2011年1月3日月曜日

「穂高編2011」のお知らせ

「穂高編2011」
日時:2011年6月3日(金)~
会場:穂高養生園
(長野県安曇野市穂高 →
http://www.yojoen.com/ ) 

今年6月の「穂高編2011」についての「お知らせ」です。

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【伝統的ヨーガ・強化プロジェクト】

「穂高編2011」のテーマは、「穂高編2010」と同じく「伝統的ヨーガ・強化プロジェクト」です。

内容はモジュール形式でヨーガ学習プログラムを積み重ねる方式です。

これは、「
ヨーガ」を「ヨーガ」としている本質的な部分の知識を、適切な学習モジュールの積み重ねで効率的に提供しようとする試みです。

現在、
テーマ別のモジュール(試案)は次のように構成されています。
○ 「ヨーガの背景」
○ 「ヨーガのコンセプト」
○ 「アーサナ」
○ 「プラーナーヤーマ」
○ 「ムドラー」
○ 「ヨーガ・スートラ読解」
○ 「ハタ・ヨーガ文献」
○ 「瞑想理論(Vipassana)」
○ 「ヨーガとアジアの精神文化」
etc......


【日程案】

6月の「穂高編2011」は次の日程の4つのプログラムが組まれる予定です。

①6月03日(金)-05日(日):養生園主催・一般向けプログラム
②6月06日(月)-08日(水):森の家「アーサナ」「プラーナーヤーマ」
③6月10日(金)-12日(日):森の家「プラーナーヤーマ」「ムドラー」
④6月12日(日)-14日(火):森の家「ヨーガ・スートラ読解」「ハタ・ヨーガ文献」


③と④に連続して参加される方は、6月10日(金)から14日(火)までの通しで4泊5日の合宿プログラムになります。

また、上記の日程以外にも、希望者の方の応募が集まれば、特定のモジュールを強化した追加日程のプログラムの企画も可能です。

先行予約をお受けしていますので、興味のある方は、どうぞ、お早めにお問い合わせ下さい(→下のコメント欄をご利用下さい)。


①養生園主催・「ヨーガの背景」「ヨーガのコンセプト」
日程:2011年6月3日(金)-5日(日)の2泊3日
定員:25名
主題:伝統的ヨーガ・強化プロジェクト
内容:「ヨーガの背景」「ヨーガのコンセプト」
対象:一般向け(初心者から経験者、指導層まで)
施設:里の家・森の家・人と木とホール
費用:穂高養生園の標準的設定(昨年は4万2千円)。
参照:このブログの右の「カテゴリ」 → 〔穂高編〕


②森の家・「アーサナ」「プラーナーヤーマ」
日程:2011年6月6日(月)-8日(水)の2泊3日
定員:12名前後
主題:伝統的ヨーガ・強化プロジェクト
内容:「アーサナ」「プラーナーヤーマ」
対象:アーサナからプラーナーヤーマへの移行を志向する方
施設:森の家・人と木とホール
費用:実費分担+ドネーション 


③森の家・「プラーナーヤーマ」「ムドラー」
日程:2011年6月10日(金)-12日(日)の2泊3日
定員:12名前後
主題:伝統的ヨーガ・強化プロジェクト
内容:「プラーナーヤーマ」「ムドラー」
対象:ご自分のヨーガ実習の深化を志向する方
施設:森の家・人と木とホール
費用:実費分担+ドネーション


④森の家・「ヨーガ・スートラ読解」「ハタ・ヨーガ文献」
日程:2011年6月12日(日)-14日(日)の2泊3日
定員:12名前後
主題:伝統的ヨーガ・強化プロジェクト
内容:「ヨーガ・スートラの読解」「ハタ・ヨーガ文献の読解」
対象:ヨーガの古典文献の理解に興味がある方
施設:森の家・人と木とホール
費用:実費分担+ドネーション



【各モジュールの説明】

「ヨーガの背景」

ヨーガの背景となっている、インドの歴史と文化、インド哲学やインドの宗教思想の流れや、1920年代からのヨーガの近代化のプロセスなどの背景知識について概説。


「ヨーガのコンセプト」

ヨーガの基礎を構成している理論とそれに基づくスタンダードな技法群を確認。


「アーサナ」

「ヨーガ・スートラ」で定義されている「アーサナ」のコンセプトと、実習の方向性を確認し、「ハタ・ヨーガ」の「アーサナ」の技術について詳細に検討。


「プラーナーヤーマ」

「ヨーガ・スートラ」で定義されている「プラーナーヤーマ」のコンセプトと実習の方向性を確認し、「ハタ・ヨーガ」の技法である「アヌローマ・ヴィローマ(ナーディー・シュッディ)」「ウジャーイー」「バストリカー」の技術について詳細に検討。

