2009年12月31日木曜日

ワンサニット2009(10)

ワンサニット2009・フィードバック(10)
期間:2009年11月18日(水)-28日(土)

「ワンサニット2009」のフィードバック・シリーズ(10)です。
 
初の「専門コース」として、バンコク郊外の『ワンサニット・アシュラム』で10日間100時間で企画された「ワンサニット2009」には、13名の方が参加されました(男性3名、女性10名)。

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以下は、宮崎在住の「N.K.」さん(女性)のフィードバックです。

「N.K.」さんは「ワンサニット2009」の前に、タイ東北部のコーンケーンにある瞑想センターで10日間の「ヴィパッサナー・コース」に参加されました。そのフィードバックも含まれています。

「ヨーガ」を学ぶことは、「自分自身」を学ぶことでもあります。

ですから、「ヨーガ」には、お手軽な「近道」はありません、が、正しい方向性で、ステップを踏んで、必要なプログラムと体験を積み重ねて行くことで、誰でも、無理なく、「ヨーガ」と「自分自身」の理解を深めて行くことは、それほどむつかしいことではない、と思われます。


フィードバックの項目

【プロフィール】
①住んでいるところ
②現在されていること(仕事etc.)、今までにされて来たこと
③特に関心の深いこと、特技・趣味やライフワーク
④ヨーガ歴・ヨーガを始めたきっかけ
⑤今後のヨーガへの展望や希望 

【ワンサニット・アシュラム】

『ワンサニット・アシュラム』の場所と環境
①環境と施設
②ゲスト・ルーム/セミナー室/瞑想ホール
③食事について

講義と実習で理解と体験が深まったこと
①アーサナについて
②プラーナーヤーマについて
③クリアーについて
④ムドラー・バンダについて
⑤瞑想について
⑥ヨーガ・スートラへの理解度
⑦インド哲学・仏教思想についての理解

「ワンサニット2009」の総括
①プログラム全体の総括的なご感想
②ご自分にとって、日本からコースに参加したメリットがあったかどうか
③今後「ワンサニット」の合宿セミナー参加を考えている方へのアドバイス 
タイランドの印象、役立つ情報など


【コーンケーンの瞑想センター】

瞑想センターの場所と環境
①コーンケーンの環境
②センターの施設
③泊まる部屋と食事
④スタッフの対応

10日間コースについて
①10日間コースの日課
②瞑想コース中に洞察が深まったこと
③瞑想コース中に直面したチャレンジ
④タイに来てコースに参加した意義があったかどうか

総括:ヨーガと瞑想(Vipassana)について



☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

「ワンサニット2009」での10日間・100時間の専門コース
宮崎在住の「N.K.」さんのフィードバック

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【プロフィール】

①住んでいるところ
宮崎県宮崎市

②現在されていること(仕事etc.)、今までにされて来たこと
以前は地元(広島)でOLしてました。現在は、ヨーガ指導とヨーガスタジオを運営してます。

③特に関心の深いこと、特技・趣味やライフワーク
ヨーガ、スローライフ、プチ自給自足、手芸、サーフィン

④ヨーガ歴・ヨーガを始めたきっかけ
ヨーガ歴;10年位
昔から自然と共に暮らすライフスタイルに憧れがあり、ヒッピーの様な生活に興味を持ってたのがきっかけで、気が付いたら自然とヨーガに近づいてました。

しかし、相方先生の講義を受けているうちに、先生がいつも仰っている「自分の中の矛盾をなくしたい」という理由でヨーガを始めたのではないのかと思うようになりました。


⑤今後のヨーガへの展望や希望

フィットネスの場だけでなく、一般社会に広く溶け込んでいけたら良いなと思ってます。その為には、やはり相方先生がいつも仰ってる様に、一方的なチャンネルから得た情報ではなく、アカデミックな知識に基づいたヨーガの理解が必須だと感じてます。

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【フィードバック】

1)『ワンサニット・アシュラム』の場所と環境

①環境と施設

川をいかだで渡った所にあるので、ちょっとしたアドベンチャー気分を味わえました。

木々の中に施設があり、鳥の鳴き声や夜はきれいな月や星、蛍が見えました。

施設は、土のブロックで建てられた建物と木造の建物で、そして、睡蓮の咲いてる池の池の上にある池ハウスが印象的で、建物が自然の環境に溶け込んでいる感じでした。


②ゲスト・ルーム/セミナー室/瞑想ホール


ゲスト・ルームは、二人部屋のコテージに泊まりました。

木の床にマットレスが敷いてあるだけのシンプルな部屋でしたが、高床式になっていて、風邪が抜けて心地よかったです。

セミナー室は、マッドハウスと言って、土のブロックで作られており、自然光が差し込む心地よい空間でした。

瞑想ホールは、フローリングの上にクッションを置いて瞑想出来ました。窓が沢山あり、静かで瞑想しやすい環境でした。


③食事について

玄米ご飯、生野菜、野菜のおかず、魚料理という感じで、シンプルな味付けで食べやすかったです。

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2)講義と実習で理解と体験が深まったこと


①アーサナについて

クッションを使いながら行うので、脱力しやすく無理をせずにアーサナを保てました。そして、身体が脱力しているので、身体の余計な緊張が抜けて、自分の身体の感覚を観察しやすかったです。


