ロナウラの『カイヴァリヤダーマ研究所2009』のシリーズです。11月1日(日)-15日(日)の2週間の日程で、カイヴァリヤダーマ研究所で「プラーナーヤーマ」のコースが実施されました。
以下は、プラーナーヤーマ・コースを受講された神戸在住の「M.K.」さんのフィードバックです。
●フィードバックの項目
「M.K.」さんには次の項目でフィードバックをお願いしました。
【プロフィール】
①住まわれているところ
②現在されていること(仕事・勉強 etc.)、今までにされて来たこと
③特に関心の深いこと、特技・趣味やライフワーク
④ヨーガ歴・ヨーガを始めたきっかけ
⑤今後のヨーガへの期待や展望
【フィードバック】
1)カイヴァリヤダーマ研究所について ①ロナウラという環境 ②研究所の施設と全体の雰囲気 ③ゲスト・ルームと食事 ④講義室・実習室 ⑤研究所のスタッフの対応
2)プラーナーヤーマ・コースの実習と講義について
①実習の内容について
②講師陣と講義の内容について
③ヨーガについて理解が深まった点や特に印象に残ったこと
④さらに興味や関心を持たれた点
⑤今後参加されたいプログラム
3)今回のインド研修の全般的な総括・役立つ情報など
①ご自分にとって、今回日本からコースに参加したメリットがあったかどうか
②今後ロナウラでのヨーガ研修を考えている方へのアドバイス ③プネーの印象
④JLS(Japan Language Service:ラトール氏)の対応 ⑤ロナウラのJK.トラベルの対応 ⑥その他
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ カイヴァリヤダーマ研究所のプラーナーヤーマ・コース 「M.K.」さん(神戸在住)のフィードバック
こんにちわ。
インドの歴史ある由緒正しい研究所での『プラーナーヤーマ』の研修は、本当に意義深く、相方先生の言われる所の『自分自身を納得させる』、そして、自身の『ヨーガ』を発展させていくためにも、十分な内容でした。
今回のインド行きのきっかけを下さった先生には、感謝してやみません。ありがとうございました。
【プロフィール】
①住んでいるところ
兵庫県神戸市
六甲山の裏側の山麓の住宅地です。繁華街からは車で30分ほどなのに自然が一杯で、ヨーガ・ライフを送るのには良い環境だと思います。
②現在されていること(仕事・勉強 etc.)
○仕事:主婦・ヨーガ講師・リンパセラピスト
○勉強: ・『ダンマパダ・法句経』 真理のことばと言われるブッダの最初の教えを真言宗のお寺の管主様から定期的に学んでいます。 ・『バガバット・ギータ』 クリシュナ寺院の寺院長様から定期的に学んでいます。
○今までされて来たこと: 子育てをする過程で、その時にできる限りの社会参加をしてきました。学校、地域でのボランティア活動から始まり、時間に余裕ができてきてからは、まわりの人が驚くほど何種類かの仕事に従事してきましたが、失敗や反省、それらの全てが今の自分に役立っているのではないかと思います。
③特に関心の深いこと、特技・趣味やライフワーク
○自分自身を知り、ヨーガを深めて行くこと。
○仏教文化も含めてのアジアの精神性に関心があります。チベットにも行ってみたいです。
○特技:その場の環境になじみやすい。場の雰囲気を掴む事でしょうか。
○趣味:ぼんやり過すこと。DVDを借りて映画を観ること。庭の草引きをしてると無心になれます。
○ライフ・ワーク:ヨーガを続けて行く。アジア全域を視野に入れた精神性の見聞と洞察。
④ヨーガ歴・ヨーガを始めたきっかけ
○ヨーガ歴:22年
○ヨーガを始めたきっかけ: ・30代半ばから腰痛、肩こり、頭痛がひどくなり始めたので、ヨーガが体に良いらしいと友達に誘われて、ハタ・ヨーガを始めました。
⑤今後のヨーガへの期待や展望
○自分が納得できる『ヨーガ・ライフ』に取り組み、更に深めて行くためには、歴史に基づき、更に構築されたリソースが必要不可欠であると思います。
○なぜ、現代の自己啓蒙本の基礎と言われ、宇宙の取り扱い説明書と言われる『バガヴァット・ギータ』が5000年以上前から、今もなお語り継がれているのか・・・
○なぜ、ブッダの教えやその瞑想方法を学ぶことが大切なのか・・・ 今後、更に色んな方法でヨーガにアプローチしていきたいと思っています。
○色んな世代の方々に、正しい方法でヨーガを知っていただくためには、世界最古と言われ、科学的研究を基にしている『カイヴァリヤダーマ・ヨーガ研究所』で、客観的で中立的なハタ・ヨーガを体験していただきたいと願っています。