また、「クリヤー(浄化作法)」に分類されている「カパーラバーティ」についても理解を深めます。


「ムドラー」

「ハタ・ヨーガ」の技法である「ムドラー(バンダを含む)」について「ハタ・ヨーガ」の伝統文献で確認、主要な「ムドラー・バンダ」の技術について詳細に検討。技術としての「ヨーガ」の全体像の把握と実習のレベルアップ。


「ヨーガ・スートラ読解」

「ヨーガ」の理論面・哲学面の枠組みとなっているパタンジャリの「ヨーガ・スートラ」(紀元前3世紀頃)を、「第1章サマーディ・パーダ」と「第2章サーダナ・パーダ」を中心に読解。

関連してインド哲学(正統派・非正統派)の全体像や、インドの心理学についての理解も深めます。

「ヨーガ・スートラ」には、わたしたち日本人が、
①よく知っていること
②なんとなく解っていること
③知らないこと
が混在するため、「スートラ」を消化して行くには①②③の仕分け作業と他のインド哲学の学派や仏教理論との関連付けが必要になります。

この作業によって、「ヨーガ・スートラ」の日本語訳を読むときにしばしば遭遇する不明瞭感や違和感が解消され、パタンジャリが「ヨーガ」の実習者に伝達しようとすることが、より明快になることが期待されます。


「ハタ・ヨーガ文献」

「ヨーガ」の技法面のリソースを提供している「ハタ・ヨーガ」の代表的な伝統文献「ハタ・プラディーピカー」と「ゲーランダ・サンヒター」を読解。「ハタ・ヨーガ」の修行体系の理解を深めます。

わたしたちは、「ヨーガ」による健康の維持増進効果や、心身の不調への
治療的な効果を期待していますが、そのための具体的な方法は「ハタ・ヨーガ」に伝承されています。「ハタ・ヨーガ」は身体技法の宝庫です。

「ヨーガ」の理論面・哲学面の枠組みとなっているのは、パタンジャリの「ヨーガ・スートラ」(紀元前3世紀頃)ですが、「ハタ・ヨーガ」は10世紀頃成立したゴーラクシャナータ系のナータ派に伝承されて来た精神的修行法を構成するものです。

しかし、ナータ派はヒンドゥー教の伝統でも異端系に属するため、彼らの修行法である「ハタ・ヨーガ」も、近代に至るまではインドでも一般社会とは接点がありませんでした。

そのため、インドでも「ハタ・ヨーガ」についての理解は、非常に限られたものとなっています。「ハタ・ヨーガ」の近代的な研究に着手したのが「カイヴァリヤダーマ研究所」の設立者のクヴァラヤーナンダ(1883-1966)です。

クヴァラヤーナンダは、「ハタ・ヨーガ」の技法の生理学・心理学的効果の実証的な研究と平行して、「ハタ・ヨーガ」の伝統文献の研究にも着手し、技法の正統性の確認と保全にも注力、そのため、ロナウラには「ハタ・ヨーガ」に関する資料と研究成果が蓄積されています。

「ヨーガ」の面白さは、「ハタ・ヨーガ」の多彩な技法群にあります。

「ハタ・ヨーガ」は身体技法から微細な内部感覚の領域へ向うアプローチを取るため、日頃わたしたちが自分自身のからだで
①よく実感していること
②なんとなく感じていても、それと自覚していないこと
③練習することで実感できること
が混在したおり、ただ「アーサナ」の練習を続けているだけでは、「ヨーガ体験」が深化して行かない傾向があります。

従って、わたしたちが「ハタ・ヨーガ」を消化して内部感覚を深化させて行くためには、伝統的文献の内容を良く把握することで、それぞれの技法の目的と効果を確認する作業が必要になります。

この作業を積み重ねることで、人間の身体と心の相互作用について、「ハタ・ヨーガ」の伝統がわたしたちに教えようとしていることが、より明快になることが期待されます。

また、「ハタ・ヨーガ」の技法の治療的な効果の正しい認識が深まることも期待されます。 
 
 
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