②プラーナーヤーマについて

アヌローマ・ヴィローマ、ウジャイーを個々で練習してから、段階的にそれらを組み合わせてバストリカーを教えて頂いたので、バストリカーの感覚と流れを掴みやすかったです。

・ヨーガで結果を出そうとすると、プラーナーヤーマを中心に行っていくのがよい。

・プラーナーヤーマ=呼吸筋のトレーニング(横隔膜、肋間筋の強化) → 胸郭を開き、骨盤を閉める方向へトレーニングする。自律神経系に対する制御レベルを上げる。



③クリアーについて

今回、集中的にクリアーを練習してみて、自律神経系の反射反応に働きかけるクリアは、アーサナや呼吸と違い、自分の意志ではコントロール出来ないので、何度繰り返し練習しても反射反応が勝手に起こる事に対して、フラストレーションを感じる部分がありましたが、

先生が「クリアーが面白い」と仰ってた様に、気長に練習して自律神経系に働きかけていくことの面白さを徐々に感じられたらいいなと思いました。


④ムドラー・バンダについて

・寝た姿勢で腹式呼吸で吐きってムーラ・バンダ、ウッディヤーナ・バンダ、胸式呼吸で吸いきってジャーランダーラ・バンダを練習する方法は、バンダの感覚を掴むのにとても有効でした。

・ジーファ・バンダ → 病気を取り除き、
・ムーラ・バンダ → 老化を緩める

・ムーラ・バンダ、ウディヤーナ・バンダで骨盤底筋、横隔膜を徹底的に鍛えることが大切

・ジャーランダラ・バンダ → 頚動脈洞を圧迫し、心拍数を下げる


⑤瞑想について


毎朝5時~6時に30分~1時間の瞑想時間がありました。

クッションを使って瞑想が出来たので、長時間姿勢を保つ事が出来ました。

早朝の静けさの中での瞑想は心身が共に鎮まり、瞑想に集中しやすかったです。


⑥ヨーガ・スートラへの理解度

去年、穂高と沖縄で相方先生のWSを受けさせて頂いた時に聞いた内容の全容が、ようやく今回少し見えてきた気がしました。

また、国内のWSではカバーしきれない部分の説明もして頂き、少しずつですが、ヨーガ・スートラに馴染んで来た気がしますが、理解度は、まだまだ低いので、引き続き理解を深めていきたいと思います。


⑦インド哲学・仏教思想についての理解

仏教もインドで生まれたので、インド哲学と重なる部分があったり、異なる部分があったりして、まだまだ自分の中で整理が必要な状態です。

しかし、今回、仏教国、タイに身を置いたことで、仏教思想に触れる機会が多々あり、仏教思想を肌で感じる事が出来、仏教思想を少しは理解す
る事が出来たのではないかと思います。

タイ人でヨーガを行っている方達には、仏教思想がベースにあるので、なんの矛盾もなくヨーガと仏教が結びついてるのが印象的でした。


3)「ワンサニット2009」の総括


①プログラム全体の総括的なご感想

今回初めて10日間のコースに参加させて頂き、今までの2~3泊のプログラムと比べると、日にちが長い分、ヨーガの実践も理論もしっかりと深められたと思います。

また、一緒に参加した方達と長い時間一緒に過ごす事が出来、お互いの経験や参加者の日本各地の出身地の話、

また相方先生からインドやタイの話なをどを聞く機会が持てて、とても貴重な経験になりました。

日にち的に余裕があったので、今までのWSと比べると、ゆっくりした流れで過ごせました。

10日間という長丁場に疲れないようにと、途中、お寺見学やマッサージ、お祭り、カフェ等へ連れて行って頂き、気分転換も出来、「ワンサニット」以外でも充実した時間を過ごせました。


②ご自分にとって、日本からコースに参加したメリットがあったかどうか

日常生活から離れ、タイという異国に身を置く事で、より五感を働かせる機会になりました。

また、WS初日や期間中にタイの上座仏教のお寺に連れて行って頂き、大乗仏教と上座仏教の違いを感じる事が出来き、仏教に対する興味が深まりました。


③今後「ワンサニット」の合宿セミナー参加を考えている方へのアドバイス

ヨーガを行うには、環境が大切だと相方先生がおっしゃってましたが、「ワンサニット」は、環境も良く、ご飯もヘルシーで美味しいので、その中でヨーガのWSを受ける事で、きっと更に充実した時間を持てると思います。



☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

コーンケーンの瞑想センターで10日間のヴィパッサナー
・コース
宮崎在住の「N.K.」さんのフィードバック

期間:2009年11月5日(水)ー15日(日)

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Konkaen Vipassana Centre - Dhamma Suvanna
112 Moo 1, Tambon Ban-Kong, Nong-Rua District
Khon Kaen Province, 40240, Thailand
Website:
www.suvanna.dhamma.org


