日時:2010年12月8日(水)ー19日(日)
場所:ピサヌロークの瞑想センター「Dhamma Abha」
→ http://www.abha.dhamma.org/
2010年12月に、仏教瞑想の本場であるタイ王国で、10日間の「ヴィパッサナー(Vipassana)」のコースに参加された方のフィードバック・シリーズです。
インド起源の精神価値体系(仏教を含む)の影響を受けているアジアの国々(日本を含む)の精神性の伝統について取り上げる「アジアの精神性とヨーガ」のシリーズの一部です。
広い意味で、わたしたち日本人はアジアの仏教文化の文脈にいます。そして、仏教とヨーガは切り離すことができない関係です。
従って、インドのヨーガの理解を深める場合にも、平行してアジアのさまざまな仏教の伝統についての教養を深めることが有利になります。
そのことが、インド起源の精神文化の伝統への、より全体的で包括的な洞察を深めることに繋がるでしょう。
昨年12月にタイの「ワンサニット・アシュラム」で実施された10日間の専門コース「ワンサニット2010」の日程は、ピサヌロークにある瞑想センターの10日間コースの日程と組み合わされていました。
・「ワンサニット2010」 :11月27日(土)-12月 8日(水)
・「ヴィパッサナー・ピサヌローク」:12月 8日(水)-12月19日(日)
そして、「ワンサニット2010」に参加された方5名が、引き続き、ピサヌロークで10日間の瞑想コースに参加されました。
以下は、「ワンサニット2010」の後にピサヌロークの「ヴィパッサナー・コース」に参加された「A.K.」さん(東京在住)のフィードバックです。
「A.K.」さんは、次のプログラムに参加されています。
・2009年6月:穂高編2009
・2010年3月:ロナウラ編2010
・2010年12月:ワンサニット2010
・2010年12月:ヴィッパサナー・ピサヌローク
また、ロナウラの「カイヴァリヤダーマ研究所」の付属カレッジにヨーガ留学される準備中です。
● フィードバックの項目
【プロフィール】
①住んでいるところ
②現在されていること(仕事etc.)、今までにされて来たこと
③特に関心の深いこと、特技・趣味やライフワーク
④ヨーガ歴・ヨーガを始めたきっかけ
⑤今後のヨーガへの展望や希望
【フィードバック】
1)瞑想センターの場所と環境
①ピサヌロークの環境
②センターの施設
③泊まる部屋と食事
④スタッフの対応
2)10日間コースについて
①コース中の日課へのコメント
②瞑想コース中に洞察が深まったこと
③瞑想コース中に直面したチャレンジ
④タイで10日間コースに参加した意義があったかどうか
3)ヨーガと瞑想(Vipassana)の関連についての考察
4)タイ全般のご感想など
● タイで本格瞑想修行
上座部仏教国であるタイ王国は、瞑想の本場です。環境と設備が整った瞑想センターが無数にあり、外国人の受け入れ体制も十分です。
期間:日本との移動日を含めて2週間以内
運賃:早めの予約で航空運賃往復5万円以内
費用:ドネーション・システムで常識的参加費
環境:自然充実のセンター、瞑想環境抜群
施設:全室個室、シンプルながら申し分なし
食事:タイ料理の完全菜食
言語:英語とタイ語のバイリンガル、日本語サポート有り
英語に不安のある方でも、日本にもある関連センターで一度予習をして来れば、ほぼ問題なくタイの瞑想センターでの本番に進めるでしょう。
タイでの本格的な瞑想修行に興味のある方は、どうぞ、お気軽にお問い合わせ下さい。 的確なガイダンスと必要なサポートを提供させて頂きます。
● ピサヌロークの瞑想センター
「タイランド・ヴィパッサナー・センター : ダンマ・アバー」
Thailand Vipassana Centre - Dhamma Abha
138 Baan Huayplu,Tambon Kaengsopa, Amphur, Wangthong,
Phitsanulok 65220, Thailand
Website: http://www.abha.dhamma.org/
バンコクから車で5-6時間、中部タイのピサヌロークに位置。
外国人受け入れ体制・日本語サポートもあります。
● プラチンブリの瞑想センター
Thailand Vipassana Centre : Dhamma Kamala
200 Baan Nern-Pasook (Behind Thai-Rath Vitaya 7 School)
Tambol Dong-Kee-Lek, Amphur Muang, Prachinburi 25000, Thailand
Website: www.kamala.dhamma.org
バンコクから車で2時間、プラチンブリという町にあります。外国人受け入れ体制・日本語サポートもあります。
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タイの瞑想センターでヴィパッサナー修行②
東京在住の「A.K.」さん(女性)のフィードバック
日時:2010年12月8日(水)ー19日(日)
場所:ピサヌロークの「ダンマ・アバー」
ひろし先生、ひでこ先生、
こんにちは。
「Dr.M.L.Gharote Memorial Seminar」は充実した内容だったようですね。私もいつか参加してみたいです!
