なアプローチ (Yoga and Modern psychology : A synthetic approach for existential problems.)
③正常性のコンセプト:心理学とヨーガのアプローチ
(Concept of Normality : Psychological and Yogic approaches.)
④感情障害:パタンジャリ・ヨーガ・スートラにおける原因と結果、改善方法 (Emotional Disorders : Causes, effects and remedies in Patanjala Yoga Sutra.)
⑤葛藤、欲求不満:ヨーガ的改善方法
(Conflict, Frustration : Yogic Remedies.)
⑥ヨーガを通じた個人と対人関係の調整
(Personal and interpersonal Adjustments through Yoga.)
⑦ヤマ、ニヤマ、アーサナ、プラーナーヤーマ:身体的・心理的な健康への貢献 (Yamas, Niyamas, Asanas and Pranayamas - their contribution to Physical and Mental Health.)
⑧祈り:ヨーガの実践における意味
( Prayer - its significance in Yogic Practices.)
【試験問題】
Q1.心理学用語でヨーガの定義とは何か?心理学用語でのヨーガの理解においての利点と限界は何か?
(Define and explain Yoga in psychological terms.What are the advantages and limitations in understanding yoga through psychology?)
Q2.ヨーガにおける正常性について異なった正常性についてのモデルと比較しながら説明せよ。
(Evaluate the concept of Normality in yoga ,in the context of different theories and models of Normality.)
Q3.「パタンジャリ・ヨーガ・スートラ」から推論される実存的機能障害の起源と、関連する改善法は何か?
(Elucidate the root causes of existential disorders,as well as,remedies on these disorders ,as inferred from Patanjala Yoga Sutra)
Q4.次のどれか3つの意味を説明せよ(Write shorts notes on any three)
1.ヨーガの正常性(Normality in Yoga)
2.バガヴァット・ギーターに於けるヨーガの性質
(The Nature of Yoga in Bhagwat Gita)
3.「ラグー・ヨーガ・ヴァシスタ」における病気について (Laghu Yoga Vasistha on diseases)
4.調整におけるヤマとニヤマの重要性(Imporance of Yamas and Niyamas in Adjustment)
5.(Yoga is not limited to mental Health.)
Q5.調整とは何か?ヨーガの実践がどのように調整に役立つか? (What is Adjustment ? How do yogic practices help achieve a better Adjustment ? Explain fully.)
Q6.欲求不満とは何か?欲求不満に対応する上で、どのようにヨーガの方法は通常の手法と異なるのか?
(What is Frustration ?write in detail as to how different yoga practices help tackle frustration effectively.)
Q7.「祈り」とは何か?祈りの主な種類は何か?ヨーガ実践者に祈りはどのように役に立つのか?
(What is "Prayer" ? What are the its main types ? How does prayer help a Yoga Sadhaka ?Explain fully.)
【感想】
講義の内容で、欲求不満の種類で、攻撃、投影、合理化、昇華、退行、現実逃避とありました。
「試験に追われて、抹茶と豆大福が食べたい」とホームシックにかかる自分を心理的に分析して、これは、「現実逃避」だな、とか、外人の生徒とお茶を飲みながら、「大学の運営や授業の内容に不満」が出ると、これは、「投影」だなと、分析しながら楽しみました。
6)指導法(Teaching Methods for Yogic Practice)
【概要】
①概論:実践授業とヨーガの実践においてそれを活用することの必要性 (Introduction : Need of Practice Teaching and its use in Yogic Practices.)
②ヨーガの実践授業を伴う科学原理
(Scientific principles involving Yogic practice teaching.)
③実演の技法:その意味
(Presentation Technique : Its meaning.)
④授業補助物:その意味と必要性
(Teaching Aids : Its meaning and need.)
⑤クラス・アレンジメント:その意味と必要性
(Class Management : Its meaning and need.)
⑥レッスン・プラン:意味と必要性
(Lesson Plan : Meaning and need.)
⑦ヨーガの実践におけるレッスン・プランの準備
(Preparation of Lesson Plan in Yogic practices.)
⑧異なるヨーガ・レッスン・プランにおける時間配分
(Time allotment in different Yogic lesson plans.)
⑨レッスン実演
(Lesson Presentation.)
【試験問題】
Q1.アーサナとエクササイズの違いを説明せよ。
(Explain the difference between Asana & Exercises)
Q2.ヨーガを教えるにあたって、どのような科学的な法則を先生は知っておくべきか?
(What are the scientific principles that a teacher must know while teaching Yoga.)