その積み重ねにより、ヨーガの未来は更に明るくなるとおもっています。
【フィードバック】
1)カイヴァリヤダーマ研究所について
①ロナウラという環境
ムンバイ空港(旧ボンベイ)からタクシーで3時間程の内陸部に位置しています。
デカン高原の別荘地帯から近いところにあり、研究所の回りにもホテルが点在しています。
朝晩は、13度位で少し肌寒いですが、日中は25度以上まで上がるので洋服で調節します。一番良い季節に訪れたらしく、大変過しやすかったです。
リクシャーと言う三人乗り自動車に乗り「マーケット」とか「ステーション」と告げると、30~50ルピーで5分程走ったところにある繁華街に着きます。もちろん歩いてもいけます。
新鮮な果物、野菜、お菓子屋さん、薬屋さん、花屋さん、生地屋さんなどが一杯あり、楽しめます。
ちなみに日本の3倍のパパイヤが15円、初めて食べたカスタード・アップルも美味しかったです。
動きやすいパンジャビー・ドレスは、生地が500円位~、仕立て代は400円位~、とお値打ちです。インドの綿と色使いは素晴らしいです。
②研究所の施設と全体の雰囲気
広大な敷地の中には、食堂、学校棟、病院棟、先生の宿舎、生徒の宿舎、図書館、売店、自然療法棟、アーユルベーダ(パンチャカルマ)棟などが点在してます。
初日にドクターと面談、問診、簡単な診断のあと個別に自然療法のメニューを作ってもらいます。
自然療法はコース代金に込み、アーユルベーダ(パンチャカルマ療法)は有料ですが安価です。
自然も多く池や小川に沢山の木々、もちろんリスや小鳥や魚も見ることができて散歩も楽しいです。
学校の裏手の方に足を伸ばし小高い丘を越えると、40分程で眺めの良い湖に到着です。帰りは下りなので20分程で帰ることができます。
③ゲスト・ルームと食事
ゲスト・ルームは、オフィスと食堂がある病院棟の中にあるので便利でした。病院棟なのでドクターもいるので安心です。
私は、バス・トイレつきの2人部屋を1人で使用。掃除も1日1回はしてくれます。お湯が出なくなるとか、突然停電するとか、道路の音が少し気になるとかの小さなトラブルはありますが、2~3日したら慣れてきます。
用意していった蚊取り線香も不要なほど、蚊や虫は気になりませんでした。
初めてのインド滞在で一番心配したのは食事でしたが、持参した日本食は食べなくてもすんだほど、毎日楽しみで美味しかったです。
『プラーナーヤーマコース』の生徒には特別デザートが毎晩出るのもうれしかったですね。
2回程学校の隣のホテルで夕食を食べましたが、今まで食べた事のない味のインド料理は、あっさりと美味しかったです。300円程で食べることができます。
④講義室・実習室
生理学・心理学・哲学等の講義は、毎日10:00~11:30に宿泊棟の2階で行われるので、終了後は、荷物を部屋に置いたらすぐに階下の食堂に直行できます。
Sri O.P.Tiwari(ティワリ先生)による7:00~8:30と17:00~18:00の『プラーナーヤーマ』の講義と実習、
Ms.Suchint(スチット先生)の16:00~17:00のアーサナ実習、
ディプロマ・コース卒業生の若いインド人男性によるチャンティング・クラス18:15~18:45は、別棟のアーサナ・ルームBにて行われました。広くて明るい部屋です。
⑤研究所のスタッフの対応
オフィスのメンバーは丁寧な応対で感じが良かったです。
アーサナのスチット先生はコース・コーディネーターも兼務しておられて、いつでもどんな質問にも丁寧に答えてくださって安心でした。先生の名前のSuchintは、Good Thought(良い考え)という意味だそうです。
実習時の助手も兼ねていたオフィス・スタッフのShivashishi(シバシシ)は純粋な青年で、歌声は澄んでいて哀愁に満ちて素晴らしかったです。
2)プラーナーヤーマ・コースの実習と講義について
①実習の内容について
6:00 起床
Herbal Tea(食堂でミルク入りのハーブティを飲む)
6:30 KRIYAS(クリヤ):ジャラ・ネーティ、スートラ・ネーティ、ボーマン・ダウティ 7:00 ~8:30 Pranayama(プラーナヤーマ実習)
9:00 朝食
10:00 ~11:30 講義
12:00 昼食
13:30 ~15:30 自由時間(自然療法・アーユルベーダ・昼寝・外出等
15:00 Herbal Tea (食堂でミルク・果物)
16:00 ~16:50 ASANA(アーサナ・ホールB)