...........
さて、大変遅くなってしまって申し訳ありませんが、昨年12月のヴィパッサナー瞑想体験のフィードバックをさせていただきます。
..........
今度はミャンマー、スリランカなど、他の上座部仏教国でのヴィパッサナーを試してみるのもいいかな、などと考えたりしています。
東京という、多分世界でも1、2を争う時間の流れが速い街にいると、あの10日余りは本当に貴重で贅沢な体験だったな、と思います。
では、以下、ご確認ください。
【プロフィール】
①住んでいるところ
東京都新宿区
②現在されていること(仕事etc.)、今までにされて来たこと
主に演劇の分野で日英の翻訳、通訳をしています。
以前は演劇制作に関わっていました。
③特に関心の深いこと、特技・趣味やライフワーク
ヨーガを始め、仏教、民俗学、歴史、演劇他、多趣味の無趣味で、どれもこれも大成していません…。
旅が好きで、国内海外地域を問わず、機会があればどこへなりとも出かけていきます。
④ヨーガ歴・ヨーガを始めたきっかけ
4~5年でしょうか。
体調を少し崩したときに生活を見直す一環として。
⑤今後のヨーガへの展望や希望
不自然な気負いなく、それぞれが興味の持てる切り口から、きちんと裏付けのあるヨーガを掘り下げることのできる環境が整うといいな、と思います。
【フィードバック】
1)瞑想センターの場所と環境
①ピサヌロークの環境
山があり、緑が多く、季節のせいもあると思いますが、南国の避暑地という感じがしました。
12月がいつもそうなのかはわかりませんが、思いの外寒かったです。雨が降る日も少なくなく、明け方の冷え込みは結構厳しかったです。
タイ人の参加者は、みんな毛糸の帽子を被ったり、中には手袋をしている人も!
私も荷物の奥にしまってあった冬用の上着を取り出して連日活用していました。(日本が冬で良かったです…)
②センターの施設
近代的で清潔です。
施設周辺はのんびりとした町なのかもしれませんが、施設内はゆったりしつつも、背筋がぴしっと伸びるような空気があったように思います。
③泊まる部屋と食事
私は初めてのヴィパッサナー瞑想だったので、2畳ほどの小さな部屋に宿泊しました。
そんな小さな部屋でも各室に窓はあり、扇風機も置かれ、不便はしませんでした。
上掛けは毛布1枚しか用意されていないので、念のために防寒を意識した準備が必要かもしれません。
トイレ、シャワーは共同ですが、スタッフが毎日掃除をして下さるのできれいです。熱いお湯もたっぷり出ます。
ヴィパッサナー瞑想経験者はシャワー・トイレ付きの広めの個室に泊まれるようでした。
食事は菜食で、2度と同じ献立を見ないくらいバリエーション豊かでした。ただ、見た目から味が想像できないこともあり、口に入れてびっくり! ということも(笑)。
それでも、タイとはいえ辛さも控え目で、私は全般にとても美味しくいただきました。
毎日飲むことのできるジンジャーティーが個人的には大変気に入りました。
タイの味付けに飽きても、食パン、クラッカーなども用意されているので、特に問題ないのではないかと思います。
④スタッフの対応
皆さんとても親切です。
そして温かな空気を損なうことなくきっちりと規律を守り、守らせてくれます。
外国の環境で瞑想に燗してはすべてが初めての私でしたが、不安に思うことはほとんどありませんでした。
2)10日間コースについて
①コース中の日課へのコメント
4:00 起床
4:30- 6:30 瞑想
6:30- 8:00 朝食・休憩
8:00- 9:00 グループ瞑想
9:00-11:00 瞑想
11:00-13:00 昼食・休憩
13:00-14:30 瞑想