Q3.50名の生徒をどのような指導方法でマネージメントするか?また、その根拠を書け。
(What are the teaching methods you will follow if you have to handle a class of 50 members and why)
Q4.レッスンプランの意義を書け。ヨーガを指導するにおいてなぜ必要か?具体的に20分においての指導方法を書け。
(What do you mean by Lesson Plan? Why is it necessary for a Yoga teacher?Describe the time allotment system in a lesson plan to teach Yoga for 20 minutes duration.)
Q5.効果的なクラスマネージメントを定義せよ。どのような種類のクラスマネージメントがあるか?必要性と理由を述べよ。
(Define Class Management for an effective learning.What kind of class management will be necessary & why)
Q6.以下より二つ書け。
(Compulsory Question Write short notes on any two only)
a.プラーナヤーマ(Pranayama)
b.評価(Evaluation)
c.ヨーガ指導者の性格(yoga teacher's Personality)
Q7.重要なポイントと利益を以下より2つ選んでかけ。
(Write the salient points & benefits of any two of the following Yoga practices.)
a.カパーラバーティ(Kapalabhati)
b.アヌロマヴィロマプラーナヤーマ(Anuloma Viloma Pranayama)
c.ブージャンガアーサナ(Bhujangasana)
Q8.ヨーガは人格の統合のプロセスである。説明せよ。
(Yoga is a process of integration of personality explain)
【感想】
ヨーガ指導方法の授業とは何を学ぶのかと受ける前は疑問に思っていました。私自身、どのように伝えるかということに関して、興味があまりありませんでした。
しかし、教科書的に、指導方法の種類、講義式、インストラクション&返答、個人的、グループなど具体的な型をならうことで、整理の出来ていなかった、指導について、客観的に理解が深まりました。
また、
先生の定義:方法、手順を教える、指し示す
(A person who directs the process)、
生徒の定義:彼自身の行動によって、彼自身を調整する(統合する)
(A process of adjustment through action)、
環境:理解の方向に向かって導かれるようなクラスの状態 (class or situation in which the whole process is conducted)
など、基礎的な定義を理解することで、どのように説くのか、習うのかが確認できました。
7)口答試験(Viva-voce)
【質問の内容】
・カイヴァリヤダーマでCCYを受ける目的
・どこから来たのか?職業は?
・プーラカとは?
・ヨーガの背景の哲学は何か?
【感想】
試験官の先生は3名でした。私はboyクラスの一番だったのですが、雰囲気も和やかで、1分もかからず終了しました。
II.修了試験・実技編
【ヨーガの実践リスト(List of Yogic Practices)】
1. パワナムクタ・アーサナ(Pawanmuktasana)
2. ナウカ・アーサナ(Naukasana)
3. ヴィッパリタ・カラニー(Viparitakarani)
4. サルヴァーンガ・アーサナ(Sarvangasana)
5. マツヤ・アーサナ(Matsyasana)
6. ハラ・アーサナ( Halasana)
7. ブージャンガ・アーサナ(Bhujangasana)
8. アルダ・シャラバ・アーサナ(Ardha Shalabhasana)
9. シャラバ・アーサナ(Shalabhasana)
10. ダヌラ・アーサナ(Dhanurasana)
11. バカ・アーサナ(Vakrasana)
12. アルダ・マッチェーンドラ・アーサナ(Ardha Matsyendrasana)
13. パスチモッターナ・アーサナ(Paschimotanasana)
14. ヴァジュラ・アーサナ(Vajrasana)
15. スプタ・ヴァジュラ・アーサナ(Supta Vajrasana)
16. ヨーガ・ムードラ(Yoga Mudra)
17. ウッカタ・アーサナ(Utkatasana)
18. チャクラ・アーサナ(Chakrasana)
19. ヴリクシャ・アーサナ(Vrikshasana)
20. ウディヤーナ・バンダ(Uddiyana Bandha)
21. カパーラバーディ(Kapalbhati)
22. アヌロマ・ヴィロマ(Anuloma Viloma)
23. ウジャーイー(Ujjayi)
24. シャヴァ・アーサナ(Shavasana)
25. マッカラ・アーサナ(Makarasana)