17:00 ~18:00 Pranayama(プラーナーヤーマ実習) 18:15 ~18:45 Channting(マントラの練習)
19:15 夕食
21:30 就寝
②講師陣と講義の内容について
世界最古のヨーガ研究所で、50年にわたりヨーガの発展に貢献されてきたティワリ先生(Sri O.P.Tiwari)の『プラーナーヤーマ・コース』の始まりの言葉は、
・自分の意識、考え方、思考に責任を持つこと。
・正しい情報を知ることが大切。
・真実をみる為には客観的に物事をみる事が大切。
・マインドにコントロールされるのではなく、マインドをコントロールできるようにする。
・アーサナは、母体から生まれて立つ迄位の段階、プラーナヤーマが重要。
・プラーナーヤーマでは、酸素を入れることではなく、二酸化炭素を出すことが重要。
・プラーナーヤーマを行う時は、機械的にではなく決まった比率で丁寧に行う。
・毎日自分の肉体・心理に合ったヨーガを続ける。基本を大切にする。
・消化(アグニ)が重要なので、空気と水分の為にスペースを残して食事を摂るのが良い。
Space, Feeling, Fact, Fundamantal, これらの言葉を繰り返し使われました。
毎朝ティワリ先生が各自の脈心をとられて、最終日に体質に合った『プラーナヤーマ・メニュー』をもらいました。
私は、3日目から「Very Good」と言われましたが、Kapha(カファ:水の機能)が落ちてるから7日間バナナを1日に1本食べるように言われたので、食堂で貰って食べていました。
《プラーナーヤーマ実技》
ウディヤーナ・バンダ、シンハ・ムドラー、ジフヴァー・バンダ、カパーラバーティ、アグニ・サーラ、ブランフマ・ムドラー、ウジャイー、アヌローマ・ビローマ、スーリャヴェーダナ、バストリカー、シータリー、ブランマリー
ティワリ先生の講義内容、実技指導はもちろんのこと、穏やかな表情で聴く者を惹きつける間やリズムで、静かに進められる授業は、あっという間に時間が過ぎていきました。
クラスの人数は10人と少なく、2人の補助の先生がおられたので、実習時のチェックもあり、良い雰囲気で進められていき、プラーナーヤーマ効果も大きかったと思います。
「プラーナーヤーマ」の実技の時に電子音の、ソロ・メトロノームを使用されましたが、テンポも音量も変えられるし、体にリズムを刻むのには役立つ道具だと思います。
《講義内容》
研究所の内外から各分野の専門の講師が来られて、熱心に講義をして下さいました。
生理学、哲学、心理学、プラーナヤーマの進化と重要性、Chitta(チッタ)とKlesha(クレーシャ)について、
ヨーガの展望について、ヤマ・ニヤマの重要性、なぜKriyas(クリア)が必要なのか、
プラーナーヤーマとストレス・マネージメントについて、ヨーガで障害をどのように克服するのか、
Nadi(ナーディ)とCakras(チャクラ)と様々なVayus(ヴァーユ)について、
プラーナーヤーマにおける食事の重要性など
《感想》
先生が、学生に10回で教える内容を1回で伝えるのは大変なことと言われてましたが、集約された内容と共に、熱意が伝わってきました。
インド英語を理解するのは困難でした。私とインド人の会話は全然かみ合わない時もありましたが・・・
講師の先生の英語は、まだ理解可能ではありましたが、ある時点からは全てを理解するのは無理だとあきらめて、重要な事だと思われる事がキャッチできるようにと、柔軟な考えにシフトし始めたら何となくわかり始めました。
講義内容のコピーがもらえる先生もあったので、何とかカバーできました。 しかし、英語圏のクラス・メイトにとっても、かなりハイレベルな内容であったようです。
幸いなことに、 私は相方先生のセミナーに、ここ数年参加していたので、基礎的な知識、実技、特に『プラーナヤーマの実技』に関しては無理なく入っていけたと思います。
③ヨーガについて理解が深まった点や特に印象に残ったこと
近代ヨーガのルーツであるインドの『カイヴァリヤダーマヨーガ研究所』で近代的で学術的なヨーガにふれることにより、今まで何となくでしか解ってなかった事が(もっと混乱していたかもしれませんが・・・・)、
テーマを絞って集中的に勉強する事は、重要で大切なことであり、より客観的にヨーガにアプローチできるのではないかと実感しました。
私自身のヨーガを深めるために希望が見えてきたような気がした、貴重な経験ができた2週間でした。
④さらに興味や関心を持たれた点
