【参加者の方のフィードバック・シリーズ⑤】
日程:2010年6月4日(金)-16日(水)
会場:穂高養生園(長野県安曇野市穂高 → http://www.yojoen.com/ )
主題:伝統的ヨーガ・強化プロジェクト
一昨年、昨年に続き、長野の『穂高養生園』で合宿セミナー・シリーズ「穂高編2010」が、次の4つのプログラムで実施されました。
①6月 4日(金)- 6日(日):養生園主催「一般向けプログラム」
②6月 7日(月)- 9日(水):森の家「プラーナーヤーマ専攻」
③6月11日(金)-13日(日):森の家「ヨーガ・スートラ特講」
④6月14日(月)-16日(水):森の家「ハタ・ヨーガ総論」
共通する主題は「伝統的ヨーガ・強化プロジェクト」でした。インドの伝統的なヨーガのリソースに基づいた「ヨーガ」の理論・方法論・技術論についての理解を深めて行くことが一貫したテーマでした。
今年は延べ68名の参加者がありました(複数参加された方も含めて)。
参加者の方からお寄せ頂いた「フィードバック」を、8回のシリーズで掲載させて頂いています。参加者のみなさんには次の項目でフィードバックをお願いしました。
1)「穂高養生園」の環境と施設
①穂高の環境と養生園の施設
②宿泊室とホール(森の家・新森の家)
③ダイニングでの食事
④合宿セミナーの運営全般とスタッフの対応
2)講義と実習について
①講義の内容について
②実習について
③参加されて有益であった点
④やや物足りなく思われた点
⑤今後期待されるプログラム
今回は、
①6月11日(金)-613日(日):「一般向けプログラム」に参加された、豊島区在住の「KH.」さん(女性)からのフィードバックです。
●「伝統的ヨーガ・強化プロジェクト」
わたしたちの活動テーマは、「ヨーガ」の伝統的側面の強化です。その方向で、バンコクでも、日本でも、ソウルでも、活動の方向性が組み立てられています。
「ヨーガ」のルーツはインドの精神文化に伝承されて来た心身統合の方法論にあります。1920年代に「ヨーガ」の学術的な研究がマハーラーシュトラ州のロナウラの「カイヴァリヤダーマ研究所」で着手されたことで、一般社会の医療・教育分野に、サイエンスとしての「ヨーガ」が浸透して行く近代化のプロセスが始まりました。
1960年代以降、「ヨーガ」はインド発の健康法の一種として、諸外国にも広く伝搬されて行きました。日本では一時停滞期がありましたが、近年、再び「ヨーガ・ブーム」と呼べる時期が到来しているようです。
日本でも、今後も健全な「ヨーガ」の活動が発展して行くことで、一時の流行ではなく、ライフ・ワーク的に「ヨーガ」のプラス面を享受する人々が増るのは望ましいことに思えます。
そのためには、伝統的リソースに基づいた、ニュートラルで学術的な「ヨーガ」の知識の強化が不可欠になるでしょう。そして、それは、ロナウラに蓄積されて来た「ヨーガ」のリソースにアプローチして行くことで、効率よく追求して行くこと可能です。今後、「伝統的ヨーガ・強化プロジェクト」として、次のようなモジュールによる学習プログラムを強化して行く予定です。
・「ヨーガの歴史的背景」
・「ヨーガの基礎理論」
・「アーサナ考察」
・「プラーナーヤーマ専攻」
・「ヨーガ・スートラ特講」
・「ハタ・ヨーガ総論」
・「ハタ・ヨーガ各論」
・「瞑想理論(Vipassanaとの関連)」
etc
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穂高編2010・フィ-ドバック・シリーズ⑤
「K.H.」さん(東京在住)
【プロフィール】
①住んでいるところ
東京都豊島区
②現在されていること(仕事etc.)、今までにされて来たこと
ヨーガ講師、主婦、 ヴィヴェーカーナンダについての研究(上智大学アジア文化研究所にて)
③特に関心の深いこと、特技・趣味やライフワーク
ヨーガに関しては、その実践・教育・研究の今後について関心が あります。また、ヒンドゥー教復興についても研究を進めて いきたいと考えています。
④ヨーガ歴・ヨーガを始めたきっかけ
ヨーガ歴は20年程。 母が更年期のため体調が思わしくなく、ヨーガを習い始めたところ、 だんだん体調が良くなり生き生きしていった様子を見て、 学生時代に取り組み始めました。
⑤今後のヨーガへの展望や希望
ヨーガの実技と理論及びその関連領域 (インド思想・生理学・心理学等)をバランスよく学べる場が もっと増えることを期待しております。
【フィードバック】
1)「穂高養生園」の環境と施設
①穂高の環境と養生園の施設
温泉もあり、ログハウス風の施設は快適だと思います。 でも、猿が現れたりして、やはりここは奥深い自然なのだな、 と再認識しました。
②宿泊室とホール(里の家・森の家・木と人カフェホール)
森の家で、部屋をシェアしましたが、快適でした。 木と人カフェホールが完成しており、2階でのご講義が終わると、1階でお茶を飲んで一休み、というのは、いい感じでした。
③食事について
飽きないように、インドのターリー風の献立や、パンが出たりと、 色々工夫して下さっています。味もマイルドで、ヨーガと玄米菜食で、身体の余計な脂肪が 落ちたのが、気持よかったです。
④合宿セミナーの運営全般とスタッフの対応
車の移動など、色々親切に対応していただきました。
2)講義と実習で理解と体験が深まったこと
①講義の内容について
ヒンドゥーや仏教の考え方やヨーガの動向等も含めて、 お話を伺えたのが、大変参考になりました。
長年のインドやタイでのご活躍に基づく、実感のこもった お話は大変興味深く感じます。 (ご講義だけでなく、オフレコ部分もとても面白いです。)
②実習について
秀子先生のインストラクションがとても心地よく感じられました。 クラシックなアーサナも学べ、参考になりました。 ムドラーやバンダの指導のしかたの工夫も勉強になりました。
③「ヨーガ・スートラ」について認識が深まった点
『ヨーガ・スートラ』は心の処方箋とでも言えるような、 味わい深い書物であることを再認識いたしました。
④やや物足りなく思われた点
当方の時間の関係で、最後までご講義を拝聴することができず 残念でした。導入部分の内容が濃く、その分、スートラの重要な
部分以外の解説が、若干飛ばし気味だったようにも感じられました。
『ヨーガ・スートラ』の各部分の関係性について、もう少し理解を 深めたく感じました。
また、『ヨーガ・スートラ』における心や感情等の概念は、 ユングなどの近現代の心理学の理論と比較した場合、 どのように捉えられるか、もう少し自分の中での理解が深まると 良かったかな、と感じました。
⑤ご自分にとって、プログラムに参加したメリットがあったかどうか
覚えていることをもっと確実にする、忘れていたことを再度覚える、 という意味で、基本的な理論をふまえたご講義および実習は、
大変勉強になりました。
⑥今後期待されるプログラム
ヨーガそのものの主題から、多少ずれるかもしれませんが、 カイヴァリヤダーマによるヨーガの科学的研究をふまえた ヨーガの生理学的・心理学的側面の解説や、科学的・哲学的研究の 進展状況等について伺いたいと思います。
ヨーガ復興について、歴史的・社会的側面からのご講義なども 伺いたいと思います。
以上、どうぞよろしくお願い致します。
(この項続く)
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