2011年7月17日日曜日

日本での活動2011年5月・6月


こんにちは!!
みなさん、お変わりなくお過ごしでしょうか。
日本は、早く梅雨が明けましたね。

今年も、何かと暑い夏、になりそうですね。

わたしたちは、6月29日(水)に今年の日本での活動を無事に終えて、バンコクのオフィスに戻りました。

こちらバンコクは雨季ですが、暑い気配です。今年は暑い、と、うちのスタッフも言っています。

それでも、雨季ですから、雨が降ると、天然水冷クーラーで、一気に涼しくなるのですが、降らないと蒸します。低温サウナに入っているような状態です。

先々週から仕事先のシーナカリンヴィロード大学哲学宗教学科での
通常クラスも始まりました。27名の受講生のみなさんと楽しくやっています。

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さて、今年5月・6月の日本での活動の総括です。

毎年、6月に日本でヨーガのセミナーをすることになって4年目。今年は、3月に大震災があったため、確かに、日本全体の空気が一変していました。

ヨーガの関係でも、今までヨーガをしていた人だけでなく、何となくヨーガが気になっていた人たちも、もう一歩深くヨーガについて知りたい、という気持ちが強くなっているように感じられました。

わたしたちは長くインドやタイで生活して来ていますが、日本との大きな違いは、こちらは政府が信用できないし、しばしば問題山積みの社会が不安定になるので、あまり国や政府に頼らすに、自分たちで自分自身を守る生き方がふつうです。

インドやタイでは、まず、自分たちの財産は、親族で集まり力を合わせて守りますし、いろいろな悩みがあったら、日頃から馴染みの僧侶に相談事を持っていくのが習慣です。

また、医療制度や保険制度が十分でないし、医療自体のレベルが低いので、自分の健康は自分で守る、という意識が強いです。

そして、何かと、この世で生きるのは大変なことだから、健康を維持しつつ、且つ、生きているうちに高い精神性を目指す、というのが、意識の高い人たちの志向性です。

こちらでは、そういう人たちに、ヨーガも大きな関心を持たれています。
ヨーガには、長い歴史に裏付けられた、ひとが人生の問題を最小限に抑えながら生きて行く知恵が蓄積されていますから。

日本でも、今回の自然災害と原発事故で、今までと違うレベルの問題意識を持つ人たちが増えているように思います。

日本には、他国からの侵略、異教徒の侵入、長引く内乱や内戦といった世界史的な問題が無い代りに、定期的に、地震や津波や火山噴火による自然災害の試練がやって来ます。

そのような自然災害が来るたびに、内省を深め、さらに自然を理解し、さらに自然と共存するように前に進む、というのが、日本人の生きてきた道に思えます。

外の自然は、技術的にある程度制御出来ますが、内なる自然は、ヨーガで理解を深め(自覚の技術)、自ら制御する(自己修養の技術)、というのが、東洋人が生きて来たアプローチに思えます。



1)沖縄・久高島セミナー

今年2度目の開催となった、沖縄・久高島では5月20日(金)から24日(火)の4泊5日の合宿セミナー「沖縄編2011」が実施されました。

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沖縄編2011
https://sites.google.com/site/hhyoga/okinawa2011


参加者19名の方全員がリピーターで、特に、タイの「ワンサニット・アシュラム」での10日間の専門コース「ワンサニット2009」「ワンサニット2010」に参加された方が11名で、日本での再会に親睦を深められた方々も
多かったようです。

沖縄・久高島は、歴史的にも、現代的にも、いろいろな逸話のある場所ですね。

参加者の方々も、久高島自体にも大変興味を持って来られており、伝統的ヨーガの勉強を深めるには、とても恵まれた条件だったと思います。

参加者の方のフィードバックがこのブログにまとめてあります。
→ カテゴリ
[沖縄編] 


今回のコースはリピーターの方ばかりだっだので、次のステップとして、実習ではムドラーとバンダを集中して練習して行きました。

そして、参加者の方たちに、ご自分の進度に合わせて、それらを日常の練習に取り入れてもらうようにガイドしました。

また、プラーナーヤーマでも、次のステップとして、1:2:2と、クンバカを入れての練習を試みました。

合宿のような環境設定があると、十分にリラックスしてプラーナーヤーマも深まりますが、日常生活に戻ると、なかなか1:2:2を10回繰り返すのが難しい
ことは、実習を続けて行くと感じられると思います。

こういった自覚が、
まず自分自身がヨーガを続けて行くことの出来る環境を整えること、つまり、あせらずに、いつも身の回りの身辺整理を心掛けることが、次のレベルに自分のヨーガを進めるポイントとなることへの理解につながるのでしょう。



2)長野・穂高セミナー

長野の穂高にある穂高養生園での合宿セミナーは、今年で4年目になりました。

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穂高編2011
https://sites.google.com/site/hhyoga/hotaka2011

穂高の方では、長く休みを取ることがなかなか難しい日本の方に合わせて、今年も、学習モジュール別に2泊3日の4つの合宿セミナーの組み合わせで、全体のプログラムが組み立てられました。