26. タダ・アーサナ(Tadasana)
27. パーダハスタ・アーサナ(Padahastasana)
28. パールヴァタ・アーサナ(Parvatasana)
29. ゴームカ・アーサナ(Gomukhasana)
30. アカルナ・ダヌラ・アーサナ(Akarna Dhanurasana)
31. シンハ・ムドラー、ブラフマ・ムドラー及び幾つかのクリア(Simhamudra, Brahmamudra & Selected Kriyas)
32. マントラ & オームの暗唱(Recitaion of few Mantras & Om )
【感想】
約40名のboyクラスを6グループにわけて、順番に指定されたアーサナを行うというものでした。最後に一人ずつウディヤナバンダのテストがありました。
III.教育実習(Teaching Lesson)
課題:ハラアーサナ
時間:20分
【指導方法】
最初にヨーガとは? アーサナとは? の説明
↓
マントラ
↓
チャートを使って、ポーズの利点、注意点を説明
↓
モデルを使って、ポーズの流れを説明
↓
セルフ・プラクテイス(インストラクションなしで各自練習)
↓
グループ・レッスン(インストラクションに合わせて動く)
↓
質疑応答
↓
OMマントラ
↓
クロージング
【感想】
一つのアーサナを20分かけて約20名の生徒にたいしてクラスを行います。アーサナについての方法、利益、注意、個人練習、グループ練習などを説明します。
黒板を使ったり、パソコンを使ったり、選挙演説のように熱弁をするインド人(自分が指定されたアーサナを出来なくてもアーサナについての知識を完全に暗記し、堂々と講義するインド人は見事でした)がいたりと様々でした。
それぞれのアーサナが生理学的、心理的、精神的に目的が違う事。それらを理解する為に一つ一つのアーサナを分析、発表することがとても重要なことだと理解できました。
lV.総括編
①『カイヴァリヤダーマ』の6週間コースを受講する価値はあったか
知識を理解す、ということに目覚めました!
親しかったクラスメートは17歳。私と20歳違います。彼と一緒に授業を受けていて、とても刺激になりました。
彼らは、授業に集中しており、先生の問いかけに、大きな声で答えを返します。疑問があれば、先生の話をさえぎり、質問をします。授業の中で、頭に書き込んでいるといった印象です。
私の17歳の頃を思うと先生の言ったこと、黒板の内容をコピー。ノートにペースト。試験でペーストでした。試験の回答方法は論文形式なので、ペーストではかけません。
インド人のような頭を使おうと、しばらく、シルシアーサナをして、頭を逆さまにしていました。
②ロナウラの総合的な学習環境はどうであったか
知識を学ぶことが目的という、プログラムが組まれています。
食べるのが目的もでなく、遺跡を見るのが目的でもなく、ヨーガの知識の獲得。これに向けての環境が整っています。
痩せて一つ発見。アーサナが出来るようになりました。がむしゃらにいくらやってもダメなのですね。
③6週間コースで消化したことはどう役立つか
消化不良を起こさないよう、じっくりと消化していきます。今まで自分が、ヨーガと向き合っていなかったことを発見しました。
自分自身の実践の大切さ。実践にて吸収でき、身体全身にめぐらせ、快便できるよう心がけています。
④今後のヨーガに対する展望
「ヨーガを実践する」を心がけます。
日本にもあったんだけど、見えなくなっている精神性をヨーガに求めている(依存している)と気づきました。
精神性をヨーガに求めるのではなく、日本において、見えなくなっているものが何なのか?
それらの中身を現在において、もう一度、考察をし、問題がある点は、あらためて、問題がない、すばらしい点はさらに、発展できるよう、実践したいと考えております。
5)その他
①プネー訪問
5月1日(土)に、相方先生にプネーを案内していただきました。小さな町、ロナウラとは違う、大都会に驚きました。
②ロナウラ・ヨーガ研究所訪問
真摯に文献の研究を行っている姿に感動するとともに、ヨーガに関わっている人は、本当にヨーガを愛していると感じました。
③ウルリカンチャンの自然療法アシュラム
カイヴァリヤダーマの環境と対極のような雰囲気を持つ施設でした。
また、カイヴァリヤダーマの食堂で会うインド人は、どこか、ホリデー気分が見受けられましたが、自然療法アシュラムでは、「自分で直す」という意気込みが伝わってきました。
④インド全般の印象etc.
生きのこっていくには、厳しい環境だと、ひしひしと感じました。そのような環境でうまれたのが、「インド人」で、「ヨーガ」であり、「仏教」なのかと納得しました。
「インドは自分が求めているものを与える」という「カルマの法則」も十二分に体験しました。
留学中、相方先生と電話やスカイプで、話をする機会がありましたが、その始めは「どうですか?サバイブしてますか?」まさに、この「生き残り」がぴったりの厳しい環境でした。
最後になりましたが、 今回の留学において、相方先生ご夫妻を始め、日本語通訳のラトールさん、J.K.トラベルのククジさん、カイヴァリヤダーマのスタッフの方々、皆様に大変にお世話になりました。
感謝申し上げます。
ありがとうございました。
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