14:30-15:30 グループ瞑想
15:30-17:00 瞑想
17:00-18:00 ティータイム
18:00-19:00 グループ瞑想
19:00-20:30 講話
20:30-21:00 瞑想
21:00 質問
21:30 消灯
忙しすぎず、だらけすぎず、程よいテンポで毎日を過ごせたように思います。
休憩時間に洗濯をしたり、シャワーを浴びたりします。いつの休憩に何をするか、2、3日もすると大体決まってきて、日々同じリズムで過ごす心地よさがありました。
個室に時計がないので、腕時計は必須かもしれません。携帯電話は他の貴重品と一緒に初日に預けなければならず、携帯を時計代わりにしている私は困りました。(C.A.さんに腕時計をお借りして助かりました)
②瞑想コース中に洞察が深まったこと
自分の得手不得手はそれなりに知っているつもりでしたが、「実感」を伴ってそれを感じ取ることができました。
どんなことに自分が執着しやすく、それをどんな風に正当化しがちなのか、といったことに気づいたりもしました。
瞑想中に予想もしなかったような感情がわき出てきて驚いた日もありました。
瞑想中に感じる痛みや不快感は、過去のサンカーラ(渇望、嫌悪?)が浮き出てきたもの、という解釈が新鮮でした。
(↑これは正確な理解ではないかもしれません)
③瞑想コース中に直面したチャレンジ
私の場合は瞑想中の睡魔と痛み(体のしんどさ)、これに尽きました(笑)。
特に長時間座ることから来る体のしんどさは、どうしても日々積み重なっていくので、後半はなるべく歩く時間をつくるように心がけました。
10日間声を出さず、読み書きもしない、というのは、意外にもまったく苦痛ではなく、むしろ心地よかったです。
瞑想10日目の午前中に会話が解禁になりますが、いろんな人と話した後の瞑想はまるで集中できず(笑)、沈黙の大切さをしみじみとかみしめました。
④タイで10日間コースに参加した意義があったかどうか
あったと思います。
10日間の集中的な瞑想という日常から離れた行為を、タイという異国の地で行うことで「非日常」の度合いが高まり、自分がその時やっていることにより集中できただけでなく、普段の自分を冷静に振り返ることが可能になったように思います。
また、タイの仏教文化が一般の人の生活の中にどのような形で浸透しているのかを垣間見ることができたのも、興味深い経験になりました。
3)ヨーガと瞑想(Vipassana)の関連についての考察
ヨーガのアーサナもプラーナーヤーマも、瞑想ができるように心身を整えるという側面があるなら、ヨーガの延長上に置くことができて、現代を生きる日本人である私にも実践できる瞑想は何だろうと考えた時、「ヴィパッサナー瞑想」はとても入りやすい入り口だな、と思いました。
瞑想も突き詰めるとある種の宗教性が必要なんじゃないか、という気もするのですが(これは間違っているかも知れません)、自分が寄り添うべき「宗教」をなかなか見つけることのできないでいる私にとって、可能な限りニュートラルな姿勢を主張する「ヴィパッサナー瞑想」は、非常にありがたい方法論を提示してくれたように思います。
4)タイ全般のご感想など
全体にタイの人は人なつっこく、親切だな、と感じました。
瞑想センターで一緒に過ごした若いタイ人の女性たちが、最終日にしっかりとお化粧をしておしゃれな姿に変身したのにびっくりしました(笑)。
そういう「普通の」人たちが、あまり気負うことなく友達どうしで誘い合って瞑想をしにやってくる様子が素敵だな、と思いました。
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