今年も2泊3日のプログラムをいくつか組み合わせて、受講された方も数名おられました。

4つのプログラムの延べ参加者数は、アシスタントの方を含めて70名でした。

参加者の方のフィードバックをブログの方にまとめてあります。
カテゴリ
[沖縄編]



養生園の木造りの「木と人ホール」は、本当に気持ち良く、ヨーガの実習をするのに最適なホールと思います。

このホールを作ってくれた方々に感謝の気持ちと、今年も「今ここにいる」ことを嬉しく思って、過ごしていました。

最初の一般コースは、ほとんどの方が初対面で、また、ヨーガが始めてという方や、医療関係者、ふつうのお勤めや、ベーカリー経営、自営業の方など、いろいろな方が参加されました。

一般のコースは、参加者も23名と多いので、宿舎の「森の家」や「里の家」との移動の時間や、入浴にも時間をゆっくりと取って、なるべく穂高の自然に触れて楽しんでもらうようにスケジュールが組まれています。

初めての参加者の方には、最初、どうしてもサンスクリットの名前や用語が耳慣れないようですが、講義が進んで行くにつれ、ヨーガの全体像が少し見えてきた! インドのヨーガの位置している所が解った! といった、前向きなフィードバックを戴きました。


☆☆☆☆☆

沖縄・久高島も長野・穂高のセミナーも
梅雨中ながら天候に恵まれ、全日程が無事に進行したのも、交流館や養生園のスタッフの方々のきめ細やかなサポートと、アシスタントとして参加して下さった方たちのご助力があってのことと、深く感謝しております。

また、このようなヨーガのプログラムで大切なことは、
見えない力も味方に付いてもらうことですね。

ヨーガのセミナーをインドの外でする場合には、ヨーガの大本であるパタンジャリさんやゴーラクシャナータさん、
さらには、諸々のインドの神々にそっぽを向かれないよう、とても注意が必要です!

そして、たくさんの神様がいらっしゃる神の島・久高島でも、また、穂高の有明山神社の麓にある養生園でも、
それぞれの地元の神々のご機嫌を損ねることのない様、いつも、正しい意図をもって、正しい行いを心がけること!

これが、参加される側にも、運営する側にも、
どちらにも有益で、みなさんの願望が成就する秘訣! と思われます。



3)東京事務所にて


6月26日(日)の午後、
東京・目黒の「ロナウラ・ヨーガ研究所・東京事務所」で、「アマナスカ・ヨーガ」をテーマにしたセミナーがありました。

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主題:「アマナスカ・ヨーガを語る:ヨーガの伝統文献の世界」
日時:2011年6月26日(日)午後1時ー4時
場所:ロナウラ・ヨーガ研究所・東京事務所
対象:「ロナウラ・ヨーガ研究所(インド)」のメンバーの方


このプログラムは、
「ロナウラ・ヨーガ研究所(インド)」のメンバーシップに参加されている方を対象としたイベントで、20名の参加者の方がありました。

この本は、今年1月17日の
「第6回ガロテ博士記念セミナー」で出版発表された新しい本です。

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「アマナスカ(amanaska)」を直訳すると、「無心」「心を超えた」という意味で、インドでは大いに盛り上がる、
大人気のテーマです。

1月17日のロナウラでのセミナーでも、「アマナスカ」のテーマにゲスト講師連は大変盛り上がり、それぞれの立場から、思い思いに「心の向こう側」についての考えを熱心に述べられていたことを、今でも鮮明に思い出します。

ただ、日本でこういう話題を取り上げるには、やはり、
その背景となる状況をある程度分かっていることが必要となるので、インドの精神文化の背景や、ヨーガの伝統文献を通して心について考えることがどういうことか、などの解説が入りました。

ややむつかしいテーマなのですが、
「ロナウラ・ヨーガ研究所(インド)」が精力的に進めているヨーガの伝統文献の研究と出版活動の意義について理解を深めていただく機会を持ちたいと思ったのです。

今後も、「ロナウラ・ヨーガ研究所(インド)」のメンバーシップに
参加され、研究の活動を支援して下さっている日本のメンバーの方たちを対象としたプログラムを増やして行きたい意向です。

よろしく、ご理解とご支援をお願いしたいと思います。



4)第1回・第2回翻訳会議

また、東京事務所では、5月15日(日)と6月19日(日)の2回、
第1回・第2回の翻訳会議が開かれました。

参加メンバーは、
近年カイヴァリヤダーマ研究所に短期・長期留学した卒業生が中心で、また、出版関係に従事している方にもご参加願いました。

テーマは、カイヴァリヤダーマ研究所とロナウラ・ヨーガ研究所の
出版物の、日本語版の出版計画でした。

ずいぶん前から構想はあったのですが、ようやく、ロナウラのテキストの日本語訳出版に向けての準備がスタートしたところです。

ロナウラのテキスト・文献は、一般に出回っているヨーガ本とは異なり、
学術書・研究書・教科書レベルのテキストです。それらの日本での出版に関して、いろいろな意見が取り交わされ、有益なミーティングとなりました。

ヨーガについての真剣な関心が高めるにつれ、
今後、ますますロナウラ系のテキストの日本語版へのニーズも高まって行くと思われますので、スムーズな作業の進行を望んでおります。



相方ひでこ(HH)

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