【フィードバック】

1)瞑想センターの場所と環境

①コーンケーンの環境

バンコクからコーンケーンのバスセンターまでは自力で行き、バスセンターから瞑想センターまでは、ネットで前もって予約してたピックアップのタクシーで行きました。

(バンコクからコーンケーンバスセンターまでは6時間位で、バスセンターから瞑想センターまでは30分位でした)。

瞑想センターは、林の中にあり、周りには何もない環境でしたが、毎日どこからかともなく音楽が聞こえてきました。


②センターの施設


シャワー(水だけ)、トイレは、きれいでした。
洗濯は、毎朝手洗いしてまいた。洗濯物袋に入れて出したら、有料で洗濯もしてくれるみたいでした。


③泊まる部屋と食事

泊まる部屋は、男女別々の棟があり、その棟の中に一仕切りずつのスペースが与えられて、そこにベッドがありました。

食事も男女別々で、朝とお昼にべジミートを使ったベジタリアンの食事が出て、夕方はパンやクッキー、フルーツ(パパイヤ良く出ました)と飲み物が出ました。


④スタッフの対応

基本的に10日間沈黙を守るのですが、何か困ったことがあれば、サーバーのスタッフに伝えるコトが出来、的確に対応してくれました。

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2)10日間コースについて


①10日間コースの日課

到着日の翌日~最終日前前日まで下記のスケジュールでした。

4:00 起床
4:30-6:30 瞑想
6:30-8:00 朝食、休憩
8:00-9:00 瞑想
9:00-11:00 瞑想
11:00-13:00 昼食、休憩
13:00-14:30 瞑想
14:30-15:30 瞑想
15:30-17:00 瞑想
17:00-18:00 お茶
18:00-19:00 瞑想
19:00-20:30 講話
20:30-21:30 瞑想

朝、昼一番と夕方の各1時間は、出来るだけ動かずに座るよう言われましたが、後の時間は、きつくなったら自分のベットに戻ったり、外に出ても構わない感じでした。

到着当日は、施設の案内やオリエンテーションがあり、最終日前日の朝に沈黙が解かれますが、最終日前日もスケジュールは同じ流れでした。


②瞑想コース中に洞察が深まったこと

自然な呼吸と体を動かさない状態を保つことで、心の動きをより深く観察出来ることを実感しました。

そして、心とは、こんなにも深い部分まであるのかという感覚を感じる事が出来ました。

同時に、心の構造、働きを理解することの大切さを感じました。

また、瞑想を重ねるに連れて、自分の心の奥深くまで見ていくことが出来るようになると、自分の心に溜まっていた醜い部分が浮き上がってきて、普段の瞑想では、心の表面に出てる意識だけを調えていたに過ぎなかったこと実感しました。


③瞑想コース中に直面したチャレンジ

最初の2・3日は、30分も動かずに座ることが出来ず、体の痛みを我慢して観察してたら、呼吸が浅くなってました。

また、あるときは、意地になって痛みを我慢して体を動かさないでいたら、胃が気持ち悪くなり、そこまでして我慢しなくてはいけないのか疑問に思い、先生に質問すると、

『体を動かさないコトが重要なのではなく、自分の体の状態を観察することでいかに心をコントロールすることを学ぶことが大切なのだから、どうしても痛くなったら、少しは動かしてよいですよ』

と言われ、納得しました。

毎日、朝食後の瞑想だけは、どうしても睡魔が襲ってきました。


④タイに来てコースに参加した意義があったかどうか

日本人が一人だったので、日本人が沢山いる環境よりは、瞑想に集中しやすかったのではないかと思います。

あと、タイという仏教になじみのある場所で行えたことで、初めて瞑想に参加するのに、何の抵抗や不安もなく、すんなりと参加出来た様に思います。

瞑想中の説明は英語ですが、講話は日本語で聞くことが出来たので、問題なかったです。


3)総括:ヨーガと瞑想(Vipassana)について

ヴィパッサナー瞑想は、お経を唱える訳でもなく、心に何かをイメージするわけでもなく、ただひたすら座り、自分の身体に起こる反応を観察することで、

全ては、生まれては消えてなくなるという無常を自分の身体を通して経験することで、頭での理解だけでなく、身体で体験するという、とてもニュートラルでシンプルな瞑想法だと実感しました。

瞑想終了直後は、心とはこんなにも軽くて純粋なものなのか、という驚きと感覚があり、見るもの全てが輝いる様に見えましたが、日常生活に戻ると、すぐその感覚は消えてしまい、また、元の心の状態に戻ってしまった気がします。

しかし、10日間の経験は決して無駄ではなく、心とは本来そこまで、またそれ以上に純粋なものなのだという事が、少しは体験することが出来、とても貴重な経験になりました。

日常生活で、心はすぐに埃に覆われて曇りがちになりやすいですが、瞑想を続け、少しでも心本来の状態に近づけるように保ちたいと思いました。


そして、相方先生が仰っている様に、

ヨーガのアーサナで身体の動きを止め、
プラーナーヤーマで呼吸を止め、
瞑想で思考を止める、

という方向でヨーガの実践を行ってくことの重要性を感じました。

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