『カイヴァリヤダーマ』では精神性を別枠で考えられているので、朝晩、学校とは別棟のSwami(スワーミジ)の住む家で「アグニ・ホートラ」(護摩供養)が行われています。
参加は自由なので数回参加しましたが、厳粛な雰囲気で執り行われており、アジアの中の日本人の精神性も実感しました。欧米人にとっては更に神秘的であったようで、感動していました。
ヨーガに関心があり更に深める勉強をしているクラスメート達は、私よりも仏教を勉強していたような気がします。ブッダの教えを学ぶ事を続ける事に加えて、お寺での瞑想も続けて行きたいとおもっています。
⑤今後参加したいプログラム
今回は時間の都合で、Biginner(初級)コースへの参加だけでしたが、 次のステップにも参加したいと考えています。
3)今回のインド研修の全般的な総括・役立つ情報など
①ご自分にとって、今回日本からコースに参加したメリットがあったかどうか
大変大きな収穫がありました。
スタッフ、場所、食べ物も大きな要因であると思いますが。
今回のクラス・メートのメンバーが10人と少なかったですが、外国の人達と良い雰囲気を保ちながら終えられたことは、大きなメリットであったと思います。
フィンランドの男性ヨーガ講師、フランスの女性ヨーガ講師、香港と上海の女性ヨーガ講師、ベルギーの女性・ラトビアの女性・スペインの男性はヨーガ経験者、アメリカの男性は瞑想講師、
ドイツの71歳最高齢の女性はヨーガは未経験でしたが、人生経験も豊富で学ぶ点は多かったです。内3名は2度目の来所でした。
最初はインドの人の気質に戸惑いを感じたりしましたが、慣れたら逆に楽に感じ始めましから、やはり、住めば都ですね。外から日本を見るのは大切なことです。
上記のドイツ人女性は日本にも来た事があり、日本人に生まれた事を幸せな事と言われました。
②今後ロナウラでのヨーガ研修を考えている方へのアドバイス
近代的で学術的な『カイヴァリヤダーマ・ヨーガ研究所』を訪ねてみることは重要なことだと思います。
インド国内や外国からも療養やバカンス目的で長期滞在の人もいました。
コースも後半に入った時に、若い日本人女性のNさんがインド旅行の途中で1週間滞在されて、ヨーガ・自然療法・アーユルベーダコース体験をされていましたが、そこからのスタートでも良いかと思います。
Nさんはその後、相方先生のタイ・ワンサニット研修に参加されたようです。
③プネーの印象
タクシーでロナワラから1時間程の所、近代的な町の中に歴史を感じさせる部分もあり、わずか1日の滞在でしたが、通訳のラトールさんの案内で見物と買い物を楽しみました。
チャイが美味しかったので、おすすめ紅茶とティーマサラを購入しました。車と人が多い道路を、牛が氷を載せた荷車を引いていたのも印象に残っています。
ガネーシャ寺院は、信心深いインドの人で一杯でした。
④JLS(Japan Language Service:ラトール氏)の対応
堪能な日本語はもちろん、気質もインド人ではなくて日本人のような気がしましたが・・・きめ細かいか対応とサービスで、一人旅でも安心でした。
⑤ロナウラのJK.トラベルの対応
オーナーのクク氏は、リピーターの外国人にも信頼されており、 滞在中に何回も私の様子をみにきてくれて安心できました。
⑥その他
コース途中の2日、お昼休みを利用して、車で20分ほどのところにある、仏教徒の洞窟、Karla caves(カルラー石窟寺院)と Bhaja caves(バージャ石窟寺院)に皆で遠足に出掛けました。
仏教徒であるとクラスメートに話したら、敬ってくれたりしました。 ヒンドゥー教徒の職員には、洞窟でのお祈り方法を教えてもらえたりと、 日本人である事に感謝をする旅でもありました。
ディプロマ・コースには、日本人留学生の男性Tさんと女性Aさんが在学中です。気候的に厳しい時期を過しながらの就学は大変なことと思いますが、お若い二人は熱心に勉強されており感心しました。
お二人のサポートのお陰で、より充実した2週間を過すことができたと感謝しております。
最後になりましたが、『ロナワラヨーガ研究所』のマンマット・ガロテ先生にもお忙しい中、貴重な資料を見せていただいたり、熱心にお話をいただきまして有難うございました。
「ヨーガは、ガラス窓についたほこりを落としきれいにするように、Citta(こころ)を光り輝かせるための方法」と教えて頂きました。
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